人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

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【秘】 渇愛 シェルタン → 懐疑心 メレフ


「でも足りないんだ。
 子どもたちと親しくするだけじゃ、
 足りないんだよ、
何か
が」

「だから、オレは……
 大人たちに、……そのために、
 森に入っていって……」

 段々と、怖さの方が勝ってきたのか、
 沈黙が、言葉たちを埋め尽くしていく。

 「大人のところへいくのも、出来ればオレが良い」


 「……おかしい、のか。コレって」


 肯定するのも否定するのも自由だ。
 ただ、話を打ち明けたかっただけなのだから。

 視線を僅かに落として、返答を待った。
(-159) backador 2021/05/27(Thu) 8:46:02

【秘】 徒然 シトゥラ → 渇愛 シェルタン

 情だなんてからかうなよと続けようとして手が止まった。
 ひゅっ、と、息が飲み込む音と
 僅かに手が震えそうになるのを感じる。
 それは――目の前の子供は
 
見ていい存在か
を見極めようとしたからだ

「シェンが」

 真逆だ。高等部に上がる直前から食事が酷くなった自分からすれば信じられないこと。
 明るくなり、皆に慕われるようになれたのならば
 大人になにかされたのはいいことなのではないか?
 だが、ざわりと胸を締め付けたのはとてつもなく奇妙なものを見たときのような恐怖と気持ち悪さだった。

「……なにが、言いたいんだシェン」

 まるでそれじゃあ、自分たちは今まで
 何も悪いことをされていない子どもたちを
 見てみぬふりをしたようだと聞こえるんだ
(-160) toumi_ 2021/05/27(Thu) 8:56:05

【秘】 渇愛 シェルタン → 徒然 シトゥラ


 そっとストールを脱いだ。
 見やすいように、襟元を広げる。

 そこに見えるのは、
赤い、痕。

 傷痕ではない。より、ふかい、意味を持つソレ。

「……オレの推察じゃ。
 “大人は、子どもの病気や悩みに、
 都合のいいところを見つけては、それにつけ込む”」

「オレはな。大人たちに、
 たっぷりの
を教えてもらったよ。

 家族から見放されて、何の愛も知らなかったオレには、毒が転じて薬になった」

 ▼
(-161) backador 2021/05/27(Thu) 9:03:01

【秘】 渇愛 シェルタン → 徒然 シトゥラ


「……それで。
 
オレはその“治療”を、望んでいる


 再び、治療と呼ぶ。
 並々ならぬ感情の籠った、言葉だ。

「……オレだけでいいんだ。
 大人のところに、連れていかれるのは」

 しっかりと、真っすぐに見据える。
 “前髪の向こう”と、目を合わせられるように。
(-162) backador 2021/05/27(Thu) 9:04:57

【秘】 徒然 シトゥラ → 渇愛 シェルタン

「   」

愛?


「シェンに似合うなぁ……その赤。
 もらったことなんて一度もない。
 そうなんだ、そうだったのか」

なんだか子供がおもちゃをねだるようにその愛のあとをじっとながめ、触れようと手を伸ばした。

 病気? まだ言われていることがわからない。
 この食事を受け付けない体質を治療してくれるというのならば、
 目の前の彼のように何かを与えられた記憶があるはずなのだ。
 だがそんなことをされた事実も記憶も何もない。
 つまり

「他の子たちにあげないの、
 シェンが望むのならみんな喜ぶとは考えなかった?
 犯人を縛り上げたら愛をもらえなくなるじゃないか」

 飢えた鳥は餌を求めて鳴き声をあげるが、届かせ方を知らない。
 間違っているとどこかでわかっていても、素直な気持ちをあなたにだけ欲望を漏らしてしまった
(-164) toumi_ 2021/05/27(Thu) 9:25:19

