人狼物語 三日月国


159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】

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【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ



「……あのさ、
 この町の──夜景が見たい。
 いちばん高い所から、二人でさ。」

自分達が出会って、関係を育んで、
生きていた景色が見たい。
カメラは置いてきたから、
レンズの代わりに、自分の目で。

「この校舎あんま高くないし
 灯りも少ないけど……まあ、
 ギラギラしてるよりは綺麗だと思う。」

最期の、デートの誘い。
自分から何か切り出すのは、数えられる程しか無かったから
さいごくらい、自分から。




「……深雪と見たいんだ。」

そっと君へと、手を差し出す。

屋根の登り方なんて知らないけれど
少しだけ格好付けるくらいは、させてくれ。
(-155) osatou 2022/07/12(Tue) 21:06:37

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ

/*
バタフライ今日は今までの
どんな日々より美しい

飛び降りていこうぜ
結婚死き、しような!
(-156) osatou 2022/07/12(Tue) 21:09:11

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


ああ、少しずつ、いつも通りが戻って来た。

君が隣に居て、こっちを見てくれて、笑い掛けてくれて。
ちょっとずるい言葉を掛けても、気恥ずかしくたって
ちゃんとこたえてくれるから、つい君の優しさに甘えてしまう。
少し背伸びをする君が、どうしようもなく愛おしくって。

たったそれだけの なんでもなくて、かけがえのない日々。


「………あは、じゃあ、…このままでも、いいのかな。」

「…うん。俺、夏彦が居ないとだめみたい」

寂しがり屋だから、を免罪符にして、図々しく誰かの傍を陣取って。
毒にも薬にもならない言葉を吐く事なら、いくらでもできるけど。
努力は下手で、取り柄は無くて、得意な事は人に甘える事、くらい。
結局はそんな人間だ。

また甘えてしまっていいのかな。
なんて、今更なんだろうけど。
(-181) unforg00 2022/07/13(Wed) 1:28:58

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


「いいよ。見に行こう、二人だけで
 どうせ怒る人なんて居ないから、屋根まで登っちゃおう」

「同じ場所で、同じものを見よう。
 嘘のない、ありのままの綺麗なものを見に行こう。
 きっと今なら、それがよく見えるから……」

自分達が生きていた事も、想い出も、過去になっていくけれど。
現実はきっと、自分達を置き去りにしていくけれど。
これからは。ずっと変わらずに、二人一緒に居られるから。
ずっと、同じ場所で、同じを見ていられるから。

カメラが無くたって、楽しくないから、写真が撮れなくたって。
今を今のまま、切り取る事はできるから。


「………夏彦、」

差し出された君の手に手を重ねて、

──ぐ、と引き寄せて、不意打ち気味に唇を重ねた。
できるなら、ただ触れ合うだけよりもずっと深く。
理由は単にやり返しておきたかったのと、それと。
今しておかないと、終わりを先延ばしにしてしまいそうだから。

だからきっと、これがちょうどいい。
少ししたらちゃんと仕切り直して、
また格好付けてエスコートしてくれるかな。
(-182) unforg00 2022/07/13(Wed) 1:30:22

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


「──……〜〜っ、!?」

懐かしい唇の感触。目を見開いて、次にぎゅっと閉じて。
──もっと、と、唇を薄く開いて、控えめに舌を絡めていく。
静かな教室内に似つかわしく無いリップ音を立てて。

「……、ん、」

自分達が付き合って、だいたい一年くらい。深いキス。君と数えきれない程交わした筈なのに、上達しなかった、とぼんやり思う。


───暫く、そうしていて。
 息苦しさに胸を叩いて、どちらからともなく唇を離す。

「……やるなら、やるって、」

ちゃんと言ってよ。なんて、どの口で言うのか。
君をじとりとねめつけて、それでも繋がれたままの手を引けば

「……行こう死のう
 僕が居るから、大丈夫。」

もう離さないから、命を終わらせに。
夢の先へ、向かう為に。


さて。
「や……屋根って、
 どう行ったら……良いんだろな。」
(-189) osatou 2022/07/13(Wed) 11:31:08

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


ふたりきりの教室に、微かな吐息と濡れた音。

そっと舌を重ねて、優しくその輪郭をなぞって、深く深く。
薄い粘膜同士で触れ合って、誰よりもずっと近くで君を感じられる。
どうしようもない多幸感でじわじわと満たされていく。
それでももっと欲しくなる。


