人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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【人】 軍医 ルーク

[ とはいえ、どうやら本人、
 負傷よりも口内の苦みの方がダメージが強かったようである。
 ようやく話せるようになったところで、
 ぽつり、問いかけられたことが何であるか、
 最初は把握できなかった。>>225]


  どう――とは?


[ さっき、というのが戦闘時のことであろうというのは、
 朧げに分かった。
 戦闘の様子を見ていたことは、話してしまっていたから。
 何かを思い返しているような目線、続いての言葉に、
 何を問われているかを漸く察する。]


  四足歩行型、あれだけの重量で自重を支え、
  且つ、あれほど精密な動作制御を行っている。
  間違いなく、我々の技術では再現不可能。
  
(246) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:47:05

【人】 軍医 ルーク

[ この世界に住まう者たちの技術力は、高くない。
 世界の其処彼処に遺された遺物を掘り出し、
 それらの使い道をどうにか把握し、使う。
 それは見ようによっては、どこか歪で、
 宙に浮いたような在り方でもあるだろう。
 
  ――…
  あの怪物は、『どちら』だったのだろう?
  脳裏に過る一つの『記憶』を、瞬き一つ、封じ込める。
]

  
  わたしがいた外壁の上からは、距離があったから、
  それ程のことは見えなかった。
  今頃調査班が残骸を回収している。
  それが済んだら解析作業が始まる。
  何か実戦に役立つ情報が得られたら、伝わるはずだよ。


[ 自分も、その解析には加わる。

 ――どう、だったか。 
 あの怪物について問われて、過る記憶が、
 自分には多すぎる。]*
(247) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:50:30
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a44) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:56:37

【人】 軍医 ルーク

[ 剥ぐだの結ぶだの、散々脅した甲斐あってか、
 怪我は直ぐに言うし逃げない、
 暫くは安静にすると言質は取れた。

 此方も頷きはしたものの、
 結ぶ、は兎も角、剥ぐ、は実行するつもりだ。
 それはもう、べりべりと容赦なく。
 この分なら、本人には隠すつもりはなくても、
 気付かずにいる傷があったり、
 自覚より重症の可能性はあるだろうから。
 治療の間表情一つ変えずにいる様子に、改めてそう考える。
 安静の方も、不満はありそうな様子だったし。]


  さっさと治すのも仕事の内だろう?


[ 耳にじーっと視線を落としながら、それだけを返した。
 見張りは他の者も代わることが出来る、
 部下は、向こうの方からじきに来るだろう、
 そして検査も――
 そこまで言葉を継ぐことはせず、
 銀の義手を撫でる様子を、黙って見ていた。]
(297) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:47:52

【人】 軍医 ルーク

[ 襲ってきた怪物の話になる。]


  戦っている者にしか分からない話もあるだろう、
  いずれ研究班の方から、具体的な相談も来るかもね。
  例えば、回収された残骸のパーツが、
  実戦ではどのように動いていたか――
  みたいなこと。


[ もしかしたらそれは、
 もう少し話すことにリソースを割いていそうな、
 説明上手な連中に割り振られている役割かもしれないけれど。

 怪物は、外壁まではこれからもいかない――
 その言い回しと、真っ直ぐな赤い目には、
 これまで敵が外壁に至ったことはないという事実以上に、
 そこまでは“行かせない”という宣言が
 含まれていたように思えるのは、
 果たして自分の考えすぎであっただろうか。]
(298) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:49:34

【人】 軍医 ルーク

  ……あいつらのことは、
  突き止めるよ。


[ あの怪物は何者か、どこから来たのか。
   
“天”の向こうには世界があるのだと、
父は言った。


 少しでも分かることが増えるなら、
 戦局を打破する可能性も生まれるだろうか。
   ほんとうは。
   極一部にしか知らされていない情報は、ある。
   自分は、この基地にいる同じ立場の人間より、
   多くのものを見てきたし、聞いている。
   ――知らぬ顔で、いる。
   それらと命を賭して戦っている者たちの前で。


 待っている、と告げられた声音に、疑念は感じられなかった。
 只、頷く。]
(299) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:51:27

【人】 軍医 ルーク


   次こそは、甘いやつ?
   ……『次』というのは?
   もしかしてまたやる心算かな?


