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![]() | 【秘】 渡りに船 ロメオ → コピーキャット ペネロペ「……センパイ」 じろり、と細められた視線が貴方を見下ろした。 元よりあまり変わらない表情ではあるが、 眉根に寄った皴がその不機嫌を物語っている。 「別に考えナシに飛び出そうって気はありませんよ。 それで掴まりゃただの間抜けだ」 「ボスが来るまでいい子に留守番してりゃいいんですもんね。 それが最善なら、オレはそうします」 「あんたがそう言うなら、オレはその通りに」 「何かあったら言ってくださいよ。 オレは何でもやるんで」 忠義がある。物分かりも良い。 目上には背かず与えられた仕事は必ず果たす。 ロメオのこのファミリーでの在り方はそうだった。 体の良い道具。丈夫な忠犬。 この混乱の最中もそう在ろうとすることに変わりはない。 それがロメオの「いつも通り」だ。 「……あんたも根詰めすぎないでくださいね。 酒ならいつでも買ってきますよ」 マジでお疲れさまです、とそんな労りを添えた。 (-164) susuya 2023/09/18(Mon) 11:55:36 |
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![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ「考えがありゃいつでも飛び出して行けるってわけだ」 軽口半分、それがこの猫被りのいつも通り。 自分が一言行けと言えばあなたは行くのだろう。 それが最善だと判断したなら。 聞き分けの良い犬は好きだ。 それを使い捨ての走狗にするのは好まない。 この猫被りはそういう人間だった。 「ま、何かありゃ お手伝い に奔走してもらう事になるだろう。部下に有事の引き継ぎなんかは任せてるだろうが、 アレさんが居なくなった分 情報もブツも確実に滞り出すだろうしな」 そして、それらの隠蔽も。 ヴィットーレちゃんの部下の面倒も見なきゃならねえ、 人気者は困るな、そう呟いて大袈裟に溜息を吐いて見せた。 まだ元気らしい。今のところは。 「酔っ払ってられる暇がありゃいいなあ、お互い」 労りにはどーも、と返し。 引き留めなければ、また大股で何処かへ向かうだろう。 (-204) unforg00 2023/09/18(Mon) 19:09:12 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ助手席に向かって扉を開けた。 今なら後部座席で寢れてしまう気がしたから。どつかれる。 「どっか、……」 そう問われて思わず第二のアジトの場所を告げそうになって黙り込んだ。 気が緩みすぎている、否、今この空間と貴方のことは信じられると男の中で確定づいたからだ。 それも、ほんの少しの間だけ。 この事件の裏切り者ではないというだけだが。 「……死にたいときってどうやって人は死なんようにしとるんだ」 怒りや喪失感はどうにか抑えてきたが、後悔や失敗を清算する方法がいまいち良いものが思いつかないと。 (-217) toumi_ 2023/09/18(Mon) 20:51:42 |
![]() | 【秘】 渡りに船 ロメオ → コピーキャット ペネロペ「どーでしょう。オレに考えが浮かぶ脳があればの話す」 口を片方だけ吊り上げて不器用に笑った。 自己判断で勝手に動けば痛い目を見る、と思っている。 自分の不出来な頭を信じてはいない故の考えだ。 下手は打ちたくない。一番確実な方法を。 ……それこそそれを思いつく事があった時、 その言葉の通りに飛び出して行くのかもしれない。 「そん時は、喜んで。大抵の事はやらせてもらいますよ。 出来るんで」 色々な手伝いをする度に学びがある。 仕事の種類、手段、方法……それを記憶している。 身軽さと器用さの所以はそれだった。 上を失えば下が惑う。 それを治めるのは簡単な事じゃないだろう。 そればかりは自分から手伝えないから、 ロメオは労わる事しか今は出来ない。 「本当に。ま、乗り越えましょう」 あんたは捕まんないでくださいね、なんて当たり前の事。 忙しい貴方を引き留めるのも気が引ける。 その場はそのまま、その背中を見送った。 (-219) susuya 2023/09/18(Mon) 20:53:33 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「さてなあ、死にたくなった事が無いからな」 エンジンを掛け、シフトレバーを引く。 