人狼物語 三日月国


98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】

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【秘】 墓守 トラヴィス → 知情意 アマノ

寒い、と、彼は感じた。
マリンスノー降る静かな海底へ、沈みゆくばかりの己ではいけない。けれど身動きが取れぬほどに体は強張り凍りつくようで、慣れ親しんだ、臓腑を煮え立たせるような、あの熱がここには足りない。

(あれはなんだったか)

指が痙攣する。爪先から泡がぽつりと上がった。
私の焔は、どこにあっただろう。

親愛なるトラヴィス様もそのように怒られるのですね


────嗚呼。それは怒りだ。慣れ親しんだ私の憎悪。憎むべき罪。静かな海は私の居場所ではない、星々のそら、目を灼く程の偉大な焔!私は手にしなければならない、それを、この手で掴み潰し上げねばならない!

痛がって……嫌がって、よかったんだ


そう────
苦痛と絶望は全て!跳ね除け、支配し、息の根を止め、二度と甦らぬよう見張らねばならない、これが、生存、
生存、生存の為の焔!


亡霊でなど居られるものか!
(-44) tasukete 2021/10/17(Sun) 19:19:42
トラヴィスは、心臓を動かした。
(a23) tasukete 2021/10/17(Sun) 19:20:04

トラヴィスは、息をしている。
(a24) tasukete 2021/10/17(Sun) 21:29:16

【秘】 墓守 トラヴィス → 『不死兎』 ニア

「お口に合ったかい?良かった。……今回、君は大人しく、問題行動もなかった。無礼講が終わったあとも、たまにはこうしてお茶を飲める機会が作れるのではないかな────あー、いや、私の反省期間が終わったらということになるけど」

穏やかな顔から一転、決まり悪そうに目を逸らす。
机の上では「ひとくち」の済んだティーカップに、ロボが砂糖とミルクを黄金比で入れ混ぜていた。

「ワインやブランデーは……お茶よりは、だいぶ選ぶ経験を問われるかなあ。酒というのも、つまり発酵物だからね。紅茶程度の風味の変化なら穏やかなものだが、酢やヨーグルトを思えば振れ幅が大きいだろう?それを数十年やるんだから、……味の種類がねえ、……多いんだね……」

価格幅も広いんだよね……という世知辛さが、語尾の躊躇いに如実に現れていた。金にはあまり困らない立場とはいえ(遺産もある。)、競りにでるようなものには流石に厳しさを覚えるのだ。飲んでみたさはあるけどねえ……
(-52) tasukete 2021/10/17(Sun) 21:57:56

【人】 墓守 トラヴィス

水面の輝き。
或いは恒星の瞬きを、手にしたような気がした。

「────ああ、」

声を上げるための気道は開いている。
温かい。
爪の先が、かつ、とポッドの蓋に当たって音を立てた。袖口が見えない。随分と薄着になったものだ。

音もなくポッドが開いた。海溝は遥か遠く、今は光の騒がしい暗黒の中。船があるのだけは海に近いのかな、と空想に思考の大半を支配されながら、棺の外へ足を伸ばした。
(54) tasukete 2021/10/17(Sun) 22:09:02

【秘】 墓守 トラヴィス → 『不死兎』 ニア

「いいや。君のおかげで精神が安定した者も多くいるさ。私とかね。おかげさまで調子は良好……検査も受けたし、特に後遺症は無いよ。肩の荷が降りた気持ち……なのは、後遺症に入るのかな」

自分もカップに口をつけ、馴染みの味わいであることを確認する。ミルクティーに合う茶葉というだけのことはある。単に滑らかな口当たりになるだけでなく、互いが魅力を引き立てるようなバランスは、やはり長く楽しまれているだけのことはある組み合わせだ。鼻先を擽る香りに、自然口元の笑みも深くなった。

「言われてみれば、酒と人とはスケール観はかなり近いものがあるかも………………あ、……口にあった、ようだね。よかった」

あからさまな反応を見れば、こちらも嬉しくなるというものだ。
……全てを燃やしたいのだと、彼女は言うけれど。燃やすのに躊躇うものを幾らでも見つければいい、と男は考えている────文句が出たら治安のためとでも言えばよいのだ。犯罪思想を失くせる可能性を増やす行為は健全極まりない行為なのだから。

