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【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「……理解できないよ。」 「君の事、ちょっとは理解したつもりだったのに。」 「離れてく。」 「………寂しいよ………」 ぽたり、と枕が濡れた。 目から零れるそれに、自分は気づかない。 そんなもの流した事、もうずっとなかったのに。 何で流れているかもわからなかった。 「……なんで、そんなこと言うの………」 「理解できないならもう、放っておいてよ。」 「上辺だけで仲良くして、離れて安堵して」 「そんなただの、"普通の人"になってよ。」 「わかんないよ。」 「わかんない。」 「なんで。」 「なんで理解できないのに、一緒に居ようとするの?」 誰にも言われたことがない。 親にも、兄弟にも。 そんな風に、なにも理解もされぬまま、ただ。 ただ、未来に生きてほしいだなんて。 君の考えてる事、なにも理解できないよ。 ちゃんと教えてよ、ねぇ。 そうじゃないと。 寂しくて、死んじゃいそうだよ。 (-266) arenda 2022/03/03(Thu) 20:48:06 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ「建物もそうですけどやっぱりお花が素敵です! お花屋さんよりは植物園ですよね。 私も一度だけ行ったことがありますけど、遜色ない出来栄えだと思います! フカワさんがここまで"やる"人だとは……本職の花屋を侮っていました」 気分が浮ついているのはこちらも同じでした。 ポットを置くのも忘れて話しながらあちこちの植木鉢を巡回しています。 あなたが楽しそうに見えたのも拍車をかけているようです。 「だから隠さないでも大丈夫って言ったじゃないですか。 自分の好きに正直になったら嬉しいし、きっと色んな事が善きようになるんです! 花に囲まれてないと落ちつかないのはアレですが」 職業病かも。 それからポットを置いて本題に入ります。 (-268) shionsou 2022/03/03(Thu) 20:54:57 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ「なるほど……選ぶ為ではなく選ばれないようにする為の票ですね。 ほとんどの人がくじで選んでいる現状だと意図的に寄せた票は大きいですし、今日もそれで……アクタさんが選ばれましたし」 あなたの言った通り、よく知らない相手というのは確かに罪悪感が和らぎました。 「不純と言いますけど逆に何が純粋なのかって思います。 自分で選んでみてよくわかりました。結局は相手の命に手をかける事実を覆す理由なんて無いんです。 だから私は── 選ばなかった事を後悔しない為に選びます 。奪う以外に選べる選択肢があるのなら、私もそうしたいです。 私自身が選ばれる事については一度踏ん切りをつけている事だからしょうがないと思えますから」 ハナサキに必要だったのは票を投ずる意味を見出す事。 あなた達と同列に並ぶ為の、本当の意味で参加する意思が見つからなかったのです。 「フカワさんと一緒ですね。 だから、その……投票の事も一緒に決めたいです。 私達ばかりじゃなくて、フカワさんも残っていて欲しいと思います! ……気遣いじゃなくてやりたい事ですよ?」 (-269) shionsou 2022/03/03(Thu) 20:55:49 |
【秘】 普通 ナツメ → 不運 フカワ『うん。私もずっといるか分からないけど… あ、ツルギくんが置いていった果物あるから、 好きに食べてもいいと思います。』 『じわじわかぁ。はやくよくなりますように…』 それらの返事は、わりとすぐに送られた。 行間で顔を合わせたりしたのかもしれない。 そして、尋ねた答えへの返事だけが、少し遅い。 『はい、内緒に』 『あの』 『もうこういうの、受け付けてないかな。 でも、伝えとくね。』 『投票、ハナサキさんだったらやめてほしいです。 お返しってわけじゃないけど…』 『優しくてちょっと不安定で、放っておけないし。 友達だと思ってるから、選ばれるところ見たくないし。』 『あ、フカワくんにするのも、やめてほしいな。 心配してメッセージくれたの嬉しかったし、 ブランコで遊んだのが楽しかったし』 『自分に投票するのって、苦しいことだと思うから』 (-272) 榛 2022/03/03(Thu) 21:06:32 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「関係ないのに、ですね? すみません、あの……わからないんです、ただ。 ただ、気に入ったっていうのが。あ、メイサイさんが。 推しって言葉を教えてくれました、多分そんな感じです」 これが、 "好き"っていう気持ち だとしたら、多くの人に抱いた感情は興味や哀れみ、綺麗なものではなかったような、もっとドロドロしたものだ。こうして気づけて良かったと思うと同時に、この先どうなろうと目の前の好きな人の未来は見れないのだなと、寂しく思った。 