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【秘】 7734 迷彩 リョウ → 1117 闇谷 暁【週刊新世界】[現代異能倫理] (中略) 迷彩母子のケースも類似している。 被告の息子は世界的に見ても希な異能、又は障害だ。 息子(Aとする)は骨と皮膚を持たずに生まれたことが、●●クリニック院長S氏の遺書にて明らかとなっている。 S氏は内臓だけで生まれたAを、死産により命を絶った赤子の中へ入れた。 もしもこの時S氏が何も処置していなければ、Aは間違いなく絶命していただろう。 これを生まれてすぐに死ぬべきであった淘汰と見做すか、医療行為とするか。 どちらにせよ、S氏の処置を否定する倫理は存在していないと同じ医者として私は考える。 (中略) 彼ら親子はこうしてこの世で出会ったわけであるが、彼らの人生は大よそ差別と貧困に満ちていたと推測する。 人工皮膚の移植、人工骨の生成、人工筋肉の移植。それらを成長する度に行えば、当然費用は嵩むだろう。 行政の支援が得られないのならば、自ずと手段は限られてくる。 彼らに人道から外れるなと諭すことは簡単だ。 では、彼らの生存権はどうやって保障されるのだろうか。 社会保障の限界は、もう訪れている。 (-128) wazakideath 2021/09/25(Sat) 14:35:20 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 1117 闇谷 暁(中略) 科学の進歩により異能と障害の区別は概ね可能になったが、境界線というものは必ず存在する。 知的ボーダーという言葉が未だ存在するように、区別をする以上、境界線は続いていくのだ。 使用者及び被使用者に有益な能力を異能とする風潮は、これを後押ししているだろう。 我々には、自身の異能を制御する義務がある。その制御が難しい場合の社会保障は我が国にも存在する。 では保障が無く、自身や家族の協力のみで制御が難しい場合でも、この義務は全うすべきか。 当然保障が実現するならば、全て解決する。 しかしただでさえ圧迫している国家予算の中から、研究費用、及び保障費用を捻出するのは、あまりにも空想的であると言わざるを得ない。 (中略) 異能進化説 (注釈:異能は人間の進化であるという説) がある。もしこれが正しいとすれば、彼らは淘汰されるべきなのだろうか。 それとも我々は、机上の空論の実現を目指すべきなのだろうか。 (-129) wazakideath 2021/09/25(Sat) 14:40:08 |
【墓】 1117 闇谷 暁少年院、図書室。 調べ物をしようとすれば、多数の人間は必然的にここへ足が向くだろう。 くるくる背表紙を見回して、 異能について優しく説明された本から、料理の入門レシピ本、果ては医学書まで。 いくつかめぼしいものを手に取り両腕に抱える。 腰に鈍い痛みが走れば、僅かに眉を顰めながら。 ……この重さ、紙の匂い。 電子書籍には無いもの全てが、好ましい。 椅子を引き、すとんと座る。 集めた本を机に置けば、ぱらぱら適当に読んだり、食い付いて瞳を細めたり。 その内容によっては検閲され、一部だけ見えない部分もあった。 それを暫く続けて、は、と息を吐く。 皺の寄る眉間をぐりぐり押した。 気分転換に、と近くの棚の雑誌を手に取れば、 それは先月の日付を刻んだ週刊誌だった。 (ソロール1/2) (+44) osatou 2021/09/25(Sat) 15:52:17 |
【墓】 1117 闇谷 暁最初は、流し読み。 昼のニュース番組でよく見た司会者や、あまり知らない評論家の偏った意見。マスメディアらしいと言えば、そう。 他と比べれば読めない部分が多い 自分とは関係ない世界の書物をだらだらと読み、その内容の殆どはするりとすぐに抜けて行く。 ……が。 ふと、見慣れた名がひとつ目に入れば 作業的に動かしていた手を止め、表紙に戻り、最初から隅々まで読み込み始める。 ……… …… 一冊を読み終われば、 バックナンバーを探す為に図書室内を走り回った。 そうして時間が経ち、 先月の週刊誌ただ一冊だけを手にして、退室。ドアを閉めれば、そこには再び静寂──書物達の楽園が、戻った。 (ソロール2/2) (+45) osatou 2021/09/25(Sat) 15:52:57 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁貴方の端末に一つの連絡が届く。 