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【赤】 浅見 律だから、私は半ばある確信を持ちながら 病院を訪れて、検査をしてもらい。 結果から言えば、私の予想は見事に当たっていた。 HIV検査で陽性。 私はHIVに感染していた。 (*11) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:54:00 |
【赤】 浅見 律 知った時、多少なりとも思うことはあった。 いくら私が人生を諦めてるとは言っても。 馬鹿なことをしたな、くらいは 思ってしまったし、 あんなことしなきゃよかった、とも。 (*12) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:54:18 |
【赤】 浅見 律 あぁ、流石にこんな私に 居場所をくれる人なんているわけがない。 そこまで考えて、ようやく視界が滲んだ。 (*13) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:56:00 |
【赤】 浅見 律……元々壊れてた人生。 だから、壊されたなんて言う権利本当はないけれど それでも。私はどうしてもあなたが許せなかった。 無知で孤立した少女をいいように弄んで 玩具にして楽しんでいたあなたのことが。 こうなるきっかけを作ったあなたのことが。 私以外にも同じ思いをした子が もしかしたらいたのかもしれない。 その可能性に思い至ってしまえば。 もう、躊躇う理由なんて何も残されてなかった。 なんて、自分を正当化するための口実に過ぎないけど。 (*14) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:57:18 |
【赤】 浅見 律 そう決めてからの行動は早かった。 あなたが馬鹿じゃないことくらい知ってる。 きっと、機会は一度しかない。 私に警戒心を抱かれてしまえば 多分もう二度と機会は巡ってこないし 私自身が、おかしくなってるのを誤魔化しきれない。 そう思ったから、思い付きではなく、 W準備Wをした上で、あなたを嵌めようと。 (*15) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:58:08 |
【赤】 浅見 律*** 色々な準備を終えて。 胸に秘めた思惑を悟らせないようにしながら。 私は、授業の後に、話しかけた。 「入江先生……。質問が、あるんですけど。 放課後、空いてますか……?」 傍から見れば、勉強熱心な生徒が 先生に質問してるようにしか見えない。 最近休みがちだった生徒が 質問してたところで何の違和感もない。 一見すれば、ただの日常風景。 (*16) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:58:55 |
【赤】 浅見 律 でも、あなたにだけ見えるように見せた紙。 その紙に書かれた文言を見れば。 あなたにだけは、意図が伝わったはずだ。 (*17) alice0327 2022/12/16(Fri) 17:59:15 |
【赤】 浅見 律あなたならこの意味、わかるでしょう? 誰かと来るなんて無粋なことはせず、 あなたなら一人で来てくれる。 そんな期待を、あなたはどう受け取ったのか。 (*18) alice0327 2022/12/16(Fri) 18:00:07 |
【赤】 浅見 律あなたが一人で資料室に来てくれたなら。 私はあなたにソファーへ座るように促して。 私も隣へと腰掛けて、あなたの方を見る。 「……質問、後回しでもいいですか?」 そう口火を切って、あなたの返答は聞かないまま 私は、顔を近づけて、唇を強引に奪う。 (*19) alice0327 2022/12/16(Fri) 18:01:20 |
【赤】 浅見 律 部屋にあなたが入る直前、 口に含んでいた睡眠薬を飲ませるために。 口移しであなたに含ませて、 飲み込みやすいように唾液を流し込んで。 あなたが薬を飲まざるを得なくなるまで、 深い口づけをやめることはなかった。* (*20) alice0327 2022/12/16(Fri) 18:02:16 |
