人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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視点:


火澄 七瀬 水面 禎光

【人】 火澄 七瀬




 ──── なに。 >>2:32

 問いかけに対して口を閉ざしたのは、敢えてのことでした。
 対峙して同じ空気を共有しているのです。
 瀬名にもそれは伝わったでしょう。


 「 禎光のことは好きですよ。…… 幼馴染として。 」


 代わりに、拍子するくらいあっさりと。
 貴女が言えなかった言葉を答えました。>>2:35

 少しだけ様子を伺った後。
 表情を変えないまま、首を傾げます。
 
 
 
(0) 希 2023/05/10(Wed) 16:48:27

【人】 火澄 七瀬




 「 不思議なことを言いますね。
   私の気持ちも禎光の気持ちも知らないのに。

   どうして私と禎光の関係を、
   瀬名が慮る必要があるのですか? 」


 
お姉ちゃん


 いつもとは違う呼び名が示す意味。
 
 
 
(1) 希 2023/05/10(Wed) 16:48:57

【人】 火澄 七瀬




 そうです。私は貴女のお姉ちゃんなんです。
 だから、貴女だけは守らなければいけないんです。


(2) 希 2023/05/10(Wed) 16:49:04

【人】 火澄 七瀬




 「 瀬名が知っているのは、
   瀬名の気持ちだけでしょう?

   私と貴女は、別の人間なのだから。
   だからこそ ────。 」


 そこまで言うと、やはり私は言葉を止めて。
 
 
 「 …… そうですね。

   瀬名、貴女の聞きたいことに答えましょう。
   ただし条件があります。
   貴女も私の質問に答えてください。 」

 
 
(3) 希 2023/05/10(Wed) 16:49:44

【人】 火澄 七瀬




 そう言って吸い込んだ息は、
 冷たい春の味がして、驚くほど冷たくて。
 胸元に隠した存在のことを、否応なしに思い出させました。

 大切な肉親二人分は果たされました。
 残ったのは、大切な他人一人分。
 ただ、どうしてでしょう。
 私は何度も失敗してしまっています。

 鉢植えを落としても、自転車のブレーキに細工をしても。
 いまだに彼を殺せていないのです。

 もう手段は選んでいられません。
 ここならば、誰にも見られずにことを成せるのです。>>1:6



(4) 希 2023/05/10(Wed) 16:50:31

【人】 火澄 七瀬




 「 火澄 瀬名。
   貴女は、水面 禎光を愛していますか? 」

 
 
(5) 希 2023/05/10(Wed) 16:50:46

【人】 火澄 七瀬




 冷え切っていたのは、
 胸元に隠し持ったナイフだったのか。
 それとも私の心の方だったのでしょうか。

 そこまで言うと、後は黙して。
 死刑判決を受ける囚人のように。
 ただ、貴女の言葉を待ちます。
 
 貴女の答えを待って、
 私はこの刃を振るうのです。
 
 命を、尊厳を、未来を奪うために。
 
 
 
(6) 希 2023/05/10(Wed) 16:50:54

【人】 火澄 七瀬




 …… そうですね。
 私はもうとっくに狂っていたのでしょう。

 あの日、神様に出会った瞬間に。
 いいえ。もっとずっと以前から。


(7) 希 2023/05/10(Wed) 16:51:17

【人】 火澄 七瀬




        双子の妹のことを
してしまった時点で。**

 
(8) 希 2023/05/10(Wed) 16:51:47

【人】 火澄 七瀬




 「 …… そういうのなら。

   瀬名が禎光を好きになっても、
   禎光が瀬名を好きになっても、
   どっちも不思議じゃないじゃないですよね。 」

 
 探るような会話を交わします。
 まるで綱渡りをするような。
 何かをきっかけに奈落の底へ落ちてしまいそうな
 危ういやり取りでした。
 
 
(18) 希 2023/05/11(Thu) 17:57:05

【人】 火澄 七瀬




 袂は分かたれました。>>16
 私と貴女は別々の人間。
 そうでなければいけないのです。

 瀬名は七瀬で、七瀬は瀬名。>>1:21
 そんな時間は終わらせるべきなのです。

 ──── …… なのに。
 嗚呼、貴女の一番隣にいるのは、
 もう私ではないのですね。>>15

 自身の犯した罪にふさわしい判決を受けた私は、
 呑み込んだ息と共に僅かに顔を歪めた後。
 胸元に隠していた刃を取り出しました。

 
 
(19) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:03

【人】 火澄 七瀬




 七瀬のこと、全然わかんない 




      「 …… いいんですよ、それで。 」
 
 
 
(20) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:26

【人】 火澄 七瀬




 瀬名が禎光を好きになっても不思議ではない。
 七瀬が禎光を好きになっても不思議ではない。

                   でも、
 
 
(21) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:33

【人】 火澄 七瀬




 「 七瀬が瀬名を好きになったら、
   貴女は不思議に思うでしょう? 」


 ぴたりと刃を自身の胸元にあてたなら、
 泣きそうな顔で微笑みました。


 *********
(22) 希 2023/05/11(Thu) 17:58:47

【人】 火澄 七瀬




 神様が、言ったのです。
 この世界には存在できる人数が決まっているんだと。

 人口密度とかそう言う話はなくて。
 この世界が許容できる魂の数。

 ただ、たまにあるそうです。
 ひとつの魂がふたつに分かれて生まれてくることが。
 彼らは双子として世界に受け入れられて、
 健やかに育てられます。

 それでも、期限は決まっていました。
 
 
 