足をアクセルに掛け、ゆっくりと景色は動き出す。 特に目的地も無いのであれば、本当にただのドライブとして。 あなたの見立て通り、 ペネロペ・ベリーニを名乗る男はファミリーを裏切らない。 多少気を抜いた所でこいつ気抜けてんなと思われるだけだ。 寝ていれば叩き起こされるはめになるだろうが。 「生きてないとできねえ事でも考えてみたらどうだ。 アレさんの横っ面張り倒すのは生きてねえとできんぞ」 すっかり昔のようにしょぼくれた様子を見て、 これはマジだな、と内心思うなどしつつ。 随分機嫌を崩していた事から名前が挙がるのはその人だ。 とはいえさて、それで後悔や失敗が清算できるかと言えば。 「手前さえ生きてりゃ手前の可愛い部下が路頭に迷いもしない。 俺に任すだとか甘えた事は抜かすなよ、最悪の場合だけにしろ」 「死ぬ度胸があんなら何だってできるだろ。 死ねばそこまでだ。死ぬならもう何もしたくねえ時にしときな」 結局の所、繋ぎ止めるものは自分で探すほかない。 同期とはいえ他者にできる事はそれらしきものを挙げるくらいだ。 (-234) unforg00 2023/09/18(Mon) 21:43:11 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ「なんかやらかす気になったら言えよ」 場合によっちゃ一枚噛んでやろうじゃねえの。 そんな言葉を付け足して、 見送るあなたを振り返りはせず、背中越しに手を振った。 (-256) unforg00 2023/09/18(Mon) 23:08:34 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……何もしたくない」 死にたいではない、根底にある怠惰がまろびでてくる。 それが許されるようなら人間はまともに生きていけない。 だから何もしない人間は死んだほうがマシなのだと言う。 「イレネオが人を選ばない無法者だってアレにいった……。 その直後にこれだ、……知り合いだったのかあ? 本当に何しに行ったんだ……その上自分も捕まるだとか」 知っていたら言わなかっただろうか、とか。今更だが。 「部下は……だから俺に部下はいらんと……。 余所にやれんなあ……早く昇級させるかあフィオレあたりは教養をつければすぐにソルジャーまでなれるだろお」 いつまで経ってもメイドマンにならないのは警察と関わってる噂を自分で流しているから。年功序列なんて関係ない縦社会にちょうど良すぎる。 「……ペネロペ、ダヴィードはお前から見てどうだ。今回の件」 最期のこれだけは声色がはっきりと戻った。真面目に聞いているらしい。 (-267) toumi_ 2023/09/19(Tue) 0:28:09 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「おう、相当重症だな」 以前のそれは、時間が解決してくれたのだろうが。 今は状況が違う。そんな悠長な事は言っていられない。 何もしない事も死ぬ事も、 選ぶにはあなたの手の中にあるものは多すぎる。 「さあ。あの人の所には当然情報も集まるからな。 自分で探し出したのかもしれん。 過ぎた事は本人にでも聞かねえ限りはわからん事だが」 裏の物流を取り仕切る元締めの元には情報も集まる。 至極自然な流れと言えるだろう。 「ただ、イレネオの野郎が槍玉に挙げられたのは…… A.C.Aつったか。どうも連中の目論見通りだったらしい 勧善懲悪が過ぎて身内からも睨まれるとはな」 そこに属しているのが警察ばかりと限った話でもないのだが。 全部は教えてくれないのが夢の不便な所だな、と溜息ひとつ。 (-273) unforg00 2023/09/19(Tue) 1:04:01 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「……ダヴィードか」 挙げられた名前には、苦々しい声で。 まだ年若いアソシエーテ。 子どもの頃からこちら側に身を置いているとはいえ、 我が身可愛さに身内を売ってもおかしくはない立ち位置。 「俺ぁ昨日あいつに言ったよ。 『尻尾巻いて足抜けするなら今のうちだ』ってな」 「そしたらあいつ、自分の命は俺とアレさんのものだってよ。 身内の贔屓目が無いとは言わないが…… 素面であんな馬鹿な事言える奴が裏切者だとしたら、 あいつは俺以上の演技派だな」 もう一度、溜息。 