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【人】 唯の青年 レグナぽたぽたと、"雨"が降るのを感じる。 "雨"のしずくが、自らの頬に落ち、濡れる。 「……、それでも。あのまま終わりなんて、俺は嫌だ。 だから……俺は、あんたに生きててくれて、あれが現実で無くて、良かったと思うよ」 「だって、死んでしまったら。それで終わりだ。 ……生きてさえいれば、いくらだってやり直せるだろ?」 苦笑交じりにそう告げる。 失った経験なんて無い筈なのに、そんな言葉がするりと出たのだ。 「あんな風に、言っちまったけどさ。 俺は、本当は。……しもべで、居たい」 「本当に困る事はあるけど、それは俺をマオに渡すって解釈された責任だ」 「……だから、降りておいで。マオ。」 そういって、両手を伸ばす。 ▼ (9) smmmt 2023/09/13(Wed) 0:37:14 |
【人】 唯の青年 レグナが。突如響いた ドォン! と大きな音と共に。猫みたいな悲鳴が上から来たかと思うと、マオが木から落ちている!!! 「!????!?!?」 レグナは股間の上にドォン!!! (10) smmmt 2023/09/13(Wed) 0:40:44 |
レグナは、 「い"ッッッ、―――――!!!!!!」 (a5) smmmt 2023/09/13(Wed) 0:42:37 |
レグナは、数分間は痛みに悶絶している事だろう。 (a6) smmmt 2023/09/13(Wed) 0:42:50 |
【人】 水底の石 マオマオの頭が、ハンマーの如くレグナの股間に鉄槌を落とした。 それどころではない当人は、顔を埋めまま、ぎゅ、と しがみつくように、手近な服を掴む。 「………ゃ、じゃ……」 震える声が、絞り出すように言葉を紡ぐ。 何に対しての否定なのか、もはや本人にもわからなかった。 いつもの偉そうな態度はすっかりなりを潜め、まるで怯える子猫のよう。今までさんざん甘やかされてきたマオは、一度躓いただけで、大怪我をするほど脆いものか。 「……なんで……なぜ、そこまで言える……? レグナはわしを、嫌いではないのか? 殺してしまえるくらい。 ほんとうは……きらいに、決まってる」 「おまえに嫌われた世界で生きるくらいなら、 おまえに殺された方がしあわせじゃと、思って……わしは……」 だから、わざとレグナを怒らせた。 自分が犠牲になって出してやろうなんて、そんな綺麗ごとのような優しさのひとカケラもない。 誰かを殺した人間は、特におまえのようなお人よしな人間は 一生殺した者を忘れないだろう。 そんな、呪いになろうとした。どこまでも自分勝手な男だった。 ▼ (11) DT81 2023/09/13(Wed) 10:31:46 |
【人】 水底の石 マオおずおずと顔を上げて、起き上がる。力なく座り込んだまま。 ぐしゃぐしゃの前髪、泣き腫らした赤い目元。 濡れた瞳から、止まらない雫が未だに頬を濡らしていた。 「わしは、きっと、じぶんがはじめて……いやになった。 いたい……胸が、息苦しいのじゃ……水に沈んでるみたいなのじゃ」 マオは胸の中心を押さえて、消え入りそうな声で訴える。 ずっと雨が止まないのは、そのせい? 生きててくれて、生きてさえいれば──…… やさしくて、あたたかい言葉をかけられているはずなのに 苦しくてたまらないのはなぜだろう。 この胸の内を吐き出せば、楽になるのだろうか。 マオはあなたに這うように、近づいていく。 もうさんざんぐちゃぐちゃの浴衣姿でも構わず。 服にしがみついて、すがるように、抱きしめた。 ▼ (12) DT81 2023/09/13(Wed) 10:37:20 |
【人】 水底の石 マオ「 レグナ 、」「…… 御免なさい 」我儘で、自分勝手で、酷いことをさせて、困らせて。 もしあの空間が仮想ではなかったら、この"最期"に伝えようとした言葉は今ここで声にすることはできなかった。 「……ごめ、んなさい……」 「ごめんなさいをすると、仲直りできるのじゃろ……?」 己を絞め殺す時の彼の表情が、脳裏に焼き付いている。 胸元に額をすりつけて、涙があなたの服を濡らす。 「もう……しもべじゃなくてもいいから、」 顔をあげて、濡れた若草色があなたの蜂蜜色を見つめる。 「嫌いに、ならないで……、」 ▼ (13) DT81 2023/09/13(Wed) 10:48:23 |
【人】 水底の石 マオ──ドォン……! その刹那、夜空にもう一度大輪の花が咲いた。 一瞬の光がふたりの輪郭を照らして、しんと沈黙が訪れる。 「……───────」 (14) DT81 2023/09/13(Wed) 10:58:20 |