[ もう本当に結んでやろうか、とばかり、
 赤い耳に乱暴に手を伸ばすが、
 結局指は耳に触れることなく、緩く拳を結んだ。]


   今回の、明日からの分については、
   悪いけれど、甘い薬なんてない。
   ああいや、訂正するよ、ひとつ嘘をついた。
   “悪い”とは、正直思っていないんだ。


[ 少しは懲りるといい。
ベッドを離れ、自分の椅子に戻る。]
(300) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:52:16

【人】 軍医 ルーク

[ やがて、どれくらい時間が経ったか、
 寝台の方から寝息が聞こえてきた頃。

 静かに椅子を立ち上がり、戸棚へと歩み寄る。
 先ほど“四番目、甘い薬”の際に、
 ぺんぎんが意味ありげな視線を送っていた棚だ。>>174

 鍵を開け、静かに開けば、
 がらんどうのスペースにひとつ、透明な瓶がある。
 瓶の中には赤い果実と、
 とろりと柔らかな薄赤色の液体。
 あの薬の冗談みたいな語呂と同じ、小さな赤い実。>>77
 底には溶けかけた氷砂糖の塊がまだ残っている。
 瓶を傾け、軽く中身を混ぜ、また棚に戻して閉めた。
 あと数日もすれば、苺のシロップが出来上がる。

 自分では甘い物なんて食べないから、
 どんな味になるかは、知らない。
 ――渡すことがあるかどうかも、多分、知らない。]
(301) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:54:45

【人】 軍医 ルーク

[ 回収された残骸の調査は、その日の晩から始まった。
 夜は夜行性の研究者たちと共に調査を行い、
 昼は担当の時間帯に医務室に赴き、
 残りの時間は自室で本を読んだり、
 たまに外に出ることもある。
 そうしていれば一日はあっという間で、
 今日もこれから残骸の調査だ。

 ああ、そういえば、何か腹に入れておかないと
 そろそろ頭が働かない。
 机の上の瓶から錠剤をざらりと取り出し、
 数も数えず適当に口に放り込み、水無しで飲み込んだ。

 部屋の外に出るときに、訪れてきた兎の見舞いの部下たちが、
 不吉なものとの遭遇にぎょっとした様子で、慌てて避ける。
 彼らは昨日も一昨日も、ここを訪れていたようだ。
 挨拶もせず医務室を出て、ゆっくりと歩みを進めれば、
 角の所に、見知った男の姿があった。]


  ――司令。


[ この基地の司令官である黒眼鏡の男――ジャイルズは、
 どこか飄々とした笑みを浮かべ、
 気さくにやあ、と声をかけてくる。]
(302) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:55:46

【人】 軍医 ルーク

  『研究の方は、捗っているかな?
   患者の様子は?
   二足の草鞋は歩くのも疲れることだろう、
   ふむ、少しは眠ったほうがいいようだ、
   隈が酷いよ』


  どちらも、報告は上げています。


  『いやあ、書類はどうも苦手でね、
   副指令に任せて、サインだけしているんだ』


[ そのようなはずもないことをしゃあしゃあと言いながら、
 ちらりと、医務室に視線を向ける。]


  『そろそろ“検査”も再開できそうかな。
   ああ、もしかして急いでいる?
   そろそろ次の実験が始まる時間か。
   それなら失礼、どうぞ行ってくれたまえ』


[ 無言で一礼して歩き出し、すれ違おうとしたそのとき、
 男は思い出したかのようにもう一度、口を開く。]
(303) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:56:49

【人】 軍医 ルーク

  『半端な同情は、結果的には大きな付けを払う。
   君は、誰よりもよくそれを
   知っていると思うのだけれど?』


[ 立ち止まり、振り返る。
 数日の検査の延期を打診したことを言っているのだろう。]


  同情ではありません。
   医師としての所見です。


[ 記憶のこと、痛覚のこと、
 最初の襲撃の折に、只一人生き残ったということ。
   
父が死んだ、あのときに。

 立場柄、資料の目を通してはいる。

 例えば痛覚のことをいうなら、無痛症程重くはないようだが
 先天性か後天性か、記憶の障害ゆえにそれすら分からない。
 けれど、痛覚が鈍いものが戦闘を行うことは、
 “きわめて危険だ”。
 身体が自身の限界に気付かない、
 咄嗟に身を護る判断をしない。