【秘】 懐疑心 メレフ → 渇愛 シェルタン

ぐ、と自身の首元に巻かれているマフラーを握る。

目を伏せて、息を吐いて。
憎悪の心が、表に漏れださないように。

「ああ……"おかしい"。

 お前は、認知を歪められてるだけだ。愛なんかそこにない。
 お前が与えられたのはただの
だ。

 傲慢で、汚くて、自分達さえよければいいと思ってる大人のエゴだ。そんなものを求めるな」

嫌だ、と思った。
それは憶測で話しているわけではなくて。

「ぼくの姉さんも同じことをされた。
 あの頃もお前も、姉さんも、いい的だったんだろうよ。

 ……抵抗しない、あるいは抵抗しても痛くも痒くもない存在だったんだろう」

気持ちが悪い。

「家族に愛されなかったという点で言えば、お前も姉さんも変わらない……ぼくだってそうだ。
 だからこそ言うぞ。"
そんなものを愛なんて呼ぶな
"」

「……もっと、別の形があるだろ。
 
――――他人にお節介焼く前に、自分を大事にしろよ。馬鹿野郎
(-165) otomizu 2021/05/27(Thu) 9:28:43

【秘】 渇愛 シェルタン → 徒然 シトゥラ

 触るのならば、抵抗することはないだろう。
 むしろ、いいだろ、と微笑んで。

「……あーもー、ワガママだから言いたくなかったけど。
 “オレだけが欲しいもの”、なんだ」

 ある種、狂った状況下に置かれたからか。
 気を抜いていたからか、
 ムッとした表情で、そんなことを言う。

「喜ぶ奴もいるかもしれない。
 本当にそれらをされて治る子もいるだろうし。

 でも、オレは、それを独り占めしたかった。

 ただでさえ大人が子どもを連れて行くのも嫌なのにさ、
 子どもが自分から誰かを連れてってるかもしれないんだぜ?」

「ずるいだろ、そんなの」

 他の誰にも言わなかった本心が、漏れた。
(-167) backador 2021/05/27(Thu) 9:34:55

【秘】 愛欲 シェルタン → 懐疑心 メレフ


「……やっぱ、あるんだよな、他の、カタチが」

 だから目の前の友人は、触れられることを拒絶しても、
 それなりには、生きていられるのだから。

「アンタの姉ちゃんも、……ああ、……
 もしかしたら。されたの、同じ奴だったりして。

 ……
独り占めしたい
なんて思ったのも。 
 それしか知らなかったわけだから、だから、オレは」

 着崩してた服が、今になって恥ずかしくなる。


「でもさ、メレフ。
 アンタが大人のところに行って欲しくないって思ったのは。

 独り占めしたい、だけじゃ、なかった。
 何だって分からないんだけど……何か、癪だったんだ」

 “水鏡”を見るような、気持ちで。
 ずっと見つめている、から。
(-172) backador 2021/05/27(Thu) 10:06:08

【秘】 徒然 シトゥラ → 渇愛 シェルタン

「……嘘ついてないね?」

 他の子供たちにナイショで与えられる秘め事のような愛。
 それを独占したいと言うようなことばを目の前の彼から聞く日が来るなんて思わなかった。
 だが、自分に嘘をつく必要なんて無いはずだ。
 彼にとって何も得がないのだから
(-174) toumi_ 2021/05/27(Thu) 10:26:27

【秘】 徒然 シトゥラ → 渇愛 シェルタン

「   」

欲しいな、とは口に出せなかった
触れた赤に顔を近づければ
笑った


「見つけて、縛って、他の子が来ないようにしたいんだ。
 イケナイ子」

「シェンにそんなことできるの?
 優しくて……傷つけるようなことはできないと思っていたのに」

 くいと、ストールをつまんで外せは映える赤に唇を寄せる。
 引き寄せられるように噛みつく行為は、
 少しだけ荒っぽく責めているようなものだった

「ずるいなぁ、ずるい。
 でもそんなあなたが好きだよシェン。

 ……何を協力して欲しい? その独占欲を隠すこと?
 子どもたちの中に犯人がいたら吊し上げにでもしたい?」
(-175) toumi_ 2021/05/27(Thu) 10:28:54
シェルタンは、草笛を作っている。
(a97) backador 2021/05/27(Thu) 10:41:09

