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ラピスは、空き教室で、問診票への記入を指示された。 (a50) dome 2022/05/08(Sun) 20:51:21 |
ラピスは、事務的に記入を進めていった。 (a51) dome 2022/05/08(Sun) 20:52:08 |
![]() | 【独】 高等部 ラピス《定期検診のようなものだ》 《これに記入してくれるね》 定期的に、ストレス負荷を調査するための問診。 こんなものを書いたところで、この役割から直様解放されることはないのはわかりきっていた。 あくまで、道具が壊れていないことを確認するためのチェッカーだ。 「………」 特に拒否する理由も益も無い。 大人しく、事務的にチェックボックスを埋めていく。 雑談で場を保たせようという気遣いなのか、 良く言えば他愛のない話、悪く言えば興味もない話を 教師はつらつらと並べ立てる。 他の生徒の治療は順調だとか、 負の感情の回収は目標値まで達成されつつあるとか。 どれも記憶に残らないような内容だったけれど、 その後に掛けられたものが、ひどく頭の中に響いた。 《トットとクロノだが、》 《……ああ、お前もだけれどね》 《期待していたよりも役に立たなかったなぁ》 (-209) dome 2022/05/08(Sun) 20:52:38 |
ラピスは、ある言葉を教師に掛けられた。耳を疑った。 (a52) dome 2022/05/08(Sun) 20:53:23 |
![]() | 【独】 高等部 ラピス「───」 思考が止まった。 ペンを動かす手が止まった。 呼吸が数瞬、止まった。 まず己の耳を疑って、壁掛け時計の秒針が進む音を聞いて、聴覚は正常であることを再認識して。 次いで耳に届いた言葉が、聞き違えたものではないと再認識して。 ふつ、と胸焼けのような感覚がした。 ──役に立たなかったとは、なんだ? 目の前にいるのは、一教師であることは理解している。 無思慮なその発言が、大人全ての総意でないことも。 どれだけ私たちが苦しんだのだろう。 望まぬ治療を受けた子も、望まぬ治療を受けさせた子も。 見守ってくれると約束してくれた大人も。 ──くるしいね。 ──はやくおわって。 ──……応援させてくれますか? ──そんなことが、ゆるされるの? ──僕は"病気のこども"じゃなくなるのかな。 ──良いことなんて……悪いことの前には……無力で。 色んな言葉が頭を巡った。 その全てを、踏みにじる言葉が許せなかった。 (-211) dome 2022/05/08(Sun) 20:54:00 |
ラピスは、その言葉がどうしても許せないと思って、 (a53) dome 2022/05/08(Sun) 20:55:27 |
![]() | 【独】 高等部 ラピスがたり、と乱暴に席を立って、 何事かと瞠目する教師の横まで歩を進める。 暴力が短絡的な手段であることは承知していた。 こんなことをしてもどうにもならないことも。 でも、今は"未熟な子ども"である自分の立場を利用してやろうと思った。 子どもの訴えを、その身で味わってもらうべきだと思った。 これが問題行動と捉えられれば、自分の治療を最後に回収作業を止められるかもしれないと、希望的な観測があった。 だから、 (-214) dome 2022/05/08(Sun) 20:55:47 |
ラピスは、そのまま腕を振りかぶって、 (a54) dome 2022/05/08(Sun) 20:56:05 |
ラピスは、初めて、怒りのままに人を殴りつけた。 (a55) dome 2022/05/08(Sun) 20:56:11 |
ラピスは、初めて、ギムナジウムの大人に反抗した。 (a56) dome 2022/05/08(Sun) 20:56:32 |
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