カミクズは、もう下手くそな笑顔を見せる事は無い。 (c30) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:04 |
カミクズは、その顔は傷付けられて、見る影もないけれど。 (c31) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:13 |
カミクズは、目も口もただ閉じられて、笑みの形でこそ、ないけれど。 (c32) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:22 |
カミクズは、きっと、だからこそ表情は穏やかなものだった。 (c33) unforg00 2022/03/06(Sun) 19:26:28 |
【秘】 ユス → の名残 カミクズ『カミクズさん。気になって連絡しました』 合議が終わった後のこと。裁判場を出て、すぐに貴方に連絡を入れる。 『座る場所が傍聴席であろうと欠かさず来ていた貴方が今日来ていなかったので、気になって連絡しました。 掃除、やはり無理させたでしょうか』 青年はよく無責任な発言をする事が多かった。己の手で責任を取れるものなど限られているから。 ただ、この間の掃除については自分も関わっている為かどうにも気になって連絡を入れたようだ。 貴方が一人の男と水族館へ行き、そのままいっとう深い眠りについたことなんて、全く知らない。 (-194) もちぱい 2022/03/06(Sun) 23:26:27 |
【秘】 の名残 カミクズ → ユス『ああ、ユスさん』 『大丈夫ですよ。 ちょっと外せない用事があって、行けなくて。 今日の話し合い、皆さんどうしてましたか?』 なんて。 今も端末の向こうに清掃員が居たら、 きっとそんなふうに返したんだろうな。 でも、そこに清掃員はもう、居ないから。 確かにそこにあった、暖かかった時間の、優しかった時間の その名残を残すばかりのものになってしまったから。 その連絡に、返事が返ってくる事はなかった。 たとえ責任が取れずとも気にはする男の、珍しい無責任だった。 そして多分、端末で調べても、現在地はわからないんだろうな。 清掃員の行方を知っているのは、ただ一人だけ。 あなたに思い当たる節があるかは、なんとも言えないな。 (-199) unforg00 2022/03/06(Sun) 23:52:48 |
【秘】 規律 ユス → の名残 カミクズ 貴方と話した時間は決して多くはないが、それでも大まかに反応を予想する程度には知っている。 きっと穏やかな口調で大丈夫なんて返すだろうと予想していた。 ……するだけで、Wその先が無かったW。 合議終了後、何においても優先すべき用事ができたから、きっとそれ以降のこと。 いくら待てども手帳は真っ白。人柄的に、無視をするなんてことはしない筈なのだが。 「……」 疑問に思って、端末の別の機能を使う。人数を確認する。 …………マップに表示される人の数が合わない。 それが意味するものとは、つまり。 「……あり得ることではあるな」 手帳を閉じる。 貴方に再度連絡が送られることは、なかった。 (-207) もちぱい 2022/03/07(Mon) 0:39:08 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ太陽が昇っている頃、あなたの遺体を持って広場に作った温室へとやってくる。 VRが故に遺体はそのままだろうか、形だけの処理だけを男は考えている。 穴を掘りながら視線を向けずに、独り言をつぶやいて。 「花屋はしているんですが、ガーデニングはあまりしてこなかったんです。 ハナサキさんは土いじりを趣味にしていると聞いたんですが、俺は経験談は少ないんですよね……花言葉や花束の作り方を心得て居るぐらいなんです」 「カミクズさんは多分、接客が合いますね。 センスがいいのなら、リボンや……包装も頼めたら楽でしょうか。あ……」 「火葬した方が、いいのか。 埋めるだなんて……サスペンスの見過ぎですね」 (-220) toumi_ 2022/03/07(Mon) 2:30:43 |
【秘】 の名残 カミクズ → 美術 エノその日の話し合いの裏、落ちていく意識の中。 ──ああ、死ぬのだろうな、と思って。 それから、きみに言われた言葉を思い出して。 やっぱり悲しませてしまうかな、なんて罪悪感が蘇って。 それでも、きみには生きて欲しいな、と思った。 その未来をこの目で見る事は叶わないけれど。 それは、ある種の呪いになってしまうとわかっているけれど。 重荷を背負って生きる事は、苦痛を伴うと知っているけれど。 話し合いの様子を、知っていたわけではないけど。 『絵乃さん』 『僕はずっと、きみに生きていて欲しいと思っていたんですよ』 『だから』 『きみが生きていたいと願うなら、 僕は、きみの友人は、それが叶う事を願っています』 でも、それでも、そう願う事は。 友達の無事を、幸せを願うのは、それこそ普通の事でしょう? そんな、ちょっとずるいメッセージは、確かに送信された。 だから、どうか、どうか。 これ以上、大嫌いなこの制度に、 僕が生きて欲しいと思った人が、奪われてしまいませんように。 (-221) unforg00 2022/03/07(Mon) 3:10:55 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ死者は、何も語らない。 息絶えた時そのままの姿で、ただそこにある。 温室を初めて訪れても感嘆の声を上げる事は無いし、 穴を掘るきみの背に、 手伝いましょうか、なんて声を掛ける事も無いし 虚しく響く独り言に、相槌を打つ事も無い。 ただ、確かな死の気配を纏って横たわっている、だけ。 それがあるべき姿だった。 (-222) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:16:12 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワそんな中、不意に。 「 ん っ い」 乾いた唇が、ほんの少しだけ動いて、それから。 「 ── ─ぜんぜ んわ かって ない! !!」あるべき形に抗って、 死者は今一度重たい目蓋を上げて、泥濘の眠りを振り払った。 夥しい血に塗れた人間がゆっくりと身を起こす光景は、 きっとホラー映画も斯くやの凄絶なありさまだったんだろうな。 それが誰にとってのホラーかなんて、わかりやしないけど。 (-223) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:21:14 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「僕は」 「 一人は いやだ って、いったの に」「 埋めるだ とか、火葬だと か」そんな言葉の勢いも徐々に弱まって、 最後には項垂れて、もう何も濡らす事の無い涙を零した。 「おいていかないでよ……」 取り巻くもの全てがどうしようもない寂しさを掻き立てる。 これじゃあまるで、自分はもうここに居ないみたいじゃないか。 もう、きみの傍に、居られないみたいじゃないか。 (-224) unforg00 2022/03/07(Mon) 4:21:54 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「……何言ってるんですか? 死体なのに、一人になるとかならないとか関係ないですよ」 「現に一人にしてないじゃないですか、向こうに俺の造った温室があります。見ていなければ綺麗な花をそろえてるので見ていってください」 勢いのある声を背にあえてそちらをみずに穴を掘り進める。 君の涙にも気付かず、ただひたすらに。 「寂しさなんてわかりませんよ。 一緒に死にたい気持ちも、まだ……きっと永遠にわからないです」 「それに、置いていったのはあなたですよ、掃守さん」 (-225) toumi_ 2022/03/07(Mon) 4:37:50 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ涙を拭って、顔を上げて。 一つ深く息をすれば、耳障りな音がした。 息をするだけで億劫だ。骨が折れて、肺を傷付けているから。 「手放したのはきみだ」 それでも、確かな声で事実を突き付けた。 ああでも勘違いしないで欲しいのは、 きみの言う事も事実の一つだと、そう思っている事。 「確かに僕はきみを置いていく事を選びましたね。 きみが誰かを失う事の痛みを知る事ができるように。 そんなどこまでも独善的な理由で。 …ああ、でも、結局寂しさも何もわからなかったんですね。 そうだとしたら悲しいな……でも」 悲鳴を上げる身体を引き摺って。 背を向けたままのきみに歩み寄って、その表情を覗き込んだ。 「 本当にそう思ってる? 」もし仮に、本当に何も感じていないのだとしたら。 この死者と向き合う事から逃げる必要なんて無いでしょう。 (-226) unforg00 2022/03/07(Mon) 5:28:57 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「……どうしたの」 「勘違いしないで」 覗き込んだ顔は涙を流して、君と視線があった瞬間に近づき、触れずに二人の距離は0になった。 男は残酷なほど君を死者として向き合っているつもりだ。 そうでなければ、 埋めることも燃やすことも考えたりしない からだ。そして涙をこぼしながら穴など掘ってもいない。 「……君の寂しさがわからないといったんです。 わかりたくも、無いです味わいたくもないです」 「死んだあとなんて、続かないと思っていたのに。 こんな辛い思いをさせるなら終わらせなかったのに」 「殺されたことも、置いていかれたこともない」 「だからわからないと言ったんですよ」 「死人扱い、されたくないんですか? そんな、君の事を考えずにつれ歩けませんよ」 (-236) toumi_ 2022/03/07(Mon) 11:40:18 |
【秘】 美術 エノ → の名残 カミクズ青年は、その通知を。 どこか、海の見える場所で見た。 「……なんだよ、そんなの。」 「俺だって、ずっと思ってたよ。」 「君に生きてほしかったんだ。」 「俺だって。」 「……俺、だって……………」 ぽた、ぽたと、砂浜に涙が溢れていく。 ずるいよ、自分ばっかり。 俺は君の事、ちゃんと見送りだしたじゃん。 君もそうしてよ。 そうして、くれないと。 「……っぅぅ………く…………」 ───せっかくの脆い決意が、揺らいじゃうよ。馬鹿。 呪いみたいな優しさに、浸されていく。 友達って、ずるいよ。 (-240) arenda 2022/03/07(Mon) 13:03:32 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ濡れた頬に触れようとして、でも。 確かに伸ばした手はそれをすり抜けてしまった。 いつもいつも、触れられなくなってから涙を見るなんて、 「ひどい話ですよ」 心底残酷な話だと、吐き出す息に乗せて呟いた。 下手くそな笑みの影も形もない顔で。 「…勘違い、しないで欲しいのは」 また一つ、肺を傷付けながら息をする。 本当は呼吸なんてしない方が楽だ。 声を出す為にしているだけで、もう必要の無いものだ。 それでもきみに伝えたいからそうするのだ。 「こうして終わりの先をまだ続けているのは、 僕の意思で、僕が望んでそうしたことです」 「きみのくれた終わりは、死の眠りは確かに心地良かった。 痛みも苦しみも全て遠い事のようで、何も考えなくてよかった。 でも、その中ではできない、得られないものがあった。 だからこうして這い出して来た、たったそれだけです」 「今のきみに何もしてあげられないことが、一番寂しい事だから。 きみが泣いている時に傍に居られないなら、 手の掛からない死人で居る事なんかやめてやる」 「埋める死体は、もうありませんよ」 (-245) unforg00 2022/03/07(Mon) 13:36:42 |
【秘】 不運 フカワ → の名残 カミクズ「……聞いてくれますか」 「俺は、実は。 エノくんのことかなり 理解できてしまったんです」 突然告げるここに居ない誰かの話。 彼にはいっていない、彼には一生伝えない。 こんな場所で、彼の理解者にはなってあげない。 そう決めたから。 「……合議で人を殺したから票をいれてほしい。 自分は生きていたらいけない、だとか……そっくりで驚きました。他にも一人でも理解者がいて溺れられたらそれで幸せ。先をみなくても良い、未来に何を求めるのだとか、不安を過ごしたくない。いつ嫌われるかもわからないのだから、ここで終わりたい」 「本当にそんなことを思えそうでした」 「けれど、……違ったのは」 「どれぐらい好きな人をこの手で殺したかです」 (-258) toumi_ 2022/03/07(Mon) 14:05:06 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新