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【秘】 元弓道 マユミ → 不知 ミナイ生きていない者がいる、その事自体は既に不可解な現象が起きているのだから別段派手に驚くこともなかった。 むしろ、死んでも人と会話できるのだと、良くない知見を得てしまった。 「…………」 黙って貴方の話を聞く少女の顔は、微塵も変わらず。 「拙には、理解が難しい話ですね」 まず飛び出してきたのは、そんな一言。 音もなく手を伸ばす。柔らかな白い髪を、そっと梳くように撫でる。 「難しいですが、明日香は優しい子だということは分かります。平等、公平を重んじる子なのだと。 ただ、同じように傷つくのは対価になることは無いんじゃないかと、拙は思うのですが」 言葉をまとめる合間、うむむと唸るような音がした。 「例えば片目を貰い、対価に明日香が片目を失ったとしても。それは実際に眼球を移植しあったということですか?そうでないなら、決して等価交換ではないでしょう。 明日香の自己満足で、互いに損耗するだけだと拙は思うのです」 「やめろとは言いません。明日香が好きでやっている事ならば、止められません。 ですがその生きる証を得たいが為に傷付き続けて、限界を迎え死んでしまうなんて本末転倒なことにならないか。 ……拙はそれが、明日香が心配なのですよ」 ▽ (-139) もちぱい 2022/07/12(Tue) 16:58:05 |
【秘】 元弓道 マユミ → 不知 ミナイ胸に手をつかれれば、貴方の手には控えめな柔らかさが伝わってくるだろう。 その様子を黙って見下ろしながら、淡々と紡ぐ。 「明日香。 ……拙は、大人になりたくありません。子供のまま、皆とずぅっと過ごしていたい」 「その為に死ぬ、なんてことは。 …………愚かだと思いますか?」 (-140) もちぱい 2022/07/12(Tue) 16:58:22 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 不知 ミナイスマホの振動にピクリと反応する。 気だるげに取り出されたスマホの画面を泣きはらした目が捕らえた。 ミナイからのメッセージ。 その中に出てきた名前に、またジワリと涙が込み上げたが、ぐっとこらえる。 "見つけてほしい"……それはあの遺体の事を言っているのだろうか。 ミナイはカナイに生前から何か聞いていたのか……それとも、自分と同じように、先ほどまでいたはずのカナイの言葉なのか。 「………」 何度も何度もそのメッセージを飲み下す様に読み返し、 既読をつけてから数十分後…… 『うん』 短い返事だけをミナイへ返した。 どれに対しての返事か、相手にはわからないかもしれないが。 (-149) kotorigasuki 2022/07/12(Tue) 19:35:52 |
【秘】 夢の先 ライカ → 不知 ミナイ「───はは、」 振り向くな、と言われたから 君の笑顔を拝むことはない。 見たかったな、なんて思ったのがバレたら 彼は拗ねてしまうだろうか。 「叶えてくれてありがとう、 僕の大事な友達よ。」 君に贈る言葉は、たったそれだけ。 だけど良いだろう、長々話せば、決意が揺らいでしまいそうなんだ。 そうして、止めた足をまた動かして 古びた木の階段を、一段ずつ踏みしめていった。 (-151) osatou 2022/07/12(Tue) 20:20:16 |
【秘】 友達 ネコジマ → 不知 ミナイ (-158) 66111 2022/07/12(Tue) 21:53:22 |
【秘】 友達 ネコジマ → 不知 ミナイ (-163) 66111 2022/07/12(Tue) 22:12:12 |
【秘】 不知 ミナイ → 奔放 クリス『む。難しいことを言うなあ』 この物語が必然であればどれほどできた物語になるのかわからない。 この物語が偶然であるなら何故こんな仕打ちをするのかわからない。 『事実がわからない以上必然も偶然も語れないけれども』 『つまらない話で終わりたくないことには違いない』 ただの軽口。ただの連絡。ふわふわと、ゆらゆらと。 小さな子供がじゃれついて、離れるように文字を打つ。 そして、想像した理想の君の答えが来て、くすりとわらった。 『流石だ だから栗栖くんは面白い』 『一緒に見つけておくれ 彼らの本当の姿を』 『その終わりまで楽しみにしているよ』 あゝ、本当に。楽しみだ。 スマートフォンを抱えて、一人、呟いた ▼ (-164) toumi_ 2022/07/12(Tue) 22:36:00 |