「茶菓子もあるよ。クッキーに砂糖細工、チョコレート…… せっかくだからね、お気に入りを見つけられたらいいかなって」
(-57) tasukete 2021/10/17(Sun) 23:37:26

【赤】 墓守 トラヴィス

「……私はね。傷であることを知られたくなかった。私はそれを気にしていると言いたくなかった。過去に何があるのかも、それが自分にどう影響していたのかも……言いたくなかった。『役割を果たせない』ということを指さされれば、きっと魂ごと死んでしまうと思っていた。傷を自ら切り開くような痛みがあった。傷は弱点だ。辛いことは傷だ」

端末を叩いていた指で、自分のこめかみを叩いた。
少し前のこと。今は少しだけ置いてきた景色。未だ痛みは鮮やかで、振り返るたびに膿んで崩れていくようだった。

「包帯に血が滲む他者の傷を、君は手を出して握ったりはしないだろう。心も、同じだ。傷つけたいのでなければ、不意に突いてはいけない。『その傷を知りたい』と思った時、真っ先に傷を持つ当人に問うことは、それに近い」

ゆるやかにね、と、トラヴィスは囁いた。
ゆるやかに、隣人の治癒を願うことだ。

「……待つことだよ。そして進むことだ。学び、歩み、お前たちの傷が癒えたら。傷を振り撒くような生き方のほかを、選べるようになる。我々はその日を待っている。チャンドラも、私も」
(*22) tasukete 2021/10/18(Mon) 2:06:54

【人】 墓守 トラヴィス

一つ一つ。丁寧に。
力任せではなく。持ち込んだ鏡の全て。強化された肉体、その指先を強く押し込む。中指。人差し指。指を中心に硝子が割れ落ちる。また一つ。

「恐れるのではなく、理解せよ」

呟いて、また一枚。
探して歩みゆく。
(66) tasukete 2021/10/18(Mon) 2:32:00
トラヴィスは、起きたけど、まだ少しだけ夢の中。
(a35) tasukete 2021/10/18(Mon) 2:35:27

【秘】 墓守 トラヴィス → 『不死兎』 ニア

「寛解、か……なんだかいい解釈だね。そんなつもりでいこうかな、わたしも」

頷いた男はテーブルの上の砂糖菓子──皿に載せられているのは、花や雪の結晶を模した淡い色合いのもの──をあなたの方に寄せ。うち一つの花を口に放り込んだ。薔薇の蕾。慣れ親しんだ形。
僅かに香料の風味があるが、アクセントには丁度いい。

「……時間を共有できる存在は限られている。そう言われれば、……うん。そうだね、君たちからは……多くのものが奪われている、……」

知っていたけれども、あらためて考えれば残酷な刑だ。『償う』ことを、『考えを改める』ことを、期待されているわけではないというように。きっかけを何も与えられないままならば、彼女は炎を求め続けるのだろう。永遠に続く寒さ。

「……残りはそう多くないけれど。おたべよ、これから、少しずつ。ご褒美の日に何を頼むか、楽しみができるじゃないか」
(-79) tasukete 2021/10/18(Mon) 20:03:39

【秘】 墓守 トラヴィス → 『不死兎』 ニア

「そうする。解ける、という意味も、なんだか悪くないじゃない?君も私も熱を欲するものだ。そういう感覚を……嫌うよりは、好む側かなと」

トラヴィスの求める熱よりは、彼女の炎は苛烈だが。けれどその目には金属すら地に伏せる様を、砂が硝子に溶けてゆくのを見たことだろう。きっとそれは、熱を思わせる景色だ。

「……んん。逃れられれば、いいなあ。私は……追いつけないなって、『寛解』してしまったから。少なくとも私と、私の血族を殺した男の間にはもう、何も為すことはないことを知っている。だから……、……その循環を厭うものがいれば、……それに寄り添うように生きていたいと思うよ。奪うのでなく、与えるように……」

ミルクティーは、彼女の欲しいものになり得るだろうか?砂糖菓子は、柔らかなレース編みのテーブルクロスは、花弁のティーセットは?
奪われ続けるものから比すれば、それは僅かなものにしか過ぎないだろう。けれど、トラヴィスは、0と1の違いを知った。だから、……でき得ることは、したいと思う。
ならば。

