情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 マリィ─────お酒、温くなるわよ。 [じんわり汗をかいたコンビニの袋が ちゃんマキの部屋着の端を染めるのを見て アタシはそっと口元を緩めた。 ぎし、と鎖をきしませ立ち上がって 酷く痛む尻を摩ると、 ちゃんマキを振り返って笑ってみせるの。] どっちに行けばいいの? ちゃんとエスコートして頂戴。 [「不束者ですが……」なんて 三指つくのも柄じゃない。 頬の上に黒く、涙の跡をひいた化け物と 歩くのがお嫌でなければ、って 手を差し伸べて。 今の話を聞いてなお 「はい物件決まりましたサヨナラ」って 言うのは多分心苦しいと思うけど……] (92) シュレッダー 2020/09/11(Fri) 18:53:19 |
【人】 マリィ[でも、どうしたってアタシ達は 「普通」になんかなれやしない。 だから、アタシにはアタシの、 あなたにはあなたの生き方があるでしょう。 日陰者として、あなたの生き方に お邪魔をするつもりは、ないわ……]* (93) シュレッダー 2020/09/11(Fri) 18:53:50 |
【人】 マリィ ー 現在・食卓にて ー [あっという間に空になってしまった小鉢を ぼんやり手に持ったまま] ……もう、無くなっちゃった……! [ちょっと恨みがましい視線を 本を読む由人に向けてやるの。 何が余り物よ、そんなに余らないじゃない! しかもアタシの好きなものから 売り切れてくのはなんで??] 明日の胡瓜の梅かつお和えと きのこのあんかけハンバーグは キープしといて頂戴。絶対! [みょうがのおにぎりを崩した上に 夏野菜たっぷりのカレーをかけながら 当初の条件を越えた要求を繰り出すと、 酸味のきいたルーをご飯にたっぷり絡ませる。 口の臭いおじさんの軽口とか 金魚のフンより長いOLの愚痴とか そんな一日の思い出を描き消すように、 クミンの香りが鼻から脳天へ抜けていった。] (94) シュレッダー 2020/09/11(Fri) 18:54:34 |
【人】 マリィ[こうしてアタシ達のひとときは 深夜のラジオ番組と共に終わる。 粗方空になったお惣菜の残りは アタシの昼食か、お店の賄いになって さっきまで余り物が占拠していたタッパーには また明日、新しい料理が詰められる。] ちゃんと今日眠れそう? [夜明けと共に眠りにつくアタシは 毎日由人に同じことを聞くの。 眠りの浅い同居人が、ほんの束の間でも 安心して寝られるように、って。 眠れないなら、ほんの数時間でもいい。 狭いベッドに身を寄せあって 優しくハグしてあげるの。] (96) シュレッダー 2020/09/11(Fri) 18:55:35 |
【人】 マリィ[あんたは今、ひとりじゃない。 この先がどん詰まりだろうと、決して。 そう言い聞かせるみたいに 何度も髪を撫で梳いて。]* (97) シュレッダー 2020/09/11(Fri) 18:55:54 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人[たったひとり、 家に住まわせてくれて ご飯を食べる時一緒にいてくれて ─────時々、人肌恋しい時に ベッドを共にしてくれる人が出来ただけ。 たったそれだけ。 それだけのことなのに、 俺はまた今日も死ねなくなった。]* (-31) シュレッダー 2020/09/11(Fri) 18:57:44 |
【秘】 環 由人 → マリィ[ 己が目の前の人にとって、 死ねない理由になっていることも 目の前の人がいることが 己が生きる理由の重要な 一つになっていることも 今はまだ、気づかないまま。]* (-44) ななと 2020/09/12(Sat) 0:35:25 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新