「………あは、」

そうしている内に、とん、と胸を叩かれて。
名残を惜しむようにゆっくりと唇を離して、息を吐く。
いつになっても君の息継ぎは少し辿々しくて、
だからいつも音を上げるのは君が先だったな。

「俺、夏彦と同じ事しただけじゃん」

先に不意打ちしたのはそっち。
なんてのは、子どもの言う屁理屈みたいなもの。
君の様子は想定内で、手を引かれながら、目を細めて笑った。

繋いだ手は、今度はきっと、恋人同士のかたち。
今度こそ──同じ夢を見て、その先へ。
(-198) unforg00 2022/07/13(Wed) 14:01:54

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


「ここ出て右の方の突き当たり、」

廊下の隅、目立たない階段。
普段使われる事の少ない場所だろうし、それはそうだよな。
一度見に行って、そんな事を思ったのを覚えている。

「から、屋根裏に上がれて。
 屋根に穴が開いてるみたいだから、
 適当に何か積めば屋根の上に出られると思うんだけど」

屋根裏に無造作に積み上がった箱や瓦礫は、
猫にとっては階段のようなものだっただろうけど。
人間が登ろうとしたら、少し頑張らないといけないだろうな。

「連れていってくれる?」

とぼけたふりして先導はせず、
さいごのデートは君に手を引いてもらおう。
だってほら、君達に甘えるのは俺の特権だからさ。
(-199) unforg00 2022/07/13(Wed) 14:02:22

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


同じではない気がする。いつだって君の方が一枚上手だ。
……なんて言ったところで、水掛論。

「………もう。」

仕方ないな、と独りごちれば
五指を絡めた手を引いて、君の言葉の通りに空き教室を後にする。

「連れて行くよ。
 離さないからさ、安心して。」

ここを出て、右の突き当たり。
廊下の隅の目立たない階段。
屋根裏に上がる──前に、音楽室からパイプ椅子を拝借してやった。
足りなければ、瓦礫でも何でもかき集めてやればいい。

「さっきセンパイと来た時、
 階段なんて見逃してたな……。」

情けないけれど
君以外見えていない、証左。

さて。
パイプ椅子を引き摺って屋根裏へと登れば、確かに上へと続く穴がある。
ぎし、とパイプの鉄錆を鳴らして踏み付けて、屋根の上──いちばん高い場所へと辿り着くだろう。

君を先導して、手を引いて。
存分に甘やかすのは、僕の特権。
(-241) osatou 2022/07/14(Thu) 1:15:18
ライカは、君を連れて行く。
(a81) osatou 2022/07/14(Thu) 1:15:42

ライカは、「足元、気を付けて。」
(a82) osatou 2022/07/14(Thu) 1:16:53

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


───屋根上。
星空にいちばん近い場所。

落ちてしまわないように、確と足腰へ力を込めて
ゆるりと屋根へ腰を下ろす。勿論、君を隣へ誘って。

「……カメラじゃ、
 上手く撮れないんだよね、星って。」


電気の灯りが少ない町では
夜空に星々が力一杯煌めいていて、
そうして、大きな月が、僕たちをいっとう優しく照らす。

まるで二人の選んだ夢を、
見守ってくれるみたいだ。

「……綺麗。」

星空、それから君が。
僅かに残る死への恐怖を、全部飲み込んでしまいそう。

「夜景は、見に行った事無かったよね。
 夜は……いつも、家で……、だったし…………。」


……もう少し。
もう少しだけ、デートを楽しませて欲しい。
これから踏み出す一歩は、あまりにも大き過ぎるから。
(-243) osatou 2022/07/14(Thu) 1:17:23

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


仕方ないな。
隣から聞こえた言葉は期待していた通りで、嬉しくて。
また一つ笑みを零して廊下を行く。一緒だから、大丈夫。

途中踏み台代わりに椅子を拝借して、そうして──


一歩、そして一歩、そしてまた一歩。
ふたり階段を上るたび、少しずつ最後の一瞬へと近付いていく。
屋根裏に辿り着けば、軋んだ音を立てて、また一つ上る。
椅子を踏んで、君が引く手に行き先を委ねて、屋根の上へ。

