人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

さて確かに。
女はあなたの言葉に素直に従い静かになった。
それを
従順
と呼ぶならそれできっと正しい。


「……。」

ぷら、ぷら。足を揺らして。
あなたの問いからほんの少し、たった頃。

「…あー。」
「もしかしてえ」
「もう、口を慎まなくてもいい時間ですう?」

へらりと笑った。
やはり変わらぬ、デスクの態度で。

「なら、こおいう堅苦しいの、ヤなんですよねえ。」
「…それより何で、イレネオさんは逮捕されたのに自由にしてるんですかあ?」
(-436) oO832mk 2023/09/25(Mon) 22:26:37

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

とん。
とん。とん。
とん。

繰り返される単調な音。
貧乏ゆすりに似た一定の速度。

「無駄口を叩くのはやめろ。ダニエラ・エーコ。」
「お前に許可されているのは、俺の質問に答えることだけだ。」

この男は何を勘違いしているのだか、そんなことを言う。
自分が何か権力を持ってでもいるように言う。
貴方はこの態度を嘲っても構わない。その疑問は、まったく正しい。
(-447) rik_kr 2023/09/25(Mon) 23:08:46

【秘】 また、歌う カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「そ、いつでも、な。……しかしアレっさん、マジで山ほど
 送ってきそうで怖いな。金使わせまくって隙をつくか……」

碌でもない事を考えつつも。

「その言葉だけで頑張った甲斐があるよ、俺は」
「……、……あーあ」

全てを聞いて、そう返して、自身の髪を指先で摘まむ。
今は少し、薄汚れてくすんでるけれど。
その汚れの向こうに、確かにあなたが好きと言った色がある。
死に物狂いでやり合った時、怒りの奥にあなたが居た。

ああ、つまりこれもまた『天秤』か。
誰も信じないとは言ってるけれど、
ノッテの、家族の情報をくれてやる気はしなかった。
馬鹿みたいな意地の、似たようなふたり。

「……そんな風に言われたら、俺は何も言えないじゃんか。
 ずるいよなー、エリーはさあぁ〜……」

ふうっ、と息を吐いて、声音には前向きな諦めの音。

「わかったよ。ずっと、支える。傍で、守る。ただし!
 必ず無事で帰ってきてくれよ?俺の星が石に戻らないように」
「二人で、星を見続けられるように。また、夜を過ごそう」

女は歌う。貴女と共に歩む、愛の歌。
「約束だ」そうやって、改めて二人を結びつけるように。
(-452) shell_memoria 2023/09/25(Mon) 23:28:00

