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![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオその日、面会の予定はなかった。 ────その日どころか、特に一日だってなかったが。 おまけに、近づく足音にも覚えはなかった。 その上、届いた声にだって覚えはなかった。 名前を呼ばれれば、男は顔を上げただろう。 ……その顔にだって、やっぱり覚えなどない。 「そうだが。」 「何か用か?」 殊更に。 強調するように、冷ややかな眼差しを男は貴方に投げやる。 それは拒絶の視線だった。緩やかに侮る貴方の笑みを、そのまま跳ね返すように。 (-363) rik_kr 2023/09/25(Mon) 14:38:20 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ家族、と聞いて。 男は。 口の端を、歪めるように。 笑った。 これまでで一番歪な笑みだ。 「────お前たちが」 手がペンを離れる。貴方の首に伸びる。 正確には襟首だ。何も殺す気はない。 「お前たちのようなものが」 逃げられないならそのまま掴む。 ぐ、と強く力を込めて。 乾いた喉は更に詰まるだろう。 「家族を語るな」 否定。 強い、強い。強い、否定だ。 何がそれほど男の逆鱗に触れたのか。 それはこれまでで一番強い感情。憎悪に似た瞳の炎。 貴方の息を詰めた男は、追い打ちをかけるようにその頭を、揺さぶる。 (-365) rik_kr 2023/09/25(Mon) 14:46:37 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「口では何とでも言える。」 そう、なんとでも。 だから無理矢理吐かせたところで、意味なんてないのだ。 人は自分を楽にするためにいくらだって嘘を吐くし、 やはり情に流されて、不要に罪を負うことだってある。 ぬるい愉悦を浮かべながら男は言葉を紡いでいく。 その間にも手は服越しに貴方の身体を這った。脇腹から胸の中心。それから首筋、襟元から露出した肌に触れる。 「ああ。」 「そうか。」 「男の可能性もありますね。」 喉仏をくすぐるようにしながら言う言葉は一層下卑ていた。 貴方の喉がそれで震えるなら、男もまたそこを震わせて笑う。 (-366) rik_kr 2023/09/25(Mon) 14:58:41 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡玉石混交とはよく言うものだ。 貴方の言葉からこちらは玉を掴み取ろうとする。何かがあるはずだと手を突っ込んでかき混ぜる。しかしそこには何もない。何もない徒労感を、それで自棄になる感覚を、男は既に知っている。 それでも、止めない。 男は全く、真面目な警官だった。 「ざまあないな。」 「黒眼鏡はおしまいだ。そのままアレッサンドロ・ルカーニアとして裁かれればいい。」 くるり。ペン先が回る。 貴方が余程注意深い男なら、それも。初め貴方と話した時に持っていたものとは違うと、気づいたかもしれない。 自分より大柄な相手はこの男にとって珍しい。 貴方が腰かければどすんと衝撃があって、それでまた少し顔を顰めた。 身体の大きい敵というのは、本能的に嫌なものだ。 そして。 そこに触れられれば、隠しようのない舌打ちがひとつ。 「うるさい。」 「お前には関係ない。」 かかん。と、ペン先が紙面を打った。 話を戻せ、主導権をこちらにある。そういう仕草だった。 (-368) rik_kr 2023/09/25(Mon) 15:08:19 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれは少し残念だな。 形になった以外の心情は男には読み取りづらかった。 ただ、なんだか胸の奥が動いたような気がして、それだけ少し首を傾げた。 指先に感じる少しの膨らみ。薄い肌に浮く牙の痕。ぽこぽこと小さく盛り上がったそれは指にも楽しいらしく、さりさりと楽しむ様子はやはり無遠慮だ。 けれど、それについて触れられれば動きを止める。 落としていた視線を貴方に戻してから、男は自分の手元に目を向けた。そうして下手に隠すように背後に回す。まるで犬が尻尾を巻いて後ずさるような、明確でわかりやすい隠匿の行動。 とはいえ、怯えているようではない。単に表情はきまり悪そうな、そうして少しばかり不機嫌そうにも見えるだろうものに変わった。 「違います。」 「俺は平気ですよ。」 (-370) rik_kr 2023/09/25(Mon) 15:19:43 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ問いに対して。 男はゆっくり、目を開いた。そうして細めた。 とはいえ時間にして数秒。答えに窮した、というほどでもない。 「身内か?」 返る言葉は簡単だった。 それは答えではなかった。 無礼な輩に真っ向から対してやるつもりはない、と言うように。 男は、ニーノ・サヴィアに手を出していない。 だから報復などに怯んだわけではない。 男は、取調べをしただけだ。 (-371) rik_kr 2023/09/25(Mon) 15:27:00 |