【秘】 君の友人 メレフ → 渇愛 シェルタン

「ぼくは知らないけどな。でも、話くらいは聞いたことある。
 あー……ほら、恋人だとか。寄り添うだけの関係とか、そういうやつだろ」

曖昧だ。それでも、体だけの関係を愛だと言うよりはマシだと思った。


「……ああ、早く殺してやりたい。姉さんを弄んで命を奪った奴ら……絶対に許すものか」


憎しみの籠った、地を這うような声。


「って、は―――何言ってんだお前。独り占め?
 ぼくとお前は、そんな関係じゃないだろう。」

何をバカなことを、と。唖然とした表情を浮かべて素っ頓狂な声を上げた。
憎まれ口をたたいて、軽口を返すような関係だったはずだ。

「……はあ?何か、って何だよ。それじゃ分からないだろうが」
(-176) otomizu 2021/05/27(Thu) 10:53:22

【秘】 渇愛 シェルタン → 懐疑心 メレフ

「……寄り添うだけ、か。
 実感湧かねーな、マジで」

 曖昧な話に、
 “つかそれ愛じゃなくて恋じゃん”とツッコミを入れる。
 でも、それでもいいとは思った。あるのなら。

「い〜や違う違う。
 “大人の愛を”、独り占めしたくて。
 メレフに対しても変わらない、と、思ってたけど」

 反応を見れば、可笑しそうに笑って。

「案外“そう”なのかもな。
 オレは、アンタが
ああ
されるのは嫌だ」
(-179) backador 2021/05/27(Thu) 11:11:56

【秘】 懐疑心 メレフ → 渇愛 シェルタン

「そりゃそうだ、ぼくだって知らないんだから。
 ……一緒だろ、恋でも愛でも」


「………………」

押し黙っている。少しこっぱずかしい思いをしているのと、そんなものを独り占めするなよ、という気持ち。

「さっきも言っただろ、おれはそうなる前に
死んでやる

 ああ、誰かしら道連れに出来りゃいいな。裏切者の1人くらい連れていってもバチは当たらないだろ」

何も為せずに死ぬことすらも癪だ。
意志を持って、決意を持って。展望を口にする。
(-183) otomizu 2021/05/27(Thu) 11:30:38

【人】 渇愛 シェルタン

>>133 ルヘナ

「変わるのだとしたら、オレ達じゃないよ。
 ……このギムナジウムだ」

 そうでなきゃ、何も変わってないのも同じだ、とも言う。

「意味がないことはないだろうよ、
 “この見回りに意味がないこと”が分かるのだって、
 一つの進歩ではあるんだから……後ろ向きだけどさ」
(139) backador 2021/05/27(Thu) 11:34:27

【秘】 渇愛 シェルタン → 懐疑心 メレフ

「…………オレは」

「…………死なれるのも、嫌だな。
 でも、酷いことされるくらいなら、ってのも分かるし」

 ベッドのシーツを、指でなぞって。

「……オレは、出来るだけ足掻いてみる。

 自分からは望まないようにするけど、大人に何かされるのは嫌ってほどじゃないから。誰も酷い目に遭わないように、したい」

 歪んだ思想を解きほぐすまでは、まだ遠くて、
 だけど、大事な一歩は踏み出せたような気がして。

 自分を大切にすることは、まだ難しかったが。
(-186) backador 2021/05/27(Thu) 12:05:43
渇愛 シェルタンは、メモを貼った。
(a107) backador 2021/05/27(Thu) 12:14:19