『暁。体の調子はどうだ? 腰などは痛くないだろうか。他に変わった様子はないか?』 短くまとまった文字の羅列。ただそれだけが、貴方の端末に納まっている。 (-139) もちぱい 2021/09/25(Sat) 17:42:51 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志『元気』 簡素な文字列。 メッセージアプリの返信が素朴なタイプの人だ。 きっとスタンプとか買った事がない。 少しだけ間を置いて、もう一件。 『どこに居る』 (-142) osatou 2021/09/25(Sat) 19:15:22 |
闇谷 暁は、首を傾げた。 (c25) osatou 2021/09/25(Sat) 19:16:08 |
闇谷 暁は、貴戸 高志の姿を探している。 (c26) osatou 2021/09/25(Sat) 19:16:44 |
【独】 1117 闇谷 暁───端末に、連絡が入る。 見落としそうなくらい小さな音だった。 読んでいた雑誌を置いて、画面へ視線を落とす。 それはルームメイトからだ。労うような内容。 休めと言われたのだし きっと動き回っている事で彼に心配を掛けているのだろう。 一先ずは『元気』と返事を打って、送信。 自室へ戻ろう。 雑誌を手に、廊下を歩き出す。 (1/2) (-143) osatou 2021/09/25(Sat) 19:34:14 |
【独】 1117 闇谷 暁廊下を歩く道すがら、小さな胸騒ぎ。 ─────何故端末で連絡を? 彼なら、何処にいても自分を見つけ出して、 心配をしつつも傍に来て、柔らかく笑って…… そもそもこれは、端末で連絡してくるような内容か? とにかく、そう、先に行動するような男の筈だ。 自室に辿り着く。 ドアを開く。 図書室よりも静かだ。 何かあったのか? それとも、ただの考え過ぎなのか? もう一度端末を手に取り、雑誌を部屋に放り投げて、 既にその足は施設中を、走り回っていた。 (2/2) (-144) osatou 2021/09/25(Sat) 19:40:46 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁一歩も動けなくなるような効果じゃない。頭だって回るし、体も十分動かせる。 それでも外気に触れる肌から異常なほどにくすぐったさが齎されるし、煩わしい倦怠感が熱となって全身を這い回る。 トイレの個室に座り込む己の行儀の悪さを許してしまう程には弱っていた。半端に意識がはっきりしているものだから、自己嫌悪のちくちくとした痛みが胸を刺す。 個室の扉にもたれかかるのが気持ちいい。無機質な冷たさを甘受しようと背を弓なりにしならせれば藤色の髪が乱暴に擦れる音が水場に響いた。 その中に混じる電子音。 差出人の名前を見る。──闇谷暁。 たったその三文字だけで、暴力的な熱とは異なるやわらかな温もりが胸に広がった。吐息だけの笑みが溢れる。 特定の文字が三つ並んだだけなのに、どうしてこんなに心が揺れ動くのか。どうしてこんなにも相手が好きで仕方ないのに、今まで気付くことがなかったのか。不思議でたまらない。 返信を打つ。大して長くもない文章であるはずなのに、それにしては時間がかかってしまってたまらなくもどかしかった。 ▽ (-145) もちぱい 2021/09/25(Sat) 19:55:05 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁『元気そうなら良かった。 俺は散歩中だ。しばらくしたら部屋に戻るから、気にするな』 場合によってはスタンプを使用することもあるが、こちらも基本的には淡白な文章をしている。 ただ、今回に限って言えばこの程度の文章量であるにも拘らず返ってくるまでにやや時間がかかっていた事に気がつくかもしれない。連絡を送ってきたのはこちらの筈なのに。散歩中だったとしても、だ。 (-146) もちぱい 2021/09/25(Sat) 19:55:18 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志『俺は』 『どこだって聞いてる』 貴方が返事をして、すぐ。 そんなメッセージが届くだろう。 それは殆ど、探偵の勘のようなものだった。 (-147) osatou 2021/09/25(Sat) 20:03:28 |
