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【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「とはいえ、身内の死体を処分するなんてごめんです。 極力は誰だってそうでしょう。死体が必要無いなら、 くたばったって誰に手間を掛けさせもしませんよ。 あんた、烏の死骸を見た事がありますか?」 答えはきっと否だろう。 烏同士は目を啄かないが、仲間が屍となれば共食いをする。 死んだ後には、何も残らない。 そうでなければならない。 「まあ、この頃は掃除屋が死体を作る事も少なくはないですが」 「後片付けを適任に回すあんたなら、 そんなもの、余計に見る事は無いでしょうね」 自ら投げ掛けた問いを、乾いた声音が一笑に付した。 そうして徐に停車した先で、喪服姿はあなたが降りた後に続く。 やはり語るほどの事など何も無い死に損ないには、 酒の力を借りなければ話せないような事など、無いけれど。 何だって建前として必要なら、それでいい。 (-240) unforg00 2022/08/11(Thu) 5:53:57 |
コルヴォは、誰かに言った。「身内の死体を処分するなんてごめんです。」 (a21) unforg00 2022/08/11(Thu) 5:55:57 |
【独】 鳥葬 コルヴォ/* 地味〜〜〜〜〜〜〜に墓下差分あんま使わない縛りをしてるせいで 代わりに狼差分をめちゃくちゃ使ってしまっている 墓下差分の打点を高める為なので、いいが…… (-243) unforg00 2022/08/11(Thu) 6:30:03 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>84 レヴィア 「あんたも同じ運命だなんてのは、面白い事もあるもんですね」 また一人、少女に声を掛けようとした軟派男が 皮肉るような言葉を受けて、そそくさと去っていった。 「Ciao. 何か気になるものでも?」 その後に少女に掛ける言葉は、社交辞令だ。 あなたと何か話すべき事があるわけではないし、 もっと言えば仲良くお喋りをするような間柄でもない。 愛想の無い男は返答が無くたって気にしやしないし、 どうあれあなたが静かに装飾品を眺める事の邪魔はしない。 眩しいショーウィンドウには目を向けず、立ち位置は風下に。 ここで足を止めたのは、ただ一服したかっただけだ。 この奇妙な取り合わせは他者からすれば至極声を掛けづらく、 無駄話を好まない互いにとって、恐らく都合が良いというだけの。 (89) unforg00 2022/08/11(Thu) 16:33:47 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>90 レヴィア 「掃除屋にだって、休みの日はあるもんです」 詮無い会話は互いにただ淡々と。 季節外れの黒支度は、いつだって誰かの喪に服している。 静謐な死の気配が重たく染み付いた仕事着ではなくとも。 そして、今に始まった話でもない。 「好きでも嫌いでもありませんね。 人間だって、ただ同じ場所に出入りするだけの人間を 特別好いたり嫌ったりなんかしないでしょう」 こちらもやはり、視線を向けもしないまま。 火を点けたばかりの煙草を一度喫んで、 その後に返る答えは、実に気のないものだった。 「あんたはどうですか」 通り掛かれば、目に留める程度には関心があるのか。 問い返しはすれど、やはり答えには特別期待してもいない。 (91) unforg00 2022/08/11(Thu) 18:08:24 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>92 レヴィア 「さあ。結局は全部、『ゴミ』になりますから」 だから興味がないのかもしれませんね。 至極無益な仮定を、実にどうでもよい事のように言い放った。 何れの黒も、夏のきつい日差しの下には不釣り合いでしかなく。 確かな異質さをもって、けれど存在は主張しないまま。 音も無く白昼に落ちた影のように、静かにそこにある。 「──ああ、いいですね」 音も無く、眇目だけが夕闇色の持ち主の立つ側を見返した。 変わらず淡々と肯定されたのは、 姿を消す猫の最期か、それとも後に続いた問い掛けか。 「必要とあらば、いつでも。 うちはどうにも休日出勤や時間外労働が多くてね…」 突然の仕事が舞い込むのは、いつもの事だ。 悪食の烏は、投げて寄越されたゴミを選り好みはしない。 (93) unforg00 2022/08/11(Thu) 19:09:25 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「ハ、お優しい事だ。寒気がするね」 吐き捨てたのは、わざとらしいほどの嫌悪感。 人様の隠れ家で、情け深く宥め賺すような言葉にそう返すのは 実に命知らずな行いと言って差し支えないだろう。 事実そうだという事は、言うまでもなく。 屋根無き烏は常々言っていた。『生きてる人間の顔なんて覚えていられない。』 「生きてる奴は嫌いだ。俺は誰のガキでもない。 そんな事をするような連中が、 俺より先に全員くたばっている事を願ってやみません」 死に損ないは、女神にも死神にも嫌われている。 故に、いつも連れ攫われて行くのは周りの人間だった。 自分の不運が誰を殺したと驕ってもいないけれど。 「情も、恩義も、忠誠も、名誉も、結局は墓石にしかならない。 くたばった先で手に入るものなんか、それだけです。 あんたの宗教観や思想がどうだかは知った事じゃないが、 俺は俺の死期を取り返すだけだ。他の何も求めちゃいない」 墓石は要らない。何せ刻む名も無いのだから。 情は要らない。何せ返すものも無いのだから。 死のその先などあるはずもない。無宗教者はそれを信じない。 (-268) unforg00 2022/08/11(Thu) 20:07:59 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → デッドヘッド ヴェネリオ「死ぬべき時に死ぬ事もできず、 死んだように生き続ける事ほど、悲惨なものは無い」 そうして死に限りなく近い場所で、 けれど死に切る事は許されないまま生かされている死に損ないだ。 まったくもってその通り、これはとんだ悲劇と言えるのだろう。 けれど観客の居ない劇は劇足り得ない。 「奪われたものを、奪い返すだけですよ」 椅子に背を預け、書類を一瞥して、無関心に視線は逸れる。 仕事の前後に肉を食えないような、碌な感性は残っていない。 厚かましくもワインの名を頂く掃除屋の一人は、 それきり何を言う事も無く、ただ細やかな晩餐に相伴した。 そうして今夜も、知られざるままに死が葬られる。 (-269) unforg00 2022/08/11(Thu) 20:08:47 |
【置】 鳥葬 コルヴォその昔。 ある一羽のカラスがブドウ畑にやってきて、 毎日うるさく鳴く事に、人々は困っていました。 動物と話ができる修道僧が静かにしてくれるよう頼んだところ、 コルヴォの名前を忘れずに大切にするなら 二度と邪魔をしない、と約束しました。 その後にコルヴォと名付けられたワインは今も人々に愛され、 その約束もまた、今なお大切にされているのです。 「何でもうちはそれに肖って、コルヴォ・ロッソの名を頂いたんだそうで」 「なんてのは当然、今作った話ですけど?」 (L1) unforg00 2022/08/11(Thu) 20:11:28 公開: 2022/08/11(Thu) 20:30:00 |
【独】 鳥葬 コルヴォ/* 今回のコラムのコーナ〜〜〜!!! シチリアにこのブドウ畑の烏の話がある事は本当。 掃除屋の名前がそれに由来するのも本当の事。 こいつが捏造したのは、最初からそれに肖ったみたいな言い方した部分だけ。 多分最初は普通に掃除屋をゴミ漁りの烏に喩えた 蔑称混じりの呼び名としてコルヴォって呼ばれてたんだと思う。 そんでまあちょうどいいしそこそこ飲まれてる酒の名前看板にしちまえば 大声で悪くは言えないだろうみたいな感じで、コルヴォ・ロッソに…という話。 (-272) unforg00 2022/08/11(Thu) 20:16:13 |
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