【秘】 不知 ミナイ → 奔放 クリス▼ それでこそ、僕の好きになった人だ。 キミは子供らしい言動の割に論理的な思考をしている。 そのちぐはぐな造形はどこからきているんだい? 時おり見せる誰かをみているようなその瞳。 これはただのボクの妄想なのかな? 弟君と仲が良いか? 答えられるわけないだろう。 気がつけば彼は見えなくなっていて、 ボクには君しか見えていなかったんだから。 ただの話のきっかけにすぎないんだ。 あゝ キミがほしい な、誰かが欲しがった君が輝いて見える。キミの何かが欲しい、 生きている証 がほしいな。でも、ボクがあげられる物がみつからないな。 沢山持っている人は羨ましいな、 ▼ (-165) toumi_ 2022/07/12(Tue) 22:38:44 |
【秘】 不知 ミナイ → 奔放 クリス▼ だから君がいなくなって、暫くしても見つからなくなったその時。 「勿体ない」 それだけ小さく零して、その足跡を辿ろうとした。 だけど、その前に最後の彼女に確かめることが出来たから、 もう少し待っていておくれよ。栗栖くん。 君を見つけ出してみせるから。 (-166) toumi_ 2022/07/12(Tue) 22:40:53 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「消去法か、 なんだそこも似ているね。 大丈夫だよ梢くん。 彼が死んだとしたら―― ボクならわかるもの 」また一歩近づいてそっとその手をとってみた。 改めて手を繋ぐことなんてなくて照れくさい。 少し年上の、素敵な優しい先輩の熱を感じる。 「格好よくても、可愛くても、大人っぽくても、子供っぽくても。 キミはキミだよ、梢くん。 ボクは、ボクの理想のために振る舞っているけれど。 キミは誰のためにそんな姿を保っているんだい。 自分のため? それなら止めないよ。 だけど、もう好きに振る舞って良いじゃないか。 朝になったら―― 逝ってしまうんだろう君たちは 」「何をしに来たのかな。 まだ生きて、やりたいことがあったのかい。 ボクは――それを聞きに来たんだよ」 (-170) toumi_ 2022/07/13(Wed) 0:14:00 |
【秘】 不知 ミナイ → 元弓道 マユミ「ボクも理解できなかった、お母さんのこと。お父さんのこと。 だけど真似をしたら、気付いたんだよ。 そんなもの聞いただけではわからないし、やってもわからない。 傷つけることは正しくないのに、 怪我をすることは好きじゃないのに。 好きになったら辞められないんだよね、そういうこと」 するりと腰に手を回し、じゃれつくように抱きついてその軽い体重でよりかかる。 「変なの、真弓くん。 なんで心配するんだろう、死のうとしているくせに。 ボクの体力がが限界になるときは、きっと。 誰かの命を奪って同じように捧げた時だよ」 「なーんて。ボクは"元気"だよ。 皆の生きている証を貰って、とても元気だ 」くすくすと、不気味な雰囲気を隠さず笑えばそのままキミの瞳を見上げた。 (-184) toumi_ 2022/07/13(Wed) 3:20:33 |
【秘】 不知 ミナイ → 元弓道 マユミ「それで……なるほど、そうだったんだ。 子供のままが、全然知らなかった」 「ボクとは違う意味でわがままさんだね、キミは。 ……うーん、じゃあボクは答える前にこの質問をさせてくれ」 「キミがボクに言って欲しいのは肯定? それとも意見?」 するりと腰に手を回せば、じゃれつくように抱きつきその軽い体重でよりかかる。 「彼らに連れて行かれようとでもしているの? いなくなって、皆と過ごす事が出来なくなって寂しいから」 「そんな理由だけで、人生を辞めようとしていないと嬉しいな」 (-185) toumi_ 2022/07/13(Wed) 3:22:33 |
【秘】 不知 ミナイ → 友達 ネコジマ「よかった、そうだよね」 「今日じゃないとダメだった」 きみも、わかってしまっているのだろう。 何人も死人がでて、そして、おかしな事が起きている。 朝を迎えたとき、一体誰がそこに立っているだろうか。 「ねえ、稔くん。」 「今日のことは偶然であると思う? 必然であると思うかな」 「ボクは今日このとき、が起こるべくして起こった思いたいんだ」 「たまたま、偶然、そこにボク達が迷い込んでしまっただけなのかな。どっちだろうね」 (-186) toumi_ 2022/07/13(Wed) 3:26:35 |
ミナイは、マユミの腰に抱きついて、胸元に顔を押しつけた。 (a67) toumi_ 2022/07/13(Wed) 3:27:55 |
