軍医 ルークは、メモを貼った。 (a16) zelkova 2020/05/15(Fri) 23:45:27 |
【人】 軍医 ルーク ―― 医務室 ――[ 監視を頼む、とぺんぎんに言い置きはしたけれど、 目を離していたわけじゃない。 だから、寝台の方でもぞりと動く気配は把握していた。 そいつが寝返りを打ったのは左側、 つまりは自分とは逆の窓側の方。 まさかここから逃亡しようとしているなどとは 知る由もない―― とでも思ったか。 逃がすか、と診断に歩み寄れば、布団がもぞもぞと動き、 白黒の塊とそいつが接近遭遇のご対面を果たしている。 ひとがいるときに出てこないこのぺんぎんが姿を現し、 あまつさえ寝台に潜り込もうとするのは、 間違いなくこの兎が相手のときだけだ。] (169) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:41:46 |
【人】 軍医 ルーク[ 最初にそうしているのを見たのはいつだったか。 自分が医務室にいないときに会う機会でもあったのだろう。 このぺんぎんは実に人見知りであるからして、 自分から出てくることはあまりない。 恐らく空腹で燃料補給にでも現れて、 窓際の特等席でごろごろしているときに、 訪れた患者と遭遇でもしたに違いない。 普段ならそれで逃げ出すのだけれど、 懐いたということは、果たしてどんなやり取りがあったやら。 ……動物は人を見る、と言うが、 此奴が懐いているということは、そういうことなのだろう。 少し驚きはしたものの、 今もこうして布団の中で何やらもぞもぞ交流しているらしき 様子を見ると、この兎の方も、 ぺんぎんが好きな手合いであるようだ。 なにか食べ物を与えているらしい。 内緒のやり取りのつもりかもしれないが、此方も耳は良い。] (170) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:43:06 |
【人】 軍医 ルーク[ 布団からそいつが起き上がったタイミングで、声をかける。 一瞬でも遅れたなら、窓の方へとダッシュしていただろう タイミングだ。 そいつは見事に固まって、頭から布団を被って隠れる。] 子供かな。 [ 声をかけるが、返事は来ない。 構わず話を続けて薬の三択を迫ることにする。>>163 布団のかたまりがふるりと震えたようにも見えたのは 果たして気のせいか。] さて、希望は聞こう。 5数えるうちに出てこないと、 こっちで適当に選んで飲ませるよ。 5432 [ 明らかに一秒一カウントではない、するすると減る数字。 そのまま零になったら、本当に布団をはぎ取って 口の中に薬を突っ込んでやろうかと思っていたのだが、 白い布団から、赤い頭と耳がにゅっと現れた。 まさに穴に潜った兎状態。 余程苦いのが苦手であるらしく、涙目になっている。] (171) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:45:47 |
【人】 軍医 ルーク[ 音に聞こえた第一攻撃部隊の部隊長殿の有様とは思えない ――と、見ている者がいたら驚くかもしれないのだが、 生憎自分は、こういった様子をこれまでにもよく見ている。 だから、感じる感慨はひとつ。] ……最近気付いたんだ。 君を見てると、 自分の中に自覚していなかった類の 感情があるのに気づく。 [ 感心したようにしみじみと頷き、 ベッドの横のスツールに腰を下ろす。 小首をかしげ、目を細め、 布団に包まる赤いうさぎをじいっと見下ろした。 冴え冴えと冷たい紫の目に、ふっと感情の色が宿る。 そう、それは。] (172) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:46:53 |
【人】 軍医 ルーク嗜虐心。 [ どこまで冗談か分からない顔で、そう告げる。 ぺんぎんは抱き込まれた腕の中で、 だいじょうぶ? だいじょうぶ? とでも言いたげに 赤いウサギを見上げていたが、 外のやり取りが気になったのか、もぞもぞと動いて 顔だけを布団から出す。 そして、医務室の主の表情に、ぴえっと毛を膨らませた。] (173) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:47:56 |
【人】 軍医 ルーク[ 四番目、甘いやつ。 その回答に、ぺんぎんの視線が戸棚の方に向く。 それに気づいてはいたものの、小さく首を横に振った。] そうか、四番目―― うん、分かったよ、了解だ。 少し待っていて。 [ そう言って、ゆっくりと机に歩み寄る。 そこにはいま告げた三種の栄養剤と、コップが一つ。 きゅきゅ、と手際よく栄養剤をあけていき、] (174) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:48:31 |