「そうですか、それでよかった」 これは、悪い考えだ。 今言われたとおり、相手の瑕になってしまった方がちょっとスカッとする。愛だって、傷だって与えて、欲張りになっちまおう、そんな話。 「……、っ」 あ、後もう少し待って欲しい。 軋む椅子をみてふっと力が抜けて、あなたを撫でていた手を見て、 ぼろりと一つ涙が零れた。 良かった、きっと、見られていない。 (-275) toumi_ 2022/03/03(Thu) 21:35:03 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「ええ、俺も、」 わかるはずがない、値段なんて。正直つけられていない。 だけど意地をはって、命を安くないことにしようとして。 自分が。 「わからなくて、怖いです」 「大人だから、ですかね。ちょっとだけくたびれてます、から」 怖いんだ、生きていられないことが。 生きることを望まれていないことが。 それでも、この命を誰かの為に使えるのなら、何だってしたい。 それが本当にやりたいことになっただけ。 「また何度書き直すことになる、んでしょう、ね? 頑張って、ください。読むの楽しみにしています。 完成するのがずっと先になっても、楽しみにしています。 そろそろ、邪魔になってしまいそうなので、出て行きますね ……ご飯とかお茶とか、気休めでも取ってください。 俺も、そろそろ。 ケーキでも食べて休憩しようと思っていたんです。 いいでしょう?」 おかしな自慢をしながら、目元を拭って立ち上がった。 扉の方を見て、一度深呼吸をする。 声は震えなかったはずだ、だから、大丈夫。 (-276) toumi_ 2022/03/03(Thu) 21:36:19 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「……生きて欲しいけど。 辛くなって欲しくないから、です。 知って欲しいからです、君に生きる意味を。 感じて欲しいからです、俺の君に求める残酷な未来を。 覚えて欲しいからです、この苦しさと傷と、その向こうにある幸せを」 「絵乃くん、俺は」 「俺はそんな君を」 矛盾してるけど、矛盾していない気持ち。 本当になんだってしてあげたいと思った。 それでも、正しくないと思った感情は押しつけることしか出来なくて。 「……、……っ」 もし、違う形で出会えたら。 もし、もっと早く、もし、選ばれてなかったら。 同じように涙を浮かべて、その身体を抱きしめてた。 動きが速かったから、見られていないだろう、きっと。 (-282) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:13:21 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「絵乃くん、俺に――」 「"普通の人"と」 「"君を殺す人"。どっちになって欲しいですか?」 君を理解してくれる人はきっと現れる。 ここから外に、あるいはまだ、もしかして。 他の人に寂しいと泣きつくことも良いかもしれない。 諦めないで欲しい。生きていて欲しい。 だけど、人間は弱くて。 わかってしまったから、また甘い言葉をかける。 「これが、俺が君を泣かせた償いです。 俺は君に何をしてあげればいいですか?」 (-283) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:13:55 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「趣味ですね……。同級生には変わってるって言われましたけど。 小さい頃から囲まれていたので、やっぱり。 そこの食中植物可愛いでしょう? ウサギゴケっていうんですけど。 空気を漂う微生物を食べてるんです。 もぐもぐしているところは見ることはほとんどできません」 「……それは、あまりうなずけないんですけど。 君の前ではそうしようと心がけていたら、なんだか ちょっと恥ずかしいほど素直になりすぎているかもしれません……」 一緒に植物を眺めてからポットを置かれて。閑話休題。 「一緒に、ですか。はい。それでも、俺は君に任せますよ。 今――きっとハナサキさんに票は集まりにくいと思います。 俺と君が一緒に入れない限りです。 それと感情を抜きにして、ナツメさんにも入らないと思いますよ。 俺があれだけいいましたから」 やはり喋らない花という存在は、いろんな意味で目立つのだ。 そして突然矢面に立たされて覆された票ということも要素になる。 (-291) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:38:28 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「なんだか俺がここで生きて欲しいと言われるのは不思議な感じです。……しかも複数人に。 でしたら、……」 「……ツルギさんかカイさんに、入れたいんですが。 ……あの。 ハナサキさんは、 二回目の人に予想はついていますか? 俺は、ツルギさんだと、思っています」 本当は。あともう一人。 (-292) toumi_ 2022/03/03(Thu) 22:39:40 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワああ、とか。うん、とか。 ささやかな自慢に「なんだそれ」と苦笑して。 軽い相槌を返して、君を見送ろうとして。 「………、」 ───君の声が滲んだ気がして。 ───君の瞳が、揺れた気がして。 「、待って」 そんな風に感じた事すら、 君を引き留める口実が欲しかっただけなのかも。 「───待ってッ!」 がたん! 椅子を倒して立ち上がれば、足早に駆けて君の腕を掴む。 ▽ (-293) osatou 2022/03/03(Thu) 22:41:47 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ部屋の紙束をひっくり返しながら 扉へ向かわせまいと、腕を強く掴む。 「その、……」 このまま君を見送ってはいけないような気がして 我ながら驚き、ぱちぱちと瞬き。 何か聞こうとして、 何がWそれで良かったWのか。 何か言おうとして、 何が怖いのか。 「………ぼっ、 僕にもケーキ、寄越せ……!」 男は力が強い方では無い。 君が本気で振り解き、抵抗すれば、この部屋を出る事は可能かもしれない。 (-295) osatou 2022/03/03(Thu) 22:53:27 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「……、フルーツタルト好きなんですよ。 花みたいにきれいに飾ってあるやつ」 「意外ですか? 誰にもいったことありません。 親にも、妹弟にも、だって。 誕生日ケーキはイチゴが乗ってる白いやつ。 みんなが好きだからそれにする日なんです」 思い出すように笑って。 好きなケーキじゃないのに手作りだから、文句も言えなくて、やっぱり嬉しくて。 わがままなんて言えないし、愛はやっぱりそこにあって。 「原稿かく邪魔になりますよ、俺……。 君という人間が前に進む妨げでしかありません。 だって、今」 地面を濡らしたのは自分の涙で。 散らばってる紙にシミを作った。 謝罪の言葉よりも出てくるのは、嗚咽になって。 伸ばされたその手に腕を捕まれ、反動と共に身体は止まった。 (-298) toumi_ 2022/03/03(Thu) 23:51:32 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「今、許されたら、余計なこと言いそうなんです。 だから、手を、離さないというなら。 ケーキ黙って食べるか、……耳塞ぐか聞かなかったことに、してください」 弱々しく、今度こそ声を震わせれば。 ここではじめて涙をこぼし続け、辛いという感情を自覚した胸の痛みに耐えるのだ。 (-299) toumi_ 2022/03/03(Thu) 23:54:50 |
フカワは、何年ぶりかに泣いた。多分10年ぐらい前にタンスの角に小指をぶつけたときとか、玉ねぎを切ったとき以来だ。 (a32) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:15:53 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ笑って、それから涙をこぼす君を 手離す選択肢は、ひとまず男には無いらしい。 ──ぎゅ、と、掴む手に力が入る。 「えと、僕は……どっちも好き、かな。 華やかなタルトも、素朴なショートケーキも。」 ぽつり、ぽつりと律儀に言葉を返せば 少しずつ、冷静さが取り戻されてきて。 「……分からないなら、一緒に考えよう。 草臥れてるなら、ちょっと休んで 怖いなら……隣に居てやるから。」 自分がそんな気分のときは、誰かにそうして貰いたいから。 涙の理由を、聞いて欲しいから。知って貰いたいから。 だから男は、目の前の君にそうするのだ。 自分が後悔しない為にも、この手を離さない。 「そんな顔で出てかれる方が、気になるんだよ。」 ……床に散らばるゴミ達が濡れていく。 構わない。たった先程から、君のせいで廃棄物に格下げされたのだから。 ▽ (-300) osatou 2022/03/04(Fri) 0:24:11 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ「僕が聞きたいんだよ。」 腕を引いて、またベッドへと招く。 君が腰を下ろすまで、根気強く。 「余計なことばっか言ってるだろ、お前、普段。 ……今更気にすんなって。」 黙って食べてやる気も、 聞かなかったふりもしない。 自分達は、分かり合えない者同士だとしても 知らないふりだけはしたくない。 「涙の訳を、聞かせて」 これまで散々君へ暴言を吐いた口が いつも通り、我儘を君へ吐く。 (-301) osatou 2022/03/04(Fri) 0:26:13 |