 それでいて、最前線に出る。
 心身に対する配慮が足りていない検査を日々行う。
 記憶が欠落しているというのなら、
 それ相応の『理由』があるはずなのに。]
(304) zelkova 2020/05/17(Sun) 12:00:07

【人】 軍医 ルーク

[ 同情ではない、それは確か。
 それだけははっきりと言い切れる。
 では別の何かというと――… どれも、きっと違うだろう。
 わたしには、なにもない。] 


 『それなら結構。
  まあ、心配にせよ、なんにせよ――』


[ 医務室から、賑やかな笑い声が聞こえてくる。
 元気でいいことだねえ、と、司令は目を細め、
 ゆるやかに視線を遣った。
 そうすることで、彼我に一本の線を引くように。]


  『あの様子なら、そういったものは
   十分足りているようだし、
   君のは、迷惑なだけだろう?
   まあ、つまりは――
   お互いお仕事をしましょう、ということだ』
 

[ 否定はせずに、頷いた。
 何を感じることも、なかったと思う。
 仕事はする、そのために此処に来た、それは確かだ。
 その場を持して持ち場へと向かう。
 ぎしり、と軋みを上げて扉は開き、
 ゆるやかな足取りは、その向こうへと消えていった。]*
(305) zelkova 2020/05/17(Sun) 12:03:55
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a52) zelkova 2020/05/17(Sun) 12:13:22

【秘】 部隊長 シュゼット → 軍医 ルーク

― 東棟側外壁 見張り台の机の中 ―

[もし―――東棟側の外壁にある見張り台に赴いて、
そのタブレットを起動させることがあったなら。
中には殆どデータが無いことにまず気づくだろう。

使用された形跡があるのはただ一つ『ノート』と書かれた
メモや手記用に使う者が多い、アプリケーションだ。
そのアプリの名前も、好みに応じて名前を変えられるのに、
初期の名前のまま、変更された履歴もない。

このタブレットの持ち主は、
相当、機械類を操作することに興味がないか、
機能の詳細について知らないのだと予測ができるだろう。

『ノート』にあるのもただ一ページ。
内容はどうやら、日記のようだったが―――
この世界に居る者の日記にしては、何やら妙であったし、
見方によっては、暗号めいたものにも見えるものだ。]
(-127) kaomozi 2020/05/17(Sun) 20:18:10

【秘】 部隊長 シュゼット → 軍医 ルーク

〇月〇日
  今日から日記をつけてみようと思う。
  はじめてで何を書こうか悩んだが、
  馬鹿馬鹿しいと一笑されそうで誰にも話せていない
  最近僕が見た夢のことを書いておこうと思う。

  大地を、光が照らしていた。
  僕は、その光がどこから来てるのかが気になった。
  頭上にある、『太陽』だろうか。
  いや。『太陽』にしては、何かがおかしい。
  もっと。更にもっと上から、
  大地が照らされているような、そんな感じだ。
  
  上を見上げようとしたけれど、
  場面が切り替わってしまい、できなかった。
  そこで、ようやく僕は、これが夢だと気づいた。
(-128) kaomozi 2020/05/17(Sun) 20:24:14

【秘】 部隊長 シュゼット → 軍医 ルーク

  また、僕は同じ場所に居るようだった。
  今度は辺りは薄暗く、『夜』の刻限に思えた。
  でも、それにしても、おかしかった。
  辺りには、輝く光を放つ草花は一本も無かった。
  
  今度こそ。
  僕は、『月』を確認してやろうと上を見上げた。
  ……目を疑った。
  そこには、真っ暗な中に『月』の他に、
  草の輝きとはまた違う、沢山の輝く何かが、
  天に浮かんでいたのだ。
  
  一体、なんだったのだろう。
  頭上に、『太陽』『月』『輝く草花』以外に
  光るものなんて、あるわけがないのに。
  誰かに聞いてみたいと思うが、
  そのためにこの話をするのも、悩ましいものだ。
  それに、所詮は僕の見た、突拍子もない夢なのだから。**
(-129) kaomozi 2020/05/17(Sun) 20:26:06

