エルナトは、今日も図書室で本を読んでいる。いつも通り。 (a10) arenda 2022/05/06(Fri) 22:12:23 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「エルナト」 食堂を出て、君を追う。 少し気になることがあったのだ。 これまでは、余裕がなくて聞けなかったこと。 「君は、きちんと食事が摂れているのか」 毎日のように腹をさする仕草が、ずっと気になっていたのだ。 (-18) otomizu 2022/05/06(Fri) 22:24:48 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「リアンさん。」 食堂から、図書室に向かうまでの廊下。 ゆったりとした動作で歩いてる所に声を掛けられて、 振り返ってその姿を見る。 端麗な顔………は、もう随分仮面で見えなくなっているが。 それでも直ぐに誰か判断できる程度には、聞き慣れた声だった。 「………。」 質問に、少しの間。 いつも浮かべてる柔らかな笑みは変わらないまま。 「昨日はね、ちゃんと食べたんだ。」 「でも、やっぱりお腹いっぱいには食べられないね。」 「成長期だからか、すぐお腹が空いちゃって。」 あはは、と笑う。 少年の食事の風景は、多くの人が一度も見たことがない。 (-23) arenda 2022/05/06(Fri) 22:34:46 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト相変わらず仮面は身に着けたまま。いつも通りの調子で君の前に立っている。 「……成長期という割には。 君の、食事する姿を見たことがなかったものでな」 食事を人前で取らない学生は多い。 それは、食事を必要としなかったり。人前で食べる気がしなかったり。そんな理由が多いように見えていたから。 「特殊な体質、なのか? 特定のものしか食べられない、だとか…そういった偏食の可能性も考えていたんだが」 ただでさえ気が滅入る事が続いている。 少しでも悩みの解決に力添え出来たらと思っているのだけれど。 (-24) otomizu 2022/05/06(Fri) 22:54:03 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「あはは………そうだね、人前では食べないかな。」 「可哀想だから。」 という、なんだか普通とはずれた回答。 てく、てくとそちらに近づいて、目の前まで立てば、 身長差分、少し見上げる形。 続けられる質問には、くすくす、と笑い。 「もしかして、心配してくれている?」 「やっぱり上級生は、下級生の事が気になるのかな。」 あなた それとも、"王"だからかな?なんて首を傾げて。 うーん、と顎に指をあてて、思案して。 「まぁ、そうだね。体質……というか、病気かな。」 「人と同じものが食べられないから。」 「……あなたなら僕のご飯が作れるよって言ったら」 「食べさせてくれる?」 ちらり、と鷹色の目が君を見る。 お腹をさする。 お腹が空いて仕方ないな。仕方ないよ。 ご飯を目の前にしたら、お腹が減るのは仕方のない事。 じわり、溢れる唾液を、こくりと飲み込んだ。 (-26) arenda 2022/05/06(Fri) 23:07:26 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 arenda 2022/05/06(Fri) 23:08:29 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 arenda 2022/05/06(Fri) 23:08:48 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「可哀想……」 ピンとは来ない。人と違った環境で育ってはきたが、自分はどちらかと言えば育ちの良い方だ。 「さてな。僕は僕の思惑の為に、君たちを気に掛けている。 結果的に、それは君たちの笑顔に繋がればいいと思ってはいるが」 「心配するだけなら、ラピス辺りはいつだって君たちの事を思っているんじゃないか」 気になっている。間違いではない。 下級生だって、同級生だって関係なく。 見上げてくる、鷹色の目を片方が黒く濁った琥珀色の双眸が見つめ返した。 「なるほど。僕に用意できるのなら、用意しよう。 料理の腕に自信があるわけではないから、僕にしかできないというものでもなさそうだが」 極端に言えば、命を差し出すようなことがなければ。 この王は、君の言葉に頷きを返すだろう。 ―――どんな突拍子のないものが待っていようとも。 (-28) otomizu 2022/05/06(Fri) 23:23:27 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン少年はほとんどの時間をここで過ごしてきた。 親には捨てられたと自認しているし、実際にそう。 此処での暮らしは、どちらかと言えば育ちが良い方、 になるのかもしれないが。 「へぇ、どんな思惑?」 「ラピスさんは優しそうだよね、あんまり関わりはないけど。」 「よく、下級生のお世話をしてるのをみるし。」 何にせよ気にかけられているのは事実。 嬉しいね、なんて笑う。無邪気な笑み。 異彩の両眼をじっと眺めて。 「本当に?」 「うん、大丈夫、貴方でも用意できるよ。」 「人なら誰だって用意できる。」 その言葉を聞けば。 嬉しそうに、身体を寄せる。 許しまで得たら、もう我慢できない。 空腹は耐えがたい。 ▼ (-29) arenda 2022/05/06(Fri) 23:35:38 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンそれから、手を君の頬へ伸ばす。 拒まれなければ、両の手で触れる。 「僕ね。」 「……人の体液しか食べられないんだ。」 そうして、告白する。 自らの病を、自らの食事の対象を。 「汗とか、涙とか、唾液とか。」 「…血とか、尿とか、精液とか。」 「そういうものしか食べられなくて。」 だから、人前でそれを食べるようなことはしないし。 お腹いっぱい、食べる事も出来ない。 そもそも、分け与えてくれる人自体が少ないから。 気持ち悪いから。 だから、お腹が減って仕方ない時は。 自分でも抑えつけられるような、初等部の子を無理やり。 "食事"にしていた。これまで、ずっと。 他の班の子を。……最近は、この班の子まで。 「リアンさん。」 「食べてもいいの?」 少し荒くなった息。熱を上らせた顔は。 餌を前にした、飢えた獣のようであった。 空腹の抑えが利かない。 (-32) arenda 2022/05/06(Fri) 23:42:35 |