【独】 1117 闇谷 暁───今度はやけにはっきりと、音が鳴って聴こえた。 散歩中だと。 散歩中にメッセージを送るか? いや送るのかもしれない。 気が向いただけかもしれない。 たまたまそんな気分の日だったのかもしれない。 それでも、 ……それでも! 不安だ。 この感情を一刻も早くどうにかしたい。 考え過ぎだと笑ってくれ。 しつこいと怒ってくれ。 くだらないと嘲笑ってくれ。 何も無いなら、それで良いのだから! 駆け出す、 その足が止まる事は、無かった。 (-148) osatou 2021/09/25(Sat) 20:08:39 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁長いようで短い、そんな空白を置いたあと。 『部屋から一番遠い手洗い場』 たったそれだけの返信が貴方の端末に届くだろう。 (-150) もちぱい 2021/09/25(Sat) 20:19:33 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志貴方が返事を送った後。 少し時間をおいて、忙しない足音が聞こえてきて 蹴破るように扉を開ける音がして、荒い呼吸が耳に入るだろう。 個室の扉を、控えめに叩く。 「……ッ、おま、え…… 随分変わった散歩を、するんだなあ……?」 皮肉を言えば、深く深呼吸。 「流石に、鍵壊せねえ、からッ、 何だ、落ち着いたら、開けろよ…………………、」 (-152) osatou 2021/09/25(Sat) 20:27:56 |
闇谷 暁は、バァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (c27) osatou 2021/09/25(Sat) 20:28:05 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「…………暁」 僅かに昂っただけだ。 どうして来た。 ああ、来てくれた。 「……どうして」 曖昧な問いかけ。 扉の向こうから聞こえる声はいやに落ち着いている。 否、そうであろうとしているのだ。上手く出来ているかは分からないけれど。 心配をかけてはならない。自分の異変は些細なものだ、だから大丈夫。 (-153) もちぱい 2021/09/25(Sat) 20:38:48 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志息を吐く、深く吸う。 薄い扉越しの会話。 扉の向こうの貴方は、一体どんな表情だろうか。 嫌がる素振りは無いから、あながち気の所為でも無かっただろうか。 「……何となく? 好きな奴の顔見るのに、理由いるのか。 必要なら、後で考えとく。」 未だに開かぬ個室の扉へ背を預け ずるずると座り込んだ。 (-155) osatou 2021/09/25(Sat) 20:46:54 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁ああ、またこの感覚だ。 たまらなく嬉しいのに、たまらなく苦しい。 「好き」という感情がこんなにも複雑な形をしているなんて思わなかった。 たまらず首を少しだけ動かして、後ろを見ようとする。けれど見慣れたフードを被る貴方の姿なんて見える筈もなく。あれだけ気持ちがいいと寄りかかっていた扉が今となってはあまりに煩わしかった。 薄い扉一枚隔てた先にいる貴方。 近くて遠いような距離感に、もどかしさだけが募っていく。 「……顔なら、部屋に戻っても見せられるだろう。暁、暁………………」 媚薬の影響はさほど受けていない筈だ。 それなのに、どうしてこんなに体が熱を帯びているのか。 貴方の声こそが、貴方の存在こそが。 自分にとって、きっと一番のクスリなのだろう。 だから、ああ、我慢していたのに。 声がこぼれる。想いがあふれる。 「………………ふれたい」 自分で自分を──抑えられない! (-157) もちぱい 2021/09/25(Sat) 21:11:24 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志扉を見上げた。 個室と付く以上、それなりに高い。 手は……届かなさそうだ。 「……そうだけど。」 壁も厚い。蹴破れる訳がない。 周囲を見渡す。 個室の近くに手洗い場が目に入った。 ……いけるか? 