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![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡背筋を伸ばす。そうして前のめりになる。 貴方の大仰な態度。演技じみて時にがさつで、通り越していっそのこと優雅ですらある。 大きな蛇を相手にしているみたいだ、と。思うほどの感受性は男にはなかったが、きっとそれを前にした獣と同じ警戒を向けていた。 実直さは老獪さに敵うものではない。大抵の場合。 貴方の言葉で、簡単にかっと燃える。 「うるさいな。これは俺の仕事だ。」 「俺は青い顔をしているか?」 「俺は辛そうに咳をしているか?」 「見ろ。俺の手は震えているか?」 ぎ、と歯を剥きだして言う様は、何かしらの傷をつけられたよう。 手負いの犬。矜持にでも痛みを受けたのか、早口でまくし立てる様は苛立ちを隠していなかった。 「いい心がけだ。」 「精々真っ当に向き合うんだな。懺悔室のつもりで話せ。」 かかん。かん。かん。 血が上って元気でも出たのか、幾らか顔色を戻した男は、やっぱり苦虫を嚙み潰したようでいる。 (-381) rik_kr 2023/09/25(Mon) 16:17:18 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノこら、と言われればますます目を逸らしたんだろう。 いつも真っ直ぐ見下ろす瞳。忌憚も何もない金色は、今は合わせられない。見上げる花浅葱から逃げるようにそっぽを向いている。 怒られる犬のようだ。悪戯をしたことを、見え透いたその行動を、隠せずともやり過ごそうとしている時の。 それでも耳は向いている。 貴方の言葉を男はきちんと聞いていて、だからそれが怒りより、心配か不安から来るものだと読み取った。 そろり。 視線がようやく、再びそちらを向く。まだ目は合わずに、貴方の胸元辺りに落ちてはいるが。 「すみません。」 そうすれば、謝罪は存外素直だった。 やや小さいような声でも、問題なく聞き取ることは出来るのだろう。声は上から下に降る。 「少し。気が、昂ってしまって。」 はあ、とため息を吐く。 「しませんよ。」 「心配させましたか。」 (-382) rik_kr 2023/09/25(Mon) 16:32:09 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ「捕まえる。」 いっそ無謀なまでの生真面目さ。 愚直なまでの勤勉さが、男の常だった。 牢に入っているのはこちらだ。身動きが取れないのはこちらだ。 そのくせ、まるでその障害などないように。男は単純に言ってのけた。 ニーノはこの男のことを、貴方にどう伝えただろうか。 さてその言葉と今貴方が見たこの男に、何か違いはあるだろうか。 立ち上がった男が貴方に相対する。 上背はある方だという自負があった。貴方の視線はそれより高かった。 それだって不快で、チ、と舌が鳴る。 「そうだな。灸を据えたよ。全員じゃない。」 「それがどうした?」 (-384) rik_kr 2023/09/25(Mon) 16:46:53 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ捕らえられた貴方は、暫くの待機の後取調べを受けることになった。 引き連れていく警官は二人。男女のどちらか、あるいはどちらとも、貴方は面識があったかもしれない。かつては同僚だった誰かだったかもしれない。 今貴方の自由を縛る手に、そんなかつての優しさは既になかった。 向かう先は取調べ室。 そこで貴方もまた、誰かと相対したことがあったかもしれない。 しかし今の貴方の立場は、そんな“いつか”とは真逆のものだった。 机の向こう。 警官の座る席で貴方を待ち受けていた男の瞳は冷たい。 貴方に目をやり、書面に目を落とし。もう一度貴方に目をやってから、貴方を連れて来た警官に視線で促した。 席につけば、始まる。 /* 了解です! とりあえず逃げる余地は残してロールをしますね。 その上で折るにしても腕か指で留めておきます。 (-386) rik_kr 2023/09/25(Mon) 16:53:10 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ少なくとも。 手の甲や、手のひらを撫でられることに、男は抵抗しなかった。そのあたりに傷はないのかもしれない。 もし貴方が注意深く触れたなら、親指の具合がおかしいようだとわかったかもしれない。優しく撫でただけなら知り得ないことだ。 それでもきっと男はまだ、きまり悪そうに視線を下に落としていた。 落とした視線が上がったのは、貴方の手が頭に乗った時だ。 男はそれに驚いたらしかった。 丸くなった金が貴方のかんばせに注ぐ。男は犬を自称していたが、当然実際そうではない。動物でもなければ子どもでもないから、人に頭を撫でられることなんてそれほどはなかった。 だから少し黙ることになる。ぱち、ぱち、と瞬きの間。 それでも、やっぱり嫌ではないのだ。 触れられることも。