司書 エルナトは、メモを貼った。 (a14) arenda 2022/05/06(Fri) 23:56:50 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「僕は、僕が善き王であるために この学園を善くしたいと思っている。 君たちを幸福で笑顔溢れる日々が送れることは、僕が僕たる為に必要な事だ」 「彼女は、積極的に君たちを導いてくれる。本当に面倒見がいいんだ。 体質の事もあるからなのか、他人への気遣いが自然と出来るのは見習いたいところだな」 穏やかな口調。 君を見つめる目―――片方は、焦点があっていないが。 君が喜ぶのなら 、と思った。 ▽ (-41) otomizu 2022/05/07(Sat) 0:15:47 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト病気内容の告白を受けて、眉を寄せた。 内容、それ自体は良い。血や汗で良いのなら、幾らでもやれるだろう。勿論死なない程度になら。 それよりもむしろ。 「構わない―――が、僕の身体は綺麗ではない。 君が見ていて気分を悪くしないか心配だ」 仮面のかかりきらない頬に触れたのなら、熱を持った指先が右頬の化粧を落とすだろうか。 その下には、 どす黒くおぞましい痣 「僕の身体は、傷と痣で埋め尽くされている。 それでもかまわないのなら好きにするといい。今更、傷が増えたところで僕は気にしないからな」 ここではない方がいいだろう、と図書館に向かうまでの間に存在する空き教室に入っていく。 (-42) otomizu 2022/05/07(Sat) 0:22:16 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「殊勝な考えだね。素敵なことだと思う。」 「どんな理由であれ、気にかけてくれて悪い気はしないもの。」 「……悪い気がする人もいるだろうけど。」 赤髪の彼を思い浮かべつつ。 まぁ、あれは特殊な例というものだろう。 「高く評価してるんだね。ラピスさんの事。」 「仲はいいの?」 なんていう雑談。 普通の少年らしく、人の事には興味があった。 ▼ (-45) arenda 2022/05/07(Sat) 0:30:21 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンでも、普通の少年ではないから。 今、こんなに飢えに苦しんでいる。 「………わぁ。」 はらりと取れた化粧。 その内側にある黒いものに、声を上げ。 「どうしたの?これ。貴方の病気?」 「すごいね、気付かなかったな。」 もう少し化粧を爪で落として、しげしげと見つめる。 それから、齎される言葉には。 ふ、と思わず吹き出して、それから、笑い声をあげた。 「あっはははは…………おかしい事言うんだ、リアンさん。」 「貴方はミルクを飲むときに、牛の柄を気にするの?」 「僕にとっての貴方達は、そういう存在なんだ。」 ずっとこの食性で生きてきたから。 人間を牛や豚と同じ『家畜』としてしか見れない。 自分に食糧を提供するだけの生き物。 良くてかわいいペット、その程度の、認知。 空き教室に、後ろからついていき。 扉を閉めれば、そのまま鍵まで。 ▼ (-46) arenda 2022/05/07(Sat) 0:37:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンそれから、貴方に抱き着いた。 ぎゅっと、身体を押し付け熱を伝えるのは。 愛や恋や性によるものではなく。 ただ、熱して汗を出させるためだけの捕食行動。 首に腕を回して、見上げる。 「……ちゅーしていい?」 汗も涙も、今は出ていない。 だから一番すぐに取れる給餌手段を、口に出した。 (-47) arenda 2022/05/07(Sat) 0:40:39 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「そういった相手には、また別の手段を考えるさ。 例えば、僕の同室相手だったりな」 考える事は同じだ。 本人に言えば、更に機嫌を損ねることになるだろうから 言えはしないのだが。 「いや?だが、見ていればわかるだろう。 勉強会の様子であったり、朝食時の様子であったりな」 同い年で同班というだけの関係だ。 ほとんど何も知らないに等しい。 だが、それでも。わかることはあるものだ。 ▽ (-52) otomizu 2022/05/07(Sat) 1:33:55 |
【秘】 王として リアン → 司書 エルナト「気付かなくて当然だ。気付かせないようにしていた。 気を張って隠していたんだ」 演劇用の化粧と仮面を利用して。そして、徹底して風呂には一人で入るようにしていた。 王である自分が、誰かに不安を覚えさせないように。 化粧の下は、どこまで行っても黒に染まっている。 左頬の化粧の下には、まだ陶器のような白い肌が見えるのだが。 右側は、もう。 ▽ (-53) otomizu 2022/05/07(Sat) 1:40:09 |
【秘】 優位 リアン → 司書 エルナト「はは……!面白い事を言うな、エルナト」 君の言葉を聞いて、思わず笑みが漏れる。 君が、王である自分を"下に見る"等とは思わなかったからだ。 抱き締められることは拒まない。 だが、君が首に手を回しても。 自分の方へ顔を近付ける事を許さない 。頬を掴み、顔を固定するようにしてやる。「口付け等、貴様には勿体無い。 体液が欲しいというのであれば直に与えてやる。 王の施しだ。有難く受け取るといい」 その体勢のまま、親指で君の口を開かせる。 隙間に、垂らした唾液を落としてやる。"これで十分だろう"と言わんばかりに。 (-54) otomizu 2022/05/07(Sat) 1:52:02 |
【秘】 司書 エルナト → 優位 リアン随分周りをよく見ているのだろうな、と思った。 やはり王という自認がそうさせるのだろうか。 あるいは元から面倒見のいい性格なのかもしれないが。 「疲れるんじゃない、隠し事をするのって。」 「他に知ってる人はいないの?」 流石に同室の人に隠すのは大変な気もするし、 多少は知られているのかもしれない。 それでもきっと、多くの人は君を、見た目麗しい上級生くらいにしか思っていないだろう。自分もそうだったし。 それらの努力も全て王であるためというならば、 それはもはや、執念にも近いものだな、と思った。 「そんなに王であることが大事?」 広がる黒に、これ以上ここで暴いて、 誰かが通ったら困るだろうと、指を止めて。 ▼ (-56) arenda 2022/05/07(Sat) 2:13:30 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 優位 リアンそれから、"王への嘆願"が、笑い飛ばされたことに。 少年は少しだけ、泣きそうな顔をして。 ご馳走が乗ったお皿を下げられたみたいな気分。 でも、その後の行動に。 "王からの贈物"に。 「…ん……ちょうだい…………?」 舌を出して、受け止めるように。 垂らされたそれを、口の中に運んで。 ぬちゅ、と口の中で転がして、絡めて。 君の顔を、とろんとした目で見つめながらずっと、そうして。 それからようやく、こくん、と喉を鳴らして飲み込んで。 はぁ、と漏れた熱い吐息は。 すこしばかり君の香りに染まっていた。 「ねぇ、もっと……もっと欲しい…………」 上気した顔で、尚も求めるように口を開いて待つ少年は。 さながら、雛鳥のようにも見えるだろう。 (-57) arenda 2022/05/07(Sat) 2:21:07 |
【秘】 優位 リアン → 雛鳥 エルナト「昨日までは、誰も知らなかった。同室の彼とはここ最近までお互いに干渉しないようにしていたからな。 なるべくなら隠しておきたいものではある。気持ちの良いものでもないだろう」 君を含めて、3人だ。たったそれだけの人間しか知らない話。 醜いものに対して人間は態度が変わるものだ。こちらがどれだけ努力しようとも。 「大事だな。 元々そのように育てられたということもあるが、何より自分の気を緩めないためという理由もある」 王であることは、権力のある立場にあることと同時に プレッシャーを常に与えられる立場に就くということだ。 日頃から模範であり、善くあるための努力を欠かさないように。 そういった思いを抱えて。 王で有り続けることを望んでいる。 ▽ (-63) otomizu 2022/05/07(Sat) 2:45:36 |