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

ぱた。
ぱた。ぱた。
ぱた。

真似をして、音もなく足が床を叩く。

「えー。やあですよお。」

けらけらと、女は控えめに笑った。

「なあんであたしだけ答えないといけないんですかあ?」
「イレネオさんだって、逮捕されたんですよねえ?」

「おんなじ警察でえ。逮捕されてえ。」
「あたしと何が違うんですかあ?」

気怠げな声。こてりとまた小首を傾げる。
(-453) oO832mk 2023/09/25(Mon) 23:28:10

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ

「…えへへ…。」

どうやらこれは、ずるいらしい。
覚えておこう。なんてこれはしたたかな部分。

「…うん。」
「ずっと、いっしょ。あたし、忘れないよお。」
「…ミネはね、どこにいても傍にいてくれるのお。」

目を閉じればいつだって。
瞼の裏には鮮やかなライムグリーン。
まどろむような心地で、女はあなたと歌を歌う。

「あとちょっとがんばってえ」
「無事で帰って、またミネのモーテルにお泊まりするのお」
「…あれ。結婚するなら、もうお泊まりじゃないかもお?」

けたけたと控えめな笑い声。
それでまた少しだけ気が晴れて、

「…帰ってくるねえ、無事に」
「やくそくう。」

甘えるような、声がする。
(-469) oO832mk 2023/09/26(Tue) 0:06:38

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

男は貴方を従順と思っていた。
男は貴方を扱いやすいと思っていた。
それらはどうやら思い違いだったようだ。面倒な、とわかりやすく男の顔が歪んだ。

「全く違う。」


とん。


「お前は犯罪者で俺は警察だ。」

とん、とん。


「立場を弁えろ。」

とん。と、とん。


響いているのは単調な音。
早まり連続するのは苛立ちの証拠。

「現に俺はこちらに座っていて」
「お前はそちらに座っている。」
「答えろ。盗聴器を仕掛けたのは事実か。」

とん。とん。とん。とん。
(-470) rik_kr 2023/09/26(Tue) 0:08:35

【秘】 あなたと共に カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「そっちこそ頑張れ。負けんなよ?」
「もしボロボロになっても、全部受け止めるからな!」

くすくす、笑いながら歌を交差させる。

「ん、じゃあ俺は無事に迎えるよ。約束だ。」

甘やかすように、声を返す。
しばらくはそうやって二重奏をしていた。
それで二人の歌が落ち着いてきた頃に、ふと。

「……そういや、ペネロ……違った、えー……
 アメリアか。アメリアがこの前見舞いに来てさ。
 『友人からの伝言』を伝えてくれたよ」
「近く、"祭"があるんだとさ。"一緒に行く"か?
 行くんなら、その時迎えに行くけど?」
(-472) shell_memoria 2023/09/26(Tue) 0:19:52

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 法の下に イレネオ

「ええ?そおですう?」

ぱた。


「でもお、イレネオさんも逮捕されましたしい」

ぱた、ぱた。


「犯罪者…はおんなじですよねえ?」

ぱた、た。ぱた。


小さな子供が遊んでいる。
あなたを真似て、揚げ足をとって、そうしてへらりと笑うのだ。
頭のおかしい愉快犯。それが、今の、あたしの設定。


「――あ。」
「もしかしてえ、これが噂に聞く」
「賄賂って、やつですかあ?悪いんだあ」

けらけらけら。また、控えめな笑い声。
そうやって、女があなたのその立場を探っているのもまた事実。
痺れを切らして答えてしまえば棚ぼただ。それくらいの、淡い狙い。
(-475) oO832mk 2023/09/26(Tue) 0:26:41

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → あなたと共に カンターミネ

二重奏の先。
挙げた名前に、覚えはなかったけれども。

「…あー。」
……よかったあ。ちゃんと届いたみたいでえ


その内容で、誰だかわかった。
安堵の声が、小さく落ちる。

「んん。そおだねえ。お祭りはあ」
「警察のお姉さんにはあ、なかなか縁がないからあ。」

――この先も、それを続けられるかはさておいて。


「上司さんの許可が出ないとお」
「難しい…と、思うなあ?」

許可が出る、ということはきっとそういうことなのだろうから。
あの人の場合、そうとも限らないような気もしはした。
(-480) oO832mk 2023/09/26(Tue) 0:40:55

【秘】 あなたと共に カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

「ま、警察のお姉さんまで一緒に祭やってたらな……
 "クビ"になってたら喜んで誘いに行ってたんだけど」

白馬の王子様というより、子供を攫う魔王のような事を言う。

「……ま、上司に会ったら軽く聞いといてみるわ。
 俺一人だけで祭に行くのも寂しいから。
 ダメだった時は〜……そうだな。
 モーテルで待ってるよ、仕事が終わって帰るのを」

割と好き勝手やってたしな、あの上司殿。
声をかけるタイミングもまあまああるだろう。
ダメならダメで、別にいい。

「……エリーに、汚れたのを綺麗にして貰いたいし」


ぼそ、と欲塗れの言葉を落として、息を吐いた。

「……そろそろまた牢の入れ替えの頃かあ?
 収容室でも散歩してくるかな……どうせ待ち時間だしな」

きっとそこで上司に話でも聞く事になる。
伸びをひとつ、痛っ!と零しながら時間まで、
他愛ない話なんかをして過ごすだろう。
(-484) shell_memoria 2023/09/26(Tue) 0:59:51