マオは、息を吞む。 (a7) DT81 2023/09/13(Wed) 10:59:10 |
マオは、花火の音に遮られて詰まった言葉が、最後に唇から紡がれた。 (a8) DT81 2023/09/13(Wed) 10:59:43 |
【独】 唯の青年でいたい マオ/* しもべじゃなくてもいいからとか言ってるけどたぶん次の日ころっとしもべ扱いする。一時的に反省してもマオはマオなのだ。 (-15) DT81 2023/09/13(Wed) 14:34:37 |
【人】 唯の青年 レグナ……暫く痛みに蹲っていたが、それはともかくとして。 縋る様に顔を埋め、普段とは段違いにしおらしく、か弱く、震える声が聞こえれば。 ゆっくり宥める様に、ぽんぽんと頭を優しく叩く。 「…………。」 「心から嫌ってたら、あんたのものになるのを断ってるし、 いくら我儘言ったって此処までしてやる道理はないし、 あの言葉に、怒ったりしない」 いくら自分がお人好しだろうと、嫌いな相手の面倒を好き好んでみるものか。 嫌いな相手を殺した所で、あんなにも深い疵になったりなんてするものか。 ▼ (15) smmmt 2023/09/13(Wed) 18:59:46 |
【人】 唯の青年 レグナあなたが顔を上げて。そこから、赤い目元が見えれば。 やれやれと呆れた様な、安心した様な、普段と似た声を零して。その目元を拭い。 抱きつかれれば。ゆっくりとその身を抱きしめ返す。 すっかり冷え切った体温に、自身の温度を伝える様に。 「……うん」 我儘で、自分勝手で、酷いことをさせて、困らせる様な。 そんなあなたから紡がれる謝罪を、懇願を、願いを。確かに聞き取って。一言一言に頷いて、背を撫でる。 塗れた若草色が、此方を見ている。 あの時だって、視線を交わしてはいたけれど。 ようやく、心から目を合わせてくれた、そんな気がした。 綺麗な色に染まった火花が音と共に夜空に咲く。 大きな音と光が空間を支配する。 ▼ (16) smmmt 2023/09/13(Wed) 19:00:27 |
レグナは、それでも、確かに、聞き逃さなかった。 (a9) smmmt 2023/09/13(Wed) 19:00:38 |
レグナは、レグナにとっては、あなたは、ただひとりの、 (a10) smmmt 2023/09/13(Wed) 19:01:44 |
マオは、レグナのその一言だけで、胸がいっぱいになった。 (a11) DT81 2023/09/13(Wed) 22:08:34 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ「……っ……ゆるして、くれる……のか? 嫌い、じゃない……なら? 好き……?」 レグナのてのひらは、やっぱりやさしくてあたたかかった。 その手に触れられるのが好きでたまらなくて、思わず頬が緩む。 拭われた目元は、不思議と涙は止まっていた。 ああ、だけど抱きしめられるのは、きっと初めてだ。 なんだか、ふしぎな気分。 胸の痛みがやわらいで、ずっとこうしていたくなる。 いつも、わがままを仕方なくきいてくれるような そんなレグナらしい調子の愛のことばを反芻する。 すこしそわそわとした様子で。 「う……じゃあ、……じゃあ、レグナとわし……なかなおりか?」 少し、昂ぶりを隠せないようにぐいと身を乗り出す。 「レグナはわしのか?」 調子づいてくるのは早かった。 ぎゅぅとその細腕でつよく抱きしめる。 見かけによらず、案外力があった。 ▼ (-17) DT81 2023/09/13(Wed) 22:08:59 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ「のう……レグナ。レグナのくれる愛はどんな形じゃ……?」 目を細めてほんのり、恍惚としたような視線で見つめる。 愛してなんて言ったけれど、その愛が人とはほんの少しずれているかもしれなくって、だから思わずたずねる。 レグナの手を自分の顎から頬を撫ぜさせるように沿わせて 縋るように、すりと頬擦りしながら不安げにおねだりする。 「教えてくりゃれ……」 こんなふうに、とそっと顔を近づけて目元に口づけをする。 マオはレグナの瞳が好きだから。 大空には沢山の美しい大輪が咲き乱れる中 マオの瞳にはレグナしか映していなかった。 (-18) DT81 2023/09/13(Wed) 22:15:00 |
