人狼物語 三日月国


42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【人】 マリィ  

[そうして、生まれて初めて
 北の大地に降り立ったアタシの第一声───]


  さっむ!!
  てか思ってたより都会!!



[空港と商業施設とホテルとが合体した
 広い空港を前に、うっかり声が出てしまう。
 外は晴れてはいるものの、
 日の温もりなんてものは感じない。

 さくさくひとりで受付まで
 歩いていこうとする由人を追って
 はぐれないように手を繋ごうとするの。


 普段の化粧も衣装もない、
 ありのままの男の姿で
 今アタシはあなたの隣に並んで立ってる。]
(153) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 11:41:31

【人】 マリィ  

[寒さから逃げるように
 真っ青なレンタカーの助手席に逃げ込むと
 ほわ……と暖かな風が車内を温めてくれる。]


  チーズ作ったり、ピザ作ったりできる
  工房だったっけ……?
  いいじゃない。暖かいもの食べたいもの。


[その提案に小さく頷くと
 そっと白銀の景色からの景色に
 視線を向けるでしょう。

 もしかしたら「旅行もやめよう」って
 言われたらどうしよう、って思ってた。
 だけど今この凍るように寒い場所に
 由人と二人きりでいられている。]


  安全運転よろしくね。


[そう言ってアタシは笑ったけど
 もしこのまま事故で二人とも死んでも
 それはそれでいい終わり方な気もして。]
(154) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 11:42:00

【人】 マリィ  

  ー 富良野のチーズ工房 ー

[ラベンダーの季節はとっくにすぎて
 夏には一面紫で染まった丘陵も
 今は一面の銀世界。
 目的の工房はそんな真っ白な世界の中の
 白樺で囲まれた林の中にあったでしよう。

 絵本の中の1ページみたいな
 何だか可愛いお店の中に入ってみると
 正面にどどん、と等身大の牛のオブジェが
 お出迎えしてくれる。
 ここでは手作りのチーズやアイス
 釜で焼くピッツァが作れるらしく、
 受付のお姉さんは男ふたりの客に
 嫌な顔もしないで色々説明してくれた。]


  ねえ、由人ピザ作るのやってみてよ。


[そう悪戯っぽくおねだりしたら
 どういう反応が返ってきたかしら。
 カッコイイじゃない、ピザ生地回すの。]
(155) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 11:42:25

【人】 マリィ  

[一緒にやろう、って言われたら
 なんて答えようかしら……。]


  由人が作ったのが、食べたいの。


[って普段絶対言わないこと
 口を滑らせちゃうかしら。
 だってアタシ、普段より静かだけど
 心の中はそれはもう大はしゃぎなんだもの!]*
(156) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 11:43:03

【人】 マリィ  



  はいはい、最初は怖いかもしれないけど
  案外痛くも怖くもないものよ。


[困ったように笑う由人にアタシはけらりと笑ってみせるの。
 旅行に来てまで何か作るの、嫌かもしれないけど
 由人はそれでも、アタシのわがままを聞いてくれた。


 本当は、ね。恥ずかしいから言わないけど
 あんたがアタシのために作ってくれたご飯が
 「余り物」じゃないご飯が食べてみたかったのよ。



 文句言ってたくせに、工房で他の観光客のパパに交じって
 粉をこねる姿は、正直とっても様になってて
 ハンドトスは……まあ、ちょっと失敗してたけど
 真剣に生地をこねてまあるいピザを作る姿を
 アタシは工房の外からじっと見ていたの。]
(172) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:55:15

【人】 マリィ  

[……なんで工房の外からかって言うと、
 アタシはピザ作りに参加しなかったから。
 見てるだけのつもりだったのに、受付のお姉さんに

 「お連れ様が作っている間、こちらに参加してはどうですか」

 ……って、半ば強制的に「バター作り」のコーナーに
 移動させられてしまって。
 キッズに並んで図体のデカいオネエが一人、
 気が付いたら搾りたてのミルクの入った瓶を片手に
 口をあんぐり、お姉さんの説明を聞く羽目になっていたの。]


  10分これを振り続けるの……?