(23) 希 2023/05/11(Thu) 18:27:32

【人】 火澄 七瀬




 「 十で神童、十五で才子
      二十過ぎれば只の人。 」


 …… そんな言葉を、聞いたことはありますか?>>0:1

 
 
(24) 希 2023/05/11(Thu) 18:27:39

【人】 火澄 七瀬




 神の子として見逃されるのは、齢14までの話。
 15歳を迎えた魂は、別々の人の子として数えられます。
 そして許容量を超えて溢れた魂を、
 世界が許すことはありません。

 ──── そうなれば、どうなるのか?
 消えるのです、人知れず。
 存在が、痕跡が、人々の記憶から。
 まるで最初からいなかったかのように。

 …… 決して珍しい話ではないそうですよ。
 私達が認識できていないだけで。
 今日もどこかで、存在を許されなかった誰かが、
 人知れず消えているのかもしれません。
 
 
 
(25) 希 2023/05/11(Thu) 18:28:05

【人】 火澄 七瀬




 「15歳の誕生日を迎えたら、お前の妹は消えるよ。」




 …… だから半年前の雨の日。
 神様が私に声をかけたのは、
 ほんの気まぐれだったそうです。
 男かも女かも、日本語かどうかもわからない
 脳を揺さぶるような、不思議な声でした。

 私が何をしても、しなくてもいい。
 成功しても失敗しても構わない。
 単なる愉快な見世物なのだと、
 かの存在は、笑いながら言いました。
 
 
 
(26) 希 2023/05/11(Thu) 18:29:04

【人】 火澄 七瀬




 与太話だと笑い飛ばすことも出来ました。
 いいえ。そうするべきだったのでしょうね。
 なのに、私はどうしようもなく理解してしまいました。
 それは確かに神様で、その話は真実なのだと。

 実の妹への想いを抱えて不安定だった私の精神は、
 あの瞬間。どうしようもなく狂ってしまったのです。

 別に私が消える側でも構わないそうです。
 それでも世界の天秤は、問題なく釣り合うから。
 そうですね。選択肢がそれしかなければ、

 ………… きっと私も、間違えなかったのに。

 

(27) 希 2023/05/11(Thu) 18:29:59

【人】 火澄 七瀬




 しかし神様は悪意たっぷりの顔で、
 楽し気に代わりを提案しました。
 まるでそれが本題だというように。

 天秤を釣り合わせるために求められたのは、
 大切な肉親二人分と、大切な他人一人分。>>1:0

 それらを殺すことができたのなら、
 私も妹も、どちらの存在も許してくれるそうです。

 
     ………… 肉親は元より、大切な他人と聞いて。
     私は、貴方しか思いつけませんでした。
 
 
 
(28) 希 2023/05/11(Thu) 18:30:34

【人】 火澄 七瀬




 なのに私は貴方を殺せないばかりか、
 愚しい勘違いをしていたのです。
 あのバレンタインデーの日が来るまで。
 瀬名の隣にいるのは、私でなければいけないと。>>1:19
 瀬名の望みも私の隣にあるのだと。
 何とも都合の良い夢を見てしまっていたのです。


 でも、そうではなかったのだと。
 今の私は知ってしまいました。>>15



(29) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:01

【人】 火澄 七瀬




 ごめんなさい。お父さん、お母さん。
 私は車のブレーキに細工をして、
 貴方たちを殺してしまいました。
 死ぬ必要なんてなかったのに。

 ごめんなさい。禎光。
 私は貴方が大切でした。
 でも貴方のことを殺そうとしました。

 ごめんなさい。瀬名。
 …… 馬鹿なお姉ちゃんで、ごめんね。
 
 

 
(30) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:10

【人】 火澄 七瀬




 間違えてばかりでした。せめて最後は正しい選択を。


(31) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:15

【人】 火澄 七瀬




    「 …… もしも、やり直せるのなら。
      どうか今度は間違えないように。 」
 
 
 
(32) 希 2023/05/11(Thu) 18:31:34

【人】 火澄 七瀬




 刃を煌めかせたのなら。
 ひらり。
 開け放たれた扉から飛び込んできた
花びら
が、


 
      雨ではない露に濡れ、地に落ちました。**



(33) 希 2023/05/11(Thu) 18:33:44

【人】 火澄 七瀬




 「 ありがとう。お願いするね。 」


 そう言って手渡した薄紅の傘は、>>34
 思いのほか高くまで上がりました。

 …… 私の幼馴染は、いつの間にか
 随分と背が伸びていたようです。

 出会った頃は、男女の身長差が顕著になる前。
 禎光が病弱だったこともあってか、
 そこまで差は無かったように思います。
 
 
 
(45) 希 2023/05/12(Fri) 10:56:40

【人】 火澄 七瀬

 


 歌を褒められれば、気恥ずかしさはありましたが。
 嬉しい気持ちもありました。
 
 姉である手前、あまり表には出しませんが。
 私は案外単純なんです。
 先程のつまらなさは、
 くすぐったい物へと変わっていました。

 思慮深く、他者を配慮を欠かさない禎光は、
 いつだって私達の欲しい言葉をくれるのです。
 
 
 
(46) 希 2023/05/12(Fri) 10:56:57

【人】 火澄 七瀬

 


 …… ただ、少し困ってもいました。

 瀬名の意見。>>37
 予想して答えることはできたでしょう。
 私達はずっと隣にいた双子なのですから。
 それでも、私が決めていいことではありません。

 すっかり禎光の手の上で転がされていること。
 気付かぬまま、私はうんうんと悩みました。
 
 次第に明るくなっていく遠くの空を見ながら。
 結局私が言えたのは、
 当たり障りのない言葉だけでした。
 
 
 
(47) 希 2023/05/12(Fri) 10:57:09

【人】 火澄 七瀬

 


 「 …… やるかは、わからないけど。

   いつか禎光も含めた3人で。
  
   一緒に歌えたら、楽しそうだとは思うよ。 」



 *****
(48) 希 2023/05/12(Fri) 10:57:17

【人】 火澄 七瀬




 飛び込んでくる何者かの気配。
 思わずびくりと肩を震わせた頃には、
 その顔は、思いのほか近くにありました。

 刃を掴む手のひらからは、
 紅の鮮血が滴り落ち、花びらを濃く染め上げます。

 それが誰なのか。
 今さら確認するまでもありません。
 
 …… ひとりとひとりだった私達は、
 貴方と出会ったことで、

 さんにん、となったのですから。
 
 
 
(49) 希 2023/05/12(Fri) 11:29:17

【人】 火澄 七瀬




 思わずナイフを取り返そうとしましたが、
 しっかりと刃を掴んだ指は、
 私の力ではびくともしませんでした。


 「 ……禎光。 」


 あんなに小さかったのに。
 あんなに身体が弱かったのに。
 

     そこにいたのは
     立派に成長した、ひとりの男の子だったのです。
 


 
(50) 希 2023/05/12(Fri) 11:30:52

【人】 火澄 七瀬




 違うだろ。>>44


 「 …… ああ、私は、
   最後まで間違ってしまったのですね。 」


 ナイフの代わりに、貴方の言葉が胸を貫けば
 歪んだ顔から、涙が溢れ落ちます。

 ええ、そうです。
 きっと貴方が正しいのでしょう。>>46
 この場で愚かなのは、私だけなのです。

 それでもせめて、最後くらいは。
 貴方を殺せなかったこと。
 それだけは正しかったのだと
──── 信じたかった。


 
 
(51) 希 2023/05/12(Fri) 11:32:43

【人】 火澄 七瀬

 
 

 それでも私は、もう止まることができませんでした。


 「 禎光。 」


 再度名を呼んで、思い出します。
 貴方にはいつだって。

 言わなければいけなかったのに、>>0:16
 言えなかった言葉がありました。



 「 ごめんなさい。 」
 
 
 
 
(52) 希 2023/05/12(Fri) 11:34:11

【人】 火澄 七瀬

 


 ナイフから彼の指を剥がすことは難しかったでしょう。
 ならばと私は、貴方の腕ごとを掴んで動かします。

 貴方の手の分、隠れた刃。
 胸を貫くには、深さが足りなくなっていました。

 ならばと、刺すのは別の場所と。



 「 …… 大好きですよ、禎光。
   瀬名のこと、よろしくお願いしますね。 」


 ──── それが、最期でした。
 私は自身の喉に、刃の切っ先を突き刺しました。
 
 
 
(53) 希 2023/05/12(Fri) 11:35:30

【人】 火澄 七瀬

 

 

         ああ、これでもう、歌えない。>>48

(54) 希 2023/05/12(Fri) 11:35:40

【人】 火澄 七瀬




 吹き出す鮮血の熱が、鉄錆の匂いが、
 貴方の手や顔を覆ったかもしれません。
 人を貫く感触も、こびり付いて離れない。

 …… 最後まで私は、
 貴方にひどいことしかしませんでした。
 でも見逃して貰えると嬉しいです。

 全て忘れてしまうのですから。
 最初から、全部無かったことに。
 
 
 
(55) 希 2023/05/12(Fri) 11:36:25

【人】 火澄 七瀬





 …… ああ、声が聞こえます。
 そうですね。言っていましたよね。
 これは愉快な見世物≠セと。>>26

 ならば貴方がここにいるのは当然なのでしょう。
 
 

(56) 希 2023/05/12(Fri) 11:36:31

【人】 火澄 七瀬





 薄れゆく意識の中。

 誰かの笑い声が響いていました。**
 
 

(57) 希 2023/05/12(Fri) 11:37:29

【独】 火澄 七瀬

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令和の世でお前たちが俺の翼だ!!!
が見れるとは、感慨深いのじゃ
(-0) 希 2023/05/12(Fri) 11:39:41