【秘】 陽葉 シロマ → 不知 ミナイ「随分周りくどかったじゃないか。 いや、私も人のことは言えないか」 触れられた手を、そっと握る。 生者の温もりを感じ、なかった。 貴方に体温が無いというわけではなくて。 これは私が、……。 「そうだね、朝が来たらもう騙し続けるのは無理だろう。お天道様の下は、どうしても歩けなかったから」 陽光の温もりは、生者の特権。 死者がその温もりに包まれれば、たちまち焼けてしまう。 「私はね、自分が在りたくて格好付けてるんだよ。 ……しかし、まあ。 実を言うと、個人的にはもう満足してるんだ。 でも、可愛い生徒≠フお願いだから」 重なる掌は熱を持つ。まるで、この少女が焼かれているかのように。 ▽ (-187) wazakideath 2022/07/13(Wed) 11:25:39 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「……教師になるという夢を、諦めたくないのさ。 でも、生徒がいないと先生はできないだろう?」 生徒≠ヘ、一人いれば事足りる。 だから最初の一人だけでも構わないと思っていた。 けれど。 「そんな中できた初めての生徒に、皆一緒がいい≠ニ言われたら──叶えたくなってしまうというものだ」 彼は、『全員』を願った。 だから、今もこうして姿を表している。 (-188) wazakideath 2022/07/13(Wed) 11:26:41 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『時が止まってくれたらか』 やっぱり寂しかったりするのだろうか、 一緒の場所に居て欲しいのだろうか。 そうでないと、ここにはこなくて、 彼を連れて行ったりもしなかっただろう。 『いいね、そんなことができたら』 『寂しいな、ずっとばらばらでいるのは』 同じように、離ればなれになどなりたくない。 またこうやって話せたら、なんて。 もう戻れない場所に来てしまっている。 今まで避けていた事をこうもまで簡単に突破されてしまっては。 あゝ君達が愛おしい、欲しくなる、二度と手に入らないのに。 自分が君達に近づいてしまっているのを感じてしまっている。 (-196) toumi_ 2022/07/13(Wed) 12:28:45 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『世界はいつだって残酷だ このメッセージも消えてしまうのかも知れないけれど』 『ボクは 止まったキミたちに いつか追いつくよ』 『ごめんね』 共にゆけないで。 寂しさを和らげられなくて。これはボクのわがままだ。 『皆は怖いのかな、それを訪ねるのも楽しそうだ。 だけどボクは違う』 『この命が動いているうちは 誰かのように輝きたい 。価値を持ちたい、変わりたい、このままの自分で死にたくない。 いつか止まるとするならば』 『ボク自身という存在を全て捧げて無くしてしまった時が良い』 キミが欲しいな、キミの物が欲しいな。 誰かが欲しがった価値のある物で染まりたいな。 この真っ白な髪も、肌も、傷も、身体の中まで。 全部自分じゃなくなって、誰かの綺麗で染まれたら。 全部貰って、全部 お返し が出来たら。この命に価値があったと思って、それはもう。 気持ちよく、止まることができるのだろうな。 (-197) toumi_ 2022/07/13(Wed) 12:32:07 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『俺はさ やっぱり今の明日香ちゃんが好きだよ』 『今の皆が好き』 『きっと皆だって、本当はそう思ってる』 『それでも変わらないものは無いって、諦めてる』 『俺は諦めたくはないよ』 『今を今のままにする為に、今の皆が欲しい』 (-200) unforg00 2022/07/13(Wed) 15:17:17 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『ねえ、明日香ちゃん』 『生きていたって、今以上の価値を持てるかなんて』 『今より良い方向に変われるなんて保証は無いんだ』 『どんなに綺麗なものも、時間が経てば徐々に色褪せていく』 『時が動く限り、自分以外の誰かの価値観の変動は止められない』 『君が見た誰かの輝きは、 明日には見向きもされなくなっているかもしれない』 (-201) unforg00 2022/07/13(Wed) 15:24:28 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『要らない自分なら、俺にくれてもいいでしょ』 夢川は君の願望を肯定している。 「──なりたいようになれるのが一番素敵だよ。」 『先生だって、自分の為の生徒を探してる』 それは君が"君"でなくなったとしても続く価値だ。 「──でも生徒がいなくちゃ、先生はできないだろう?」 『おいでよ、明日香ちゃん』 選ぶも、選ばないも、それは君達の自由。 けれど選ばなかった君達にとっては、きっと失うものは多い。 『俺達はどんな君でも 君に居てほしいんだ』 誰かが欲しがったものを欲しがる、そんな君を欲しがったなら そうしたら君はどうするんだろうな。 君が"君"のままであっても、君が"君"でなくなったとしても 夢川達にとっての価値は、何れにしたって不変のものだ。 (-202) unforg00 2022/07/13(Wed) 15:26:33 |