【人】 軍医 ルーク四番目。 [ くすりと微笑みさえ浮かべ、小さなコップに適量を取る。 成分や配合は当然のこと、すべて把握している。 そもそもどれも、似たような造りになっている栄養剤だ。 混ぜて出すことに何ら問題はないことは分かっている。 ただひとつ問題があるとするなら、 その味はきっと、一日中口の中に残るようなえぐみに加え、 腸が捻じれて胃が踊り出すような実に刺激的な味わいに なっているだろう、ということだけ。 さあ飲め、とコップをぐいぐい押し付けようとする。] (176) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:50:06 |
【人】 軍医 ルーク[ 薬を飲んだなら、次は背中の傷の治療が必要だろう。 動きを見ていれば、打っているのは分かる。 担ぎ込まれてきた時にもっとよく確認するべきだった。 痛みには強いようだが、 それでもやはり体は痛めた個所に反応するものだ。 自分の不手際に内心舌打ちしながら、薬の行方を見守る。 ふと、言う心算もなかった言葉が零れた。] ……嫌いでも、苦い、は感じておいた方がいいよ。 その手の信号は、要る。 [ ――痛い、は身体が出す危険信号だ。 危険に反応し、身を護り、生き延びるためのもの。 それに強いのか、あるいは鈍いのか。 そのことに気付いたときに、自分が何を感じたかは―― さあ、自分のことだから、 きっと何かを感じるなんてことはしていない。 していないはずなのだが、布団の中のぺんぎんは、 きゅう、と難しげな顔でこちらを見ている。] (177) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:50:57 |
【人】 軍医 ルーク[ 阿呆、と言ってやっても、そいつは安堵すら浮かべて笑う。 気遣うのは自分の部下のこと。] ……ああ、そうか。 あのとき、敵はどこかを撃とうとしていたようだけど。 [ そいつが自分の忠告を無視してあの武器を使った理由は、 何となく、分かったような気がした。 いま自分が口にした言葉は、命令に反して避難をせずに、 戦闘の様子を一望できる場所に居たことを 白状していたに等しいけれど―― そのようなことは、今更だ。] 全員無事だよ、 軽傷はいたけれど、 一番程度が重い怪我でも数日で完治するだろう。 [ 淡々と、事実を告げる。] (178) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:52:47 |
【人】 軍医 ルーク[ そういう部隊長が部下に慕われるのは当然のことで、 周囲と交流がない自分にも、評判が聞こえてくるほどだ。 たまに食事を思い出して食堂に行くときなど (なお、自分の周りには、どれだけ混んでいても 見事な距離が出来る) 部隊の者と共に食事をとる姿を見かけることもあり、 彼らは自分たちの隊長を慕っているようにも見えた。 このうさぎは、そんな彼らを見ている。 ――眺めている。>>69 そうして、一番の阿呆が自分ならいいと言う。 自分の口が、唇を噛むのと似た動きをしたことに気づかない。 気付く前に、口を開いていたからだ。] ……開き直る阿呆は猶更始末に悪い。 何回言っても分からないなら、 わたしの言ったことがよく聞こえてないのかな? その長い耳は飾りかな、 飾りならいっそ、 固結びにしてやってもいいんじゃないかな。 [ じー、と布団からはみ出した長耳に視線を落とす。 こういうときでも、視線はやはり平坦すぎて強い。] さて、それじゃあ背中を見せて。 これ以上籠城するようなら、本当に、その耳結ぶよ。* (179) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:55:04 |
軍医 ルークは、メモを貼った。 (a33) zelkova 2020/05/16(Sat) 15:01:17 |
【独】 軍医 ルーク/* あ、シュゼットとぺんぎんの遭遇回数勘違いしたかも、 ごめん>< シュゼットのロルだとこれが二回目かな? (何回かあるように書いてしまった…) (-77) zelkova 2020/05/16(Sat) 15:17:43 |
【独】 軍医 ルーク/* ところで苦いお薬にぷるぷるしてるうさぎさん可愛すぎませんか… そしてちょっとこう、色々心配過ぎてどうしよう。 (-78) zelkova 2020/05/16(Sat) 15:18:13 |