[オナホサイズの小さい瓶に怪訝な視線を向けて。
 そもそもバターって作れるものなんだ……とか
 そんな簡単に作れるなら、帰ってからも作ってみようかとか
 色んな考えが頭をよぎったけれど……

 ―――3分後には、全部どうでもよくなっていた。]
(173) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:55:28

【人】 マリィ  




  ちょっとォ!手が!!手がもげる!!
  まだ出来ないの?!



[アタシの悲鳴をよそに、周りのガキどもは笑い転げているし
 お姉さんも「まだですねー」なんてのんきに笑っている。

 プラスチックの小さい瓶とはいえ、ずっと振り続けるのは
 想像したよりハードなお仕事だった。
 着込んだコートも熱くなったからと脱ぎ捨てて]



  う、うおおおおおおッッ!!!




[ついでにオカマの仮面も脱ぎ捨てドス声出したら
 キッズのひとりが「ゴリラ!」と笑う。
 うっせえっての!誰がゴリラよ!
 ……なんて怒鳴り返せば、笑い声が返ってくる。

 ああ、でも、なんかこの空間は、嫌いじゃない。]
(174) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:55:53

【人】 マリィ  

[10分間、汗だくになって振り続けたミルクが
 こっくりした黄色のバターになる頃には
 由人作のピザが焼きあがった頃でしょう。

 こんがり焼けた小麦の匂いが、疲れた脳髄に
 じんと染み渡って、今にもよだれが垂れてしまいそう。]


  ……?二枚作ったの?


[素人目に、どっちがピザ職人のものか分からなくって
 何にも考えずにそう聞いちゃった。
 言われてみれば、チーズピザの方が薄く均一かもしれないけれど
 もっちり耳のマルゲリータも、なかなか愛嬌があると思う。]


  ……ッ、あっつ!あは、ホント、熱い!


[熱がる由人を見て、気を付けていたはずなのに
 手に持った焼き立てピザは熱くて、でも一口食べると
 フレッシュなトマトとミルキーなチーズの香りがふんわり
 舌の上で弾けるようで……]
(175) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:56:09

【人】 マリィ  





  うふ、ほんとだ。うンめ……


[笑みとともに自然に零れた言葉。
 何かを「作る」ことの大変さを知った後だから
 余計にすんなり出てきてしまったの。]
(176) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:56:33

【人】 マリィ  

[二人でピザを完食した後、さっき作ったバターを受け取った。
 努力の末に出来たバターは、ココット一つ分。
 じゃがバター推定2個分、パンに塗れば4、5回分くらい。

 初めて作ったバターは、アタシから由人へプレゼント。

 料理と違って、誰が作っても同じかもしれないけれど
 ……でも由人に食べてほしいって思ったの。
 お店の子からのプレゼントを渡すだけじゃなくって
 これはちゃんと、アタシが作ったものなんだから。]


  これの味は、帰ってからのお楽しみってことで。


[そう言って、自宅へ送るクール便の中に
 小さなココットを入れさせてもらって。]
(177) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:56:48

【赤】 マリィ  

[バターを手渡した時、ちょっと思っちゃった。


 「これ食べて、由人、なんて言うのかな」なんて。

 この先、生きていく気もなかったくせにね。]
(*6) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:57:00

【人】 マリィ  

[次の目的地へと滑り出す車の中、
 寝ててもいい、ってサジェストには首を横に振るの。
 二人きりの時間を寝て過ごしたらもったいないわ。]


  それより聞いてよ、さっきのバター作りの話!


