人狼物語 三日月国


242 『慰存』

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視点:


到着: 葉山 裕太郎

【人】 葉山 裕太郎


[薄暗い部屋ですらすらと執筆に没頭する男の名は葉山裕太郎。葉山はお世辞にも有名とは言い難い、ベストセラーと呼ぶにはしがない小説家であった。

華やかな生活の象徴とは程遠いワンルームマンションに篭もり執筆する小説は、一部のファンを持つものの大当たりする事はなく、自信を持っていたミステリー小説というジャンルも結果は中々奮わない。

ひょっとしたらストレスの捌け口に別名義で時折執筆している官能小説の方がまだ人気があるのではないかとさえ思う。
現に、サイン会などのイベントはいつも別名義の官能小説の方ばかりだ。
本業じゃないからと名義を適当にしたことを、葉山は末代まで後悔することになるのだが。


これでは小説家を名乗るのも烏滸がましいのではないかと、葉山は頭を抱える日々を送っていた。]

(1) 西 2024/01/06(Sat) 22:45:53

【人】 葉山 裕太郎


[そんな作家としての才覚に疑問が残る葉山だが、意外にも生活はキッチリとしている。

愛用しているタバコの銘柄とはもう五年の付き合いで、食生活もしっかり自炊と外食を使い分けている。
本人としてはこだわりがないのだが、日々におけるルーティンを大事にするという性格が、この生活を成り立たせているのだ。

朝食も毎日しっかり摂る葉山は朝になれば冷蔵庫の中を開ける。

葉山は朝食はいつもたまごサンドと一杯の紅茶、紅茶は駅前の紅茶専門店で売っているアールグレイで、砂糖は入れずポーションミルクを入れたミルクティーにすると決めている。
一日の活力を見出すために、これも必要なルーティンなのだが。]

(2) 西 2024/01/06(Sat) 22:47:07

【人】 葉山 裕太郎



      うわ、やっちゃった…………。


(3) 西 2024/01/06(Sat) 22:48:01

【人】 葉山 裕太郎


[なんとたまごサンド用の卵が切れていたのだ。
このままでは近くのスーパーまで買いにいかなければ、たまごサンドは夢の中に消えてしまう。
だがしかし、いくら歩いて5分の場所にある24時間のスーパーとはいえ朝6時から買いに行くのはやや億劫だ。]


      買いに行くか……

               さっむっ…!



[しかし諦めたように外コートを羽織って外に出ると、季節に暴力を振るわれてしまって、深くため息をつくのだった。]*

(4) 西 2024/01/06(Sat) 22:49:41

【人】 葉山 裕太郎



   『奇才・血腹 妖が□□書店にやってくる!』



(17) 西 2024/01/07(Sun) 0:28:13

【人】 葉山 裕太郎


[たまごサンドの苦難を乗り越えたとしても葉山に降りかかる第二の試練。そう、サイン会だ。>>10
サイン会は今日からちょうど一週間後、駅前の本屋の中で行われる。

名義は当然、葉山では無い方の。

抵抗がないと言えば嘘になるが、購読者を蔑ろにするわけにはいかないとサイン会のオファーはいつも快諾している。
しかし葉山では無い方の大きな問題はこれだ。]

(18) 西 2024/01/07(Sun) 0:29:26

【人】 葉山 裕太郎



      ペンネームミスったな、やっぱ………


(19) 西 2024/01/07(Sun) 0:29:51

【人】 葉山 裕太郎


[あまりに勢いでつけたため、ペンネームが絶妙にダサいのである。
サイン会用の備品です、と出版社から送られてきた垂れ幕に書かれたペンネームに軽く絶望を覚えたのは言うまでもなく。>>17

これではまるで黒歴史の全公開、アナログタトゥーではないかと葉山は頭を抱えるしかなかった。

以前SNSで「推し性癖を教えてください。抽選で選んで書かせていただきます。」なんて企画をやりだしたこともあったことを考えたら、黒歴史というには今更かもしれないのだが。]

(20) 西 2024/01/07(Sun) 0:31:02

【人】 葉山 裕太郎


[しかしつけてしまった以上は仕方ない。
たまごサンドを食べてもう現実逃避でもしよう。

寒さで悴む手をポケットに突っ込んでマンションを出ると、朝の光が灰青色の空に煌めいていた。

人は案の定ほとんど歩いてはおらず、やはり冬は安息の室内で暖を取るのが大半なのだと直ぐにわかる。葉山もまた、願わくばそうしたいと思っていた一人なのだから。]

(21) 西 2024/01/07(Sun) 0:32:12

【人】 葉山 裕太郎


[こんな時間なら歩きタバコも許して欲しい。
そう思って火をつけながら、一週間後のイベントに悩みながら横断歩道を待つ。

スーパーまで、もう少しだ。]*

(22) 西 2024/01/07(Sun) 0:34:39

【独】 葉山 裕太郎

/* 七海ちゃんのオタクの解像度高い…この子にストーカーされるの割とご褒美だと思うんですよね。

わざと窓の鍵空けとくか。バルコニーから入れるように(?)
(-0) 西 2024/01/07(Sun) 0:36:13

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[縛られて身動きが取れない女の子に
 色々な方法で性的なWイタズラWをするシチュエーション
 泣いても、もうやめてと懇願しても
 拘束を解いてあげることもせずに責め立て続ける。

    ―――――そんな、シチュエーションが性癖です
    って送ったんでした。
    SNSだから本名の七海聖奈、という名前ではなく
    セラ、というHNでしたが、
    あの時は恥ずかしかったな……。]

  
(-6) alice0327 2024/01/07(Sun) 16:28:50

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[どうやって小説の着想を得ているのでしょう?
 言葉選びだって大好きです。
 普段どんな風に暮らして
 どんなふうに執筆していらっしゃるのでしょうか。

 ネットの海に浮かぶ情報よりももっと深く、
 あなたのことを知りたい、
知りたい、
知りたい。


 誰かの人となりを知るには
 やっぱり直接お会いするのが一番ですよね!]

  
(-8) alice0327 2024/01/07(Sun) 16:29:30

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[何のためにバイトを掛け持ちして
 身を削るように働いてるかって
 
全部、ぜんぶあなたのためなんですよ?]


  
(-9) alice0327 2024/01/07(Sun) 16:31:23

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎




       
[なんて、あなたは私を知らないけれど。]

 
(-10) alice0327 2024/01/07(Sun) 16:31:46

【人】 葉山 裕太郎


[葉山にとってのサイン会開催とは本来望んでいたミステリージャンルとの決別を示している。

官能小説家(他称)が書いた作品など色眼鏡をかけて見られるのは明白だ。
それが同一人物であると悟られてはいけない以上、晒せるのは片方の顔のみ。

もうミステリー作家の葉山裕太郎が表に出ることは無いだろう。いままで通り細々と活字の仮面を被っていくことになるのだから。

だが実態は至極単純で、ミステリーの世界では腹は満たせなくなっていっただけのこと。
生業とするか趣味に留めるか、葉山もまたその選択を迫られた一人でしかなかった。]

(30) 西 2024/01/07(Sun) 22:01:05

【人】 葉山 裕太郎


[それでも程よく趣味の域を出ずに生業に出来るのは企画に反応をくれる愛読者の方々のおかげだということを、葉山は誰よりもわかっていた。>>26

あの企画もいわば還元の一種だが、応募が多かったので抽選で決めたのだった。]

(31) 西 2024/01/07(Sun) 22:01:35

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



   『部屋の扉を開けた途端、
    ××は腕を引かれ閉じ込められた。

    薄暗い牢獄に閉じ込められたような
    嫌悪感に襲われた××を嘲笑うように
    男はベッドへと押し倒し腕を縛りあげていく。

    もう逃げることは出来そうにない。
    そう分かっていても××は気丈な態度を崩さない。

    男なんて悦ばせてやるものかと
    ××が必死に恐怖を押し殺そうとしている。

    そんな××を見て情欲をそそられた男が
    悪どい顔をして吐き捨てた言葉を聞いた瞬間

    ××の顔に押し殺そうとした恐怖が滲み出す。』

    
(-11) 西 2024/01/07(Sun) 22:04:01

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



   『「キミ、処女だろ?」

    男がニヤつきながら××のシャツをめくる。
    暴力による見せしめとは違った手つき、
    お前など取るに足らないと言わんばかりに
    遊ぶように頬を撫でると下着に手をかけ、取り払う。

    履いていたスカートを捲られ、ブラは外され
    女としての尊厳と一緒に最後の布を捨てられると
    誰にも見せたことがない柔らかな肢体を
    知らない男に無理矢理晒されてしまった。

    ××は目尻に涙を溜めて顔を逸らす。
    だが男の手が止むことはない。

    部屋に散らばる怪しげな器具たち。
    ××の表情が全て物語っていた。
    自分の予感は当たっていたんだと。

    自分はこれから、この男に…』

    
(-12) 西 2024/01/07(Sun) 22:04:49

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



   『「最高の初夜にしてやるよ。」

           されるのだと。』

(-13) 西 2024/01/07(Sun) 22:06:21

【人】 葉山 裕太郎


[あの時の企画で書いたものは短編と称してかなり長くなった。なにしろシチュエーションが奥深いものだったおかげで着想が止まらなかったのだ。

当然その小説はメンバーシップに登録していれば誰でも見れるものだが、感想のコメント欄に「何食べてきたら思いつくんだろう」とか、「相変わらずエグくて推しです」とか、散々な言われようだったのは今でも覚えている。]

(32) 西 2024/01/07(Sun) 22:07:48

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



   『××の身体はとっくに限界だった。
    恥辱に耐え続けた身体は体液に塗れ

    何時間にも及んで責め立てられると
    狭い部屋には雌の空気に満たされ
    それでも音を立てずに振動する玩具は
    テープで××の局部にしっかりと固定されている。

    やめて、と最初こそ叫んでいた××も
    か細い声で赦しを乞い続けながら
    すっかりと快楽の虜になってしまっていた。』


(-14) 西 2024/01/07(Sun) 22:09:03

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



   『開発されてしまった身体は
    絶頂が痛みにさえ変わってしまって

    耳元で玩具の振動を聴かされるだけで
    身体が次の絶頂を求めて疼く。

    自分が壊れてしまったことを思い知らされながら
    悔しさに涙を流す××。

    それを嘲り見下す男は
    ××に飽きたかのようにある物を取り出し
    強引に××の花園をこじ開けていく。』


(-15) 西 2024/01/07(Sun) 22:09:45

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



    『「ほら、仕上げね。」』


(-16) 西 2024/01/07(Sun) 22:10:35

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



    『玩具によって身体を壊されてしまっても
     幸い処女は奪われずに済んでいる。

     深い絶望の中、一縷の望みを保つ××の前に
     見せつけられたのはシリンジという医療器具。

     だが普通の病院などでみかけるものとは異なり
     先端が長いゴム状になっているものだ。

     涎まみれの股を無理矢理広げられた××には
     抵抗する気力などもう残ってはない。

     男は××の足を押さえつけると
     高笑いしながら白い液体が入ったそれを
     秘部の中へと入れていく。』


(-17) 西 2024/01/07(Sun) 22:11:52

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



    『××は顔を青ざめさせながら
     残り僅かの体力を振り絞って暴れだす。
     自分が何をされているか分かってしまったのだ。

     しかし手を縛られ足を押さえつけられ
     叫ぼうにも口を塞がれてしまう。

     「3日経ったら自由にしてやるよ。」

     くぐもった悲鳴を奏でる××の秘部から
     男はそう告げるとシリンジを引き抜いて
     中の白濁液が無くなっているのを見せつける。』


(-18) 西 2024/01/07(Sun) 22:12:45

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



    『「できるといいな?赤ちゃん。」

      ─ ─ ─ ─ 自分の子宮に子種を注がれた。

     絶望の底で気を失ってしまう××が
     最後に襲われたのは穢された罪の意識だった。』**

            
(-19) 西 2024/01/07(Sun) 22:14:51

【人】 葉山 裕太郎


[あの企画、またやってもいいかもな、などと考えながら葉山は卵を買いにスーパーへ向かう。
卵コーナーは狭いから気をつけなきゃいけないのに前方不注意のまま進んでしまい、ついには誰かとぶつかってしまった。>>29


      あ、ごめん、大丈夫ですか?


[避けることが叶わず、咄嗟にぶつかりそうになった人を支えると、謝罪の言葉を告げながらなにか落としていないかと様子を伺ったのだった。]*

(33) 西 2024/01/07(Sun) 22:16:29

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



   どんな物語で来るのかなと
   ドキドキして待っていたんですが予想以上でした!
   処女の女の子に最後の一線だけは守られているって
   希望を持たせておいてから絶望に落とすなんて
   ……すっごく興奮しちゃいました。

   3日たったら、の意味があまりにも重くて
   ゾクッとしながら読みました。
   どうやったらそんな着想が浮かぶんだろうって
   不思議に思ったくらいです。
 
   素敵な作品をありがとうございます!


 
(-22) alice0327 2024/01/08(Mon) 0:15:11

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎


[……私自身が男性経験がなくて
 自分と作品の女の子を重ねてしまったのが
 もしかするとよくなかったのかもしれません。

 性的な玩具なんて見たことも
 使ったこともなかった私は、
 血腹先生の作品がきっかけでいくつか購入してしまい。

 敏感な秘芽に玩具をあてては
 何度も絶頂を繰り返して、
 身体がそれだけでは満足できなくなれば
 誰も受け入れたことのない秘部に
 挿入して、シーツを蜜で汚す……
 そんな、自慰をすることが増えました。

 秘め事に耽るのはいつも作品を読んだ後。
 作品に対する罪悪感が全くないわけではないものの
 一度快楽を覚えてしまった身体は
 先生の作品を読む度疼いてしまい、
 抑えることなんて出来なかったのです。]

 
(-23) alice0327 2024/01/08(Mon) 0:16:30

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[最初は作品に出てくるキャラクターを
 想像して繰り返していた自慰行為。

 それがいつしかW作者Wを想うようになって。
 
自分のしている行為が歪だと知りながら

 
知っているから、
のめり込んでいくのです。


 してはいけない、そう思えば思うほど
 媚薬のように私の身体を高めてしまう。

 
 あぁ、血腹先生に会えたらいいのに。
 推し事が執着へ変わってしまっていると
 自分自身では無自覚のまま。]


 
(-24) alice0327 2024/01/08(Mon) 0:17:26

【人】 葉山 裕太郎


[古き良き恋文、熱いファンレターは昔から胸が高鳴る。今はそれがDMに置き換わっただけで創作に勤しむ人間にとって、好意的な感想はいつだって活力の元だ。

誰からも感想を言われなくなった時に創作家は死を迎えるという持論がある葉山にとっては、時に否定的な感想さえ有難くもあるというのに。

その感想をどうやって否定的に捉えろというのだろうか。

それが作品の感想であるのなら常にリアクションを返すのが葉山流だ。]

(39) 西 2024/01/08(Mon) 22:00:25

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



   リクエストありがとうございました。

   私も楽しく書かせていただきましたので
   楽しんで読んでくれたのなら嬉しいです。

   よかったらこれからも応援してください。


(-25) 西 2024/01/08(Mon) 22:04:16

【人】 葉山 裕太郎


[とはいえ、作品の内容が内容なのでこの短編小説にこうも丁寧な感想をいただいてしまうと、この読者の方はいい意味で官能小説を読む才能があるのだとそう思わざるを得ない。

倫理観が適度に欠けていなければ、この手の小説を素直に受け入れることはできないだろうから。

もしもこの人がオタクなら、間違いなく将来有望だ。]**

(40) 西 2024/01/08(Mon) 22:04:38

【人】 葉山 裕太郎


[ぶつかって支えられたのはいいものの小物まで受け止められるほど気を利かせることは出来ず、スマホは床へと落ちてしまう。
音が周りに響き渡るも、幸い店内にはあまり人がいないため人目は浴びずに済んだようだ。]


   いえ、こちらこそ…申し訳ないです。


[直ぐにスマホを拾ってあげようと葉山が屈んだのは七海よりも少しだけ早い。
厚意で拾ってあげたのだがそれが逆に迷惑だったのかもしれない。>>36

そう感じたのは、その画面を見てしまったから。]

(41) 西 2024/01/08(Mon) 22:05:17

【人】 葉山 裕太郎


[画面には見覚えのある文章、それもそのはずだ。>>36
なんといっても自分が書いた文章なのだから。
しかもこれは出版したものではなくあの時の企画で書いたリクエストの話で、メンバーシップでなければ読めないはずのもの。

まさかこんな近くでメンバーシップにまで登録してくれている人がいるとは思っていなくて。
画面の内容というよりはそっちの方に驚きを隠すことが出来ずに。

知名度を求めてはいなくてもこれもひとつ励みになるのだから、むしろいいはずなのに。]

(42) 西 2024/01/08(Mon) 22:05:34

【人】 葉山 裕太郎



   はい。どうぞ。画面が割れてなさそうでよかった。


(43) 西 2024/01/08(Mon) 22:06:04

【人】 葉山 裕太郎


[理想を崩さないようにただの村人Aに徹そうとした葉山は白々しくも知らないふりをしたのだった。

その白々しさが露呈すると知るのは一週間後のこと。
]*

(44) 西 2024/01/08(Mon) 22:06:15

【人】 葉山 裕太郎

***

[サイン会の当日は裏口からこっそり入場することがほとんどだ。昔は無名ということもあり表立っても目立たなかったのだが、一時を境にやけに目立つようになってしまった。
しかも、ジャンルの影響か分からないが、何故か女性の読者が増えた気がして葉山には不思議でならない。

顔が良いアイドルでもあるまいし調子に乗るなという自分への戒めのため、サイン会は他の人の視線に晒されまいと書店の奥にブースを構える。

しかし日に日に列は長くなるのでまるで意味が無い。]

(45) 西 2024/01/08(Mon) 22:38:22

【人】 葉山 裕太郎



   すみません、ちょっと一服……


(46) 西 2024/01/08(Mon) 22:39:11

【人】 葉山 裕太郎


[今は設営が一段落し、サイン会まで二次会を切るった頃。緊張という程では無いが今のうちに済ませるものを済ませておこうと、葉山はフロア内のトイレへと向かう。

まさかあの時の彼女がここを訪れているなんて気付かず、一人の客のように裏方から出てくる姿は、もしかしたら彼女にだけは目撃されていたかもしれない。

来ていると知っていればもう少し見つからないように動くのだが、それも気付けない以上は無理な話だ。]

(47) 西 2024/01/08(Mon) 22:39:35

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈


[デビュー作は今のものとは打って変わってマイルドなテーマの官能小説だった。
今の自分にはあんなに甘いものは書けないだろうとさえ葉山は思ってしまっている。

健気で不器用な少女が一回りも離れた親戚の男に恋をし、必死に誘惑してみせるという内容が綴られたデビュー作は、主人公の幼さと婉然たる仕草が絡め合って一つのエロティシズムを生み出したとよくコメントが寄せられた作品だった。

今のハードエロティックな作風からは想像できない、言うなれば綺麗な血腹妖。

更にはまだ無名の頃の小説が故に、初版を持っているという人はかなり珍しいはずなのだ。]

(-26) 西 2024/01/08(Mon) 22:41:58

【人】 葉山 裕太郎


[彼女がこのサイン会にやってきたと知ったのはサイン会中にちょうど列が進んだ時か、それともサイン会が始まる前か。

なんにせよ色々な意味で驚かされることになるのだろう。
まさかこんな近くに、自分の熱烈なファンがいて、しかも最古参だなんて。]*

(48) 西 2024/01/08(Mon) 22:42:50

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



   血腹先生の作品は全部読んでいます!
   推しのシチュエーションを書いてもらえる機会に
   恵まれて本当にうれしかったです!!

   これからも応援しています。
   改めてありがとうございました!


 
(-30) alice0327 2024/01/08(Mon) 23:14:31

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[でも、でもですよ?
 感想をDMを送っている人ってどのくらいいるのでしょう?
 いたとして、そう多くはないんじゃないでしょうか?
 現に、私だって全ての作家さんに
 感想を送っているわけじゃないんですから。

 
きっとファンの中でも私は少数派のはずで

 
それってつまり
特別
ってことですよね?


             
―――――嬉しいな。]


  
(-31) alice0327 2024/01/08(Mon) 23:16:14

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[―――――出入口が分かれば
 帰るとき、その後を追うことが出来ますよね。

 サイン会では早くサインを貰って
 裏口に行くことにしましょうか。

 こんなチャンス、逃したくないですから。]


  
(-32) alice0327 2024/01/08(Mon) 23:50:19

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎


[血腹先生のデビュー作は甘い官能小説。
 一回りも年上の異性に恋をする少女の物語。
 今の作品だけ見ている人からすると
 少し驚くような内容だと思います。
 歳の差のある関係と少女の健気さ、
 官能的な表現のない恋愛小説だとしても
 好きなテーマだったこともあって。
 感情移入しやすい作品でした。

 ……無名の頃の血腹妖の作品。
 その初版本を私は発売当時にお店で買ったわけではなく
 古本屋を探し回って手に入れたのでした。
 とはいえ、二作目が発売される頃のことなので
 そこまで苦労はしていませんし、
 古参…と言っても通用するはずです、多分。]

  
(-33) alice0327 2024/01/08(Mon) 23:50:46

【独】 葉山 裕太郎

/* このぬいぐるみ盗聴器か小型カメラ入ってません??
(-35) 西 2024/01/09(Tue) 20:12:57

【人】 葉山 裕太郎


[アイドルともなれば人の目に気を使う。
自分のように人目が気になるのではなく、そうしなければ命の危険さえあるからだ。
裏返せば葉山の危機管理はアイドルのそれからは大きく劣るもの。要するになめているということに他ならない。]

(62) 西 2024/01/09(Tue) 20:20:07

【秘】 葉山 裕太郎 → 七海 聖奈



[ある人にとっては都合がいいのかもしれないが。]


(-36) 西 2024/01/09(Tue) 20:20:57

【人】 葉山 裕太郎


[だからといってその顔が出てくることは流石の葉山も想像だにしていなかったのだが。
ブースの中、一瞬お見合いのように固まる。

血腹という小説家を知っていて、メンバーということも知ってはいたがそれ以上とまでは分からない。
まさかこのサイン会にまでわざわざ足を運んでくれるなんて。

まいった、今更白々しくなにを話せばいいのだろうかと言葉に詰まっていると、沈黙を破ったのはあちらの方だった。>>60

(63) 西 2024/01/09(Tue) 20:22:10

【人】 葉山 裕太郎



   こちらこそいつもありがとう
   多分メンバーの方、ですよね?

   せっかくなので差し入れ、いただきますね。


(64) 西 2024/01/09(Tue) 20:23:10

【人】 葉山 裕太郎


[サインを書いていると、後ろのスタッフが差し入れは禁止だったはずと耳打ちをしてくる。その声はきっと彼女にも届くだろう。しかし葉山はというとスタッフに微笑み。]


   たまにはいいじゃないですか。
   こうして足を運んでくれたわけですから。


[そう言って差し入れを受け取るのである。
全員から受けとっていたらもちろんキリがない話なのだが、差し入れなんて元々そんなに多くもないし困らないだろうという判断をしただけのこと。

中身を相手の前で見るのはマナー違反と思い、今は確認することはしない。]

(65) 西 2024/01/09(Tue) 20:23:54

【人】 葉山 裕太郎



   これからも応援よろしくお願いします。

   今度また新刊を出す予定なので
   良かったら読んでくださいね。


(66) 西 2024/01/09(Tue) 20:24:35

【人】 葉山 裕太郎


[一番手に並んでくれた彼女に作者としてのお礼を伝えると、葉山は握手を求めて手を差し出す。

この機会に、改めて作者として一読者へ、最大限の謝意を込めたのだった。]

(67) 西 2024/01/09(Tue) 20:25:03

【人】 葉山 裕太郎



[その行為が全ての引き金を引いてしまうというのに。]



(68) 西 2024/01/09(Tue) 20:26:23

【独】 葉山 裕太郎



   だってこんなに可愛らしいファン

                  大切に、しないとね?


(-37) 西 2024/01/09(Tue) 20:28:06

【独】 葉山 裕太郎

/*>>62>>63の間にもう1発言あるのに抜けました。死んできます。
(-38) 西 2024/01/09(Tue) 20:28:57

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎




[私の気持ちはそんな半端なものじゃありませんから。]



 
(-39) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:46:47

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[でも、受け取ってもらえないと困る、
 そんな焦りと、両方。

 ……本来迷惑だなんてわかりきってて 
 持ってきたんですから。

       受け取ってもらえなきゃ困るんです。]


 
(-40) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:50:30

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[この前会った時も、
 遡れば私に返信を返してくれたときだって。

 いつだって優しくて紳士的なあなたが
 私は大好きなんです。]

 
 
(-41) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:51:27

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[同年代の女性と比べても小さめの白い手。
 勢い良く手を差し出したせいで
 普段見せないように気を遣っている手首が
 ちらりと見えてしまっていたことには気づかないまま。]


 
(-42) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:52:49

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎


[駅前のロッカーに預けてあった荷物を取って
 向かったのはトイレ。

 
 今の格好では目立ってしまいますし
 見つかってしまったら計画が台無しです。


 推しの前で可愛い恰好をしたい、は
 建前ではなく本音ですが。
 それはそれとして、目立つ格好から地味な格好になれば
 バレにくいはずだ、なんて
 打算が全くなかったとは言えません。
 ブーツからスニーカーに履き替えて
 グレーのパーカーとジーンズに着替えれば
 さっきと雰囲気はかなり変わったはず。]

 
(-43) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:53:57

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎


[裏口が見える位置、それでいて
 相手からは悟られなさそうな物陰から
 スマホの画面を見ていれば
 サイン会が終わったのだと分かりました。

 渡した差し入れに入れたぬいぐるみ。
 それに仕掛けた発信機が、動いたからです。
 この差し入れを持って帰ってくれるなら
 その方が話が早いですけれど、
 何処かで捨てられてしまう可能性もないわけじゃない。
 
 絶対にあなたの居場所が知りたいんです。
 だから、あなたに見つからないように
 気を付けながら、恐らく帰宅するであろう
 その背を追いかけて。]

 
(-44) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:54:37

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎


[誰かを尾行するなんて
 勿論したことはありませんから
 後を追いながら何度もバレないか不安でした。
 道中、何か買い物がしたいのか
 お店に入っていくのを見たときは
 一緒に入ろうか少し迷って。

 でも、狭い店内で鉢合わせしたら
 言い逃れできない、そう思った私は
 流石に中まで入ることはせず。]

 
(-45) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:55:15

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[発信機も機能しているおかげで
 彼を見失うこともなく、追いかけ続けて―――――。]


  
(-46) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:56:03

【秘】 七海 聖奈 → 葉山 裕太郎



[そうして、私は目的の場所……
 血腹妖の自宅を突き止めることに成功したのでした。]**


  
(-47) alice0327 2024/01/09(Tue) 21:56:25

【人】 葉山 裕太郎

***

[サイン会も無事に終わり自宅へ向かう。
今日のサイン会も読者たちには喜んでもらえたようだと安心したのもつかの間、煙草を切らしていることを思い出して近くのコンビニに立ち寄る。

お気に入りの煙草をカートンで複数、バラで何個か購入すると店の前で煙草に火をつける。
歩き煙草は今どき風当たりも厳しいし、灰皿も今じゃここくらいにしかない。

人のいない夜の今なら少しは許してくれるだろう。いや、もう許して欲しい。]

(76) 西 2024/01/10(Wed) 0:40:05

【人】 葉山 裕太郎


[気の所為だろうか。

ライターで煙草に火をつけているとふと誰かに見られているような気がして、辺りを見渡してみたものの誰もいない。

頭を掻きながら煙草を吸い終えると灰皿に吸殻を刺して、また家へと歩き出す。]

(77) 西 2024/01/10(Wed) 0:41:42

【人】 葉山 裕太郎


[そういえばサイン会の後、差し入れには何か危ないものが入っているかもしれないとスタッフの一人が心配していたことを思い出す。

とはいえ、そんなことをするのは悪意がある人くらいだろうしわざわざここまでファンでいてくれる読者に要らぬ疑いはかけたくない。

それに興味の対象は自分の書いた小説であって自分ではないのだから、そこまで警戒をする理由もない。

葉山は自分を案ずる彼らの言葉を聞き入れることはせず、そのまま持ち帰ってしまった。]

(78) 西 2024/01/10(Wed) 0:42:17

【独】 葉山 裕太郎


[ストーカーがいるだなんて思ってはいない。
それでももし、そんなのがいるとしたら、どうせなら今日一番目に並んでいたあの子みたいな子ならいい。

自分を盲信して近づこうとするような子は、いじらしくてとても良いのだから。]


(-48) 西 2024/01/10(Wed) 0:44:03

【人】 葉山 裕太郎


[マンションはオートロックがあるタイプのもの。万が一にでも不審者は入って来れない。たとえほかの居住者に紛れたところで、24時間交代で常駐している管理人達がそれを許すことがない。

高すぎるセキュリティは自身の意識を弛めてしまうもので、葉山は家の鍵を開けて部屋に入ると、そのまま貰ったぬいぐるみを執筆用のデスクのそばに置くのだった。

葉山の頭の中はいただいた紅茶を明日の朝に嗜むことでいっぱいだ。]**

(79) 西 2024/01/10(Wed) 0:45:40

【人】 葉山 裕太郎


[あれから数ヶ月経った頃、いつも良くしてくれている管理人さんとばったり会って挨拶をした時にお隣の住人の話を聞かされた。

このマンションは元々あまり引越しなどで人が出入りすることもなく、インターネットを探してもいつも空室がなく出たとしても一度に一部屋くらいという人気ぶりだ。
だからそれ自体が珍しいことだったのだが。]


   え。お隣さん、引っ越したんですか?


[管理人さんが教えてくれたその事実に葉山は目を丸くする。
お隣さんは確か女性で、引越し挨拶をした以外の関わりはほとんどなかった。

詳しくは知らないがどうやら交際していた男性とのトラブルのせいで、住む場所を変えなければならなくなったようだ。

自分には無縁のような話だけに、その時は大して重くは受け止めていなかったのだ。
隣が空室になったところで何の影響もないのだから……。]**

(80) 西 2024/01/10(Wed) 0:52:30