触れることも、至近で見つめることさえも。 ▽ (-393) rik_kr 2023/09/25(Mon) 17:22:58 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノだから。 眼鏡にかかった手を、男は厭うことはなかった。 貴方がそれを外すならそのように。動作は恙なく従順に行われて。 さて、犬は口を開き。 少しばかり顔を傾け────おそらくは、貴方に口づけようと、した。 けれど。 ここは檻の中。 今ではないか、と。一度、止まる。 (-394) rik_kr 2023/09/25(Mon) 17:23:42 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ「悪いだろう。お前のような者とつるんでいる。」 貴方は彼の身内だと言った。 その意味するところは明白だ。 「実直な巡査のすることじゃない。」 言い切る言葉もまた明白だ。 男の言葉は存外素直で親切でいる。のらりくらりと躱すところがない。 続く言葉には呆れたように鼻を鳴らすだろう。ふん、そんなことも知らないのか。 「そうだよ。」 「法は、法を守るものを守る。」 「わかるか?」 「その穴を突いてずるをしようという輩のためにあるものじゃない。」 (-395) rik_kr 2023/09/25(Mon) 17:27:48 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ「口を慎め、ダニエラ・エーコ。」 意に介さぬのはこちらも同じ。 貴方の暢気さにも、問いにも取り合いはしない。ただ座れとだけ促している。 自身が悪人と認めた人間に対して、男はいつもこうだった。 貴方は悪人である。 貴方はマフィアに利した。 「お前の尋問を担当する。」 「さっさと始めてさっさと終わりたいんだ。座れ。」 とん、とん。 ペンが紙面を叩く音。 ここ数日、いつもこの部屋に響いていた音だった。 (-397) rik_kr 2023/09/25(Mon) 17:33:37 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ走り出されたとて構わない。 リーチの差ではこちらに分がある。 車か何かに乗られて逃げられる方が厄介だ。 路地裏なんかに逃げ込んでくれるのは、むしろ好都合。 一歩、一歩と引く貴方に対し、これはじりじりと位置を調整する。 迎えに来かねない車から遠ざけるためだった。それは貴方を囲い込む動きだった。 伸びる指先は未だそちらへ。避けないなら直に触れるだろう。 「なら吐瀉物でも跳ねたか。」 「拭ってやる。動くなよ。」 避けないなら、逃げないなら。 この手は触れるどころで済まない。 貴方の襟首を引き掴み、引きずって。 その携帯を奪って、鑑識班に回して解析を強要する。これはそういう男だった。 (-399) rik_kr 2023/09/25(Mon) 17:40:39 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ余程侮っていたか、油断していたか。 或いはそれだけ頭に血が上っていたのか。 貴方の一発を男は食らった。素の威力。引くことの体力の低下と痛み、手錠の不自由さ。足すことの、手錠そのものの硬さによる衝撃。 結果として威力はそれなりのものになっていただろう。 実際、大きな音がしたはずだ。貴方にとっては小気味いいものだったかもしれないし、違ったかもしれない。 それでも。 男は貴方を離さなかった。 ぎり、と歯を食いしばり。口の中が切れたのか、血交じりの唾をぺっと吐いて。 それでも目を逸らさない。それでも貴方を離さない。 「奪ったのはお前たちだ」 「壊したのはお前たちだ」 「それが家族だと? 反吐が出る」 それは、貴方の知らない話。 あなたには知りようがない話。 この国の、50年前の話。 さて。 軌道の圧迫による酸欠。 加えて激昂による血の巡り。 更に元からの体調不良。 くらりと視界が強く傾くかもしれない。 さもなくば────そうなるまで、男は、離さない。 (-402) rik_kr 2023/09/25(Mon) 17:56:30 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオわかった。 この男が嫌いだ。 「そうだよ。」 「やむを得ない手段だ。」 ぼそぼそとした声が不快だ。 見下ろす視線も腹立たしい。 大きな図体だって不愉快だ。 この男が嫌いだ。 「そもそも捕まる方が悪い。」 「そういうことをしたんだからな。違うか?」 音を立てる檻がうるさい。 早く帰れ。話すことはない。 目は逸らさず、むしろ睨みつけて言う。 さて、貴方が来たのが昼を過ぎた時間帯なら。 男の顔色は悪く、左の手には包帯が巻かれていたはず。 何も無傷ではないのだ。これも報いは受けている。 それだって、貴方にとってはどうでもいいことかもしれないが。 (-405) rik_kr 2023/09/25(Mon) 18:28:17 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡────初めは弁護士を呼べの一点張りだったくせに。 