羽井 有徒は、メモを貼った。 (a113) JohnDoe 2020/07/27(Mon) 20:21:43 |
【人】 羽井 有徒── ??? ── [どこか遠く、チャペルから聞こえてくる鐘の音。 無性に耳障りなその音が凪いでいた心をザワつかせる。 昨日もそうだった。 誰かと誰かがオープンカーで去っていく姿が癪に障った。 どうして?いいことじゃないか。 頭はそう思っていても、心のざわつきは収まらない。 なぜ人の幸せを憎む。 今まで手にしようとすらしなかったくせに。 そんなものは無駄だと、ずっとそう思ってきたくせに。 なぜ今になってそれを 妬む 。 ]* (441) JohnDoe 2020/07/27(Mon) 20:32:08 |
【人】 羽井 有徒[一度、手洗いに寄れば鏡に映った自身の顔が随分と陰を帯びていることに気が付いた。 グラサンを外してその場に置くと。 バシャバシャと水で顔を洗うが、冷たすぎないそれが今は物足りない。 クイクイと口角を動かして、それから目元を押さえて二度三度瞬きをする。 表情が柔らかくなっていく。 十秒もあれば、ほら元通りの青年実業家、少しガラの悪いだけの羽井 有徒のできあがり。 再びグラサンを掛けてトイレを後にする。] (458) JohnDoe 2020/07/27(Mon) 21:16:51 |
【人】 羽井 有徒── ホテル:外 ── [人はそれを”ストイック”と言った。 違う、ただ決めたことを繰り返すことしかできなかっただけ。 休暇を取ってリゾートホテルに来ているというのにそういう癖は抜けてくれない。 朝のジョギングから始まり、それから遊技室でゲームに興じる。 ビリヤード、ダーツ、カード、多少の金を動かしながら他の名も知らない宿泊客と勝負する。 それから昼食を取り、街へと出る。 如月町、何かがある”はず”の街。 今はまだそれを見つけ出すことができていない。 そういう三日を過ごし、四日目で乗馬に出会い。 五日目の今日は午前に乗馬、そして今はただなんとなくハイキングコースを周っている。 違うのはそれぐらい。 そしてこの後は、またBARへ行き、一日の最後にプールで泳ぎ心地よい疲労の中で眠りにつく。 きっとそう、多少の違いがあっても、きっと変わらない。 バカンスだというのに、結局、毎日同じことを繰り返す。]* (501) JohnDoe 2020/07/27(Mon) 22:11:53 |
【人】 羽井 有徒── BAR ── [如月町のリゾートホテル、アムシェル・モーゼスの一階にそれはある。 いまや随分とお気に入りの店となったBARだ。 宿泊初日から、陽が沈みかけるとここにきて一杯、あるいは二杯引っ掛けていく。 それから食事を済ませ、またここに戻ってくることもあった。 バーテンダーがいいとか、酒が美味いとかじゃない。 ただ、なんとなく、なんとなくここの雰囲気が気に入っていた。] ……で、結局、毎日来てるな。 [ただ、この街を離れてしまえば通うには遠すぎるか。 ショートグラスに注がれた、カンパリとウイスキーの赤味がかった色のカクテル、オールドパルを口へ運んだ。]* (526) JohnDoe 2020/07/27(Mon) 23:00:28 |
【人】 羽井 有徒「誰かをお待ちですか?」 [おせっかいなバーテンダーの問いかけにゆっくりと首を横に振る。誰を待っているわけじゃない、待つ相手はいない、が。] いや、待ってはいるのか。 [どなたを?という問いかけが続いてフっと笑う。 そして、きっと要領を得ないであろうことを口にする。] ”運”、かな。 [きっとそう偶然でも、縁でもなく、ただ理由を持たせたくなる何か。] (527) JohnDoe 2020/07/27(Mon) 23:01:12 |
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