【秘】 入江 修 → 浅見 律空っぽの俺達には戻る場所は無い。 わかっていても受け入れ難い事実は 巡り巡って引き合い合うものだ。 浅見のいなくなった資料室で 独り電子タバコを吸い込むと 俺は汗や体液の異臭がまだ残る椅子に佇み 疲れたようにため息をついた。 (-49) 西 2022/12/17(Sat) 23:52:31 |
【赤】 入江 修女というのは難しいしめんどくさい。 前に辞めた生徒…名前は、椎名だったかな。 あいつはもう飽きたから関係を切ろうとしたら すげーヒステリックを起こしたっけ。 それに比べりゃ浅見は利口なんだろうが それでもめんどくさいことには変わらない。 (*22) 西 2022/12/17(Sat) 23:53:41 |
【赤】 入江 修どうせ耐えきれずに帰ってくるのに どうもあいつは無駄な事が好きらしい。 俺はあいつがこの先向けてくる 大きすぎる感情を、侮っていたんだ。** (*23) 西 2022/12/17(Sat) 23:54:16 |
【赤】 入江 修資料室に浅見を呼ぶのをやめて数日 俺達の秘め事は外には漏れていないらしい。 流石というかなんというか。 本当に期待を裏切らないやつだと思う。 ただ一つ予想を裏切られたと言えば ごく一般的な教師と生徒を演じながら ひびだらけの平穏を営む内に 浅見が時折姿を消す日があったことだ。 (*24) 西 2022/12/17(Sat) 23:54:51 |
【赤】 入江 修まともに交流しようともしない。 そんな浅見の行方なんて誰も知らない。 浅見はどうしたと聞いても クラスの奴らは揃って首を傾げていた。 娘さんが学校に来ていません。 そんな連絡をしてみても親は知らんの一点張り。 最初こそ連絡をするようにしていたが 次第にそれも形式的なものに成り下がり 浅見を想う意義もなくなっていく。 (*25) 西 2022/12/17(Sat) 23:55:35 |
【赤】 入江 修誰も知るわけが無い。 堕ちるとこまで堕ちた女の行末なんて。 俺の思惑にハマり、 俺がかけた首輪を外せずに藻掻く有様も その結果地獄の釜の底に立ったことも まさか思うまい。 とんだくだらない逆恨み同然の憎悪の感情が まさか教壇越しに俺に向けられているなんて。 (*26) 西 2022/12/17(Sat) 23:55:52 |
【赤】 入江 修浅見との密会がなくなってからしばらく 先にその切れた糸を辿ってきたのは 俺ではなくやっぱり浅見の方。 想像した通りに事が進むと 警戒心が薄くなるのが人間の性。 何の変哲もない日常に擬態するように 互いにしか分からない暗号を口にされれば その本当の意味を理解しているのは俺だけだ。 (*27) 西 2022/12/17(Sat) 23:56:19 |
【秘】 入江 修 → 浅見 律参考書を覗き込むふりをして 俺はそのメッセージを読み取る。 ほらな、俺の言った通りになっただろ? …今にして思えば俺も滑稽だな。 (-51) 西 2022/12/17(Sat) 23:57:34 |
【赤】 入江 修この資料室に来るのも久しぶりな気がする。 ネットでなんでも書籍を引っ張れる昨今、 浅見の相手をする以外でこんな場所使いやしない。 資料室に入ると珍しく俺より先に来ていた浅見が 矢継ぎ早に本題を切り出すと 浅見の悪意に気づきもしない俺は ソファーに腰かけながら笑って 「おいおい、俺にして貰えなくて そんなに寂しかったのか?」 と浅見を煽る。 これからまた前のように俺の声で また秘め事に耽ることになるのだと。 (*28) 西 2022/12/17(Sat) 23:58:10 |
【赤】 入江 修「んん……って、おい、がっつきすぎ…、っ!?」 強引に唇を奪われると 流石に俺も驚いて離れようとするが いくら男女の体格差があろうとも 上を取られると押し退けるのは簡単じゃない。 いままでの比じゃない程の激しいキスに 俺が違和感を感じ始めた時には 何か塊が押し込まれて 無理矢理喉奥に流し込まれてしまっていた。 (*30) 西 2022/12/17(Sat) 23:59:58 |
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