とは、わざわざ口にしない。 男の目の前にいるのはアレッサンドロ・ルカーニア。ノッテファミリーの幹部。港の支配者。 この男が最も嫌うマフィアだ。 男はマフィアを嫌っている。 それでも。 単に嬲り排除するのではなく、法に則って裁きを下そうという気は合った ────その法が悪法であれば無意味な真摯さだ 。は、とこれはひとつ息を吐く。 努めて冷静でいようとする仕草だった。かつてのけだものは今鳴りを潜め、そこにいるのは単に一人の巡査長。 ととん。再び紙面をペンが叩く。とん。とん。 「アリソン・カンパネッロ。」 「お前が口に出した名前だ。」 「どうしてお前が知っている、何を知っている。」 聞きたいことはそれである。 言ってやったぞ、さあ聞かせろ、と。 煮えはすれど燃えない金が語った。 (-409) rik_kr 2023/09/25(Mon) 18:46:46 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ男は何も暴力を趣味にしているわけではない。 誰彼構わず当たり散らす野蛮な人間ではない。 だから、従順な態度を好ましく思ったはずだ。 貴方の足が揺れるのは気にならない。 それがこちらの脛を蹴り飛ばすのでなければ。 貴方が口を開かないのも気にしない。 わざわざ煽り飛ばしてくるより幾らもましだ。 「A.C.Aのメンバーに盗聴器を仕掛けたと。」 「事実か。」 とん。 紙面を叩く。叩くペン先はまだ引っ込められている。 貴方が何かを口にすれば、それを書きつけるつもり。 (-431) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:07:55 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオ「それはお前たちの方だろう。」 「野蛮で。」 「横暴で。」 「低俗で。」 「自分たちの利権しか考えていない。」 かつん。かつん。 その音が嫌いだ。 この男は真面目で善良な警官である。 普段は、こうまで人に言葉の刃を向けることはない。 普段であれば。 「マフィアは抜け道を通るのが上手いからな。」 「正義はどうしても後手に回る。」 「必要な措置だよ。」 先回りのネズミ捕り。 虫が湧く前の除虫剤。 それと同じだ、と。 男は言う。 (-433) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:19:55 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ/* 諸々了解しました。ありがとうございます! では方向性としてはマフィアの内通者であることを聞き出そうとしている感じで。何もしていない人に拷問するのは……の点ですが、ご心配ありがとうございます。大丈夫です、全く気にせず完遂出来ますので見ていてください。 ダニエラちゃんのネイルについても承知しました! ご丁寧にありがとうございます。 ではリヴィオくんの体調や見た感じの雰囲気? 状態? についてもう少し知れると嬉しいので、お手数でなければそういう描写を交えた「取調室に向かうロール」を始めて頂ければと思います。難しそうなら伝えて頂ければこちらから開始します! (-435) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:24:54 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ男が逡巡したのはその真面目さからだったのだろう。法や規則への従順さ。ここではそうすべきではない、という、暗黙の了解のようなもの。 だから、どうだろう。 やっぱり少し変な顔をしたかもしれない。だって、あんまり場違いだ。 欲にかまけて。 一度止まって。 けれど、貴方に許されて。 「大胆な人だな。」 半ば呆れるように、半ば感心するように、少し戸惑うように。 口から出たのはそんな言葉だ。目まで閉じてしまうのなら尚更。 ▽ (-441) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:38:10 |
イレネオは、悪いことをする人間が、嫌いだ。 (c31) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:38:21 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれでも。 貴方のそれは嫌じゃなかった。 欲にかまけるように。 許しに従うように。 貴方の唇に、上から重ね合わせて。 二度、三度。角度を変えては食むようにする。 一度許せば欲深いのを、貴方は知っているはずだ。 右手が、貴方の手の甲を柔らかく撫でた。 (-443) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:39:34 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロその瞳を男は好んだ。 最早視線で射貫く以外の手段を持たない弱さを好んだ。 これ程近くにいるのに反撃ひとつ出来ないのが愉快だった。 自分が正義の側に立ったのだと勘違いした時。 踏みつけていい悪をその目に映した時。 人はどこまでも傲慢になる。 触れられたところから増幅する快感が。 上がった体温に比して低い男の手指が。 奥の奥まで浚おうとする金色の双眸が。 貴方の羞恥心をより一層誘うだろうか。 その羞恥が感覚を増幅させるだろうか。 「熱いな。」 「脱がせてあげましょうか。」 悪趣味な発言はずっと、貴方を辱めるためだけに。 男の手が、貴方の襟首から浅く入り込んだ。 (-444) rik_kr 2023/09/25(Mon) 22:50:54 |