【秘】 友達 ネコジマ → 不知 ミナイ「んー」 「…たまたま運が悪かったっていうのも嫌すし、 こうなることがどこかで決まっていたっつーのも嫌ですね」 「でも」 「どっちかなら、決まっていたことだった方がマシです」 「だから猫島も明日香ネエと一緒で、 起こるべくして起こったって思いたい方なんじゃねぇすかね」 花火のぱちぱち火花は赤みの橙colorから緑colorになった。 「これ何色の花火、って猫島たちがわからなくても、 こういう色になる花火だって決まってるじゃないですか」 「そういうのなんじゃねぇかなぁ。 …そういうのか? どうでしょうね。違うかも」 猫島は、なんだかちょっとふわふわしている。 達観しているようで、そんなことって全然ないからね。 (-203) 66111 2022/07/13(Wed) 15:46:15 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 不知 ミナイ「……たいへん俗っぽい言い方になりますが。 そーゆー、性癖という奴なのでしょうか」 こんな野暮な言い方をしては認めるものも認められないのではと思いはしたが、生憎少女の引き出しに気の利いた言葉は無かった。 抱きつかれれば、腕の動きに注意しつつも好きなようにさせる。なんなら髪も優しく梳き始めた。 「死ぬなら全てがどうでもいい、なんてことは無いのですよ。死ぬ理由があったから死ぬだけで」 見上げる貴方を、どこまでも深い黒色がじぃっと射抜いている。 「拙は頭の出来がよくありません。 ですから、明日香の綺麗な言い回しの意図もきちんと把握できないのです。 "元気"とは、どんな状態を言いますか?心身共に万全な状態なのですか?」 ▽ (-210) もちぱい 2022/07/13(Wed) 16:48:04 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 不知 ミナイ「そうですね。とても我儘です」 怒るわけでも嫌悪するわけでもなく、静かに答えた。自分でも分かりきっていたことだから。 「明日香にしてほしいのは意見です。肯定ではありません。 ……拙は今、どうすべきか迷っています。今まで流されて生きていたから、自分で考えて答えを出すということが非常に難しいのです。 ですから、自分で自分が納得できる答えを出す為に。判断材料として一つでも多くの意見が欲しい」 両腕をずらし抱き寄せる。腕の中の温もりを大切に囲いながら、はっきりとした口調で言い切った。 「現在の自分にとって友達と過ごす"今"が何より大切で、 どうしてもどうしても寂しくて仕方がなかったとしても。それでも、人生を辞めない方がいいのでしょうか」 「生き続けて、環境が変わり酷い寂しさに襲われて。そうしてもなお生き続けて何になるというのです?」 責めるつもりは無いし、怒っているわけでも無いのは柔らかな声音から読み取れるだろうか。 ただ純粋な疑問を、貴方にぶつける。 (-211) もちぱい 2022/07/13(Wed) 16:48:16 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「それじゃあ、センセイは」 「生徒になったボクを殺すの?」 遠回りしたね、でも、ちゃんと見つけたよ。 “そこらの名探偵”より精度は高いんだよ。 一緒に遊んでるんだ、楽しませてもらってるんだ。 だからこの問いは、真実を見つけるための一歩だ。 なにもわからないままで閉じるはつまらないからね。 「キミの思うセンセイも、無抵抗のボクを連れていくかい?」 「はは。格好つけてるセンセイも、“悪いコト”するんだ」 「ねぇ、梢くん。 君のなりたかったセンセイってどんな人だった? 教えておくれよ。寂しいじゃないか、こんな嘘まみれで終わるのは」 (-219) toumi_ 2022/07/13(Wed) 19:50:46 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「……? まだ君は私の生徒じゃないと思うんだけど……なりたいなら、歓迎するよ」 握っていた手を離した。 