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【人】 火澄 七瀬言葉遣いを敬語へと改めたのも、 私と瀬名がべつべつ≠セと知ったからでした。 どうしたって、私と瀬名を間違える人は 存在しましたから。 服装や髪形などで違いを出すこともできたでしょうが。 私にとっては言葉遣いが、 どんな状況でも、何を用いずとも使える、 私達を区別するための装飾品だったのです。 (24) 希 2023/05/04(Thu) 10:19:01 |
【人】 火澄 七瀬当然です、という顔をして。 彼の耳元へと、そっと内緒の話を寄せたのは 目的地に向かって歩き始めて、 少し経った頃合いだったでしょうか。 丁度1ヶ月前にあったバレンタインデー。 私はそうですね。 禎光へと友チョコを渡していたと思います。 此方へのお返しへの頓着はしていませんが、 大事な妹へのお返しを蔑ろにされてしまうのは …… そうですね。駄目ですね。 彼が大切な幼馴染と言えど、許してはいけないことです。 (26) 希 2023/05/04(Thu) 10:28:16 |
【人】 火澄 七瀬………… ひょっとしたら、 瀬名は禎光へとバレンタインの贈り物を していない可能性もありますが。 その、別に貰えていなくたって、 お返ししてもいいじゃないですか! ホワイトデー。** (27) 希 2023/05/04(Thu) 10:28:29 |
【人】 火澄 瀬名かつて私は七瀬で、七瀬は私でした。 生まれた時から……いいえ、生まれる前から 一緒にいるのが当たり前で。 周りにそっくりね∞仲良しね≠ニ言われても、 私がもう一人いるのだから当たり前だとしか思えなくて。 双子ちゃん≠フように呼ばれれば尚、 それは七瀬でも瀬名でも関係のないことでした。 いつからでしょう、 私と貴方が、解離していくことを止められなくなったのは (28) papico 2023/05/05(Fri) 10:48:21 |
【人】 火澄 瀬名「 禎光!どっちがどっちでしょうか! 」 服装も髪型も揃えて遊びに出掛けた私たちを、 彼は見分けられることができたでしょうか? それは七瀬が敬語を使い始めるまでの間だけ だったかもしれませんけれど。 ***** (30) papico 2023/05/05(Fri) 10:48:34 |
【人】 火澄 瀬名いつもと違ったのは、 七瀬が用意したものよりも少し良いものだったこと。 友チョコ≠ニは言わずに渡したこと。 それだけです。それだけでした。 (32) papico 2023/05/05(Fri) 10:50:08 |
【人】 水面 禎光知らない人の家 ≠ニいうワードに 瀬名も、僕と同じく驚きの声をあげた。>>12 けれど ─── 瀬名が想定していたスポットとして 賭博場 ≠竍 怪しげな店 ≠出してくるあたり やっぱり双子なんだな、とふたりの顔を見やった。 ヒトデが出るのは理解した。 >>7 いや、理解できなかったけど話が進まないので頷いた。 どうやら埃っぽくない場所らしいのは有難い、けど。 僕が少し首を傾げたのは、 掃除は定期的に行っている ≠ニいう部分で。 >>8 誰が掃除しているか主語は抜けていたが 瀬名も引っ掛かりを覚えたようで。 >>15 けれど、追及するでもなく賛成するのなら ほらもう 多数派の出来上がりだ。 思い出作りを真っ先に賛成した僕にも反対する理由が無い。 (36) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:24 |
【人】 水面 禎光「 え……? なに言ってるの瀬名 」 だけど、そんな遊びをぶつけるほど 僕らはもう友達だったのなら。 僕に初めて出来た" 友達 "だったのなら ─── 扱いを同じにしていただけで きっともう 間違える事なんて無かったんだよ。 違う名前、姉と妹。繋いだ手は右手と左手。 まばたきのタイミングだって同じじゃない。 やがて、七瀬が敬語を使いだしたりすれば猶更。 彼女達と 共に過ごせば過ごすほど ──── 僕の中で、個々へ抱く感情もまた違いを見せていった。 ***** (39) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:36 |
【人】 水面 禎光もう高校生にもなろうとしているのに 男女3人で寄り添えている僕ら。 それがどうしてかなんて ── 僕は深く考えたコトも無かったんだ。 僕らのささやかな対立はいつだって **敗れたあとも 多数派に混ざる事を許されていたから (41) よし☆ 2023/05/05(Fri) 19:58:48 |
【人】 火澄 七瀬「 ここにいたのですね、瀬名。 もうすぐバレンタインデーですよね。 今日は一緒に禎光へのチョコを作りませんか? ああ、…… そうなのですね ──── 」 (42) 希 2023/05/05(Fri) 20:56:24 |
【人】 火澄 七瀬お菓子作りを趣味にしているわけではありません。 私は例年通り、初心者でも失敗しないレシピで、 友チョコの名に恥じない味を贈ったでしょう。 …… 私にとっては、 普段と変わらないバレンタインデー。 エプロンを付けて、湯煎をする私の隣に。 揃いのエプロンを纏う瀬名がいないことを除いては。 (44) 希 2023/05/05(Fri) 20:57:18 |
【人】 火澄 七瀬「 …… 雨、降ってきましたね。 」 きっとそれは、小雨も小雨で。 地面を1,2滴の粒が叩いた程度。 ヒトデには物足りなかったでしょう。 なのに私は、幸いとばかりに持っていた傘を広げて 曇天の下に、薄紅色の花を咲かせました。 (47) 希 2023/05/05(Fri) 20:58:58 |
【人】 火澄 七瀬「 ああ、駄目ですよ瀬名。 流行っているからと言って、 賭博場や怪しげな店に出入りをするのは。 貴女は昔から、少々危なっかしいんですから。 」 …… 次に傘を小さく揺らす頃には、 私はお姉ちゃん≠フ顔をして。 妹を見守る眼差しを浮かべていたでしょう。** (49) 希 2023/05/05(Fri) 20:59:20 |
【人】 火澄 瀬名「 すごいね、禎光。また正解! 今日は間違わせる自信があったのにな。 」 連続正解を止めたいなってお揃いに磨きをかけて 一方で本当は、見分けてほしかったのかもしれません。 だってこんな友達≠ヘ これまでにはいなかったのですから。 ***** (50) papico 2023/05/06(Sat) 1:11:25 |
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