「はは、バスタオルなら安心かも？濡らしまくらずに済んだら済んだでふわふわタオルに顔埋めて落ち着けるだろうし。
よーしまた絶対遊びに来るからな！あっもちろん来てくれるのも大歓迎！　ばいば……あっ」

ドア前まで見送ってくれるのなら大人しく見送られて。
ドアが閉まる直前、思い出したかのように口を開く。

「もしかしてだけどムルイジって経験者――」

……閉じられた。一瞬だけドア向こうの気配がおろついて、それから離れて行った。


/*わーいありがとうございました！また別日の時空で遊びに行ったり遊ばれたりの機会を伺いますわね！

「あーうん完全に把握した。」

あっ！クソ映画って言っちゃった！

「いやマジでそのチョイスやべえよ。一般的にあんま見られないタイプの映画なんだよその辺、Z級映画とか呼ばれてる類のやつ。ちなみに両方ともネタバレ踏んだんだけどアレは分からなくても仕方ない」

ここまで出てきたクソ映画のうち3/4ネタバレを踏んでいるが全て[[or]]の結果だ。

/*わーいぜひぜひ！独り言でランダム機能のroom振ったんですが、その中で一番まともそうだったのが資料室だったので資料室におりますー！
ご足労いただき嬉しいです、よろしくお願いいたします！

通信の途中で普通にシアタールームにやってきた。手を振って合流する。

「よっ。なるほどなーこだわりはなし、と。なら遥か昔の人間が想像した未来……SFの映画とか行ってみっか。確かこのあたりが有名作だし非シリーズモノだったはずなんだけど」

端末を操作してひとつの映画を表示した。現在の自分達とは異なる世界観だ。

バーナードは珍しく真剣な表情で資料を読み耽っていた。主に電子機器やデータの取り扱いについてのものだ。
声が聞こえたのか周囲を見渡し、あなたを見つけ。

「お、ラサルハグじゃん。やっほ」

手を振りながら満面の笑み。

「なるほどなー理解した。なんか若干お前のこと理解できた気分、サンキュ」

にっこにこでわー！になっている。わー！

「なんか気になる端末でもあるのか？生体情報系、環境調節系、身体補強系、戦闘系……結構色々積んでるからな、お気に召すものの一つや二つや三つや四つあってもおかしくはないか。……どうせなら直接見とく？」

セクハラかもしれない視線に若干セクハラを感じているがセクハラを訴えるのもなんだか変なので素知らぬ振りで対応している。必要なら装備を外して視線から逃れることも視野。

「そりゃよかった！あんま突っつくなよー、硬くて気になるようなら脱ぐけどさ」

まあ突っつかれたところで壊れるほど柔じゃない。

「実は楽器は全然！手先が器用ではあるからひとつに絞れば結構頑張れると思う。……硬いの全部電子機器でさ、服とかにぜーんぶ仕込んであんの」

「おっけ、そういうことなら一緒に観るか。じゃあ……あー、これが内容分かりやすくて面白かったはず」

一本の映画をチョイスした。というタイトルだ。
色とりどりの柔らかそうな重装備に身を包んだ人間達が自分達の中に紛れ込んだ裏切り者から逃げながら宇宙船の修理をしたり裏切り者を追放したりする話らしい。

「宇宙服って言うらしいぜ、その装備。俺達のするゲームにも若干内容被るしちょうどいいだろ、んじゃ隣いいか？」

あなたの隣に座ろうとアピールしている。

「あーね、なるほど。そもそも知識がなかったパターンか。そうなると好奇心刺激される名前のやつに手ぇ出したくなるよな分かる」

一旦理解を示して軽く指を曲げ自分の情報用端末を呼び出す。


「お前どういう映画見たい？わくわくするアクション？遥か昔の人が想像した俺達の世界を描いたSF？べったべたな恋愛？」

あっ！えっち認定されかけた上に温泉でのぼせかけていた男からの通信だ！温泉を出た後に飛んできているぞ！

「俺もそんな詳しくないけど、ギタロンとキーボードに合わせる楽器かー。ゲーム終わってポルクスにも許可取れたらその時に決めつつ探しに行けばいいかもな」

知らないことは調べるけど楽器同士の相性は分からない男だ。

「最初の頃は重かったけど今はそうでも！上手く操作できるようになるまでがやっぱ大変だったけど、その辺も割と慣れたから問題ないって感じだな。難しいんだぜこれ、ちょっと動き変わるだけで挙動が変わる」

「お？予告とか見たことある？これなかなかに好きなんだよなー」

三角コーナー以上の価値はあるから大丈夫。めっちゃくちゃ白熱したゲームくらいすごい。
着席を促されたので隣に座り、懐からシフォンケーキ^sweetとフォンダンショコラ^sweetを持ち出してきた。
小型の携行用マテ茶^drinkも二人分。

「こっち来る時にちょっと貰って来た。嫌いだったらシャトに頼んで違うの持ってきてもらえ？」

言いながら再生し始める。宇宙服を想定された船内環境、一瞬の停電で殺害されるクルー……人狼ゲームとは若干異なるがこれも命のやり取りであることは間違いなさそうだ。

「まあ調べものってか勉強？仕事柄こういうのよく使うからたまに知識の確認とか更新とかしとかなきゃでさ」

あなたに見せる資料には多機能手袋が表示されている。バーナードのつけているものと姿形は近い。

「そういうお前は？あ、もしかして俺のこと探してくれてた？」

「おっとまさかの。まあそれはそれで問題なし、シフォンケーキどーぞ」

マテ茶と一緒に差し出す。あなたが無事受け取る頃には映画スポンサーの表記も終わりオープニングが始まっていたはずだ。
襲われるクルー。見つかる遺体。議論の果てに星の海に放たれる裏切り者。そしてクライマックスへ。
最初はあなたの様子を時折気にしていたバーナードも途中からはすっかり夢中になっていた。

「……ここの音楽、場面に合ってて好きなんだよ」

なんて小声で囁いたりしている。