終わりの先へ辿り着く為に。
(-244) unforg00 2022/07/14(Thu) 3:45:30

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ

そうして校舎の外へと出てしまえば、
静かな夏の夜の空気は先ほどまでよりずっと澄んだものに感じて
月明かりだって差し込むだけのものよりもっと明るくて。
屋根の上に居る特別感も合わさって、違う世界に来たみたいだ。

「ん……撮るのも忘れちゃいそうなくらい、」

傾きつつある月は、手を伸ばせば届きそうなくらい近くに見えて。
その後ろでは大小さまざまの星がまだ暗い空を飾っていて、
高層建築も少ない土地だから、そんな空が遠くまでよく見える。

君の隣で見るこの景色が、この時間が、ずっと続けばいいのにね。


「きれいだね」

それだけを言って、隣に座る君にそっと肩を寄せた。
ずっとは続かない。この先に行かない限り、それは叶わない。
けれど、けれど、せめて。
記憶の中に切り取る今が、少しでも多くなればいい。

「………あは、いちゃいちゃするのに忙しかったね?
 俺は夏彦の事を構う方が好きだし、何より二人きりの時は
 普段よりもっと可愛いから。別にいいんだけどね…」

声を潜めて囁くように、ちょっと意地の悪い言い方をする。
レンズ越しじゃない君の月白色の瞳が、
自分だけを見ているのは、事実とっても気分が良かった。

これからもそうなるのだと思えば、
やっぱり諦められそうにはない。まだ少し、時間はあるけれど。
(-245) unforg00 2022/07/14(Thu) 3:49:29

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


君と当たり前みたいに隣り合って、
綺麗なものを綺麗だと、好きなものを好きだと言って
まるで普段と変わらないW日常Wを、味わって。

レンズを通さずに見上げた空は、いつもよりも綺麗に見えた。
嗚呼、これから死ぬんだ、なんて。実感は未だ湧かない。


「か、わいいって……僕が………?」

そうして、君のストレートな言葉には、むっと眉を顰める。
可愛がられるのも嬉しいけれど、
他の誰でもない君には、もっと───

「格好良いとか、頼り甲斐があるとか
 そういう方が嬉しいんだけど……?」

……そっとその横顔に、頬に唇を触れさせて
意地悪には、不意打ちで仕返してやった。

(-278) osatou 2022/07/14(Thu) 20:04:32

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


そんなふうに君と笑い合って、戯れて。
どれだけの時間が経っただろう。

軽口から、意地悪、愛の言葉まで。
伝え合って、何となく互いに言葉が止まる頃。

「………、」

そろそろかな、なんて
誘うように両腕を広げて、君をまっすぐに見据える。




「好きだよ、深雪。
 ずっと……一緒に居よう。」

太陽が目を覚ます前に。
行かなくちゃ。僕たちの夢の先へ。

君をこの腕に抱いて、その後はどうしよう。
何もかもに逆らって、空でも飛んでやろうか。
(-281) osatou 2022/07/14(Thu) 20:06:12

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


ふたりきりの世界で、今は他愛無い戯れを。
肩を寄せ合って、言葉を交わして、愛を謳って。
かけがえのない時間の中、広がる沈黙は心地良い。

そうして、ふと。
まっくらな、なにも写っていない写真を取り出して。
屋根の端の向こうへ少し腕を伸ばして手放せば、
ひらひら はらはら 風に舞って屋根の下へと落ちていく。

それを暫し眺めた後に、君がゆっくりと腕を広げて。
まっすぐな君の眼を見て、一歩。

「うん。…大好きだよ、夏彦。」

ああ、幸せだ。そっと笑って、誘われるまま君の腕の中へ。
片手を繋いで、そっと身体を寄せて、

「これからも一緒に居よう、ずっと、ずっと……」

「──そのリボンで小指と小指繋いでみたらどうだろう、」


小指、だけじゃ、嫌だな。
そう思って、胸元のリボンを解いて、繋いだ手に結んで。
そうしたらあとの片手は君の背に回して、

「ずっと、離さないから」

ぎゅっと抱き合って、宙を舞う写真達の後を追う。
そのまま、同じ夢の底へ落ちていく。
(-285) unforg00 2022/07/14(Thu) 20:53:45
 




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