【秘】 王 リアン → 雛鳥 エルナト強請る声を受けながら、口の中に溜まっていた唾液を与え終えると。流石に何度も、すぐに与えられるものではないから 一度手を離し、自分の口元をハンカチで拭う。 「欲しいのなら、与えてやる。 舐め取ってみせろ。まさか、垂らさないと飲めないなどとは言うまいな」 腕を捲り、傷と痣で埋まりきっている肌を露わにする。 裁縫用の裁ちバサミを取り出せば、一度息を吐いて―――吸ってから。 自らの腕に思い切り突き立てる。 歯を食いしばり、苦悶の声を飲み込んだ。眉を寄せたままハサミを抜き去り、君の目の前に 腕を差し出す。 ぼたり、ぼたりと零れ落ちる鮮血が床を汚していく。 白いブレザーにも、赤が飛び散り 良く映える事だろう。 (-65) otomizu 2022/05/07(Sat) 2:55:51 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「おや、じゃあ意外とレアだ。」 「嬉しいね、王の秘密を知っちゃった。」 「穴倉に叫ばないといけないかもね。」 ロバ耳の王様。 本好きな少年らしいジョークであった。 勿論、実際に口外するようなことはしない。 隠されたものを暴いて広める趣味もない。 「……そう、やっぱり貴族って。」 「そう言うのがとっても、大事なんだね。」 という顔は、此処に来て初めて少しばかり陰りを見せた。 少年と同室の彼が貴族の生まれであるというのは、だれしもに知られている話。 彼も常に模範であろうと、立派な大人であろうとしている。 そのために"治療"を受け、薬の力まで借りて。 「……あんまりわかんないや。」 「肩書き通りに振舞うのって、疲れそう。」 なに一つの重荷も背負ってない少年には、 その覚悟も、プレッシャーも、理解はできないのであった。 ▼ (-79) arenda 2022/05/07(Sat) 16:59:57 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「ぅぁ………」 体を離されれば切なげな声。 しかし給餌がまだ終わらない事を知れば、 はやく、はやくとせびるように自分の体を抱いて。 鮮血が、溢れて。 「あぁ………っ」 という小さな叫びは。 その腕のグロテスクな様相に。 突き立った鋏が齎した生々しい傷に。 ……ではなく。 床に零れてしまったご飯への、悲しみから。 でも、すぐに新鮮なご飯の方に目を向けて。 君の手を、抱くように掴んで。 服が汚れようと気にすることもなく。 その傷を上から、下まで。 這うように、ぬるりとした舌が撫で上げるように。 動いて、血を掬っていく。 「…おい、しい………リアンさんの……とっても…美味しいよ………」 ほんの少し前まで、血を口にするのには抵抗があったのに。 今はもう、何も感じはしなかった。 血を吸いだそうと強く吸い付けば、 君に強い痛みを与えるだろうか。 (-80) arenda 2022/05/07(Sat) 17:07:07 |
【人】 司書 エルナト>>+10 バレンタイン 「…そう、よかった。」 いつも少し眠たげな声。 先日ははきはきとした声。 今はそのどちらでもなく、何の感情もない電子的な声。 どうしたって、いつものように微笑むことはできない。 可愛がっていたペットが、補助具を付けないと 歩けなくなったような……そんな気持ち。 「……謝らないでよ。別にいいんだ。」 「最後まで読もうとしてくれたなら嬉しいな。」 「本は、最後まで読まないと意味がないからね。」 物語なんて、ラスト一ページで急に変わったりするものだから、と。 少し眉を下げながらも、微笑んで。 「……まだわかんないよ。何か起きるかもしれないさ。」 「……そうだ!本、今どこにある?」 「良かったら、読み聞かせしてあげようか?」 結構、初等部の子達にも好評なんだよ、なんて。 今度はしっかりと笑いかけて見せて。 (9) arenda 2022/05/07(Sat) 19:31:32 |
【人】 司書 エルナト>>+11 バレンタイン 「……うん、よかった。」 「君が、ただの器だけになってしまったらって、心配だったけど。」 「ちゃんと君が、そこにいるみたいで、良かった。」 動かぬ体、電子の声。 人と呼ぶには些かばかり冷たくなりすぎてしまったけれど。 でも、きちんと心は君のまま。 それに、何もかもを投げ捨てたりしてるわけでもない。 君が落ち込んでいないのならば。 自分が悲しんでいてはいけないなと、緩く首を振り。 「………それ、図書室から持ってった本じゃないよね?」 「数か月前から転々と帰ってきてない本があるけれど…」 すこしじと……っと君を見て。 それから、大丈夫だよ、と仕方なさそうに笑って。 「じゃあ、探してくるから少し待ってて。」 そうして一度、君達の部屋まで。 何事も無ければそれなりの時間の後、帰ってくるだろう。 (12) arenda 2022/05/07(Sat) 20:08:04 |
エルナトは、パンの香りを良いとは思えないし、味なんてわかりもしないけど。でも、パンを食べる皆の顔は好きだった。 (a20) arenda 2022/05/07(Sat) 20:09:18 |
エルナトは、そこかしこに置いてある本に溜息をついて、目当ての本を探す。 (a22) arenda 2022/05/07(Sat) 20:31:24 |
エルナトは、ベッドの上にあったそれを拾い上げる。今まではここで寝ながら読んでいたのだろうか。 (a23) arenda 2022/05/07(Sat) 20:44:46 |
エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。 (a24) arenda 2022/05/07(Sat) 20:56:48 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「ふ―――叫んだ結果、学園中に秘密が広まったとして。更なる信頼が得られるようになるなら良いのだがな?」 ジョークに乗っかる形で、小さく笑う。 「人に寄るだろうさ。僕はそう育てられたが―――今は、王族から追放された身だ。 僕がこうして王として振舞うのは、自分がそうしたいと思っているからに過ぎない」 望まれてそう振舞う必要がある人間と、そうでなく 自分を肯定するためにそのように振舞う人間の違い。 前者のプレッシャーは酷いものだろう。少しの失敗が人生を成功から遠ざけるのだ。 後者である自分は、実家の人間を反面教師として より善い王となり、見返したい気持ちもありはするのだろうが。 「まだ知らなくても良い事だ。 けれど、全く分からないということもないだろう?図書委員として、相応しい振る舞いを求められたことはないのか? 例えば、普段ズボラな人間でも、図書委員になって本を乱雑に扱うような姿を見せたりはしないだろう」 ▽ (-99) otomizu 2022/05/07(Sat) 21:15:01 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「ッ、ぐ………」 自ら傷付けた腕が、燃えるような熱さを伝えてくる。 額に汗が滲んで、噛み締めた歯の隙間から 時折熱い息が漏れた。 好きなようにさせる。自分はただ与えるだけ。 傷を舌が這う度に、鋭い痛みが伝わって。 「―――ッ」 君の唇が傷口を強く吸い上げる。 声にならない悲鳴のような何かが、喉を通り 外へ出て行く。 強い痛みが信号として伝わると目の前がチカチカとして、壁に空いている方の手をついた。 痛みに慣れていない体は、本能的にそれから逃げようとするが 理性でそれを食い止める。 逃げるなんて、情けないこと。してやるものか。 (-100) otomizu 2022/05/07(Sat) 21:15:30 |
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。 (a25) arenda 2022/05/07(Sat) 21:25:33 |
エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。 (a26) arenda 2022/05/07(Sat) 21:26:07 |
エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。 (a27) arenda 2022/05/07(Sat) 21:26:40 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「そうしたくて振舞う………」 「……そうしたほうが、楽?だから?」 「まぁ……やりたいことをやってるなら、いいのかな。」 一方でおそらくは前者側である彼は。 責任感とプレッシャーに押しつぶされて、そうして。 自分の心の成長を、薬に頼ってしまった。 彼の止まり木になれなかったことは、少し悲しく思う。 「うーん、確かに、肩書………」 「でも僕は、元々本は好きで、丁寧に扱ってたから。」 「あんまり肩書によって、って言うのはないのかも。」 「…あ、でも本が図書室に帰ってきてないと気になったりするなぁ……。」 これが責任って言うものなのかも。 そんな風に考えたり微笑んだりする少年は、 年相応の無邪気な様子であった。 ▼ (-101) arenda 2022/05/07(Sat) 21:37:05 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン一方で、餌を与えられる少年は。 どこか妖艶で、大人びてるような、逆に幼いような。 まるで本当に蜜月の時を交わしてるかのような、その姿は。 やっぱり、そういう姿を見せればより多くの"ご飯"を生み出してくれると わかっていてそうしている、捕食行動の一つでしかない。 「もっと…………もっと…………」 食べれど食べれど収まらない空腹。 甘ったるい声で懇願して、口の周りまで紅で汚して。 ぺろ、ぺろ、浮き出した汗まで丹念に舐め取る。 その細長い指の一つ一つを口に含んで、指の間に舌を這わせて。 それでも全然足りなくて、もっと、もっと欲しくて。 だから。 真新しい傷口に、思いっきり歯を突き立てた。 「美味しい……熱い……好き………リアンさん………好き…………」 ドバっと溢れ出した血を思いっきり吸って。 ぐい、と体を押し付けて、叶うなら押し倒してしまおうと。 愛を語るその言葉もやっぱり。 何一つの感情も灯らない、ただの捕食行動でしかない。 病で歪んだ少年の、ありふれた食事だ。 (-102) arenda 2022/05/07(Sat) 21:47:36 |
【人】 司書 エルナト>>+13 バレンタイン 「ん、じゃあ124ページからかな。」 「結構読んではいたんだね。」 残りはそんなに長くない。 夕ご飯までには読み終われるくらいの量。 例え君から何の反応もこなくとも。 きちんと、最後まで読み終えよう。 それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。 縮まった距離。 文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。 二人で本を覗き込む姿勢になって。 「………うん、いいよ。」 「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」 「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」 にっこり微笑んで。 それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。 変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。 (15) arenda 2022/05/07(Sat) 22:07:39 |
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」 (a28) arenda 2022/05/07(Sat) 22:08:55 |
エルナトは、静かに、読み進めていく。 (a29) arenda 2022/05/07(Sat) 22:09:09 |
エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。 (a30) arenda 2022/05/07(Sat) 22:30:06 |
エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。 (a31) arenda 2022/05/07(Sat) 22:31:03 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「楽ではないだろうな。 敢えて言葉にするなら―――それが夢だったから。だろうか」 だから、自分は苦労こそすれ潰れるような事はなかった。 目標であり、生き方であったから。 もし、君の同室と話す時間があったのなら。相談くらいは乗れたのだろうか。 たらればの話だ。 「そうだな、図書室の利用者が 規則を破っていたとして、それを見過ごすこともないだろう? 他の利用者に不快な思いをさせたくないという責任感は、多少あるはずだ」 そういったものだ、と頷いて。 まだ中等部にいるのだから、気にしすぎる事はないと思うけれど。 それでも、少し何かを知ることが出来たのなら良いと思う。 ▽ (-113) otomizu 2022/05/08(Sun) 0:05:34 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト王を演じている青年は、誰かと恋仲になったことはない。 だから、他の人間を此処まで許したことがなく、誰かに靡いたこともない。 今だって、君に許しているのは食事のための行為だけだ。 だから、君の妖艶な姿にも 他の人間ほど良い反応を示すことはない。 どこか冷めたような目で、君の食事を眺めていた。 気持ち良いわけではない、どちらかと言えば、痛みと感触に対する不快感の方が強くて。 「ぐ、ぅぁ…っ!?」 だから、歯を突き立てられた時には 耐えられず声を上げて。 強く眉を寄せ、君の肩を引き離そうとする。 しかし、血の抜けている細身の体は自分の身体すら支えられず。 君の思惑通り、押し倒してしまう事が出来るだろう。 強く背中を打ち付け、呻き声をあげているはずだ。 「っ、は……お前が、好きなのは……僕じゃ、なくて…… 与えられる、飯……だろうが……」 ぼんやりとした思考でも、感情の入らない言葉には減らず口を返して。 君が満足するまで、結局は抵抗もままならない。 ああ、クラクラする。 (-114) otomizu 2022/05/08(Sun) 0:06:52 |
【人】 司書 エルナト>>+15 バレンタイン 当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。 ありふれた恋物語。 どこにでもある、普通の。 辿るべきところを辿った物語。 きっと世の中の全ての事は、同じように。 何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。 「………?センセイ?」 君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。 だからそれの理解はできなかったけれど。 「……満足できたかな、なら、よかった。」 「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」 「顔くらいは出しておく?」 出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。 そうでないなら、またね、と微笑んで。 本は図書室に戻すため、抱えて。 建物の中へ歩を向ける事だろう。 (16) arenda 2022/05/08(Sun) 0:27:32 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアンたとえ何一つ意味がなくとも、 その捕食行動はやめられない。 食虫植物が、常に虫を誘引する香りを出すように。 ただただ決められた行動を、顔を、声を出すだけ。 服も顔も、君の紅色に染まっていく。 でもそれを気にすることもない。 少年は、非力な方ではあるけれど。 血の抜かれた人間に負けるほどではなく。 引きはがされそうになれば、反発するように身を寄せて。 自分事倒れ込むように、押し倒す。 