【人】 軍医 ルーク[ ぶわっと膨らんでボール状態のもふ玉は、 ぬいぐるみのように抱きしめたなら、もふもふで暖かく、 実に良い抱き心地だっただろう。>>220 薬は甘いほうが良いかと問われた鳥は、 それはもうぶんぶんと首を縦に振って、同意を刻む。 医務室の主が差し出してきた薬の正体も、 概ね想像がついていたらしく、 ぴゃー…と、絶望的な鳴き声を上げた。 その薬を一気に口に運ぶ様子を戦々恐々と見上げ、 みていられない、とばかりに羽で目を覆う。 一方、薬を差し出した医者の方はというと、 『皆の様子を見に行って報告と見張り』のあたりで、 微笑みの温度を益々下げていたのだけれど―― 甘い薬だと信じ込んだまま口に流し込むうさぎには、 恐らくそのような表情の変化は、 気付かれてはいなかったのだろう。] (240) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:43:03 |
【人】 軍医 ルーク[ ――さて、薬の“効果”は絶大だったようで、 一息に飲み干したうさぎの顔色が変わる。 布団に突っ伏したその身体の周りで、 ぺんぎんがおろおろと慌てて走り回り、 のたうち回るその“背”をさすろうと羽根を伸ばすのだが、 それを、横から止めた。 目を丸くして見上げるぺんぎんに、首を横に振る。 ぺんぎんは行ったり来たり、 ふたりを見比べるように視線を彷徨わせていたが、 やがて諦め、赤いうさぎの横に丸まって じっと寄り添うことにしたようだった。] ん、何だい? 困ったな、君が何を言っているか分からない。 そうか、やっぱりこれは 上手く会話が成立していないのだろうね。 それなら結んでしまうのも止む無しかな? [ 苦さのあまり口が回らなくなっているらしい返答に、 わざとらしく首を傾げ、 サイドテーブルの空のコップに、水差しから水を注いだ。] (241) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:43:40 |
【人】 軍医 ルーク……怒る、わたしが? [ そればかりは本当に分からずに、微かに眉を寄せた。 確かに、言ったことを守らない患者には、 何度でも強く言うべきだと思う。 けれどそれが自分の“怒り”であるかといえば―― わからずに鸚鵡返しにすることしかできない。 怒りか、と言われると、何かが違う気もする。 抑々、そこに何かがあったのか、自分ではわからずにいる。 もし本当に自分が怒っていたとして、 そのこと自体も自覚できていないし、 ――その理由も。] (242) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:44:10 |
【人】 軍医 ルーク[ 思考は、患者の傷を目の当たりにすれば、そこで中断だ。 シャツを捲れば想像以上に状態が酷い。] シャツも脱いでしまって。 あとで新しいのを出すから。 [ これは全体を診たほうが良さそうだと、そう指示する。 見ているのは、傷と同時に、身体の動き、目の動き。 あとでより精密に調べる必要はあるが、 おそらく今回も、極度の疲労以上の後遺症が出ている様子は なさそうだ。 傷口を確かめ、めり込んだ破片や石の欠片を手早く取り除き、 消毒し、処置を続けていく。] (243) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:44:40 |
【人】 軍医 ルーク……次に君が運び込まれてきたら、 まずは、剥ぐ。 部下の前で、丸ごと。 [ 溜め息をつかせるには十分な有様だ。 けれど、息を吐く暇も惜しいとばかりに手を動かす。 治療の速さ、正確さでは人後に落ちることはない。 時折、氷のように冷たい指が触れる感触はあっただろう。 (他の患者は、この世の終わりのように叫ぶ) 処置に痛みを感じたとしても、 長引くことはなかったはずだが―― そもそも、この状態で今まで殆ど平気な顔をしていた方が、 どうかしているのだ。 治療を終えて包帯を巻けば、傷跡は隠れる。 新しいものも、古いものも、白く覆ってゆく。] (244) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:45:28 |
【人】 軍医 ルークさっき何か聞こえたけれど―― 様子を見に行って、とかいうのは 寝言か譫言と考えて構わないよね。 言っておくけれど、暫くは安静だよ。 動けるようになったら自室に戻って構わないけれど、 任務に戻るのは言語道断、見張りも駄目。 報告が必要なら、部下かぺんぎんにでも 口頭か、書面の伝達を頼めばいい。 ああ、もし無理して動こうものなら――… [ わかるでしょう? とばかりに、 じーっと耳に視線を落としてやった。むすぶ。] 『検査』の方も、数日は休み。 [ 実際のところ、記憶の治療に差し支える状態かというと、 他の軍医であれば、この指示は出さなかっただろう。 上層部から厳命されている以上、彼らに選択肢などない。 自分は? 指示など知るか、である。] (245) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:46:04 |
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