【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ日はのぼってノックの音。 あなたがいてもいなくともその扉は開いて、紙袋をいくつか置けばあなたの方かベッドの方へと男の体は吸い込まれていく。 目もとは赤くなっており、しばらく顔を埋めれば話しかけられるまで黙っていた。 (-302) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:27:17 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ抱きしめられる。 体が少し痛んだけれど、でも。 それ以上に、心が痛くて。 君の涙なんて、自分の視界が滲んでるせいで全然見えなくて。 なんでそうされるのか、わからなくて。 「俺は。」 「………おれ、は……」 鼻に詰まったような声が出る。 生きてほしい、なんて願われたって。 未来を信じて、なんて祈られたって。 わかんないよ。わかんない。 幼子のように、そればかりを繰り返してしまう。 涙が溢れてやまない。 なんでこんなに悲しいのかもわからない。 君が、俺を理解してくれなかったから? 俺が、君を理解できなかったから? 捨てて諦めた未来を見ろと、言われているから? 辛い現実を生きろと、諭されてるから? 「お……れ、は…………。」 君にしてほしい事なんて。 そんなの、そんなの。 ……一つしか、思い浮かばなくて。 ▼ (-305) arenda 2022/03/04(Fri) 0:42:49 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタつれていく方が多かった、皆が無理をしているから。 そしてわからない人が多かったから、歳が下だったから。 自分がどうにかしてあげたい、たったそれだけの。 わずかにあった、自尊心。 どうあがいても隠せなかった学生らしくなさ。 「……今っ ……格好つけるところ、じゃないですか……っ? 俺は演技できないんですよ……。 それなのに、……怒られるだけだと 思ってたのに、あんな言葉言われて、 応援されるだなんて」 わからないままだから、なんでも言えて。 わからないままだから、罪悪感もなくて。 そんなことわかっているのに知らない振りなんてできなかった。だから、男のからだには多くの皆の感情がぶつけられてきた。 「これが初日の自分なら、よかったのに。 君のことも自分のことも知らずにすんで、 好きにも嫌いにもならないで。 ただ時間が過ぎるのを待つだけの、 感情がわからなかった頃の自分だったら」 なにも辛くならなくてすんだ。 自分は幸せだった気がして、それでよかったのに。 (-306) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:43:21 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワあなたが部屋を訪れた頃、上葛は自室に居た。 髪は下ろしたまま、作業着も上は脱いで薄手のインナーだけ。 今日も寝付けなくて、ベッドに座ってログを読み返していた所。 聞こえたノックの音に、ふと顔を上げて。 「あ、邦幸さん──」 扉を開けた人が誰であるかを認識して、 少し表情を柔らかくした、のも束の間。 「ど、どうしたんですか?なにか、ありましたか…?」 見た事のない様子に、ほんの少し慌てふためいて。 恐る恐る背中に腕を回して、その背を撫で擦ろうとする。 「話すの、落ち着いたらでいいですから…」 (-307) unforg00 2022/03/04(Fri) 0:48:06 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「空元気や、覚悟決まった振り。 もう上手にできないんですよ。 気軽に選べるわけ、ない。 動こうとする度、誰かの邪魔になってることが、誰かを怖がらせていることが、悲しませることが、嫌なわけないんです」 これはただの、強欲なお節介。 そして、ただの身勝手な叫び。 「……仲良くなって、傷付くのは。 お互い様です、よ?」 すがってしまいそうになる。嫌ってくれている相手に。記憶に残してしまう、嫌だ、少しでも悲しませたくないのに口は止まってはくれない。 「ちゃんと確約されたお別れがないと。 今すら、耐えられなくなっているっていうのに」 愚かでなにも知らなかった男は、十二分に心に負担を背負ってここの皆の苦しみを素直に受け取ってしまっていた。とっくに限界は来ていたのだ。 「……自分が思うしあわせな、都合の良い物語を考えて。 皆を振り回すことでしか、もう保てないんです。 俺がやりたいことは、あの人を殺すこと。 君に臓器を差し出すこと。 ナツメさんを生かしてあげたいこと。 エノさんを、理解してあげないこと。 ……そうしないと、話した皆が死んじゃうんです。 そんなの、いやです。 自分が死ぬことよりもずっと嫌だ、一人でも多く死ぬのを望まれなかった人を作りたかった。俺みたいな人を減らしたかった、それだけなのに。 