人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

何が起こったかわからなかった、と言うのが本音だ。

閉塞な牢に突如解放の知らせが届いた
と言う噂を、逮捕者の後方で聞いていた女は、
四方八方に散っていった他の逮捕者達に後れを取り、
気付けば一人、見知らぬ廊下に佇んでいる。

そんな状況だから、偶然か意図的かはさておき、
この現在地すらもわからぬ廊下を歩いていた貴方を
見つけた時は、それはもう見てわかる通り、
明らかに安堵の表情を覗かせて、が、声をかける際は
一瞬緊張したように声を縮めて、話しかけてくる。

「Mi scusi.
 あの、人が解放され出したって本当でしょうか?
 わ、わたし、道がわからなくなってしまって……」

要は迷子であることを明白に伝えるのは恥ずかしいが、
背に腹は代えられず、よりによって洒落た伊達男に対して
道を尋ねる事になってしまったのを恥じるように、
視線が合わず俯いたまま貴方に声をかけている。
(-19) poru 2023/09/27(Wed) 16:28:03

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「ええ、アリーチェ……そう、なんだけれど」

「どこかでお会いしたことがあったかしら?
 こんな色男さんの名前を忘れる事はないと思うのだけれど……失礼ながら、お名前をお伺いしても?」

名前を呼ばれたことで正直に目をぱちり。合わせて頷く。
知り合いかと思って警戒が増すどころか緩む気配を感じる。
とてもじゃないが危機感がてんでないのがわかるだろう。

「私なんて、拷問された人に比べれば大したことないわ。
 この通り、ネイルの一つ剥がれてもいないもの。
 ……陰鬱な気持ちにはなったけれど、それは皆同じだろうしね」

爪を、剥がされている様を見たことがある。
それを裏付けるような話題のあと、無意識に手元を撫でる。

「……幼馴染……テオとニコの事?
 二人とは牢に入れられてから一度も会えてないの。
 この状況にまぎれて脱出してくれるとは思うのだけど……

 二人の友達なら、そっちを心配した方がいい気もするわ。
 私、まだ探したい人がいて……」
(-32) poru 2023/09/27(Wed) 19:31:16

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

 
「エルヴィーノ、今大丈夫……?
 お見舞いに来たんだけど、凄い事、やらかしたって」

ひょっこり、病室のドアから少しだけ顔を覗かせて。
やらかしたとは失礼な事を言いながら、
貴方が目を覚ましているのを確認すると中へと入ってくる。

「銃で撃たれたって聞いた時は本当に驚いて……
 多分、署の全員が間違いなく驚いていたと思うわ。

 ……でも、この騒動が終わりを迎えられたのは、
 エルヴィーノの力が大きいと思う……ありがとう。
 ……先にこれだけは、どうしても言いたかったの」

少しだけかしこまって、頭を下げて、ふわりと髪が揺れる。
牢での日々はとてもいい思い出とはいいがたいものだから、
それをなくしてくれた一員であるあなたに心からの感謝を。
(-33) poru 2023/09/27(Wed) 20:15:17

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
きっと病院についた頃には貴方を見つけ、
付き添っていたであろう女はずっと青白い顔で、
手術の時間、ひたすら神に祈りながら、
ある種の永遠とも思うような時間を耐え忍んでいた。

命に別状はなかったとしても、その怪我の深さに見かけた時は酷く取り乱したかもしれない。

それでもこうして病室へと移された後は少し落ち着いた様子で、ベッドの傍の椅子に静かに座っていた。

「ヴィットーレ、大丈夫?
 やっぱり、ズキズキ痛んだりする?
 ……少しでも、その痛みが分けて貰えたらいいのに」

この台詞も何回目だろうか、と思うくらい、
余りにも状況は目まぐるしく変わり、自分達を苛んで。
3回目にもなる台詞では、前回2回と違って取り乱した様子もなく、あの混乱を終えた後は少しだけ大人びても見える程だ。

「……ようやく、崩れたね。トランプタワー」

#病室
(-35) poru 2023/09/27(Wed) 20:56:29

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-34
「もう、褒めても大したものは出ないわよ。
 ……エルヴィーノは……」