【秘】 唯の青年 レグナ → 唯の青年でいたい マオ「ああ。大丈夫。許す。 ……あんたも知っての通り、俺はこうやって伝える事、あんまり得意じゃねえけど。 ちゃんと、マオの事。……好きだよ」 とん、とん。宥める様に、あなたの背を撫でる。 幼い子にするようなそれでいて、少しだけ違う様な。そんな色。 「仲直り、だ。お互いごめんなさいをしたのなら、仲直り」 そう言った後。 ぐい、と身を乗り出して、調子付かれた言葉を告げられれば。 「……、そう、だよ。 嫌いな相手に、俺自身をあげる事を、了承しないだろ」 「だから、俺は……マオの、だ」 ▼ (-19) smmmt 2023/09/14(Thu) 1:44:00 |
【秘】 唯の青年 レグナ → 唯の青年でいたい マオ「……俺の、愛……?」 おねだりを受け。暫し考えて。考えて。……考えてから、漸く。 恍惚とした視線に目を合わせる。 今まで受け入れようとしなかった、強がりな部分。 撫でられればそこは擽ったさの中に、何かが混じっている。 「……、」 心臓が、少し高鳴っているのを感じた。 こんな風にかき乱されるのは、唯一無二だ。 目元に口付けをされれば、少しくすぐったいな、と笑て。 きっとそうした後、あなたはじっとこちらの行動を待つだろう。 「……、わかった」 言って、鼻先に軽いキスを送り。 次に、唇に長く、甘いキスを送った。 途中慣れていないながらおずおずと、舌を入れてみたりも、する。 (-21) smmmt 2023/09/14(Thu) 1:45:07 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ「…………!」 ぱあっと笑顔が咲く。 ゆるしと、仲直りと、そして改めてちゃんと "わしのじゃ"ということを確認して認めてもらって── 「レグナ……」 「レグナぁ〜……!」 「おまえが、初心で照れ屋さんというやつなのは わかっておったが、だいじなことは伝えてほしいのじゃ… レグナはわしのじゃ……大好きなのじゃ……」 嬉々とした声色で喜びを露わにし、胸元にすり寄る。 猫であったならばごろごろと喉でも鳴らしていたかも。 「そうじゃ! これ……なかなおりの証じゃ…… おまえ、いつも乗ってるし好きじゃろ……? 鉄でできた鳥の乗り物……」 懐から、軽い紙の素材でできた、飛行機のおもちゃを取り出して、ぐいと押し付けた。さんざん動き回って潰れたのか、若干形が歪んでいた。ぴかぴか、きらきらと光る金色だ。黄金の浴衣といい、派手な色。どこまでも金色を推したいらしかった。 先端にはプロペラもついており、ちゃんと飛べるつくり。 マオは普段人工のものに馴染みはあまりない。相手の好きなものを手に入れるという試練で手に入れたものなのだった。 ▼ (-22) DT81 2023/09/14(Thu) 14:14:19 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ心臓を高鳴らせていたのは、じっと待っていたマオも一緒だった。 胸の奥をつくような感情が苦しくも、心地よくもある。 こんなふうに、人を愛し、愛されるのなんて初めてだから。 鼻先に降るくすぐったい感触に目を細めてくす、とうれしそうに笑い声を零した。 あなたの両頬を撫ぜるように、そっと手を添えて、瞼を閉じて。 かさねられた唇を愛おしげに、甘く、やわらかく食む。 ひかえめに入り込んできた舌をからかうように 舌先でつついたりして、ゆっくりと絡めていく。 「……ん、……っ……」 鼻にかかった甘い声が漏れる。 うっすらと瞳を開けると、あなたの顔が目の前にある。 ほっぺたが熱い。吐息も、身体も、じわじわと熱を帯びて。 ふたりの呼吸が、唾液が混ざり合って、心も溶かしていく。 (-23) DT81 2023/09/14(Thu) 14:17:56 |
【独】 唯の青年でいたい マオ/* >鼻へキスをする場合には、動物を可愛がるように、あなたのことを「大切にしたい、可愛がりたい」と感じている証拠です。 おれはネコチャン……。 (-25) DT81 2023/09/14(Thu) 16:47:15 |
【独】 唯の青年でいたい マオ/* 目元(まぶた)にキスは単純にレグナくんの目が好きというきもちもあり、よくいわれてる意味は憧憬……あこがれですね。 人間にあこがれてるという意味ではあっている……。 (-26) DT81 2023/09/14(Thu) 16:57:12 |
【独】 唯の青年でいたい マオ/* でっかい花火、レグナくんにプレーンに乗せてもらって見るという企みをくわだててたのに、演出として打ち上げてしまいました。後悔はしていない (-27) DT81 2023/09/14(Thu) 18:38:52 |