「A.C.Aの主導連中は俺にもわからん。ちっともだ。 何せあいつら殆ど名前も声も出しやがらねえ。 ディスプレイでのやり取りだから覗き見はできたが… 文面にも個性がねえ。徹底してんな、まったく…」 (-275) unforg00 2023/09/19(Tue) 1:06:19 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ「ヴィットーレちゃん管轄の仕事は一部こっちでも引き受ける! さっさと片付けなきゃならんものは持って来い!」 「例の件の隠蔽は終わったか?そりゃ結構! 終わったんなら休んで次に備えとけ!」 「ああその件に関しては幹部様がたから今連絡が来た! 『今は置いておけ』だそうだ!連絡・周知しとけ!」 「ビビって身内売りかねない輩は舌ァ引っこ抜いとけ! 見付けたらでいい、探そうとはするな!始末もだ! 後片付けが面倒だ!」 「俺ぁ夜は居ねえぞ!要件があるなら今言いな!」 暫しの休憩を終えれば激務が待っている。 次から次へと舞い込む報告を仕事用の端末片手にいなしつつ、 上との連携を忘れずに。この男はきっと夜までそうしていた。 #アジト (G22) unforg00 2023/09/19(Tue) 18:46:26 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ「Imbecile!」 補佐はしているため引っ叩かれはしなかった。 引っ叩かれる代わりに口汚いスラングが出た。 表の顔しか知らない者からすれば卒倒ものだろう。きっと。 「暇ならそのクマ公の台詞でも増やしておくんだな!」 #アジト (G24) unforg00 2023/09/19(Tue) 19:02:00 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ「そりゃ結構!もっと仕込みしてますよって顔してりゃ 俺だって褒めてやらんことも無いんだがな!」 テディベアを盾にしても声は届くのでバリア無効だ。 そして仕込みをする人間は往々にしてそんな顔はしないし、 この男に褒められたいかもまた別の問題である。 #アジト (G26) unforg00 2023/09/19(Tue) 19:14:27 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ (G28) unforg00 2023/09/19(Tue) 19:25:42 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ「手前がお上に話を通すなら考えんでもない」 つまり、却下。 しかしうっかり通ってしまえばアジトはクラブと化すだろう…… 「親機ってなら子機もあんのか。 順調だそうで何よりだ。」 「あーはい承認承認…」 #アジト (G30) unforg00 2023/09/19(Tue) 19:38:37 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「そうかい、ダヴィードが掌を返してお前らの為に気が変わらないってなら。 俺から見たこちら側の黒は――ヴィットーレだけだ」 残りのマフィアは白だと、他人を信用しきれない人間は言い切った。 わざわざ名前を出すのも彼だけだ。残りは無条件かそれなりに。 「……連中はマフィアをねらってるだけじゃなかったんだったか。 そこそこ……絞れはしてるんだがな」 これも、全て勘だ。警察の知り合いが多すぎる男はある程度の人柄をその目と耳で聞きに行っている。 だから嫌でもわかってしまう、眼の前の人間が自分にどれだけ心を開いているかも。 「遺言でも置いといてやろうかあ……? そうだなー……。 まー、予想があたってんなら。 明日にその主導がひとりは飛ばされるんじゃねえかな。 ……ここまで来たら一部隊解体させてやるからな本気で……」 そいつは俺の顔見知りで、彼自身の幼馴染のことで心を痛めていたはずの男だったか。 死んだ魚のような目をしながらやる気のなさそうな声で殺る気のありそうなことを呟いている。 (-434) toumi_ 2023/09/19(Tue) 19:40:05 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ (G32) unforg00 2023/09/19(Tue) 19:46:27 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ (G34) unforg00 2023/09/19(Tue) 19:56:20 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ「褒めろと言われたから褒めてやっただけだが? なんで俺が誤報に沿わなきゃいけないんだよ 何もかも手前が始めたんだろ手前が」 不毛な責任の押し付け合いが始まった。 なおこの間も仕事用の端末でのやり取りは続いている。 無駄に器用な。 #アジト (G36) unforg00 2023/09/19(Tue) 20:05:54 |
![]() | 【神】 コピーキャット ペネロペ (G38) unforg00 2023/09/19(Tue) 20:26:49 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「……あいつの親は、サツの撃った流れ弾で死んだ。 その後も引き取られた先で散々な扱いを受けて、 保護者がアレさん達にシメられて漸くこっちに転がり込んだ」 彼の面倒をこの男が見る事になった経緯には、 この男の父も関わっている。 だから父伝いに、或いは自分で、それらを知る事は容易にできる。 彼がマフィアに恩義を感じている事も。 「あいつももう自分で考えて動ける歳だ。 ある程度は…手前の親がどうして死んだのかだって。 調べる事だってできるだろう。」 「知っているとしたら、少なくとも身内は売らねえだろうよ」 少なくとも、自らの意思では。 それが彼が裏切者ではないと判断できるもう一つの理由。 (-449) unforg00 2023/09/19(Tue) 20:50:54 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「…ヴィットーレちゃんか」 その名前はまさに今日姿を消した人物のものだった。 そこに何の思惑があったかは、今は推し測る事もできない。 「俺から見ても連中から名前の出た手前らと ロメオ、フィオレは『違う』な。他はグレーだが…… 俺としちゃ遺言よか生きて働いて欲しいもんだがね」 「おう、その意気で気張れよ。 ボスが戻ってくる前に連中解体して機能不全にしてやれ」 無理難題を言う。 とはいえ現状こちらに取れる手段と言えば持久戦かのどちらかだ。 ある程度的が絞れている現状、それも多少は現実的だろう。 (-450) unforg00 2023/09/19(Tue) 20:51:47 |
![]() | 【独】 コピーキャット ペネロペ/* 盆栽る^〜 というか今日も特に予告は来てないって事は ほぼ明日も健在なんだろうな まだまだ働きます (-453) unforg00 2023/09/19(Tue) 21:01:31 |
![]() | 【教】 コピーキャット ペネロペ「んあ、いやルチアーノだよ。愛称。 猫か酒場ねえ……ま、間違いではないわな」 「俺達が向こうの立場でもそうしただろ。 念には念を入れて損は無いってね どうしても後手に回らざるを得ないのもままならん所だ」 カクテルがテーブルに置かれれば、 遠慮なく一口、グラスを傾けて。 「有能だと思われれば単純に仕事が増えるしな。 そう思われて良い事なんて少ねえよ」 少なくとも、周囲の信頼は得られるのだろうが。 それと同時に厄介事も舞い込む事になるだろう。 それをこの男は厭っている。 (/9) unforg00 2023/09/19(Tue) 21:19:22 |
![]() | 【人】 コピーキャット ペネロペ「──お待たせしました、ビーフシチューですっ」 #バー:アマラント は今夜もいつも通り。 雨時々曇り、生憎の空模様ではあるけれど。 実はマスターの得意料理はシチューだったり、 なんて耳打ちする店員もいつもと変わりない。 「空いたお皿、お下げしますねっ」 #バー:アマラント (26) unforg00 2023/09/19(Tue) 21:44:07 |
![]() | 【教】 コピーキャット ペネロペ「あいつ、顔が広いからな。人気者の宿命ってやつかね」 盗み見た話では耳聡い者から順番に、と。 名前と長所が知れ渡っているという事は弱点にもなり得る。 凡庸である事のメリットもまた、そこにあるのだろう。 「あんたにとって敵でいいのか?穏健派だしまあいいのか。 ま、強引且つ唐突に施行された法案とはいえ 流石に優秀な奴が集められてるだろうしな」 「まあ実働部隊ともなれば色々恨みも買うだろう。 そのうち尻尾は出てくるだろうさ」 (/11) unforg00 2023/09/19(Tue) 23:42:43 |