方法は罪のない誰かを傷つけることばかりです。 やってくる結果はお別れです。そんなこと思う価値なんてないのに、それが悲しくて仕方がないんです」 (-308) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:53:12 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「……生きてよ………君も………」 俺がどうとか、俺にどうしてほしいか、とかじゃなくて。 ただ、ただ。俺も、君に生きてほしいって、おもって。 例え君が変わってしまっても。 君が進んだ未来の先で、まったく理解の出来ない人になっても。 もう俺のことなんて忘れ去ってしまっても。 それでも。それでも俺は。 最初に声をかけてくれたことが。 部屋で話し合って、理解しようとしてくれたことが。 連絡が遅れて、謝ってくれたことが。 焼肉屋で、甲斐甲斐しくお世話してくれたことが。 帰りに、背負って帰ってくれたことが。 全部、全部俺にとっては、嬉しかったことで。 きっと君を好きになれるだけの、十分な思い出で。 だから。 「………生きて………生きてよ……」 「一緒じゃなくてもいい、嫌いになってもいい。」 「……それでもいいから……………」 「君も………生きて……………」 初めてなんだよ。 自分のことなんてどうでもいいって思ったの。 理解できないな。 (-309) arenda 2022/03/04(Fri) 0:54:08 |
【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ「……ショートケーキですか。 それともフルーツタルトでもいいですか」 表情を見せないまま背中を撫でられる。 声は震えてこそないが、ほんの少しだけ元気はない。 「お酒、造ってみたんですよ。 出回ってるの、美味しくないらしくて。 みりんや料理酒以外は作る過程の工場が軒並み規制されているんで。 人が酔っぱらえるメカニズムを図書館で調べて酒のあり方を頭に叩き込んだ上でレシピをつくり上げました。果実や花を使った発酵させた飲み物で、アイスやソーダ水で割ると丁度良さそうなものです。 それで、あの。 さっきまで、アクタさんに出会っていて。 ……ちょっと、弱音はいてしまってす。 そうしたら、なんか、涙が止まらなくて。 待たせて、ごめんなさい」 (-311) toumi_ 2022/03/04(Fri) 1:06:46 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ「子どもの頃からかこまれていたらそうなるものなんでしょうか…… 男の子でもお花が好きな子は居たと思いますけどね。変わってないですよ! もっと素直になりましょうよ!温室ができてからのフカワさんの方が私は好きです! 恥ずかしくないですから!ね?」 ウサギゴケには初めて見ました!と顔をぐっと近づけて見ています。 こんなに可愛いのにもぐもぐしているんだ……とちょっと怖い想像をしそうになって振り払ったり。 「ナツメさんって実は私が何もしなくても大丈夫そうな感じではあるんですよね。 最近はたくさん話すようにもなりましたし、知らない所で交友もしているみたいでしっかりしている人です。 フカワさんが表立って動いてくれた甲斐もあるでしょうね。あの後に投票するのは事を荒立てるに違いありません。 そうなると心配なのはフカワさんの票の方かもしれませんね」 2回目に選ばれるのは心配してもどうしようもありません。 けれど条件は皆同じですから今はただ祈るばかり。 「2回目の人……正直確信はありません。 でも、ツルギさんは私もちょっとそうじゃないかと思っていました。 場慣れしているのもそうだと思えば納得できます。 カイさんはあんまりそういう嘘は得意そうに見えませんし…… エノさんは……なんとなく違うなって思っています。勘ですけどね」 何人いるかも分からないものですから。 「だから投票するならツルギさんでしょうか?」 (-312) shionsou 2022/03/04(Fri) 1:09:45 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 不運 フカワ「……弱音、吐けたんですね。 自然と泣けるくらいに心が追いついてきたんですね。 ああよかった、僕はずっと心配だったんです…」 背中を撫でながら、子どもに言い聞かせるように言葉を重ねた。 言葉も、声色も、全て心からのものだった。 泣けない事の辛さは、ようくわかっているから。 「大丈夫ですよ。 いくらでも待ちますから、無理に落ち着こうとしないで。 せっかく頑張ったんでしょう。 味も何もわからなかったら、きっともったいないですよ」 宥めるようにそう続けて、もう片手を頭を撫でようと伸ばす。 今は薄着だから、今までより少しだけ体温が伝わりやすいな。 (-315) unforg00 2022/03/04(Fri) 1:42:33 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ「……うん、」 君から吐露されて来る、感情。 