「何が違うの……?わかんない、わかんないよ……… だって、貴方達は僕のご飯でしょ………? ご飯が好き……リアンさんが好き……すき、すき………っ」 ひと 君と飯の違いが理解できない少年は。 例えば唐揚げを食べて、鶏が好きだというくらいの温度で。 君に蜂蜜のような愛を囁き続ける。 馬乗りに胴体に乗って、顔を寄せて。 「ね、ちゅー……ちゅーしよ……?」 「ちゅーしたい………お願い………ちゅーしたいの…………」 泣きそうな顔で懇願して。 それが受け入れられれば、その薄い色の唇に貪りつくし─── ▼ (-116) arenda 2022/05/08(Sun) 0:36:09 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられないなら。 君の手に持たれたままの鋏を、奪い取って。 「もっと……もっと………っ」 「ぼくをいっぱいにして…………」 振りかざして。 肩に思いっきり振り下ろす。 何一つの躊躇もなく。 牛肉を得るために作業のように牛を屠殺するがごとく。 樹液を出すために木の皮を剥がすがごとく。 傷つけて、溢れたそれに貪りつくだろう。 (-117) arenda 2022/05/08(Sun) 0:40:28 |
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って (a35) arenda 2022/05/08(Sun) 0:44:08 |
エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。 (a36) arenda 2022/05/08(Sun) 0:45:03 |
エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。 (a37) arenda 2022/05/08(Sun) 0:45:36 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタインちなみに、道中にて。 「…ねぇねぇ、バレンタインくん。」 「君の体って、動きはしないけど……」 「汗とか、泣いたりとか……トイレとか」 「そういうのも、完全に機能してないの?」 そんな質問をしたことだろう。 (-118) arenda 2022/05/08(Sun) 0:47:08 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナトまるで、口を汚して食事をする幼児のようだ。と思う。 もしくは怪物か。もう少し綺麗に食べるものだと思っていた。 「はッ……く……」 分からない、と繰り返す君に何かを言いたげな顔をするものの、頭は回らない。 パンを焼いてもらったからと言って、パンを焼いた人間を好きになるものか? 君は、誰の体液だろうが同じことを言うのだろうに。 「、っ……馬鹿を、言うなよ……お前は"家畜に口付ける"のか? それに、僕も……飯を提供する、だけの相手に、唇を許すほど寛容では ない……ッ」 どれだけ泣きそうな声を上げても。 それだけは、 受け入れなかった 。だから、鋏を取り上げる事も出来ず 君に 肩を抉られるのだろう。 思い切り目を見開いて、息の詰まったような声を上げる。 どくどくと溢れ出す鮮血が、ブレザーの肩口に染み出し 君が口に入れ損ねた分は床に広がっていく。 目が霞み、焦点が合わない。体の温度が下がっていく。 けれど、王の矜持か。意地か。君が動きを止めるまで、意識を手放すことはないだろう。 (-119) otomizu 2022/05/08(Sun) 1:08:22 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン今までは、もっと奇麗に食べていた。 そりゃあ、舐めたり吸ったりはしたけれど。 傷口に貪りついて、肉ごと食らいかねないほどに 獰猛に食事することはなかった。 でも ▼ (-122) arenda 2022/05/08(Sun) 1:19:27 |
【秘】 充実 バレンタイン → 司書 エルナト『藪から棒に……まあエルナトにならいいか。 人形にされたわけじゃないから、 そういう代謝?とかはきちんと働いてるみたい。 おむつとか履かされたの何年振りだって話。 あまり言いふらさないでくれよな。 恥ずかしいって思う気持ちだって残ってるし』 顔には全く出せなくなったけど。 (-124) backador 2022/05/08(Sun) 1:27:39 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン 自 分の病 の気持ち悪 さと、病のせい で誰一人真の意味で 愛する事ができないと言 う苦痛と、それらが溜まりに 溜まった結果、重度の過食症にな ってしまって、ただでさえ満足に 取れなかった食事は、常に飢餓を 訴える体を満たすことが難しくて それでも今日まで出来るだけ頑張 って我慢してきたのだけど、もう 限界で、その時に貴方が声をかけ てくれたから、もう、飢えた 獣は貴方に縋るしかなく て、お腹をみたして (-125) arenda 2022/05/08(Sun) 1:35:10 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられない。 苦しい、もっと、もっと食べたいのに。 この飢えを満たして、満たして。 満たしたらきっと、ちゃんと人を人として見る事が出来て、 そしたら僕も普通に人を愛したり、愛されたりできて。 もう親に捨てられるような、気持ち悪い子供でいずに済んで。 だからもっと食べないと、もっと、もっと。 もっと食べるには、こうするしかなかった。 噴水のように溢れる血を、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んで。 やがてその音が徐々に、徐々に感覚を長くしていって。 満腹にはなれないまでも、軽く満たされれば。 捕食行動は、もうとる必要が無くて。 顔を、あげて。 「……リアン………さん………?」 「だい、じょうぶ………?」 ようやく、欲望が覚めてきた頭で貴方の状況を見下ろして。 少年は、もう甘ったるくない声で、そう問いかけた。 (-127) arenda 2022/05/08(Sun) 1:40:47 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン「へぇ……そうなんだ。」 「……そうなんだ……………」 と、相槌を打つ声は。 少しばかりの熱を帯びて。 絶対に逃げない餌がここにいる。 じゃあ次、我慢できないくらいお腹が減ったら。 「……おむつとか変えてあげようか?」 「……なんてね。ふふ………」 ドキドキと高鳴る鼓動。 きっと君に聞こえることはないまま、食堂までの道を歩いた。 (-129) arenda 2022/05/08(Sun) 1:45:10 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト君の抱えている病気が深刻で、生きづらいことは分かっても。 全てに応えられないことが歯痒い。 どんなものでも差し出せる、というには関係が浅すぎるだろう。 今は、自分が提供出来るものを 満足いくほど渡せていればいいと思った。 「……満足、出来たか…?」 声の方向に顔を向けて、掠れた声で問いかける。 大丈夫というには、血が足りなくて。起き上がれないどころか、腕ひとつ動かせない。 (-130) otomizu 2022/05/08(Sun) 2:01:27 |
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。 (a38) arenda 2022/05/08(Sun) 2:06:03 |