なかなかに、重症だ。一周回って感嘆しそうになるほど、
手術の痕が色濃い様子に、おもわず溜息が零れた。

「男の人はみんな無理し過ぎよ、もう。
 女の人も勿論しているんだろうけど、
 私の耳に入ってきたのは殿方ばかりだったわ」

ベッド脇の椅子にそっと腰掛けながら、病室を眺める。
花瓶にもし花が活けられているならば、
水替えを手伝いながら話の続きを始めるだろう。

「テオと約束?
 まさか、こんな危険な事をする約束を?」

もう、信じられない……と呟きながら少し拗ねたように頬を膨らませて、テオもテオよ。と若干飛び火した怒りが見える。
(-38) poru 2023/09/27(Wed) 21:06:37

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-39
「それで偉業を成しちゃうんだから。男の人ってずるいわ。
 ……心配だって、怒れなくなるもの」

「テオは応援しただけ…?それなら……」

それなら、いいのだろうか。
うーんと唸って、OKの結論が出たらしい。
すっきりした表情に戻った。

「……エルヴィーノも、腕、動かないの?
 じゃあ、警察を続けるのは、難しくなる?
 ……ああ、わたしが落ち込み過ぎても、だめね」

警察として、いや、どの道を選んでも腕がうまく動かないとは苦難の道となるはずだ。それを心配しないはずがない。

「うん、未来の話をしましょう。
 余計に朝ごはん食べたりするの、面倒臭くならない?
 ……やっぱり、皆で交代でご飯持ってこようか?」

先日も考えた案をぽつり、困ったように漏らす。
(-43) poru 2023/09/27(Wed) 21:58:58

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「……よかった。ヴィットーレ、全然大丈夫に見えない時も
 いつも大丈夫って言ってくれるから…
 ……もう、痛い時は痛いって言っていいのに」

心から安堵したように肩の力を抜いて、深呼吸する。
よかった、とようやく"大丈夫"が心に届いたかのように、
安堵感が押し寄せ、つい頬も安心したかのように緩む。

「ヴィットーレの言うことを信じて耐えてよかった。
 ……あの時、焦って動く事が最も悪手だっただろうから」

「って、言っても、私も牢に捕まっちゃったんだけどね」

なんて、ぼそぼそと目を逸らしながら少し引きつった笑い。
それでも捕まった理由は無暗やたらに動いていたせいではないから、これは不可抗力だと言い聞かせるように頷いた。

「……うん。3人の事を探す、と、
 ちょっと関係ある事なんだけど……」

視線がゆらゆらと揺れている。
次に発する言葉は間違いなく貴方には否定される。
そう思えても、ずっと隠し続けるのは"誠実"ではないからと、
彷徨わせていた視線を上げて、
貴方の視線の先、窓の外に向ける。

「あのね、ヴィットーレ。わたしね、
 実は……マフィアに入ろうか、ずっと悩んでるの」
(-44) poru 2023/09/27(Wed) 22:15:00

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-45
「私もそうであってほしいと願ってるわ。
 世界を救うヒーローになったって、泣く子はいて。
 それは大体貴方のそばにいる子になってしまうからそれが心配。
 そういう人がいないならまあ、たまには、ね」

地味に遠回しな「いい人はいるの?」と聞いてきている。
最もいたとしてその人が泣くタイプかは未知数だけど。

「……そう。……リハビリ、大変だっていつも聞くわ。
 少しでも友人として支えになれるかはわからないけど……
 弱音を吐きたくなったら、いつでも使ってね。聞くから」

以前のアリーチェなら確かに落ち込んで、私達のせいで……なんてしょぼくれていた姿を見るのは明らかだった。
それが、どうしたことか。何か心境の変化でもあったのか、
成長する"何か"が起こったのか。少しだけ強くあった。

「……そう、こればかりは難しいわね。
 私個人の意見だと、エルヴィーノには警察に残って欲しいけど…

 ……あら、でも朝食べて行かないと体力もつかないわ。
 腕が動きにくいならせめて体力はつけておきたいじゃない」
(-54) poru 2023/09/28(Thu) 0:10:48

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-57
「あら、あらあら……」

ヒロインかはともかく、の先に、
何か紡がれる言葉があったのだろうと鈍い女でもその意味にはさすがに気付いたようで。
自らの頬に手を添えながら、「エルヴィーノの事を大切に思ってくれる人がいるのね」と微笑む。