「……私との、……ああ、それは、ふふ。嬉しいね」
「いいよ。一緒に、沢山の君の欲しいものを探そう。これからゆっくり、時間をかけてね」

ワインを買おう、と、トラヴィスは決めた。
そしていつか彼女がこの世界を愛するようになった日に、それを共に開けることにしよう────

「楽しみだね」
(-85) tasukete 2021/10/18(Mon) 23:32:39

【人】 墓守 トラヴィス

>>78 イクリール

「…… …… …… それ私?」

タイミング的に私かなと思った。
興味深いなと皿を眺めて近くに座る。どっこいしょ。

「美味しくなった?酒漬けだし煙も吸ったあとだから、あんまり美味しい自信は無いんだけど、実のところ」

食事も朝はだいたいサプリで済ませるし、健康的な生活をしていない。そらマズいのである。

「焼肉って言ってたから焼肉にするのかと思った」
(79) tasukete 2021/10/19(Tue) 2:45:14

【人】 墓守 トラヴィス

>>81 イクリール

「んん。料理はほとんど門外漢だからな。しないことはないけど……」

聞いていてもピンとはこない。なにか苦労したのだなと言うことは伝わったし、苦労させたことにやや申し訳なさは覚えた。なぜなら普通に不摂生の自覚があり、そこはちょっと胸を張っていられるところでもないため。ちゃんと生きよう……(実感)

切り分けられていくのを止める隙がなかったので、ふつうに手元に皿が来るまで見守ってしまった。私食べるの?これ。

「んん………………」
「 …… ……あー、いや、」
「…………うーん……」

「……食べると案外、……食べものだな……」

呻きながら、得た結論。
案外……食えるな……。
(83) tasukete 2021/10/19(Tue) 3:14:52

【人】 墓守 トラヴィス

>>86 イクリール

「んん。いや、食べたことは無かったからね。私。はじめての食材……ともなると、やはり感想はそうなりがちというところはあるよ」

『私』という食材は初体験である。
別に2度目は要らないが。

「不味いものは要らないが……いや、そうだな。君の技術に関心しているのは否めない。私の舌は肥えている筈だが、味を評価するだけならば、私が満足を覚えるほどだ。……ここまでなら、数いる『有能なシェフ』と言ったところだが」

しっかりと食べ終えてしまって、苦々しい顔でため息をつく。全く、『トラヴィスの食べるもの』として違和感のない味なのが、腹立たしさが無くはない。正直なところ。

「……貴様は、『歴史的に調理法の手法蓄積のない物質』を、『食用として管理されている訳ではない』質のものを、『調理法が研究され尽くした食用目的の高級品』レベルに仕上げている。…………憎悪するほどの才能だな。胸焼けがするよ」
(87) tasukete 2021/10/19(Tue) 3:45:59

【人】 墓守 トラヴィス

>>89 イクリール

「『やっただけだ』とお前たちはいつもそう言うね。聞き飽きたとまでは言わないけど。これほどまでに理解に遠い言葉はない……別に貴様らが『しなかった』ものたちを理解する必要はないのだから、埋められない溝だ」

情報を結びつけ、必要な形にする。『それだけのこと』で論文が一つ出来上がるという事実を、彼らは真の意味で理解することはないのだろう────欠如しない限り、必要であることは理解できない。根気でもあり、形として為すためのパーツを察するセンスでもあり、実行に至るまでの意思でもあり、行為を突き動かすための情熱でもあった。トラヴィスはその全てが必要であることを理解している。

「お前は、食べることが好きでそうしているのか」
(91) tasukete 2021/10/19(Tue) 4:15:58

【人】 墓守 トラヴィス

>>92 イクリール

「拗ねているよ。でも、それこそお前たちが理解しなくていい話だし、私もそれを求めるべきではないと思う。……どう言えばいいかな。お前たちの才能そのもののことは、私は、……肯定しているんだ。だから、……それが人の傷にならない限りは、妨げられるのを好まない。私の感情や欲望と反する結論ではあるけれどね」

とはいえ、実際は人類の傷になりまくっているので、牢獄という壁で妨げられているわけだが。
怒るというよりは、諦念に近い。彼女は理解しないだろう。だが、彼女に理解されることは、誰に、何の利を生むというのか?