[口調だけは怒った感じ、そのくせ口元に笑みを浮かべて
 アタシはキッズの人気者になってしまった話をするでしょう。
 「ゴリラねえさん」だの「ドンキーコングオネエ」だの
 悪意のないあだ名をつけられて、「みて!」とせがまれるまま
 ひとりひとりの具合を確かめた、あの忙しいひと時のこと。]


  アタシ、こどもって嫌いだったの。
  どう接していいかわからなかったし、
  そもそも親御さん達が嫌がるだろうし、
  ……欲しいって思っても、苦しくなるだけだし。


[相変わらず、車窓からの風景は真っ白。
 だけれど、ぽつぽつ、遠くに人の営みが見える。]


  でも、さっきまでの時間は、嫌いじゃなかった。


[ふう、と吐息を吹きつけると、窓ガラスが白く曇る。
 そこにハートを書きながら、アタシは小さく喉を鳴らすの。]
(178) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 15:59:12

【赤】 マリィ  

[また来たいわ。


 ……なんて、言ったら笑われちゃうかしら。
 いいえ、アタシ自分で笑っちゃうわね。]
(*7) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 16:00:20

【人】 マリィ  

[取り留めのない話をしながら、
 アタシは描いたばかりのハートを袖口で拭ってしまう。]


  ステンドグラス美術館なら、さすがに
  こどもも少なくて見やすいかしらね。


[まだ見ぬ到着地を思い描きながら
 アタシは真っすぐ前を見つめる由人の横顔を
 睫毛の隙間からじっと見つめていたでしょう。]*
(179) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 16:08:45

【独】 マリィ  

/*
>>164>>165の食べ方がかわいくって無邪気すぎて
脳内イェイイェイヲウヲウパーリナイなんですが。
美味しそうに食べる(文章で)って技量がいるよね。
はぁぁぁ……(拝む
(-59) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 16:12:45

【独】 マリィ  

/*
私はもうちょっとしっとりしたオネエさんのつもりだったのに、どうしてこうなったのかな。ちょっと後で体育館裏に来ようか。
(-60) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 16:14:32

【独】 マリィ  

/*
楽しそうなオネエぶりで言えば山本氏の方が上というアレ。
(-61) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 16:15:27

【独】 マリィ  

/*
>>225
ママのとこ来なさい、抱き締めてあげる
(-72) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:44:24

【独】 マリィ  

/*
ちょっとそこのトラックの運ちゃん、ケツだしな


え、急にシリアス展開……
どきどき……
(-75) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:53:03

【人】 マリィ  



  そりゃあ、アタシは“ママ”だもの。


[隣から聞こえた褒め言葉に>>182
 当たり前よ、と肩を竦めるの。]


  年齢も性別もセクシャリティも関係ない、
  話聞いて欲しいとか、誰かに甘えたいとか
  誰もが持ってる欲望の受け止め先。

  明日を向いて生きるためにね。


[そのくせ、自分が自分であるための場所を
 見つけるのに必死で、由人に嘘を吐き続けてる。
 聖母なんかじゃない、ただの汚い男。

 
でもあんたをアタシのママにしたいんじゃない、
 絞り出すみたいに寂しさを吐き出した
 あんたの隣にいたいんだよ。
(236) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:53:19

【人】 マリィ  

[楽しかった、って言葉に
 そうね、って返すくせに
 どっちも「また来よう」を言わないまんま。
 少し歪な空気のまま、車は芸術村へ
 するりと滑り込むでしょう。

 いよいよ日も陰り、夜の時間の近付く頃。
 人影もまばらな美術館へ入れば
 途端に、眩しい色彩が目を焼いた。]


  ………………、


[四面を取り囲むように聳え立つ
 天使や聖なる御子、聖母を象ったステンドグラス。
 正面にどんと構えていたのは、
 磔刑に処されるキリスト像だった。]
(237) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:53:50

【人】 マリィ  

[ステンドグラスとは、識字率が低かった昔
 阿呆んダラでも分かるように、聖書の内容を
 噛み砕いて図にしたもの……
 そう、ガイドブックに書いてあった。

 アタシは神様仏様を信じてないけど
 流石に聖書のあらすじくらいは知ってる。
 聖母マリアから生まれたイエス・キリストは
 人の咎を負って磔刑に処されるの。
 聖書には、同性愛も罪のひとつとして
 数えられているのも、知ってる。