エルナトは、人が にしか見えない。 (a39) arenda 2022/05/08(Sun) 2:06:23 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン決して君が悪いわけじゃない。 少年は元から、誰とも関係を深められない。 だって、他人と自分を対等に見れないのだから。 例え長く交流をしていたってきっと、誰かの特別にはなれない。 少年はきっと、救われる術が存在しない。 「うん………だいぶましになった………」 「ごめんね、僕………ご、ごめんね………」 ペットを虐待してしまったような気分だった。 可愛がっていたのに、つい衝動的に。 申し訳なくて、とりあえず傷口を抑えて。 でも、出来るのはその程度で。 「どうしよう………トットくんがいればな……」 「このままだと死んじゃうかな……医務室まで運べるかな……」 床に広がる血が、したことの重さを物語る。 直ぐに安静な場所まで運ぶからね、と声を掛けつつ。 大人を呼ぶか、と思案を巡らせた。 (-134) arenda 2022/05/08(Sun) 2:48:08 |
【秘】 王 リアン → 司書 エルナト「気にすることは、ないだろう……僕が、許可したんだ。 他の、どの体液を提供するより……これが、一番良かったからな」 最善だった。だから、これで君が少しでも満たされたなら良かった。 だが、これと同じだけのものを毎食提供するのは難しい。 輸血用のパックを使うわけにもいかないだろうし、何かしらの方法を考えた方がいいだろうか。 まあ、今は深く考えられるだけの頭が回らないのだ。後ほどの課題になるだろう。 「……実習生の先輩に頼むと、いいだろう。アオツキ先輩、あたりは…親身に、聞いてくれるはずだ」 止血をしてくれているのなら、暫くすれば起きて歩けばするだろうが。 もし誰かを呼んで運んでもらえるのなら、自室前までと指定していただろうか。 「トットは……力仕事が、得意なようには みえなかったが」 ふと、気になったことを尋ねる。 (-135) otomizu 2022/05/08(Sun) 3:15:26 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「それは」 「そうだけど…………。」 その為に人を傷つけてしまったことも。 血を飲むことに、何一つの抵抗が無くなってる事も。 傷つけたのに、心の底からそれを悪いと思えない自分と。 色んなものが申し訳なく感じて、言葉尻は下がっていく。 いずれ自分は、本当にただの怪物になってしまうのではないか、 そんな不安を、抱えて。 「……うん…………わかった。」 「聞いてみる……けど、今はあんまり喋らないで……」 体の負担だから、とぐっと傷口を抑えて。 多少痛いだろうが、我慢してもらうほかない。 きっと後程大人を呼んで、しっかりとした器具で運んでもらうはずだ。 「……トットくんの血を飲むと、回復力が上がるんだって。」 「だからきっと、それを飲めばすぐよくなると思うんだけど…」 本人から聞いた話。 どの道、今はまだ姿が見えないから、叶わぬ話。 (-149) arenda 2022/05/08(Sun) 12:45:24 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「……トットくん。」 ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。 なんとも華やかな右目になっていた。 人によっては怖さすら感じるビジュアル。 「………大丈夫?」 昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。 今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。 (-150) arenda 2022/05/08(Sun) 12:55:09 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「あれえ」 声を掛けられると、ゆっくりそちらを向いた。 緩慢な動作は水にでも浮いているかのようだ。 「エルナトだあ」 「あ〜 あ〜? そだ こないだごめんねえ」 「おはな……あるよお まだ」 そう言って、手に持っていた紙袋を見せた。 「……? あ」 「えへ おれねえ だいじょうぶ! いまふわふわなの んふふ」 「ずっとおはなさいたあとみたい んふ」 (-151) susuya 2022/05/08(Sun) 13:05:45 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。 花の蜜みたいに甘ったるい声。 可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。 「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」 「無事………ならいいけど。」 本当に無事かはおいておいて。 掲げられた紙袋に目を向けた。 お腹が減った。 「それは……大丈夫なのかな?」 「……お花の位置も変わってるけれど……」 「その目の花は、抜けないの?」 ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。 (-152) arenda 2022/05/08(Sun) 13:10:28 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「きのう? きのう……」 「あは んふふ そだねえ! えへー なにしてたかナイショ……」 「……これねえ なんかねー フクハンノー? だって」 「ないてもおはなさいちゃうからなかないでねっていわれた」 自分の右目を抑えてトットはそう言う。 しばらくしたらもどるって、と告げる声には、動揺も感傷も何も含まれていない。 頭に咲いていた花と同じ花。薄桃色がそこにある。 それから、貴方に紙袋を差し出して。 「あげる!」 「おれたち、エルナトにもらってほしーから」 「いる?」 (-154) susuya 2022/05/08(Sun) 16:14:37 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「副反応………」 と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。 何か、されたのだろうなというのだけがわかる。 ……気にしても仕方ない、そう思う。 どの道何かしてあげられることもないし。 きっと、望まれてもいない。 「戻るならまぁ、良かったかな。」 片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。 それから、差し出された紙袋を受け取って。 ふわっと、花の香り。 大事なご飯。 「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」 「………俺達って、前も言ってたけど。」 「君以外に誰かいるの?」 (-156) arenda 2022/05/08(Sun) 16:25:03 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト相変わらずトットはにこにこと笑顔を浮かべている。 にこにこと言うにも力が無く、顔が緩んでいるだけのようにも見える。 見えている左目の焦点も、傍から見れば定かじゃない。 次いで夢遊病でも患ったのではないかと思われても仕方がないくらいだ。 それでもトットは問題なかった。 とっても幸せ だからきっと気を遣われたとしても、どうしてなのかわからないだろう。 「んへへ よかったー! あんしん」 「おとどけしたかったので」 「……おれたち?」 トット以外の誰かは、勿論ここには貴方しかおらず。 それでもトットは 「いるよお」 と言う。「ほら」「ね」 指を差すのは 紙袋。それから、右目。 