【独】 異国の道化師 マッド・リヒター〜〜〜 [今も未だ、ベンチで待ち続けるジゼル。 "星の飾り"を胸に当て、祈っている。 ガーネットの赤い光がチラチラと見える。 祈りを捧ぐ貴女は、どんな宝石よりも美しい。] [で……、如何にして声を掛けるか? 勿論、顔は隣から消える直前の20代をモデルとした若さに合わせている。礼服の色も直した。問題は無いだろうか……。] ー 声を掛けよう。息を整えてから。 [そう彼が深く息を吸うと、どんな直感が働いたのか、彼女が、此方をフッと見る。目を合わせる。舞台裏を偶然子供が見てしまったのかの様な。気まずさ。そのまま息を飲み込む。] た、ただいま。ジゼル、無事でしたよ。 [そう言って誤魔化し笑いをするマシュー。 ジゼルは、小走りでマシューに近づく……。 そして、直前で止まる。] お帰りなさい! [その声の大きさたるや、彼女も信じられ無かったのか。口元に星の飾りを持ったままの手を当てて目を見開く。] ……ぷっ。 [そう吹き出す様に笑ったのは、2人同時であった。 こんなに笑える様になるなんて、一昨日には思いもしていなかった。此れが、タナバタの御利益なのかもしれない。その後2人は手を繋ぎ、笑い合いながら帰路に着いた。満点の星空と、ガーネットの"星の飾り"に見守られながら……。] 〜 マッド・リヒター&ジゼル ストーリー 完 〜 (-122) 73u 2020/05/18(Mon) 23:59:48 |
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