![]() | 【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ己の脇を姿勢を低くして駆け抜ける女。 金の瞳が正面から逸れて姿を追う。ぐるり。瞳と身体が同じに動いた。 小さなあなたの背を追ってこれも走り出す。 狩りの時間だ。 路地裏に逃げ込むことは名案に思えただろう。 そこは実際貴方にとって馴染みのある場所だったろう。 それくらい男にも分かっている。 分かっていれば手を打つ手段はいくらでもある。 この辺りは男の見回りの順路。 そこで見つけた悪人を逃がすわけにはいかない。 そのために、男は覚えていた。 路地裏の入り組んだ構造を、道のひとつひとつを、しっかりと頭に入れていた。 ────貴方がこの男を舐めてかかっていなければ。 警察如きと思いあがっていなければ、逃げ切れたかもしれない。 画面を見つめている間。 後ろからの足音が消えたのに、気づいていただろうか。 (-445) rik_kr 2023/09/25(Mon) 23:02:56 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラとん。 とん。とん。 とん。 繰り返される単調な音。 貧乏ゆすりに似た一定の速度。 「無駄口を叩くのはやめろ。ダニエラ・エーコ。」 「お前に許可されているのは、俺の質問に答えることだけだ。」 この男は何を勘違いしているのだか、そんなことを言う。 自分が何か権力を持ってでもいるように言う。 貴方はこの態度を嘲っても構わない。その疑問は、まったく正しい。 (-447) rik_kr 2023/09/25(Mon) 23:08:46 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → corposant ロメオそら見たことか。お前たちはそういう生き物だ。 「はは。」 「したくないことは人に押し付ける。救えない。」 「奉仕の精神って知ってるか?」 この男が人を見上げることになることはそう多くない。 珍しく視線を上げ、顎を上げて。は、と嘲ったように笑う。 つらつらと淀みなく吐き出される言葉はこちらに向いているとすら思えない。何を言っているのかわからない。 頭の病気なのか? 最早哀れだとすら思う。嘲った口の形を元に戻して、今度は尖らせるようにして目を眇めた。 「熱でもあるのか? お前。」 「目障りだ。消えろ。そろそろうるさい。」 「ああ、名前だけ置いていけ。調書を取る時に面倒だからな。」 (-451) rik_kr 2023/09/25(Mon) 23:22:52 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「あはは。」 遂に男は声をあげた。 テレビでも見ているような浅い笑い。日常の中にあるような平静な笑いだ。 「嫌だな。親切心じゃないですか。……おっと。」 がたん。バランスを崩した貴方の身体が倒れそうになる。 掴む手はむしろ縋ったようになったかもしれない。その熱さにまた喉から笑いが漏れた。 自由な手で背をしっかりと支えてやれば、先程より距離は余計に近づいて。 手を掴んだ力は如何程だろう。 振りほどくことができるなら、これはそんなもの意に介さない。 くく、と喉元で笑いを転がす。転がしては無遠慮に貴方の頬を撫で。 「誘ってるんですか。」 片手で掴んで、こちらを向かせたりもする。 勿論冗談だ。男には少しも、その気はない。 (-458) rik_kr 2023/09/25(Mon) 23:41:02 |
![]() | 【秘】 幕の中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれは男にとっても同じだった。 どうしてここまで近づいてしまったのか。 けれど貴方とは違って、この男はそういったことを深く考えるたちではなかった。 だからただあるようにある。だからただしたいように、させたいように、されたいように。 そうしたいから近づいて。 そうしたいから、許しに肯った。 最後にぺろ、と貴方の唇を舐め上げる。 それでもやっぱり至近にあるままだ。繋がれた指の先で微かに貴方の手のひらを撫ぜて、男は視線を右、左。 口を小さく開いて、閉じて。開いて、閉じて。 もう一度、開いた。 ▽ (-464) rik_kr 2023/09/25(Mon) 23:54:21 |
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