「おれたち、みんないるよ」「いっぱいいるよ」 「きみにたべてくれてうれしかった」「みんなによろこんでもらってうれしかった」 「おれたちずっとおもってたの みんなのやくにたちたいって」 「みんなのやくにたってみんなのなかにもさくんだ」 「ね」 「おれ おいしかった?」 (-159) susuya 2022/05/08(Sun) 16:48:32 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット夢見心地、がきっと一番正しい表現。 脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。 そんな印象を、抱いてしまう。 それで、君の言葉を聞いて。 指すものを見て。 想像することが正しいかどうか、分からないけど。 蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。 君にとっての花が、そうなのかなとか。 だとしたら、それを食することは。 急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。 それを。 ▼ (-161) arenda 2022/05/08(Sun) 17:09:03 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット…手放すことが出来ないくらい、 少年はもうずっと、追い込まれているから。 紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。 口に運んで、舌先で転がして。 よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。 「…うん、とっても美味しいよ………」 「…君達の事、大好き…………」 熱っぽい瞳と声でそう告げる。 お腹が減った、満たしたい、満たしたい。 「本当は、その目の花も………」 「君自身も、食べちゃいたいくらい。」 君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。 でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。 分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。 (-163) arenda 2022/05/08(Sun) 17:14:20 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「……えへ」「んふ ふふふ」 「は、あは、ははは! ひ 、ひ、っは、あは」「ッ、あ……そ〜お? そおかなっ? あはっ、ははは」 美味しい、大好き、食べちゃいたい。なんて素敵な言葉だろう! しあわせ、しあわせだ。しあわせ。しあわせ。 貴方のその言葉で、トットは自身の身体を抱く。 けれどその仕草は全く恐怖からではなく、……過ぎた幸福感から。 泣くなって言われていたのに、トットの身体に収まりきらなかった幸せが涙となって転げ落ちて。 そこからまた、花が咲いた。 「エルナト」 「エルナトっ、おれあげる」「もっとあげる」「もっと」 「でも、ぜんぶはあげられないし」「じぶんのうでってじぶんできったらだめなんだって」 「だからね、えっと」 「……あった! ハイ!」 貴方にもう一つ、潤む瞳を向けて差し出した。 ▽ (-179) susuya 2022/05/08(Sun) 19:08:51 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト差し出したのは カッターナイフだ。 「ね」 「エルナトがさかせて」「エルナトがおれをさかせて」 「おれじゅーぶんしあわせだしさー もうさかなくていっかなっておもってたけど」 「でもほしいならあげたいじゃん?」 「あ。おれおもいだしちゃった」 「うしやぶたといっしょっていわれたことあんの! おれこんなんだし」 「ほんとにくいものになってる ふふ んふふ」 「でもおたがいきもちよくておいしいならいいよね?」 新品の、よく切れそうなカッターナイフ。 ナイフが取られてしまったから、こっそりしまってあったのを卸した。 この薄っぺらな刃一枚で、互いが満たされるかもしれない。 トットはそう思っている。 「おれのぜんぶはあげられないけど」 「エルナトのすきなときに、すきなよーに」 「おれのこと さかせていーよっていったら どーする?」 (-183) susuya 2022/05/08(Sun) 19:18:52 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット一方でこちらも、多幸感に満たされていた。 食べられる、満たされる。 食べられるものをいくらでも、いくらでも。 それがどれだけ、嬉しい事か。 花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた 最高級の料理のようにも思えて。 だからもう、我慢なんてできなくて。 顔を近づけて。 咲いた花を直接齧って、引きちぎる。 「あぁぁぁ………っ!」 嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。 取り出されたものに、視線を動かして。 ▼ (-186) arenda 2022/05/08(Sun) 19:34:10 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「………いいの?」 指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。 手が震える。 恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。 「いいの?」 荒くなる呼吸。 まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。 好きなものを、好きな時に、好きなだけ。 それより幸せなことがあるだろうか? 「いいの?」 エルナトは、人が家畜にしか見えない。 だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。 だから。 家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。 「いいの?」 だから、そんな事を言われてしまったら、もう。 ……我慢なんてできない。 君の肩口に刃を宛がって。 思いっきり、引き裂いた。 そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。 (-188) arenda 2022/05/08(Sun) 19:40:06 |
【置】 司書 エルナト大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。 園芸部の管理する場所の一つ。 「…………はい、僕がやりました。」 ぼや騒ぎも。 初等部の子への悪質な悪戯も。 2名への 常軌を逸した加害行為 も。「…だって、ただの家畜じゃないですか。」 「あの子達も、貴方達も。」 「ただのご飯じゃないですか。」 ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。 エルナトはまるっきりわからなかった。 エルナトは歪んでいる。 エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。 エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。 大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。 フゴフゴ、という音が聞こえた。 (L4) arenda 2022/05/08(Sun) 19:45:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00 |