「今度よかったら紹介してね」

何て、嬉しそうに笑みを深めて笑う。
のだが、貴方の大切な人はこちらの大切な人の拷問相手と言う有様である。
その事実を知った後に出会うと互いにどうなるか、今は不明なのが恐ろしい。


「あ、あの日は、自分のタイミングの悪さに普段よりも
 落ち込んでいたのもあったりしたからで……
 ……変わった、かなぁ。自分ではいまいちよく
 わからないのだけれど、支えたい人ができたから、かも」

少し照れ臭そうに前髪を指先で弄って、くるり。

「あんなに凄い事をやってのけたのに、朝ごはんの話に
 なると途端に自信なさげになるんだから。
 ん。病院の人の指示をよく聞いて無理なく鍛えてね」
(-108) poru 2023/09/28(Thu) 20:39:08

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「え、へへ……実はまだ腕とかはちょっと痣が残ってるけど、
 でも訓練の時とさほど変わりないくらいの痛さなんだ。
 痛くないとは言わないけど、大丈夫!って言える程度の
 怪我なのは本当だよ。ほら、元気元気」

温かい。昔から変わらないはずのお兄ちゃんの姿に、
何故か頬が熱くなるのを抑えきれずに、
元気をアピールしたもののすぐに気まずげに俯いてしまう。

「守ってくれたおかげだよ」と、よろけた貴方を支えようとした手を下ろしながら、労わるように貴方の傷付いた片腕の怪我のない部分をそっと撫でた。

「わたし、牢にいるだけでもあんなに億劫だったのに、
 あんな環境で拷問まで受けて、ずっと耐えてくれて、
 だから逮捕理由も、貴方の関係で逮捕されたわけじゃないの。
 ちゃんと守り切ってくれてた。……わたしのお兄……」

お兄ちゃん。今まで自然に呼べていたその呼び名。
なのに喉の奥に引っかかって取れないように詰まるから、
少し不自然な間の後、名前で呼び直した。

「……ヴィットーレは、やっぱり凄いよ!」▽
(-126) poru 2023/09/28(Thu) 22:40:23

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「わ、わかって……ううん、こればかりは、
 入ってる人にしか本当の過酷さはわからないだろう、けど。

 でもね、人が死ぬのは今の警察でもそう。
 それに、マフィアじゃなくても貴方に助けられていなかったら、あの時酷い目にあっていたかもしれないし、
 酷い仕事も、今回わたしは選ばれなかったけど……

 A.C.Aに着任していたら、それこそヴィットーレ、
 貴方に酷い事をする命令を受けてたのは、
 ……わたし、だったかもしれないから」
 
強引すぎるとも言える逮捕を実行していた警察組織の名。今回の件で多くのマフィア、警察問わず多くの人間から恨みを買った事だろう。後の報復も視野に入れておかなければならないこの組織に、入らないで済むなんて保証はなかったはずだ。

「勿論大半の警察官は善良な人たちではあるでしょう。それでも警察は安全な組織である保証もなくて、それなら。
 この人は大丈夫って心から思える人の傍に居たい。

 同じ組織なら、貴方に銃口を向けろと命じられる事もないし、……マフィアじゃないとわからない悩みがあるなら、私、なって支えたいって、そう思ったの」

「……でも、本気でヴィットーレの負担になるのなら、マフィアには入らないわ。支えたいのと押し付けたいのは違うから」
(-127) poru 2023/09/28(Thu) 22:41:54

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「え」

ぱちぱち、大袈裟に瞬きをして、

「貴方が噂のルーカスさん!……あ。
 ……って、友人が言ってて……し、失礼しました……ルチアーノさん……」


初対面の人にいきなりあだ名呼びとは、
うっかりとは言えあまりの失礼さに目を思い切り逸らし。

「ニコとテオの妹分?……ふふ、そうなるのかな。
 私としては幼馴染は幼馴染ってジャンルなんですけど……

 ニコに言われたの。情報で困った時はルチアーノって
 男を頼れって。だから余程凄腕の諜報員なのねって。
 ずっとお会いしたかったけれど、私もこんな所で
 会う事になる事になるとは思わなかったわ」