「……べつに、趣味ではないんだけど。仕事って概念、君の中にあるのかな」

「…………なんだか、そう聞いているとどこかファンタジックな話に聞こえてくるな。食べられそうな宝石だとか、お城のようなケーキだとか。…………食べたんだっけ?宝石」

彼女の収監データを引き出してみようと思ったが、リスト見て今食ったものを完全嘔吐しそうな未来が見えたので、やめた。

「好きという感情を拗らせずに抱き続けるというのも、稀有だねえ……」

きっと。トラヴィスが御伽噺を想起したのは、それが幼い頃の輝きのままだと感じたからだ。腐り落ち、捩れ曲がり、はじめの形を失った感情ではなく。
技術もセンスも才能だが、彼女の「犯罪者」としての特異性はここにあるな、と、それだけは素直に感心した。
(95) tasukete 2021/10/19(Tue) 5:10:35

【人】 墓守 トラヴィス

>>96 イクリール

「……優しさへの感覚はだいぶどうかと思う。」

理解は求めないがコメントはした。もうちょっとなんかこう、なんとかならんのかね性格の方は。ならんか。

「好きなものを仕事にできない人間というのは大勢いるんだよ……能力であったり、体質であったり、そもそも好きなものが無かったり、理由は様々だけど。そのあたり本当に君は……いや、恵まれてはないか。捕まってるんだし」

そもそも社会的にそれは仕事じゃない。人の傷になりまくる食堂、犯罪って呼ぶ。

「…………全然味のイメージがつかない…けど。これの後だと、美味くはなるんだろうなと思わされる。釈然としないものがあるが…… ……『美味く食べる』ことはブレていないんだろう。こういった犯罪はもう少し露悪的になるものだ。冒涜、侵害。そちらに軸が傾くことのほうが、常人には容易だ。そちらの方が良くも悪くも評価される。味は、食べなければ理解できないから……」

けれど、彼女はあくまで『美味く食べる』のが主眼だ。そしてそれを喜びと感じている。ブレていない。はじめの目的を貫き続けているだけだ。

「腹立つな……」
(98) tasukete 2021/10/19(Tue) 6:31:06

【人】 墓守 トラヴィス

>>99 イクリール

「送るのはやめろ。私はあくまで看守なんだ、警吏の仕事までしてみろ、奴らの顔が目に浮かぶようだ……『監獄で罪を償った者からこれを?慕われておりますなぜいきんどろぼうめ』!」

一人で自動的に不快なきもちになった。
イクリールの試みは完全に成功している。チョロい上に自分をいたぶる手法にかけては誰よりも経験を重ねているのである。

「分析などなんの役にも立たんよ。現に貴様を更生させる手段を全く見つけられないでいる…………歪んでいればまだ正せるものを、『歪んでいない』まま犯罪を犯すのなら、性根の変えようなどないではないか」

「貴様が出所するのは盛大に祝いたいものだよ、全く。帰ってきたら次は本気で襲撃してやるから覚悟しておけ」

E:コルク抜きでな。
(101) tasukete 2021/10/19(Tue) 16:06:16

【人】 墓守 トラヴィス

>>102 イクリール

「実際のところ、上手く社会で生きてくれれば、こちらとしては何もいうことは無いのだがね」

首を振った。『とんでもないこと』をやらかすことさえなければ、彼女は実際、ただの変わった趣味の女なのだ。『とんでもないこと』へのブレーキがないのだけが致命的に問題なだけで。

「…………せいぜい情状酌量の工夫をしておくことだ。より軽い拷問になるように毎夜星に願えば、貴様の性根も矯正されるかもしれん。
日々の蓄積
は慣れたものだろう?」

フォークをくるりと一回転してみせて、トラヴィスはその女を見送るだろう。
キッチンの道具というのは拷問具に似ている。死んだ肉に使うぶん、殺し方はまだ優しいと言えなくもないな、と、自分の一部だった蛋白質の歯応えを思い返していた。

もちろん、情状酌量の余地はどこにもないのだが。
(110) tasukete 2021/10/19(Tue) 18:18:51
 




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