【人】 軍医 ルーク

[ 兎の部下たちは、毎日のように見舞いに訪れた。
 歓談の雰囲気は、日を追うごとに和やかなものになった。
 自分がいては冷や水をかける以外の何者でもないが、
 勤務時間は勤務時間だから、席を外せないこともある。
 そういうときは、その場にいた。

 訪れるたびに胡乱な目を投げかける者もいた気がする。
 自分たちの隊長に何かしたら只では置かない、
 というところだろうか。

 義手を取り外してのやり取りの時には、
 ちらりと視線が其方に向かいはした。
 それもまた、通常なら耐えられないような『痛み』を伴う
 動作のはずなのに、
 表面上、それが表れているようには見えない。
 
 研究班の人に、細身のくせに馬鹿力の怪力兎と言われる――
 というくだりで、
 此方に部下のきつい視線が飛んだ気もするが、心外だ。
 自分が言ったのは『莫迦』だけだ。
 まあ、複数回言ったけれど。
 阿呆、とも言ったけれど。

 赤いうさぎの寝台を囲んでのそんなやりとりだとか、
 屈託なさげな若い部下たちの表情、
 感情豊かな女性の兵士の声、
 そのようなものを聞くとはなしに聞きながら、
 仕事の記録を付けている。]
(389) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:33:17

【人】 軍医 ルーク

[ そして、兎が医務室を去る日の事。
 検査についての問いかけに、決定事項を伝える。]


  明日からだよ。


[ 任務に戻ってからも検査を止める理由は、何処にもない。
 だから、これ以上引き延ばすことは出来ない。
 この数日間ですっかりうさぎに懐いたぺんぎんが、
 名残押しそうに足元に歩み寄るが、
 その回復具合を喜んでいるのか。
 がんばった! とばかりに両手を挙げてぱたぱたする。
 頭を撫でられ、ぶどう味、という言葉に目を輝かせた。
 はたしてどんなすばらしいあじが…! と、
 喋らなくても目の輝きで、
 誰にだって思っていることがわかるだろう。]
(390) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:33:29

【人】 軍医 ルーク


  次の検査は、薬は――


[ ふっと押し黙る。
 此方の耳があるあたりに視線が向いたのは感じたが、
 恐らく、何も読めなかっただろう。
 何せ、普段は滅多にフードを下ろさないから、
 覗こうとしても、耳自体見えなかったはず。>>18
 この耳の形や色を知っている者は恐らく、
 上官の前や顔の照会など、帽子を脱ぐ必要がある場に
 居合わせた者だろうか。]


  効果がない薬なら飲む必要はないよ。
  経過次第かな。


[ 飲まなければならない栄養剤とは話が違う。
 そう告げる声には、数日前このうさぎが担ぎ込まれて、
 怪我も申告せず逃げようとしたり、
 苦い薬に抵抗しようとしたときに見せた“怒り”――…
 少なくとも、このうさぎはそう思ったらしいものは、
 少しも含まれてはいないだろう。]
(391) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:34:13

【人】 軍医 ルーク

[ 検査についての司令とのやり取りが、頭を過る。
 部下たちとの和やかなやり取りも。
 ――多分自分は、あの棚の中の瓶を、
 どうすることもなく捨てるのだろうと思った。
 作った理由も、捨てる理由も、わからない。
 そんなものは、きっとない。

 それにしても、ぷるぷる震える耳が実に分かりやすくて]


  でも、此方はあと一回分残っているね。  
 

[ にい、と笑い顔の形を作り、
 件の薬――AME015を差し出した。
 飲み切るまではここから出さぬ、という
 無言の圧を込めて。]
(392) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:35:28

【人】 軍医 ルーク


  [ ――… ]



             
[ ――… ]
(393) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:36:15

【人】 軍医 ルーク

[ 視界のすべてが赤かった。
 炎は消し止められたようだ。
 耳音で滴る水の音に、
 ああ、流れている血だなと――そう思った。

 辺り一面の瓦礫の山、
 吹き飛んだ天井の向こうは、一面の闇だ。
 誰かの声が聞こえる、誰かの動き回る音、
 瓦礫をかき分ける音。

 彼らの声が、ひとつも意味を為さない。
 頭の中はぐらぐらと揺さぶられて、
 目に飛び込んでくる景色も一秒後には捻じれ、
 水にぬれて絞られる布のような心地がした。