素っ気ない言葉で、けれども優しい声色で相槌を打つ。 知識とは、力だ。 それは己を守る事もあれば、傷付けることもある。 痛みを痛みと認識しなければ、苦しくなく、耐えられたのだろう。……心の傷が消える事はないけれど。 ──一番辛い思いはここに来る前にしてきました。 ──死ねと言われたのも、二度目です。 頭の中に、文字が浮かぶ。 いつか君から届いたメッセージ。 ──俺の死を望む人が国の制度と貴方達だけじゃないことが、一番辛くて。 ──それ以外が構わなくなってしまったんです ほと、ほと、とめどなく溢れる涙を、そっと指の背で拭ってから 少しだけ高い君の背に、腕を回す。 拒絶されなければ、子供を宥めるみたいに背を摩り、抱きしめて温もりを分けてやる。 「泣ける時に、泣いとけ。」 いつか自分が受け取って、楽になれた言葉だ。 想いは伝えないと、伝わらない。 ▽ (-317) osatou 2022/03/04(Fri) 2:21:33 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ子供の頃、気になっていた子に わざといじわるをしたような記憶がある。 あれは今思い返せば、その子の気を引きたいだけだった。 「言われなきゃ、分かんない。 傷付くとしても、ちゃんと知りたい。」 きっと、本音を押し殺して、自分を閉じ込める君が嫌いなんだ。 ……やっと自分の心を理解して、君の心を理解出来そうだ。 「お前が死んだら、 僕が悲しんでやるよ。」 だから、残念ながら、男は もう君を嫌いだなんて思えない。代わりに死ねとも言えない。 ──誰かを殺すこと。 ──誰かを生かすこと。 ──誰かを理解しないこと。 そのどれもが、君が成すべきこと。 では、男が唯一、君にしてやれることがあるならば 「一緒に死んでやろうか。」 どうせ、一度覚悟をした命だ。 (-318) osatou 2022/03/04(Fri) 2:24:48 |
【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ「……俺、君にそういわれると。 なんだか急に落ち着いちゃうんで落ち着いてきたきがします……。 宥められると水を飲んだ気分に……? 親を思い出して嬉しさと空しさが一瞬で心を冷ましていくんです」 あまのじゃくかもしれませんねと、つぶやいて、少しちがう体温に顔をあげる。 丁度頭が撫でられるところに当たって、瞬きする表情がぶつかり少しの間停止する。 「……こ、どもじゃないです……。 ええ、と……服、変えたんですね……俺も着替えようかな。少しなら違う姿とれるんですかね……?」 (-329) toumi_ 2022/03/04(Fri) 5:51:21 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ嫌いになんてなるわけない。 その一つの願いを叶えられないことが、こんなにも苦しいなんて思わなかった。 「……」 頷いて、手をとって、一緒に笑って友達から本当に理解しあえる間柄になる。 そんな未来が、確かに幸せそうにうつってしまって。 君もそうだったらよかったのにと、もしそうだったらひどくまた残酷なことをしてしまっているなと、わかってしまって。 そんな奇跡は、起こらない。 はじめから、わかっていた。 見たくなかったんだ、叶わない未来を。 生きたかったとは、言ってはいけない。 隠し通さなきゃ、傷つけるだけなんだ。 「……っ、」 本当に君がほしかったのは、 寂しさを埋めるひとりだけ。 それだけで、よかったのに。 (-330) toumi_ 2022/03/04(Fri) 6:53:30 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「……俺を嘘つきにさせますか?」 「生きのびたら本物の温もりがわかりますね」 「弟も紹介します、彼の方が少し弱気です。 それでも人思いで良い子ですよ。 仲良くなれると思うんです。 絵も花も好きです趣味ぐらいで。」 「妹はちょっとダウナーっていうらしくて。 ソファーで靴下脱いでくつろぐような子で。 おやつを分け合うぐらいには仲良しです」 「親は俺を売りました。 違法煙草を密売してたんです。 その罪を外に出た人に告発して貰います。 冤罪のまま名を遺すのも嫌ですから」 「寂しいなら家に泊まるのも良いですね。 学校卒業してからかな。 長い休みのときは来てください」 「……ねえ、絵乃君」 「俺は生きていて、幸せでした。 君にもその幸せを知ってほしい」 「……、……俺が。 俺がいなくても君は幸せになれます」 もしかしたら、唯一の嘘はここになるのかもしれない。 「だから……そんな簡単なこともできない俺を許さないで、もっと違うことを願ってくださいよ……」 (-331) toumi_ 2022/03/04(Fri) 7:06:34 |
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