【秘】 唯の青年 レグナ → 唯の青年でいたい マオ懐いた猫の様に、すりすりと胸元に擦り寄られれば少し擽ったそうに撫でる事を続ける。 同時に、大好きだと言われれば。満更でも無さそうに笑む事だろう。 「仲直りの証?」 言われれば尋ね返して。 出て来た飛行機のおもちゃに、ぱちぱちと瞬き。 それから、また金色である事に。それが自分のイメージなのか、或いはあなたの好きな色なのか、と笑いつつも。 けれども好きなものを覚えてくれた事には嬉しく思いながら、受け取って。 「……ありがとな。 そうだ、俺からも渡すものがあったんだった」 言って取り出したのは、まん丸で黄色い月を模した髪飾り。 普段はまるで子供の様なのに、時に此方に合わせようと背伸びしたがる様な。そんなあなたによく似合うと、そう思った。 望むのならば「少し、上向いて」と。そのままあなたの髪に着けようともするだろう。 ▼ (-28) smmmt 2023/09/14(Thu) 22:00:38 |
【秘】 唯の青年 レグナ → 唯の青年でいたい マオかき乱される様な感情に任せるまま、ゆっくりと舌が絡まっていく。 唇に伝わる愛おし気に食まれる感覚が、舌に伝わる揶揄う様につつかれる感覚が、心地いい。 仕返しと言わんがばかりに、上顎を舌で少しつついて。そうしてふたり、愛情に浸る。 「……、ふ……」 祭りで賑わう人々は、皆花火に夢中で、物陰の二人に気付いていない。 或いは自分達が二人の空間を望んでいるからか、なんて事には。気付く事はない。 (-29) smmmt 2023/09/14(Thu) 22:01:03 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ証を受け取ってもらえたことに密かに安堵して 渡すものがあると聞けばよっぽどお腹がすいているのか 食い意地が張っているのか「メシか?」と反応するが 「……なんじゃ? 黄色いまんじゅうの飾りかの? わし、黄色はきらきらで好きじゃぞ。おまえの眼の色もそうじゃ」 着てもらおうと思った浴衣も、飛行機のおもちゃが金色だったのも、きっとそこからだ。 髪飾りをまじまじと見つめて、いっとき首をかしげるも 言われるがまま「ん!」とご機嫌で上を向く。 「マオ様が美しく見えるようにつけるのじゃぞ〜?」 段々といつもの調子を取り戻してきたのだった。 調子に乗ってきた、と言うべきか。 ▼ (-30) DT81 2023/09/14(Thu) 23:32:19 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ頬に添えていた手が、さ迷うように あなたの耳をくすぐって、耳の後ろを沿って、さらに首の後ろへ。 いつかやったような体を密着させるような体勢。 「……ん、んっ」 あなたの舌につつかれるとぴく、とちいさく肩がはねて。 負けじとあなたの舌の裏に入りこむ。温かくて湿った感触。 生まれ始めた欲情に身を任せながら、先よりも少し激しく深い口づけを交わす。もっと、もっと、とねだるようにあなたに縋る。 時も、花火も、ここがお祭りということも忘れたように浸った。 「ぷ、は……」 呼吸も忘れて夢中でするものだから、苦しくなって、ふいに口が離れる。 口元をぬぐうこともせず、だらしなく口をあけて 乱れた呼吸を整えながら、熱を帯びた瞳であなたを見つめた。 ▼ (-31) DT81 2023/09/14(Thu) 23:43:41 |
【秘】 唯の青年でいたい マオ → 唯の青年 レグナ「のう、レグナぁ……♡」 「……もっとわしを可愛がってくりゃれ…………」 すっかり上気してほんのりと赤く染まった頬。潤んだ瞳。 さんざん着崩れていた浴衣をずらしたのか、ずれたのか 肩を、胸元をはだけさせて、欲情を誘うようなねこなで声を出す。 ……野外ということなど、気にもせず。 まるで、発情した獣みたいだ。 「さっき打ったここは、もう痛くないかの……?」 マオの指先がゆっくりとあなたの胸元、腹、下腹部と順になぞって 最後に腿の間で、止まる。しなやかな指先がそっとそこを撫でる。 まぎれもなく、わざとやっているいたずら。 調子に乗ってるいたずら猫じじいを叱って、おあずけしたっていい。 (-32) DT81 2023/09/14(Thu) 23:49:42 |
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