「何か胸騒ぎがしたんだよ、 あー……自意識過剰とでも、何でも言って良いんだけど、」 立ち上がる。 靴を脱ぐべきか迷って、結局そのままシンクへ足を掛けて、階段のように登る。 この高さからなら、きっと。 「貴戸が俺を心配して、探しに来ない訳がないだろ、 ……っと! 」足へ力を込めて、壁の上部へ飛び付いた。 バン!!!と大きな音が、振動が起こる。 → (-164) osatou 2021/09/25(Sat) 22:01:11 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志ぐっと息を飲み、自重を腕で持ち上げ、腰痛すら無視してよじ登れば 仕切られた個室の内部が見下ろせる。 後は便座の蓋目掛けて飛び降りれば 貴方が座り込む個室への侵入が叶う。 ばき、と破損音がするかもしれないが、今はそんな事どうでも良い。 そうして、すとん、と、貴方の目の前に降り立てば 達成感から、深めの溜め息。 「……お待たせ」 初めてこんな無茶をした。 腰は鈍痛を訴えるし、衝撃のせいか足はびりびりする。 手を、差し出す。 貴方はこれを取っても振り払っても良いだろう。 (-165) osatou 2021/09/25(Sat) 22:01:45 |
闇谷 暁は、バァン!!!!!!!!!!!!!!!!バキッ…… (c37) osatou 2021/09/25(Sat) 22:06:32 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁物音がする。 「……暁?一体何を」 貴方の話も気になるが、ただ話をするだけにしてはやけに騒がしい扉の外にばかり意識が向いてしまう。 空気を震わせんばかりの衝撃音。実際、扉に寄りかかっていたものだからその振動はこちらの背中へも伝わってくる。 「……あっ、暁!待て、お前は今、体、が…………」 普段ろくに表情を変えない少年が大きく目を見開いて上部を仰ぎ見る。そしてその視線は、飛び降りる貴方と一緒に地へと落ちた。 見慣れた青。見慣れた紫。 恋焦がれていた人が、目の前にいる。 「…………ぁ」 ▽ (-166) もちぱい 2021/09/25(Sat) 22:32:11 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁貴方の手を振り払う選択肢など存在するだろうか? 震えながらも手を伸ばし、求めていたものを掴んだならば。力の限り自分側へと引っ張るだろう。 貴方を受け止めて、両腕を回して抱きしめる。頭を揺らして何度も何度も貴方に擦り寄った。 「お前、体まだ辛い筈なのに、だから……、休んでいてほしかったのに、だから、ここでやり過ごそうとしていたのに……お前には、安静にしていてほしくて……っ」 声色に必死さが滲む。胸が痛い。胸が苦しい。 これ以上距離が縮むことなんてない筈なのに、それでもひたすらにぎゅうぎゅうと抱きしめる。 足りない、足りない、こんなものじゃ全然足りない。 貴方が欲しくてたまらない。 「すきだ、暁……すきだ、すまない、すまない…………」 「すき」と「すまない」を繰り返し続ける。 「だめだ」、「いけない」を交互に口にした、貴方が想いを伝えてくれた日の様子と似ている。 あの日と決定的に違うのは、どれほど罪悪感が胸を締め上げても貴方からは離れようとしない点だ。 欲求を邪魔する自分の理性は、熱によって輪郭さえも見当たらない。 ただ自分の腹の底から湧く想いのままに、貴方を求め続けている。 (-167) もちぱい 2021/09/25(Sat) 22:32:39 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志わ、と小さく声を漏らす。 壁一枚の距離すら、 鍵を開ける時間すら惜しくて体が動いたけれど 余計な事をしただろうか、と。 擦り寄る貴方の頭へ手を伸ばし、髪を弄ぶように撫でる。 「あのな、そこまでヤワな体してないからな。 貴戸に何か我慢させるよりは、ずっと良い。 ……やり過ごすって何だよ。」 また何か、一人で背負い込んでいるのだろうか。 だとしたら、来て良かった。 「……放っておけないだろ。 俺はずっと前から お前の事見てたんだから。」 様子がおかしい事ぐらい分かる、と 抱擁に応えるように、 此方も腕を伸ばし、抱きしめる。 「……良いよ、 好きにしろって言ってるだろ。どうしたい?」 (-171) osatou 2021/09/26(Sun) 1:10:59 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……また、媚薬のようなものを……口にしてしまったみたいで…………、でも、鎮めるのにお前の手間をかけさせたく、なくて……」 自身の髪に触れられるたびに、抱きしめられるたびに、言い表し難い温かさが胸から湧いて全身へと巡っていく。 ……そして、甘い幸福感とは程遠い、どろりと重たい情欲も。 貴方に触れたい。貴方と繋がりたい。 大好きな貴方を感じながら、貴方で体をいっぱいにしたい。 余計な感情が入る隙間もないくらい、貴方と気持ちよくなりたい。 「暁、あかつき」 泣きたくなるような必死さを滲ませていた声が変質する。 媚毒に侵された少年はかすかに頭を揺らす。 フードの奥。髪の下。重なるベールをかき分けて、辿り着くは貴方の耳。 「……お前は何もしなくていい。俺が動くから。 だから、だから──」 柔らかくキスを落としたかと思えば、かつて貴方が与えてくれたような甘噛みにも似た戯れを耳朶に行ってみせる。 少年なりの精一杯の誘いだった。落ち着きも冷静さもかなぐり捨てて、たどたどしくも貴方を求める。 「──お前がほしい。お前の熱で、抱かれたい」 最後に一つ、そっと囁く。 (-173) もちぱい 2021/09/26(Sun) 1:44:28 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志貴方が言葉を紡ぐのを、相槌を打ちながら聞き入れる。 自分に向く感情の、どれをも否定しない。したくない。 「……こ、高志。」 貴方の縋るような声色は、次第に熱を灯すような艶っぽいものへと変わっていき 耳を弄ばれれば、ずくんと体の芯が疼く。 「んっ、………うん、」 想い人にここまで求められて、なんとも思わない人間は居ないだろう。 何よりそれが、長い片思いが実ったものならば。尚更。 「………がんばる。 俺で………俺と、気持ち良くなって、……欲しい。」 出来ることはしたい。 全部任せ切りは嫌だ。これは愛を確かめ合う行為なのだから。 貴方にしてもらった時、どうしていたか。どうすれば良いか。 ぐるぐる頭を回しながら、一先ず衣服を脱がそうと思案。 二人の境目に腕を割り込ませ、ネクタイからシャツ、ベルト、ズボンと 貴方がしてくれたことを少しずつ辿っていく。 (-174) osatou 2021/09/26(Sun) 2:18:55 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁高志。 「……っ、……」 好きな人の好きな声が、自分の名前を呼んでいる。 とろりと蕩ける瞳が柔らかく弧を描く。 はあ、とこぼれ落ちる吐息は瞬きする間に溶けていなくなってしまったけれど、確かに嬉しげな笑い声を含んでいた。 服を一枚一枚剥いで、剥がれて。未だ首から肩にかけて赤く咲き続けている貴方の愛が露わになる。其処をひやりとした空気に撫でられるだけでたまらなく気持ちよかった。 「すぐに、繋がりたい……けど、流石にはいらない、から……少し待っててくれ……」 隅に追いやっていた鞄に手を伸ばす。何度か使用して中身の減った潤滑剤とゴムを取り出し──ついでに、密かにカメラの電源を入れた。 体を起こし、首輪にも見えるチョーカーだけを纏った裸身を晒す。下腹部にある自身の昂りは期待に震え既に僅かに頭を上げていた。 「…………っ、は……」 潤滑剤にまみれた指を己の後孔に突き入れる。何度やっても拭えない異物感を、きつく目を閉じ唇を噛み締めることで耐え忍ぶ。 (-175) もちぱい 2021/09/26(Sun) 2:40:13 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「よくわかったな。 その通り。別に俺は人間じゃない」 余りにその発言はシレっと。冗談と取るのが普通だと言うほどの羽根のような軽さで発せられる。元々の雰囲気も相まって、だろうが。 「ん〜。俺も勿論善意だけじゃないよ。需要と供給の一致で手を組んだ。裏切者って言われても別段間違ってないかもしれないのに、律儀だね」 傍に寄ってくるのを見て、そちらに首を傾ける。 別段カメラに視線を向ける事はない。あえて見せて安心させる事で、実に巧妙に隠しているカメラもどこかにあるだろうから、声はまだしも映像はどう足掻いても見られるだろうと開き直っている。 「ギリギリとは言ったが、もうテコ入れは来ないと思うよ。 安定自体はしている訳だしね」 顎に手を当てながら、顔を上げる。 こうして考える動作だけしていれば大人びているのに、実際に口を開くと変に常識が無い上に、基本的に話下手だ。正確には感情の共感能力の低さ故に、無意識にな言い方をすることが多い。 「損切するなら長く続きすぎている。テコ入れレベルなら、無策状態だともうとっくに打ち切られているから、何も来ていないと言う事は安全だろう。褒美がなしと言えば、俺たちが何を仕出かすかもわからないから、そこも保証されていいんじゃないか。ただ、」 「暁くんの望みの報酬が得られるかは、内容次第だろうね」 そう返すしかない。その先が聞きたいのなら、そこを答えてもらうしかない。それを貴方は察せるだろうし、此方もそう思ってるから特に続きを尋ねたり催促したりもしない。 (-176) poru 2021/09/26(Sun) 2:43:49 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志ここが何処かも忘れて、 準備を進める貴方をぼんやりと眺めて、は、と息を漏らす。 「……………エロいな。」 抱かれる側の時は齎される快感を受け取ることに精一杯で、 そう考える暇すら無かったが こうして眼前に肢体が晒されて、自分と繋がる為にこうして…… かぶりを振る。 自身が昂り立ち上がるのを感じて、 なんとなく童貞丸出しで恥ずかしい。 「………、」 待てと言われても。 それは生殺しというやつでは無いのだろうか。 そろりと首元に頭を埋める。 赤い痕をなぞるように優しく歯を立てて、噛む。 貴方が拒まないならば、白い刃は留まるところを知らずに そのまま暫く甘噛みを繰り返すだろう。 (-177) osatou 2021/09/26(Sun) 3:06:49 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁首元に顔が寄せられる。胸が激しく跳ねる。 唇が肌に吸い付く。自然と息が上がる。 歯が沈み込む。ぱちんと頭の奥で何かが弾けた。 「……っ、ひ、ぅあぁッ!」 痛みと快楽がないまぜになった痺れが走る。 たまらず悲鳴にも似た、けれど確かに悦びを感じている嬌声が喉奥から飛び出した。 後孔に埋めた指も予定通りの動きが出来ず、肉壁を不規則に擦り上げては体を捩る。 「あかつき……っ、そこ、ああ、いい、きもちいい……っ」 熱にうなされた病人のような、地に足つかないふわふわとした口ぶりで「あかつき」と繰り返す。 普段きっちりと隠されている首筋は、貴方の手によりすっかり性感帯と呼べるほどに弱くなってしまった。一度も直接触れていないのに、首への刺激と後孔の準備だけで半分以上勃ち上がっている。 薄い壁で区切られた狭い個室。温度が上がり始めたその空間が、蕩けた声と水音で満たされていく。 「あかつき、欲しい、おまえがほしいんだ……」 手が空いていないから、それ以外で貴方に甘える。 首元に埋まる頭の天辺に口づけを落とし、はしたなく腰を揺らめかせる。もう普段の知性のかけらはどこにもない。 これだけ密着しているのなら、少しは貴方の熱の具合も分かりそうだが、今どうなっているだろうか。 (-178) もちぱい 2021/09/26(Sun) 3:28:57 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「そうか、人間じゃないのか。 アンドロイドか何かか? 飯は普通に食って大丈夫なのか? 」そうして此方は真剣だ。 異能が発展している今日、否定するばかりでは何も得られない。ただ冗談が通じないとも言う。 「裏切っては無いだろ。 そう言われたいなら、そう言うが。」 律儀だろうか。首を傾げる。 手を組んでいたとして、貴方だけが特別贔屓されている訳でもなく見えるし、特に此方が害されている訳でも無い。 罪悪感をどうにかしたいと言うならば、考える、と付け足して。 続く貴方の分析は、ひとつひとつ頷きながら聞く。 下手に言葉を増やされるよりは、端的に情報を語られる方が聞き取りやすい。 「そうだよな、有難う。……、」 揺れる視線。 貴方に求める報酬を明かす気は無いらしく、たっぷりと思案。 (頼まない) → (-181) osatou 2021/09/26(Sun) 3:44:37 |
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