 隣で聴こえた吐息と正反対に、
 アタシは、もう息が出来なくなった。

 荘厳な雰囲気の中、死んだ目をしたキリストが
 じっとアタシを見下ろしている。
 「美味しい」の代わりの軽口に
 笑ってみせてくれる由人より厳格な
 全部お見通しの顔をして。

 怖い。怖い。もう、逃げ出したい。
 全部かなぐり捨てて、ひれ伏して、
 泣きながら地に頭を擦り付けて謝りたい。]
(238) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:54:37

【人】 マリィ  



  
ごめんなさい……



[そう呟いたのと、由人の手が
 アタシの手を取ったのは同時くらい。

 続いて落とされる由人の呟きに
 視線を彼の横顔へと移すと、
 硝子越しに差し込んだ光が
 彼の睫毛へ影を落としていて……]
(239) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:56:04

【人】 マリィ  



  …………そう、だね。


[アタシは、由人の横顔に視線を向けたまま
 漸く手を握り返せたの。

 相変わらず息苦しくて
 射抜くような視線を上から四方から感じてたけど
 今、アタシはひとりじゃないもの。
 ……情けないこの手の震えが、
 由人に伝わりませんように。]
(240) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:56:21

【赤】 橋本 雅治  

[─────ああ、神様。

 俺は許されたい。

 あなたが許してくれなくってもいい。

 地獄に落ちて焼かれたっていい。

 けど、せめてこの地上で生きる間だけ

 この人のそばに居たいんだって

 この人に伝える勇気をください。]
(*10) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:56:58

【人】 橋本 雅治  

[由人の視線が空を彷徨って
 何か噛み締めるように唇が数回動いて───

 漸く、俺の方を見てくれた。


 ……そうして切り出された言葉に>>191
 俺はまた少しだけ息を飲んで、
 泣きそうな顔で笑うんだ。]
(241) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:57:21

【人】 橋本 雅治  




  ─────同じこと、言おうと思ってた。


 
(242) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:57:43

【人】 マリィ  

[そうしてアール・ヌーヴォー美術館の方へ
 足を運んだけれど……
 正直、「良さげなツボとか皿」以外の
 感想が思い付かなくって
 多分アタシはずっと黙ってたと思う。

 ガイドブックの「小樽」も読めなくて
 何度も由人に聞いたもの。

 もう少し、頭が良くなりたかった。
 ……いいえ、頭が良いとか悪いとかじゃなく
 もっとちゃんと勉強すれば
 今日はもっと楽しかったかもしれない。

 由人と暮らすまで豚肉と牛肉の違いすら
 正直よく分からなかったし、
 興味もそんなに持ってなかった。
 もっとよく分かっていれば
 ちゃんと「美味しい」って言う時に
 気の利いた感想が言えるかもしれない。

 振り返っても、後悔ばっかり。
 今更禊をしたところで
 払いきれる穢れじゃないかもしれない。]
(243) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:58:19

【秘】 橋本 雅治   → 環 由人


[でも、今日由人にちゃんと話さないと、
 俺は多分一生後悔する。]
 
(-76) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:59:04

【人】 マリィ  

[ホテルに着いた頃には
 随分辺りは暗かったでしょう。

 古い歴史ある造りの玄関の上に
 近未来的な造形の客室がドッキングした
 何だか奇妙な感じの宿だったけれど
 客室温泉はあるし
 海の幸溢れる夕食が絶品!とかなんとか。

 でも正直、お夕飯をすぐに楽しめそうな
 心持ちじゃあなくって。

 通された部屋はダブル。
 お行儀よく並んだふたつのベッド。
 分厚いカーテンは寒さ避けのためか
 全て固く閉ざされている。

 アタシは手持ちのボストンバッグを、
 どさり、とベッドに放り捨てると]


  ……ねえ、お夕飯の前に話しちゃわない?


[少し、震える声で切り出した。
 「どうせなら、美味しく食べたいじゃない?」
 なんて笑おうとしたけど、
 うまく、口角が上げられなかった。]*
(244) シュレッダー 2020/09/14(Mon) 22:59:38