【人】 渇愛 シェルタン

>>140 ルヘナ

「全部は知らない。
 ただ、そうだな。

 “神隠しの噂の裏には大人がいること”
 “そしてそれは、一部の生徒の手引きで成り立ってること”」

 横目で表情を窺っている。

「そのくらい。その先は、まだ分からないけど。
 ……でも多分。知りたくなかった、ってようなことがたくさんあると思う。

 オレは知りに行くし。
 勿論ルヘナも、言うまでも無さそうだけどな」
(144) backador 2021/05/27(Thu) 12:28:08

【秘】 渇愛 シェルタン → 徒然 シトゥラ

「オレは皆の思うようなヤツじゃないよ。
 今言った通り。優しいなんて、とても」

 必要なら、なんだってするさ、と溢す。
 欲を向けられると、嬉しそうに目を細めて。

「……内緒にしてくれたらいいよ、今のところは。
 酷いことがしたいわけでもないし。

 ただ、……二度とやらないでくれたらいいだけだから」

 どこが満足げに、息を吐いた。
(-192) backador 2021/05/27(Thu) 12:34:58

【秘】 君の友人 メレフ → 渇愛 シェルタン

「……はあ。最悪の時はって話だよ。
 別に死にたがりってわけでもない……お前こそ、下手なことするなよ」

「誰もひどい目に遭わないようにするっていうなら、……殺さないにしろ、見つけ出して拘束する必要はあるだろ。ここの奴らは……ぼく達じゃどうしようもないからな」

ふと、思い出したように。

「ああ……お前にも言っておくか。
 昨日のあれだけど、"触られるのが嫌な事自体は病気ってワケじゃない"から、あんまり心配するなよ」
(-193) otomizu 2021/05/27(Thu) 12:37:58
シェルタンは、見回りの中、僅かな物音を耳にした。
(a111) backador 2021/05/27(Thu) 12:44:57

シェルタンは、ルヘナに頷いた。
(a115) backador 2021/05/27(Thu) 12:59:22

【人】 渇愛 シェルタン

>>a116 >>a117

 フルートを根っこから掴んで、
 音のした方を覗くことに決めたようだ。

 足音を立てないように息を潜めて、
 ゆっくりと、向かって行く。
(150) backador 2021/05/27(Thu) 13:07:24

【秘】 徒然 シトゥラ → 渇愛 シェルタン

「シェン。
 ……誰かの手で誘われなくても
 
他の方法で大人に会いに行ける人はいる。

 何人も見ないふりをしてきた、だからわかるんだ……誰かが止まったって変わない」

「どうか、ほんの少しだけでも
 この言葉を受け取ってくれるのなら」

「あなたは大人以外から、本当の愛を見つけて」

「あなたに対するお節介はこんなことしかできやしないけど
 ……シェンを本当に愛する存在が目の前に現れることを願っている」

 消えない赤い痕を上書きなんて綺麗な言葉で拭うことはできない。
 これは祈りであり、そして届かないかもしれない夢物語だ
(-208) toumi_ 2021/05/27(Thu) 13:48:53

【人】 渇愛 シェルタン

>>147 >>152 サルガス メレフ ルヘナ

「……何をしている?」

 馬乗りになっているクラスメイトと、
 組み敷かれている年少の子。

 それを見れば、思わず底冷えた声を浴びせてしまう。

「なあ、おい。
 
何をしているんだ


 走り寄って殴りかからないだけ、
 まだ理性があったのかもしれない。

 「……」

 ただ、二人の返答を、待っている。
(168) backador 2021/05/27(Thu) 19:20:55
シェルタンは、ただ、信じたいだけ。
(a131) backador 2021/05/27(Thu) 19:26:14

【人】 渇愛 シェルタン

>>170 >>173 深夜の森


      「裏切り者なのは……どっちが?」



険しい顔のまま問いただす。
自己の主張が苦手で、要領の悪いサルガスを、メレフは利用しているのではないか。

ただ、その可能性を、
冷静になり切れず
考えてしまう。

「……いや。悪いサルガス。……メレフも。
 ……本当に何もない、んだよな、二人とも」

でも。心に残る甘えが、今だけは自分を落ち着かせた。

決定的な瞬間を見たわけでもないのに、
身内を無闇に疑うわけにはいかないから。
(175) backador 2021/05/27(Thu) 19:43:18

【秘】 懐疑心 メレフ → 渇愛 シェルタン

/* ごきげんよう!秘話前の時空ということですし、ちょっと辛辣気味に返しておりますわ!
お好きに料理していただいて結構でしてよ!
(-241) otomizu 2021/05/27(Thu) 19:55:44

【秘】 渇愛 シェルタン → 懐疑心 メレフ

「オレは誰かさんとは違って危ないことはしないよ」

 そう言い、だが、安堵したように笑う。

「まあ。そうだな、
 体力があるとはいえ荒ごとは得意ってわけでもないし、
 その辺りは……任せる」

 病気の話を聞けば、意外そうに目を丸くして。

「え、病気でもなかったのに誰にも知らせなかったんだ。
 ……いや、でも、そういうこともあるよな。

 ん。そっちもあまり心配しないでおくよ」
(-242) backador 2021/05/27(Thu) 19:59:09

【人】 渇愛 シェルタン

>>176 >>177深夜の森

「じゃあ逆に聞くけどさ。
 “勝手に深夜の森に入ってる”アンタの方こそ
 大人と内通してるかどうか疑うのは。

 おかしいことじゃないだろ。なあ。
なあ!?