![]() | 【教】 コピーキャット ペネロペ「法案に賛同したか、単に仕事としてやっているか、 何らかの取引、弱みを握られたか……思惑はそれぞれだろうな」 「間違いないのは例の法案が街を荒らしてるって事だ。 マフィア、警察、一般市民を問わずな」 誰彼構わず向けられる矛先は街の日常を壊していく。 それは誰にとっても本意ではなかったはずだ。 少なくとも、件の法案に賛同した者以外にとっては。 「この夢も予知夢までは見せちゃくれないらしいな。 ま……急いても事は動かない。次を待とうじゃねえの」 夢の景色は移り変わっては薄れ、消えていく。 そして、そのうちにまた、目が覚める。 (/13) unforg00 2023/09/20(Wed) 0:24:00 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……なるほどなあ、だからあんなに可愛がられてんのか」 自分が黒眼鏡の管轄から離れたあと、面倒を見られている子供がいる噂は聞いていた。 ペネロペの家族まで関わっているのは詳しく知らなかったが、見ていれば懐いているのもわかる。 経緯を知れば万が一もなさそうだと納得した。 それはそうと、一度顔を見ないと信用はしないが一瞬で終わるだろうとも思った。 男は後で結局そんなアソシエーテの一人をビビらすことになる。 (-544) toumi_ 2023/09/20(Wed) 6:16:26 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「死ぬ気はないさ、死んでもいいだけだ」 あまり変わらないだろうが大事なニュアンスであることを此処の連中は知っているだろう。 だが誰かに命を捧げるという言い方は敢えて誰にも言っていない。 しばらく静かな時間が車内に流れる。 男は昔の話が出たついでにいつかの頃の自分を思い出していた。 黒眼鏡の上司の突然の事件のあと、新しい上司に変わって暮らしも見える景色も何もかもが入れ替えられたような感覚に陥って。 「っ、……ぁ……?」 息苦しい、そんな感覚に陥れば自分の胸元を押さえて息を整える。 最近になって起こるようになったそれは、何故か過去のいなくなった上司の顔を思い起こさせる。 昔はただただ 大切な人間 を失った寂しさや辛さがこの発作を起こすのだと思っていた、周りにもそう見えていたはずだ。それは、今のルチアーノにとってそれはおかしいことであった。 「なん、で」 何故ならあの姿を思い出す暇なんて無い程、この時間や皆との暮らしで自分は十分満たされている。 ましてや今の今で誰かをぶち殺したい感情には目覚めど、昔の誰かで悲しむ隙も情もない。 「すまん、車停めて少し休ませてくれるかぁ。 5分でいい。……信じられんと思うが 頭の中 がおかしくなってきた」「? ペネロペ……俺、大分お前らのこと好きだよなあ」 あの頃と最近に起きた突然の奇行の発作、無心に猫を拾って来ていたのは誰かの真似事。 だが今となっては好きでもないことをさせられていたようにも思えた。 (-548) toumi_ 2023/09/20(Wed) 6:48:53 |
![]() | 【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「ま、覚悟が決まってんのは良い事だな」 死ぬ気は無いが、万が一の際死ぬ覚悟は決まっている。 そういった人間は、こちら側の世界には少なくないだろう。 この男も例外ではなく。 「おう」 短い返答の後、車は静かに路肩に停められ、一時停止。 「何だ急に。俺はお前じゃないからわからんが。 まあ……それなりに情はあるんじゃねえの。 あんな法案にしっちゃかめっちゃかにされて荒れる程度には。 少なくとも俺は軽口叩き合える程度の仲だと思ってるが」 「お前も所属して長いしな。 俺にとってファミリーがもう一つの家であるように、 お前にとってもそうなんじゃねえの」 知らねえけど、と無責任に付け足される。 それが合っているのか間違っているのかは、 あなたにしかわからない事だ。 けれど、合っているか間違っているかのどちらかはわかるだろう。 (-570) unforg00 2023/09/20(Wed) 10:51:49 |
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