どこからともなく、出席簿を取り出す。 そこには『鳥飼』『夢川』『司馬』、三名の生徒名が記入されている。 氏名が増えていないことを確認し、出席簿を閉じた。 「理想の先生は、こんなことしないさ。 でも、私はこうでもしないと約束を叶えられない。 夢の叶え方は誰しも同じじゃないだろう?」 折った細く短い枝を片手に持ち、ゆったりとした足取りで歩き始めた。 教師が教室を歩き回るように、静かな歩みで。 しかしその表情は、いつもより暗い。 ▽ (-226) wazakideath 2022/07/13(Wed) 21:24:58 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「矢張り、……生者と死者が理解し合うのは難しいんだね」 枝の先端を貴方に向けて、下げる。 その梢には、開くことの叶わなかった新芽が付いていた。 「悲しいな、嘘だなんて。 そんなこと言わないでおくれよ」 悪い事であることは否定しない。 理解した上での行いだ。 しかし──事実とはいえ。 虚構として扱われれば、誰だって虚しくなるというものだ。 それは、死者でさえも同じこと。 (-227) wazakideath 2022/07/13(Wed) 21:25:18 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「――センセイ。 よく、人に理想を押し付けるのはいけないっていうだろう」 「僕はそれを今言われたとは思っていないんだよ」 「センセイがそうしているように見えたんだ」 死者は止まってしまっている人だ。 願いが叶わなくなったものだ。 悲しまなくなったものではない、喜べなくなったものでもない。 「キミたちはどうして、一緒に僕たちと遊ぼうとしないの。 寂しさを消化するのに死を招くことを選んでしまったの? 生きることをやめることが解決にはならないことだってある。 それは、寂しいと思ってる君たちが一番わかっているだろう」 生きて欲しかった。 理由があったのなら話してほしかった。 綺麗事で片付かないことならば、なにか解決ができたのならこんな寂しい気持ちにさせることなんてなかっただろうに。 (-231) toumi_ 2022/07/13(Wed) 21:58:38 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽葉 シロマ「どうして、なりたかった先生になろうとしなかったんだ。 寂しいとはじめから明かしてくれなかったんだ。 今こうして話せて熱も感じることができるのが、 刹那の会合だったとしても、偶然か必然が起きた。 ボクたちが、それにひとつも答えようとしない人間と思っていたのかい?」 おいていかせるのは、差があると見せつけるのは君達だろう。 隠すことなんてなかった、そんな寂しそうにするなよ。 もっと堂々と嫌なやつになってくれよ、そうじゃないと。 どうしようもならない一言も言いたくなってしまうだろう。 「説教だ、どうしようもない、わがまま。 間違いだというなら正してくれよセンセイ。 ボクはキミの生徒にはなれない、 だけどキミの先生をみてみたいと、願う一人の人間なんだよ」 (-232) toumi_ 2022/07/13(Wed) 22:00:27 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「おや。そういえば 最近の 先生は違うのだっけ。……うん、まずは前提が違う。そこを正そう」 すう、と息を吸った。 ように、見えた。 『何のこれしき、戦地を思え』 『足らぬ足らぬは、工夫が足りぬ』 『 ────欲しがりません、勝つまでは! 』凛とした声が貴方の耳に届く。 それはかつて、戦時中に広められたスローガンだった。 時が変わり、今は教科書でしか見られないけれど。 「……さて。きっと聞いたことがあると思う。 私はそんな世の中で生きた人間だ。 君たちとはね、今日が初対面だよ」 ぱき。持っていた枝を折り、捨てる。 その瞬間、思い出せるかもしれない。 ──白間家に、子供などいないことを。 子宝に恵まれず捨てられた一人の女が、ギャンブルに溺れていったという世間話を。 「私にとって、教師とは理想を押し付けるものだ。……自分に対してもね」 ▽ (-238) wazakideath 2022/07/13(Wed) 22:50:59 |
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