 売り言葉に買い言葉といった様子で。

 そう簡単な話ではないとは分かっているものの、
 思わず、激しい口調で捲し立ててしまう。

「……とりあえず。サルガスを寮まで送ろう。
 ルヘナ、頼めるか?……一人で動くのは危険だから」

 此処にいる四人全員を指した言葉で。
 頭を落ち着かせるために、深く、深く息を吐く。

「サルガス。勝手に森に入ったことは良くない。
 けれど……あー、……友達が心配だったもんな

 だから、いいよ。あとはオレたちが探すから安心して」
(179) backador 2021/05/27(Thu) 20:08:36

【独】 渇愛 シェルタン


「…………これは愛じゃなくて、
欲?


 そんなはずは、と。

「……どうしたらいいんだ」

 ただ、嘆いている。
(-251) backador 2021/05/27(Thu) 20:39:45

【人】 渇愛 シェルタン

>>182 >>183 >>185
メレフ


 「どうでもいいっつったらどうすんだよ」


 とんでもない思考をした偽善者。

 身じろぎ一つせずに言い放つ彼は、
 中らずと雖も遠からず、といったところで。

 虚勢を張っているようにも見えるかもしれないが。

「はあ……やめだやめだ、本当に悪い。
 オレは……メレフがそういうことするやつじゃないのは、
 ……見てきたオレだからわかる。筈だったけど。すまねえ」

 ルヘナの諭す声、それだけなら思う通り、
 矛を収めることはできなかっただろうが、

 サルガスの悲痛な嘆願に
 やっと落ち着きを取り戻して。

「……友達、か」

 思うところがあるようで、ぽつりと呟く。
(187) backador 2021/05/27(Thu) 20:56:36

【人】 渇愛 シェルタン

─深夜の森─

「こういう言葉が正しいか分かんねえけどさ、
 メレフはオレが一人にしないよ。

 いっつも世話焼いてるし、
 こーいうときに仲違いするのが一番マズいのは分かってる」

 むず痒そうにして、頬を指先で掻いて。

「誰も、大人のとこに行かせたくない。
 それだけは本当に、心から思ってる」
(189) backador 2021/05/27(Thu) 21:03:40
シェルタンは、サルガスのほうにゆっくりと歩いていく。
(a142) backador 2021/05/27(Thu) 21:14:27

【人】 渇愛 シェルタン

>>192

「……サルガス。そうだな。
 あんたは空回ってばっかりだよ」

 ゆったりと歩み寄って。
 言葉とは裏腹に、声色は優しくて。

「頑張りすぎなんだ」

「頑張れば頑張るだけ、物事は良くなる
 なんてことは、実はあり得ないんだって」

 近くでしゃがみこんで、また、
 “中庭のとき”と同じように撫でる。

「……手伝うから。だから、一人でどうにかしようとしなくていい。頼んでくれたら、何だって手伝う。

 な。今までいっぱい頑張ってきたろ、サルガスは。
 その分、甘えてくれたっていいんだぜ、兄ちゃんたちに」
(193) backador 2021/05/27(Thu) 21:16:16

【置】 渇愛 シェルタン



        
「これは
じゃないのか?」



  見回りが終わった夜。
  まだ、森に佇んでいた。
  
           どうしても寝付けなかったから。
           こっそりと寮から抜け出した。

     
「――――他人にお節介焼く前に、自分を大事にしろよ。馬鹿野郎」


 その言葉のおかげで、この向こうには行かないで済んでいる。
 ストールを、きつく、きつく握りしめて。

 「どうしたらいいんだろう」

 自分以外の誰かが大人の下に連れていかれる。
 昔は、ただ
──
で歪んで見えていたそれが。
 今はどうしても、胸が騒めいて仕方なくなる。


 自分と同じことをされた子がいるということ。

 おかしいことだと諭されて、漸く歪みが正されたようで。

 彼の姉ちゃんも。ともすればヘイズや他の子たちも。
 どんな気持ちで、
消えてい
ったのだろうか。
(L22) backador 2021/05/27(Thu) 21:51:50
公開: 2021/05/27(Thu) 22:00:00
 




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