 身をよじり、身体を動かそうとする。
 けれど、からり、と手元の破片が音を立てた、それだけで。

 そうだ、繋いでいた手が、あったはずだった。]
(394) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:37:57

【人】 軍医 ルーク

[ 首を傾ける。
 小さな傷だらけの手は、確かにそこにあった。
 自分の右手と、つないだままだった。


 ――その手“だけ”が、あった。

 動いた視界の先に、大きな瓦礫がある。
 その下にあるものは――ああ、位置的にはわたしの脚か、と、
 他人事のように、思う。

 音のすべてが遠ざかる。
 けれど、鼓膜は大丈夫。
 視界に問題はない、赤いのは、血が入っているから。
 そんな風に淡々と分析しながら、
 駆け寄ってくる誰かの足音を聞きながら、

 まるで、ピアノを弾いている指の上に
 蓋を思い切り閉められたように、
 自分の中に『何か』が致命的に断ち切れたということに、
 気づいては、いた。

 そのときは、それは両脚のことだと思った。
 切れてしまった糸はそれだけではなかったということを、
 病室で自分を診察した医師のカルテを盗み見て、知る。

 ―― そのときも、もう、何も感じなかった。]
(395) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:39:33

【人】 軍医 ルーク

      [ ――… ]


[ 目を覚ます。
 最初に目に入ってきたものは、医務室の固い床と、]


  ……ぺんぎん……


[ そう、ぺんぎん。
 目の前で此方を覗き込みながら、必死の様子でぺちぺちと、
 頬を羽で柔らかく叩いている。
 ああ、そうか、寝入った。
 あと三時間もすれば、仮眠をとる予定だったのだけれど。
 のろりと身体を起こし、揺れる頭を騙すように目を閉じて、
 少し待ち、開く。]
(396) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:40:40

【人】 軍医 ルーク


  今夜は、勤務はない……
  起こしてもらったところ悪いけれど、
  それは明日だよ。


[ そうじゃないそうじゃない、とばかりに
 ぺんぎんはぷるぷる首を振る。
 しかし、この調子では明日の勤務に差し触るか。
 食事だけでも、と、机の上の瓶を取ろうとしたところで、
 ぺんぎんが机の上に飛び乗り、袖をぐいぐいと引く。
 今日は何がしたいのだろう、一向に分からない。
 手を止めて、とりあえず椅子に腰かけていると、
 どこから調達してきたのか、
 丸パンを一つぐいぐいと押し付けてきた。]


  ……食えと? 
  栄養なら、錠剤の方があるのに。
  君のすることは、不思議。


[ 首を傾げるが、食べれば気が済むのだろうか――と、
 千切って口に運ぶ。]
(397) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:41:35

【人】 軍医 ルーク

[ まるで味がしないそれを飲み下せば、
 久方ぶりの固形物に驚いた身体が全力で抵抗し、
 飲んだものをそのまま吐き出させようとする。

 ああ、吐いたら面倒だな――と、口元を押さえ、
 机の上にあった瓶を片手で開け、中身をパンごと流し込んだ。

 AME015。

 味のない液体で、味のないパンを流し込み、食事を終える。
 ぺんぎんは、ふー、と大きく息をついて、
 机の上に座り込んでいる。
 栄養剤の効果は抜群で、暫くすれば、
 動くのに差しさわりがないくらいに体調も戻る。

 これから徹夜が続いたときはこれを飲めばよいか。
 自分用にも少しばかり発注しておこう。]
(398) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:43:01

【人】 軍医 ルーク

[ 明け方近い時間帯、人気のない基地の中をゆっくりと歩く。
 ひとりと一羽の、ゆっくりとした足音。
 自室には向かわなかった。 
 この東棟の、外壁へと。

 いつからだろうか、外壁を訪れて外を見るようになった。
 目的は、大穴の『観察』。
 毎日というわけではない。
 ただ、あの大穴を見上げながら――時折、手を翳してみる。
 天を眺めている。
 夜目は効くが、視力自体はそこまで強くない。
 生き物の影までは見えず、
 天で発光する植物や苔の明かりは、少しぼやけていた。

 見張りは外を見張っている。
 内部寄りの見つかりにくい場所なら分かっていた。]
(399) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:44:11

【人】 軍医 ルーク

[ やがて、『月』の時間が終わり、
 『太陽』に切り替り始めるころ、
 足元に壁面の、そして自身の影が差し、
 それに追い立てられるように外壁を離れる。

 立ち去り際、見張り台に寄ることにする。
 この時間帯は、見張りは此処にはいない。
 自分が立ち入る領域ではないのだが、
 今朝見たものの記録を取るため、机を借りようと思ったのだ。
 尤も、気づいたことなどそれほど多くはない。
 只、あの大穴の向こうに何も見えないことに関する
 仮説を一つふたつ――…

 胸元のポケットに入れた用紙の束メモを取ろうとして、
 ペンがないことに気付く。
 ああ、寝ていた時に医務室に落としたのか。
 今から取りに戻るのは面倒、申し訳ないが借りるとしよう。
 引き出しを開ければ、そこにあったのは誰かの私物。
 ノートや煙草だの双眼鏡だの、雑多なものだった。

 そのくせ、見張り台だというのに筆記具は見つからない。
 もしかしたらそれは他の引き出しにあるのかどうか。
 手を奥に差し入れ、何か固いものに触れる。
 なんだろう、と引き出してみれば]
(400) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:45:53

【人】 軍医 ルーク


  ……タブレット。


[ 不用心なことだ、盗られたらどうするのだろう。
 ひとのものを盗ったり読んだりする趣味はない。
 そのまま奥に戻そうとして、
 その手が止まったのは――見てしまったから。

 赤い布の袋から覗く裏面の角にある、ひとつの『印』。
 一見すると只の引っかき傷のように見える、それは。]

  
  ―――…


[ 心臓が、どくりと鳴った。
 これは、基地の人員に支給されているものだったはず。
 発掘された遺失技術の産物の一つで、
 何処かで大量に発見されたものと聞く。

 ……いつ、どこで、
 だれが?

 タブレットを取り出し、画面に指を滑らせる。
 ロックがかかっている。
 思いつくパスワードをいくつか入れてみるが、
 どれもエラーに弾かれる。
 当然だ、これを使っているのは――父ではない。
 諦めきれずに、単語を無差別に入れてみても、駄目だ。]
(401) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:47:51

【人】 軍医 ルーク

[ 恐らくは、発掘と研究に携わっていたのだろう。
 発見されたそれらが回収されて、
 期間を置いて実用に至り、基地に支給された。
 父が居た頃、この地域で発掘されたものかもしれない。
 だとしたらこの中身はとっくに初期化されて、
 痕跡なんて、何も残っているはずがない。
 そのまま袋に戻して立ち去ろうとして、ふと――…

 魔が差した、というのだろうか、
 あるいはある種の天啓だったのか。
 不意に指先が綴ったのは、どうしてか。
 先ほど自分が口にした、薬の名前。
 ……棚の中にある、捨ててしまおうと思った、
 それと同じ名前。

 ――画面が、切り替わった。]*
(402) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:49:34

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット


 ―― 
東棟外壁 見張り台
 ――

[ タブレットの中身は、殆ど使い込まれてはいないようだった。
 まるで、まだ空のなにか。
 そのまま閉じた方が良いと分かっているのに、
 指先はどうしても、中にある何かを探す。
 『ノート』
 初期の名前のまま変更もされていないそれだけが、
 使用の形跡があった。

 導かれるように指で触れ、内容を開き、
 そこに刻まれている内容に、暫しの間、押し黙る。
 どうやら呼吸も忘れていたようで、
 読み終わったその内容が信じられずに、
 茫然とその場に佇む。

 『断ち切られてしまった』感情は、役割を果たさない。
 無くなったわけではないけれど、うまく繋がらない。
 鍵盤はあっても、ピアノ線が切れたようなもの。
 時折、思い出したように突拍子もない音を鳴らすだけ。

 死んだと聞かされた頃はまだ心の中に滾っていた、
 父への感情であるとか、過去の記憶であるとか――>>6
 そういったものに突き動かされるようにしていた自分には、
 やはり今でも、父の語った“別の世界”の話は、
 途切れた先の何かを動かすものだったのだろう。]
(-133) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:20:49

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット


[ そのまま閉じようとして――…
 凍るような、骨のような指が、自然と滑り出す。


  (音を奏でないピアノを、
   潰れた指先でなぞるように)
 ]
(-134) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:21:17
 




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