【置】 司書 エルナト───家畜と人が違うという事を、学びなさい。 大人達がそう言って、部屋を出て行った。 意味が分からなかった。 ようやく暗闇に視界が慣れてきて、 ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。 「………気持ち悪い。」 エルナトにとって、人が家畜であるならば。 本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、 ただの気持ち悪い生物でしかなかった。 臭いし、不味いし、可愛くないし。 人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに 気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。 「……?な、なに……?」 豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。 (L5) arenda 2022/05/08(Sun) 19:49:00 公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00 |
【置】 司書 エルナトガン! と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。 「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」 なんて、悪態をつき終わる間もなく。 視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。 「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」 「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」 「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」 おかしいと思った。 此処に入る前に、服を脱がされたことも。 何かを体に塗られたことも。 今、こいつらが興奮していることも。 その興奮の象徴を、大きく主張していることも。 人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。 「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!! ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」 叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。 獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。 どこにも聞こえることはなかった。 少年は、人と家畜の違いを知れた。 (L9) arenda 2022/05/08(Sun) 19:56:10 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト近づいた顔に怯みもしない。反応が出来ない。 浮いた頭では反射なんて物は無いに等しい。 だから、急だった。ブチ、と音がして、身体がやっと強張った。 繰り返し問う貴方の声が遠くに聞こえて、 でもすぐに答えられなくて。 目の前が一瞬白んだ。 「…………っ、 !? 〜〜〜〜ッ、うあ 、ッ ッ あ、」血飛沫は無い。代わりにものの一瞬でトットの身体から花が咲き誇る。 切り裂かれた通りに行儀良く鮮やかに咲いた花は、咲いた側から貴方の胃へと収まる。 食い千切られる。 咀嚼される。 嚥下される。 過ぎた衝撃に、快感に、幸福に上げた声は紛れもなく嬌声の類だ。 嬉しいと幸せに塗り潰された頭じゃ自分がどんな声を上げてるかももう分からない。 無我夢中で貴方に抱きつき返して、痙攣して使い物にならなくなった身体を預ける。 「あ、 あぁ …………ッ! っ、! か、は」「える、な」「ぁ とっ ん、 ふ 」幸いか不幸か成長する前に食されていくものだから、疲弊は前より感じられなかった。"治療"の効果もあるのだろうか。咲かずに流れる血もあった。 「あ、あ」「ぅ"、ふぅ、〜〜〜〜…………!」 (-192) susuya 2022/05/08(Sun) 20:06:09 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。 全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。 口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。 君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、 もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。 「トットくん……好き……好きだよ………」 「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」 という愛の言葉も。 ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を 出してくれたからというだけの。 経験に基づく捕食行動でしかなくて。 強く強く抱きしめる。 傷口から血を絞り出すかの如く。 強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。 「もっとちょうだい?もっと……もっと………」 「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」 互いの快楽のために身を寄せ合う様は。 性交と何一つも変わらない様相で。 まだまだ、足りないから。 胴体をザクザクと突き刺した。 満足できるまで、ずっと。 (-204) arenda 2022/05/08(Sun) 20:28:53 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「ぇへ」 「 あ、っ? 」「っ」「っへ、あは! あっ 、あ」もう貴方の声も聞こえていないし、なんの音も聞こえていない。 花が咲くのも、引き千切れるのも、ただ気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 ふやけた瞳から転がる涙から花が咲く。搾り出された血からまた花が咲く。 「ぁ"〜〜っ、ゔ、はぁ、あ!〜〜ッ!ッ!」 「あ、えぅなと、 も、 えぅ、な"」怖くなってきた。何がなんだかわからなくなってきた。 どうしてこんなことになったんだっけ?目の前にいるのは誰だっけ? おれはだれだっけ? はな、 はながさいて、 きもちよくて、 あれ、 あ はなが、 「、」「ぁ」 「♡」「ぇ" へ」 不規則に身体が跳ねた。手足が人形みたいにピンと伸びて、脱力して。段々身体が弛緩して。 「えへ」 「ぁ」「おれ」 何の反応も返さなくなった。 貴方が満足したかどうかもわからないまま。 花ばかりが貴方に微笑んでいる。 (-210) susuya 2022/05/08(Sun) 20:52:27 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) arenda 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) arenda 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |