キスしたい。そんなおねだり、答えないはずがない。
心がいっぱいに満たされていくのを感じながら、両手で顔を挟んでキスをした。
啄むように何度も。そして、情事の時のように深く甘く。
目元はぐちゃぐちゃだったかもしれないけど、育夢のこれは悲しくてとかじゃなくて気持ち良過ぎてのはず。
それがまた嬉しくて、繋がりあったままさらに深くキスをして。
唇を覆うように。噛み付くように。
ぷは、と呼吸が苦しくなるまで深く求めてから息をついた。
…と、抱きしめ返されないと思ったら拘束してたんだった。
ん〜、どうしよっかな。
チラッと手枷を見て、育夢を見て。
繋がりあったままの俺は、勿論まだ足りないって言いたげに芯を帯びたまま。
　

　
「ん〜、ホントはもっと焦らしても良かったんだけど。
　どうだった、拘束されて焦らされて。
　今度はもうちょっと我慢してみる？」
　
　
そんな訳で。
チュッと鼻先にキスしてから、乳首に固定させたローターのスイッチを切った。
それからローターも剥がして。
強く刺激されてツンと立ってるだろうそこに音を立てて吸い付いた。
口いっぱいに吸い込んで。舌先で弾いて、甘く噛んで。
肉杭をゆっくり引き抜いて、ゆっくり押し込んで。
そう、ゆっくり、ゆっくり。
今度は同じ焦らすでも、激しくしないと言うだけ。
育ちきった快感を更に高めようとしてるだけ。
そうすると、育夢の中がどこでどう反応するかがよく分かる。
入口近くとか。奥とか、前立腺のとことか。
キュウッと締まる箇所がある。
たまらず声が漏れるところも。
そうして、育夢の全部を俺は知っていくんだ。
俺だけが、知っていく。俺が、全部。
　

　
「プール…使えないかもなあ。
　プールプレイだと、痴漢ものっぽくなるんかな。
　あとでそれもやってみる？」
　
　
水着も借りれるらしいぜ、なんて囁いて。
はー…、はー…、と、抑えきれない興奮が呼吸に現れて。
うん、ゆっくりやるのやっぱ俺もキツイなあ。
だけど、俺だけの育夢を鑑賞したくて、俺なりに頑張っていたりする。**
　

「育夢…ほんと、気持ちいいのに弱いのな。
　こんな顔、他で見せらんない。」
　
　
いつものさ、馬鹿なこと言い合って突っかかったり突っ掛かられたりする時の顔と違って。
よそでは見せらんない顔してる。
それが嬉しくてへにゃ、と笑った。
ああもう、そんなにきゅうきゅう締め付けるなって。
ゆっくり。ゆ〜っくり。そうしたいのに。
育夢は早くも堪えられないみたいに腰を揺らして、締め付けてくるから。
もっと強いの？　
あー、だから、そう言われるとこっちも苦しい。
もっともっとぐずぐずに焦らしたいのにさぁ。
いや。もうかなりぐずぐずに蕩けてるのもわかるんだけど。
それでもまだ、ゆっくり引き抜いては入り口の浅いところでグチュグチュ抜き差しして。
強く、って言われた分はキュッと乳首を摘むことで誤魔化してしまう。
絶対中の方だろうなって思うけど。
　

　
「でも、これは俺相手だけだってわかってる。
　もし他のやつに触られてもこんなにえっちに弱かったら
　流石に心配になるけど…。
　
　俺も。こんなに興奮するのは育夢だけだしな。」
　
　
いや、他のやつにされて俺に助けを求める育夢、なんてのは唆るけどさせたくない。
求められるのが俺ってとこだけが良くて、そもそもそんなふうに触らせたくないもんな。
でも、自分で想像してもやっともムラッともしたので。
一度ぬぽっと肉杭を抜いてしまう。
そして育夢をうつ伏せにひっくり返して。
突き出させた尻を両手で割り開いて、ズンっ！と奥まで。
むにむにと触り心地の良い尻を揉みながら、今度は乱暴に。
ゴチュッゴチュッ！と、勢いよくかつリズミカルに打ち付けることで尻肉が波打つ感じがサイッコーにエロくて。つい。
背筋のラインに手を這わす。
この、無理矢理反らさせてる体勢がなんとも、抱いてるはずなのに犯してるような支配欲まで満たされる。
　

　
「育夢は、じ〜っくりエロいことするより。
　こうやってガツガツ喰われる方が好きみたいだな。
　例えば今朝トイレでした時みたいに、
　声殺しながらこっそりエッチとか興奮するんじゃね？
　
　まあ、俺もそう言うの好きだけど。
　なぁ、育夢。
　今は、声出し放題でよかったな♡」
　
　
ここならどんなに乱れても良い場所だから。
ここならどんなに喘いでも良い場所だから。
肉杭で肉壁を削り取るように穿って。
肌と肌の打ち付ける音を存分に響かせながら、にまりと笑って。
ぽたぽた、落ちる汗が育夢の肌を濡らしていく。
それでも今は、腰だけを掴んで。犯すように、繋がってるのはそこだけで。触れ合ってるのもそこだけで。
　

　
「育夢…育夢っ。
　ほら、また、俺、イ…っ！」
　
　
一瞬、外に出す事も考えた。
そうして汚れついでに育夢の肌も汚してしまおうって。俺色に染めてしまおうって。
でも、やっぱなんか勿体無くて。
ビュルルルっ！と、俺はまた育夢の最奥を穿ちながら白濁を注ぐ。
強く腰を掴み過ぎて、ちょっと痕になったらごめんな？
でも、先端が育夢の奥に食い込む感じがなんとも言えず心地よくて。
吐き出し切った後、今度はゆっくりと引き抜いて。
2回も俺のを注がれた菊花から、俺のが溢れるのを見て満足する。
指をクチュッと入れて掻き回せば、よりこぼれ落ちてきたかな。
　
　
「エッロ…、ふふ、こう言うのも刺激しちゃう？
　にしても少し休憩な。
　…あ、これ外す。どうだった？」
　
　
カチッ、と手錠を外してから向き合って。
にこにこにこ、俺は上機嫌で育夢を抱き寄せる。
よしよし頭を撫でて、額にキスをして。
　

　
「本当は胸だけで延々ととか。
　玩具挿れて耐久戦とかも考えたけど。
　やっぱ、俺が育夢に触りたいもんな〜。
　俺の方が耐えられなかった。」
　
　
なんて本音を溢しつつ。
気の抜けた笑顔で擦り寄った。**
　

まあ、俺がセフレとどんな…は、絶対口に出さないことにはする。
察することはできるかもしれないけど、全部が全部良い思い出ってわけでもない。
それこそ今では割り切ってるけど、遡れば遡るほど…って、今はそれよりも今が大事。
ほら。すがりついつ甘える育夢の頭を撫でたり、ぎゅうっと抱きしめる方が絶対大事。
　
　
「そっかそっか、やっぱほしくなるよな〜。
　俺も乱れてる育夢見てると興奮するし。
　よっぽど気合い入れるか、何度か抜いておかないとダメだわ。
　俺の方がキツくなるし…まあ、乱れてる育夢、
　すっごいエロいし？」
　
　
素直な感想。だけど、揶揄うように言ってしまうのはまだまだ恥ずかしさが残るから。
でも愛しいのは本当。我慢出来なくなるのも。
擦り寄る頬に、ああ幸せだなって。

　

　
「ん？　ん〜、まあ、色々？
　アナルパールとか。
　アナルプラグに尻尾ついたのとか。
　手足をいっぺんに拘束するやつとか。
　
　流石に鞭とか蝋燭とかはやめといた。
　なんかおまけでロープはついてきたけど。」
　
　
気になる？　と、ゴロンと転がりながら買ってきたものを並べていく。
紫色のアナルパールは、焦らし用に買っといた奴。
きっと一つずつ飲み込んだり出てきたりするたびに収斂する菊花はエロいし、先っちょが細いから奥まで入れても物足りないってなりそうで。
猫の尻尾がついたアナルプラグはまあ可愛いから。
中で震えるし、猫耳つけて猫プレイもありかなあって。
手足拘束する奴は、手首を後ろに回して両方の足首と固定する奴。ちょっとハード。
痛いのはやめとこうとは思ったけど…
なんて軽く説明しながら。
　

　
「首輪とかも楽しげだったけどさ。
　育夢は、ご主人様の方が良いんだろ？
　俺はメイドにはならないけどさ。
　…なーんて。俺も、支配欲求強めなんかな。
　なんか興味あるのあった？」
　
　
片手でロープを軽くまとめて。
何かチャレンジしてみる？　なんて笑いかける。**
　

「だってさ。叶うと思ってなかったんだよ。
　育夢はノンケで。彼女募集中で。
　…男の俺は、ダメだろってさ。」
　
　
勿論、俺がバイと知った後も。
普通の友人として、いや、仲の良い仲間としての付き合いは変わらなかった。
でもそれは友人だからだろう？
そんな思いが常にあった。
友人と、恋人は、勿論違う。全然違う。
恋人の形を求めたら、友人の形を失うのだから。
だから諦めてたんだと一度目を伏せる。
我慢して。我慢して。我慢し続けて。
やっと想いが叶ったのだから、我慢ができないのも無理はない。
　
…まあ、それはさておき。
　

　
「気持ち良いって言うか、拡張グッズ？
　育夢は最初からいけたけど、ゆっくり調教向けかな。
　気持ち良いって言うか…調教グッズ。
　プラグは、栓として使ったり？
　まあ尻尾つけたいってだけもあるけど。」
　
　
まあ自分も知識ばかりでそっちはあまり経験はないのだけど。
そうなんだと説明しつつ。ご主人様関連にはにしし、と笑う。
いや〜、あの録音面白かったんだよな。
んでもって痛感したイベントでもある。
本気で台本練って、本気で声入れてみたから。
育夢をご主人様に見立てて、執事の俺が下剋上するって。
…まあ、何か小声で聞こえたな？
うんうん、支配したいし甘々にしたい、と胸中で頷いて。
ごまかされても、都合の良い耳はきちんと聞いてるからニッコリしてしまう。
　

　
「え。2本いっぺんにやんのは流石に無理くない？」
　
　
いや、絶対違うだろうけど！
まさかと思いつつそう言っては、ん〜、と悩む。
アナルパールは、幾つもついてる球状の部分が出てくる時に気持ち良い奴らしい。
んでもって、視覚的にやらしい。それは保証する。
だから鏡があるところが良いんだけど。
と、持ち手の部分の工夫に気づく。
ローターを嵌め込むとぴたりと嵌まって、なるほど、振動も与えられるタイプだった！
　

　
「ん〜…、じゃ、こうしよっかな。」
　
　
育夢を抱き寄せて、後ろから抱える形になる。
俺の膝に沿わせる形で膝を立たせて、アナルパールの先を濡れた菊花に押し当てた。
小さいパールがくぷっ、と難なく沈んでいく。
一つ。二つ。三つ。四つ。
飲み込まれるパールが増えるごとにその大きさが少しずつ多くなって。
棒状に連なったそれを10個分、ゆっくりゆっくり沈めていって。
って言っても、最後のを入れても俺のよりは細いんだけど。
ローターのスイッチは、はい、と育夢に渡した。
　

　
「自分で好きにスイッチ入れて良いよ。
　前触っても良いし、好きに抜き差しして良いから。
　俺はそれを見て楽しむし…。」
　
　
背後から抱きしめた形で。
耳をはむっと食んで、乳首をくりくりと弄って。
　
　
「こっちでも可愛がるからさ。
　それとも、…俺がそっちもやる？」
　
　
ちゅ、ぢゅっ…と首筋にキスマークをつける。
抜き差しもスイッチも、俺がやっても良いけどさ。
　
好きな子のオナニーに近い奴。
見てみたいなんてのは俺だけ？**
　

「うん。…めっちゃ好きだよ。悪いか。」
　
　
自分から言うのは良いんだけどさ。
こう指摘されると恥ずい。恥ずくてちょっと不貞腐れたような声が出た。
顔が赤くなるのも仕方ない。言うのはいいんだけどな、言うのは！
　
　
「そ。段階踏むもんなんだけど。
　だから、本当は素股とかで我慢しようとも思っててさ。
　何せ、この合宿でこうなるなんて思ってなかったから
　酒の力もあって盛り上がっちゃって。
　まあ、結果オーライ？」
　
　
気持ちよさそうだったし。
あれで痛がってたら俺も冷静になれたけど、あんなに善がられたらそりゃあ、ねえ？理性飛ぶよね？
膝たちで最後まで入れた後、俺にもたれかかるようにして抱き寄せる。
菊花を下にして潰さないように、その部分だけは前側に出させて。
育夢の背中に俺のが当たってる。
ちなみにもう、少し元気になってたりした。
　

　
「どう？　出し入れの瞬間が気持ち良いらしいけど…。
　それだけでイけそうなもんかな？
　俺が黙ってた方が集中できる？」
　
　
乳首を弾いて。くにくに弄って。
そうしながら愛しくて首筋に何度も何度も吸い付いて。
胸はないけど、手のひらで胸板を横側から寄せて揉むように動かしてみる。
つい、と体の中心のラインを撫で下ろした。
そのついで、ツンッと育夢の先端を突いてみる。
濡れた感覚があるだろうから、指の腹でぬるりと広げて。
　
　
「普段はどんな風に一人でシてんの？
　今までも、俺のこと想像したりとかしてた？
　俺は、してた。　育夢がよがってるとこ。
　…でも本物のが数百倍エロい。」
　
　
育夢の腰に当たってる俺の熱。
それを押し付けるように腰を浮かして擦り付けた。
視線は、おもちゃの入れられた菊花。
その上の肉槍。
そっと片手で肉槍を包むと、ゆるゆる上下させて。

　
「これからは、一人でする余裕なくなるかもな？
　少なくとも俺は一人でしたくない。
　育夢がいるからな。」
　
　
だからこうして、あえて今目の前で。
触りあいの延長みたいにしてみて欲しい。**
　

　
頭を撫でられるとなんだろな。
ちょっとムッともするけど気持ち良い。
…いや！？　あはんうふん的な気持ちよさじゃなくて、なんだろな。
許されてるって感じ？
満たされるなって感じ…かな。
そんな訳でむくれながらも目を伏せて頭を押し付ける。
撫でられるの、嫌いじゃありませんって意思表示。
　
それにしても。
裸で抱きしめてるだけでも大分満たされる。
バニラだっけ？　そう言うのの良さもわかるかな。挿入や射精に拘らないSEX。

当初はそう、そこから始めたって良いと思ったんだけど。
エッチでエロくて、煽る育夢がそこんとこいけない。
こんなん止まらないやん？　ってのが俺の本音。
それに、知っちゃったら今更戻れない。
よっぽど育夢の体調悪いとかならまぁ…？
いや、それならそっと看病するだろうけどきっと熱っぽい育夢もエロっぽいんだろうなあ。
　
…いや、ちゃんと看病するよ？　　　
　

　
やっぱりイけるか分からなそうな答えを聞きながら。
ひとり遊びのオカズについて聞くと真っ赤になる。うん、こう言うやりとり楽しいな。
それにしても、うん。考えてくれてたのか、そう言うこと。
まあ俺も考えてたしな。
育夢はどんな事して気持ち良くなるんだろうとか。
今となっては本物が目の前にいるけど、あの頃は俺のご都合主義よろしくどんな風に誘うんだろうとか。
バカバカ言われて文句言われながらかな、と思いながら乱暴に犯してしまう夢を見て自己嫌悪したり。
でも。
　
　
あ゛〜…、ほら、趣旨から外れそうになる。
いや、俺だって一人でする余裕なくなるかもな、なんて言ったけど。
俺とする方が良いとか。
一人でする分も抱いて欲しいとか。
そうやって俺を誘うじゃん無意識にでも！
なのに、今はひとり遊びプレイ中。
俺が居ない想定にさせてるから、俺の名前を呼んで。弄ってる姿がやらしい。
何度も行き来するパール。飲み込まれる瞬間菊花が窄まるのも、抜き出される瞬間に拡げられるのもエロくて。
何より、俺の名前を呼ぶ育夢の声。
　

　
「うん、俺も好き…。俺のを想像しながら動かしてんの？
　でも、奥まで届かないだろ…。
　入り口のとこコリコリすんの、好きだよな。
　でもそれだと、前立腺擦るのは難しいだろ。
　奥も勿論当たらないし細いし。
　…一人じゃ、イけなくなっちゃった？」
　
　
いや。そう囁きはするけど。
後ろではイけなくても、前をさわればイけると思う。
だから俺は手の内に収めた育夢の熱を擦る。
手のひらに先走りやら、さっきイった時のまだ乾いてないやつを塗りつけてニチニチと湿った音を立てた。
でも、イきそうになると手を止めて。
耳元をつぅっと舌先で舐めて囁く。