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → あなたと共に カンターミネ

「んー、うん。わかったあ。」
「…上司さんに、もし会ったらあ…」
「……。」
「いや、やっぱいいやあ。自分で言うからあ。」

拗ねたような声音。
お怒りだろうか。真偽は不明。

「んー?ふふ、まかせてえ。」
…お仕事、早く終わらせて帰るからあ


あ。新婚さんみたい。
“汚れ”の意味は…その時聞こう。そうしよう。

「そんなのあるんだあ…」

そしたらお隣じゃなくなるのかなあ。
それは少し名残惜しかったけれども。
…女の方も、これから戦いが待っているわけで。

それまでの時間は和やかに過ごす。
入れ替えか、女が呼ばれていくまでは。
まるでここが、牢屋なんかじゃないみたいに。
(-486) oO832mk 2023/09/26(Tue) 1:19:02

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ガシャン。


突如、大きな音が響いた。
それは男が膝で机を蹴り上げた音。
痺れを切らした男が実力行使に出ようとした音。


「俺は。」
「選ばれたんだよ、ダニエラ。」
「正当な仕事を言い渡されてここにいる。」

たん。
たん。たん。
だん。


苛立ちの証拠。ペンの音が大きく、だんだん攻撃的になっていく。
迂遠な言葉は、それでも貴方の知りたい一端になったかもしれない。

「三度目だ。」
「それだけ答えろ。」
事実か・・・?」
(-493) rik_kr 2023/09/26(Tue) 2:24:25

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「…あは。」

大きな音。女は肩を竦めた。

「選ばれたあ」
「ふうん」

怯むことなく、間延びした声。
いつも通りの笑顔。
笑うのだけは、得意だった。


ぱた。
ぱた。ぱた。ぱた。

「正当な仕事……ああ。」
「つまり、
これ
のことですかあ。」
「大変ですねえ。イレネオさん」

「何人くらいとお話したんですう?」
「もしかして、ここに来た人全員ですかあ?」
「忙しそお。」

ひとつ答えるとまた次が湧く。尋問とはそういうものだろう。
女は決して尋問をしているわけではなかったが。
また楽しそうにけらけらと笑う。これは必要な事だから。

………ほんとうは、こわい。すごく。
けれど本心なんてひとつも見せず笑うのだけは、女は得意だった。
(-503) oO832mk 2023/09/26(Tue) 5:37:44

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ

「…………だって終わりだったろ……。
 あんたが働かなくてもいいようにしたかったんだよ」

「リヴィオのこともあんたなら連れて行ってくれると思ってな」

だから、ではないが。リヴィオが執行役だとは一度も男は言わなかったのだ。
それは分かりやすい嘘を貫き通そうとした不器用な男の気遣いだ。
何方にしろ貴方に負担をかけたのには変わりないので罪悪感は持っている。

「そうか? まあ、じゃあ次に守る約束はどうするかね……。
 出かけるにしてもなあ……
 どこぞの誰かが俺を見張っていてなあ。隠れていくか。
 ネイルショップにでも連れていきたいんだ。
 お嬢さんには碧のネイルの方が似合うとおもうんだが、
 やっぱり黄色が好きなのか?」

その意味を知ってか知らずか、男は貴方にそう尋ねる。
(-512) toumi_ 2023/09/26(Tue) 7:12:43

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ

「…あは。それはあ、ありがとおございますう。」
「確かに、これはしばらくゆっくりさせられそうですねえ。」

「……あんまり連れてきたい人じゃなかったですけどねえ。」
「でもそれは、ニーノくんもニコロさんも、アリーチェさんも同じですしい…」

ふー、と伸びて。へらりと笑う。
今に始まったことじゃない。あなたが気にしなくてもいいのだ。

「…あー。これはあ」

左手小指のエナメルを見る。
傷が入っても剥がされず、そのままにしているから少し見た目がよろしくない。
それでも女はそれを見て、やおらと揺蕩う笑顔を浮かべた。

「好き、とかじゃなくてえ。」
「この色に意味があったんですけどお」
「…あの、手の甲にメモとか書いたことありません
?」
「あれと、同じでえ」

「でも…もうその意味も、あんましないかもしれないのでえ。」
「……碧、ですかあ?ふふ。似合うかなあ。」
「お兄さんがそおいうならあ、試してみよおかなあ。」
(-516) oO832mk 2023/09/26(Tue) 8:05:07

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ

「同じ土地に居た方が顔が見れるだろ、前向きに考えるといい。
 案外元気にやっていたぞ?」
「ちょっと怪我人が多かったがな……」

致命的な怪我こそないが、明らかにここに来てから負った傷を持つ囚人が多かった。
誰かが私刑をしているのか、はたまた。
まだこの時は調べ切れていなかったので軽い注意だけになる。

「ほお。願掛けみたいなものかあ。
 そんなことがねえ、大方最後までやり切る為だったんだろうが。
 結局無理してるんじゃ、世話ないな。
 そんなことをやらせた上は何を考えているんだか」

ここで知っているらしく振舞うのも知らないように振舞うのも、何方も会話の処世術だ。
今考えれば貴方の仕草は精錬されたようであった。
一つ一つの情報も分かりにくい伝え方であったのにまるで伝わっているような。
知識が偏っている不思議な育ちをしていて、中々余罪はありそうだと男も思っていた。

――――もうそろそろ事情を調べてもいいだろうか。
黙って調べても怒られはしないだろう、今となっては文句は言われるかもしれないが。

「その色はなあ。
 お嬢さんの瞳の色に近い系統だ、そこらは随分多くてな。
 一つの色を言ってもなぜか数種類のバリエーションがある」

それは、貴方の瞳の色だったり、貴方の友人の髪の色だったり。
この町に広がる空のような色だったり、海のような色だったり。

「ああ、お勧めだ。時間が出来たら試してくれ」
(-522) toumi_ 2023/09/26(Tue) 8:47:02

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ

「ええ?前向きい。」
「…合わせる顔ないですしい。いいですよお」

けらけらと女は笑った。
これに関しては、虚実どちらの笑顔か女にもわからなかった。

「んー?ふふ。お兄さあん」
「前にも言いましたけどお。あたしのあれは、誰の命令でもない独断ですよお」
「…自分の意思でやったんですう」
「誰かのせいじゃ、ありませんからあ」

少なくとも、摘発チームに入ってからの云々は、誰かの指示では決してなかった。
だから女は、その結果として今牢獄ここにいることに責任を持たなければならない。
…その覚悟は、自首をすると決めた時にもうできていた。

「はあい。じゃあ、やくそく。」
「…お待ちしてますねえ。いつかを」

ショップなんて行ったことないなあ。
プロがやったら、もっと上手に塗れるのかなあ。
酷く場違いに、女はくるくる、楽しそうに思いを馳せた。
(-537) oO832mk 2023/09/26(Tue) 11:54:17

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ばん。


音。大きな音。
それは男が机を叩いた音。
単純な威圧。分かりやすく、安直な。

「ダニエラ。」


これで、貴方が止めないなら。
それは慈悲だ。男の────善性と言うのは乱暴か。
それでも、ここが境界。越えさせれば、貴方は傷を負うことになる。

男はまた、椅子を鳴らして立ち上がり。
貴方より長いリーチをいいことにして。
その襟元を、締め上げるように掴むはずだ。
(-549) rik_kr 2023/09/26(Tue) 13:28:47

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「…なんですかあ。」
「いいじゃないですかあ、別にい」
「あたしは」
「イレネオさんをおもって、言ってるんですよお」

間延びした声で、女は述べた。
女にとって、必要なことを。
そしてあなたにとって、不必要なことを。

――つ、と一瞬。呼吸が奪われるのはその頃か。
そんな状態で、女の口許はやおらに弧を描いた。

「…もういっかい、聞きます、けどお…、」

絞り出すような声。
塞がれた両手が抵抗を許さないから、そのままの姿勢で。

これ
、何人くらいに、したんです、かあ?」

なんの危険も感じていなさそうに振る舞う。
こわい。こわい。こわい。こわい。でも。…でも。
(-561) oO832mk 2023/09/26(Tue) 15:36:35
ダニエラは、笑っている。
(a29) oO832mk 2023/09/26(Tue) 15:37:02

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

さあな。
とは、言わなかった。

男の腕が貴方の呼吸を奪う。
命まで取るつもりはない。そうすれば貴方は話せない。だから、

ばちん。


頬を打つ音がまず、ひとつ。
一番単純な、一番簡単な、暴力のかたち。
衝撃は貴方の顔にどれくらい伝わったか。
少なくとも横向くくらいはしただろう。それを無理矢理正面に戻させる。

五人目だよ・・・・・。」

「お前でな。」

男は真面目な警官だった。
職務に対して真摯だった。
だからこそこの取調べも、
流れ作業にはしていない。
一人一人に対し、きちんと向き合って・・・・・・・・・いる。


「一言で答えろ。」
まだ許してやる・・・・・・・。」
「マフィアを幇助する目的でA.C.Aの情報を売ったのは、事実か?」
(-570) rik_kr 2023/09/26(Tue) 16:26:56

【秘】 歌い続ける カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

全部の言葉をひとつひとつ並べて、
たからものの箱に入れておきたい所だが。
生憎、時間はそれほど優しくはないらしい。
やがて看守がやってきて、どちらかを呼び出す頃。

「んじゃ『またな』、エーコ。」

看守になんて俺だけの名前は、あげない。
再会の約束はたったの3文字で。
二人分の星見の石室を、後にした。
(-572) shell_memoria 2023/09/26(Tue) 16:41:27

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

頬に鋭く、痛み。
その衝撃で、眼鏡が飛んだ。
乱視の視界は、ぼやりと霞む。

「…あははっ」

怖いと叫ぶ心を怖くないと騙す。
そうして笑ってしまえば欠片も本心は表へ出なかった。

「マフィアに…売った?」
「【A.C.A】の情報を…、ですかあ?」
「…あははっ、ふふっ、ちょっとお、」
「あんま笑わせないで、くださいよお」

肩を揺らして、控えめにからころと。
ほんとうに可笑しそうに女は哂う。
しかしそれだけ。あなたの問いには、答えない。
(-573) oO832mk 2023/09/26(Tue) 16:43:31

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い続ける カンターミネ

ふにゃり、と柔らかな笑み。
それは確かに、声音に乗った。

「…うん。」
またね
え、ミネ。」

その約束を守るためなら。
あと少しくらい、簡単に頑張れる。
(-575) oO832mk 2023/09/26(Tue) 17:00:11

【影】 傷入りのネイル ダニエラ

いつか描いた、出来すぎた未来をまた描く。
Inutile piangere sul latte versato.こぼした牛乳をどれだけ悔やんでも無駄だ
…それなら、自分には何が出来るだろう。

細い穴に糸を通す。通していく。
心だけは、もう決めていた。
(&2) oO832mk 2023/09/26(Tue) 17:11:24

【秘】 歌い続ける カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

/*
おさとうかえで様へ

という事で黒眼鏡さんの所に聞きに行ったら連れ去りOKが出ました。
が、恐らくそちらは尋問の真っただ中だと思いますので、
そちらが良きタイミングでお迎えに参上したく存じます。

つきましては、エピ突入後のお好みのタイミングにでも
お知らせ頂ければと。無論、既に別のご予約がある場合は
そちらを優先してもらって大丈夫です!

悪魔を着たプラダより 愛を込めて
(-586) shell_memoria 2023/09/26(Tue) 18:36:10

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い続ける カンターミネ

/*
お疲れ様です。おさとうかえでです。
ご連絡わざわざありがとうございます!

お迎え嬉しいです。ダニエラも嬉しいと言っています。
ただ本当に尋問真っ只中なのと、この尋問でやりたいことができてしまったらしいので、エピ後もしばらくお待たせすることがある…かも?未定です。
どちらにせよあとのお話はエピローグ後のdiscordにて、になりそうでしょうか。
(多分間に合わないので……多分。未定)(再放送)

この度は大変、大変、大変、大変、お世話になりました。なっています。
先んじてこの場を借りて御礼申し上げさせていただきます。愛。

親愛なる 悪魔を着たプラダ様へ
(-592) oO832mk 2023/09/26(Tue) 18:49:14

【秘】 歌い続ける カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ

/*
お忙しい中お返事ありがとうございます!
やりたい事、了解致しました〜。

然らば、カンターミネはやりたい事をやっています。
脱出後のなんやかやもするかもしれませんが、
未定が決定に変わったらお声がけくださいませ。
カンターミネがいつでもカッ飛んでいきます。

おかげさまで村の最中ずっと楽しく過ごせました。
今も尋問で何が起きているかハラハラしながらも、
PLPC共々無事を信じて過ごさせて頂いております。
深く深く、感謝と御礼、そしてLOVE!
引き続き素敵な夜をお過ごしください。
2時間後からのエピローグ、やりたい事が出来ますように!
(-596) shell_memoria 2023/09/26(Tue) 19:02:51

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

ばちん。
二度。
両頬がひりつくように痛むはずだ。
しかし話せない程の痛みは当然ないはずで。

笑う貴方を見下ろす男の瞳は冷たい。
困惑はそこになかった。不審そうに眉根を寄せはしたが、それだけ。

「違うならそれも吐け。」
「それから盗聴器の入手元。」
「笑っていたいなら尚更だ。」

ぐ、と首元が詰まる。
窒息しない程度、しかし息が苦しい程度に。
それは男の意思によるものというより、無意識の苛立ちにこもった力のせいらしかった。

徐々に。
徐々に、強くなる痛みの気配が近づいて。
(-608) rik_kr 2023/09/26(Tue) 20:09:47

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

また頬へ、鋭い痛み。そうしてじん、と。
触らなくとも、熱を持つのがわかった。

「だか、らぁ…っ」

――喉の奥。生理的に零れた呻き声。
それでも女は口角を上げ。零れる声も、その色を保ったままだった。
こわくない。笑え。


「売りま、せん、よぉ…っ」
「結果を、見て、わかりま…せんかぁ?」

「――あた、しはっ」

かしゃり、手錠の鎖が鳴って。

「誰が、A.C.Aか、調べ…てえ…っ」
「その人たちを、みんな、逮捕しよおとした…んです、よおっ…」

あは、とまた喉から笑い声が落ちる。
そして。これは。
あなたの望んだ、真実だ。
(-623) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:45:57
ダニエラは、真実を、自白した。
(a33) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:46:12

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ

「こおんな、」

でも。
まだだ。終わらない。笑え。


「悪用しやすい、法案」
「作る方が、悪いってえ…っ」

「だから、ぁ」
「一般人も、巻き込んで、やりまし…たぁ…っ」

口が回るうちに。
…もう機会は、ないかもしれないから。


「――言ってる意味」
「…わかり、ますかぁ…?」

けた、けた。些か力なく、喉が鳴る。
そして。これは。
嘘だ。
…けれど。
果たして今すぐに、それを判断することはできるだろうか。
虚実の境を、見つめることはできるだろうか。


女はいう。
自分は確かに悪人であると。
法を利用し、嘲った、
愉快犯
であるのだと。
(-624) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:46:58
ダニエラは、嘘を、自白した。
(a34) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:47:11

ダニエラは、笑っている。
(a35) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:47:35