この女は幼馴染二人に絶対の信頼を置いている。
それだけにそこの共通の友人なら、警戒をすることもないだろうとむしろ憧憬の眼差しで見つめている。

はずなのだが、その上でなお、一瞬話していいのかと悩む素振りを見せて、暫し悩んだ末にその名前を答える。

「……ん、いえ、私一人でも……
 ……でも、そう、ね。
……ヴィットーレを、探してて


「私が会いに行った数日前で既に拷問を受けてたの。
 今はもっと酷い事になってるかもしれなくて、だから
 ……手助けをお願い、出来ますか」
(-130) poru 2023/09/28(Thu) 23:06:22

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

「ふふ。声に出してない言葉、聞こえちゃったから」

少し機嫌よさげに笑って、そっか、やっぱりいるのね。
なんて、何も言われていないのに一人話を進める。

「もう、褒めてもお土産しか出ないわよ。

 ……それは、どうかしら……支えたい人ができたからって
 書類仕事が急にできるようになる訳でもないし……
 ……まだまだみんなにはお願いするかもしれないわね……」

言いながら封の空いた小さな紙袋を貴方に差し出して。
中に入っているのはテントウムシのキーホルダー。
男の人が持っているには少々可愛らしすぎる、といったデザインだ。
 
「お守り代わりにでも、と思って」
「フルーツと悩んだけど、エルヴィーノまだ余り食べられないでしょ?腐らせちゃうのもまずいなって」

「そうだ、退屈していない?
 あれなら本でも適当に買ってくるけど。
 ……でも、エルヴィーノならお願いできる人沢山いるかな」
(-133) poru 2023/09/28(Thu) 23:21:00

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-138
「あ、ごめんね。はい」

貴方の左手で自然に取れる位置まで移動して、
改めて大変そうだなと手の様子をまじまじと見つめている。

「ちょっとかわいいの買いすぎちゃったかな……
 って思ってはいるのよ。……不要だったら他の子に
 遠慮なく渡してくれたりしてくれていいからね」

棄ててもいい、とは、貴方は絶対しないタイプだろうから
わざわざ言葉に出したりはしなかった。

「それならお土産、ブックスタンドの方がよかったかも。
 今度持ってくるわね。推理小説好きって格好いいし
 表紙が格好いいデザインが多いものだから、エルヴィーノの為って理由をつけて本屋で選ぶのちょっと楽しみになってきたわ。

 後は最近音声で本を読む、って言うのもあるから、
 あれ、試してみたらどう?お料理の最中とかに
 わたしはたまに聞いたりしているのよ」
(-201) poru 2023/09/29(Fri) 17:50:20

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「まあ、リヴィオ先輩まで?
 警察に仲良しが随分多いんですね。なんだか私だけが
 お会いした事がないの、少し寂しくなってきたわ」

言いながらも拗ねた素振りもなく、笑顔な事から
どうやらこれは軽口の一環らしい。

「……ヴィットーレと親しい、ご友人かしら。
 い、色々ご迷惑をかけてすみません。でも私からもお願いします。病院の手配とか、一般の病棟しか連絡もできないから……」

随分と気の利く男の人だ。なるほど、友人の数にも納得だ、となりつつ、病院への手配が終わると口を引き結んで、まだ痣の残る腕をさすり上げる。

「……悔しいな。こういう時、いつも。警察じゃなければ何かできたんじゃないかと悔やみそうになるの」

「……聞いてないわ。ただ、ずっと私達家族の事を
 守ろうとしてくれてたのは、知ってる。
 ……だから人より拷問されることになったことも」

貴方の言い回しに違和感を感じたのか、尋ねられると困ったように顔を上げる。どう思うか、法案について述べろと人に言われた事は初めてなのもあって。

「……そも、この取締法自体に私は納得していなかったと言うの前提で話すけれど……冤罪が多すぎるのよ。一番最初に捕まった巡査を覚えている?同僚だけどとても投獄される子じゃなかった。

 ただ、私は……私が投獄された罪状は完全な冤罪、だけど。
 ……貴方がマフィアだから答えるけど、取締法の別の罪状に値はしていたと思う。──頑張って隠して来ていたけれど、やっぱり、いつもみたいに駄目だったなぁ」
(-205) poru 2023/09/29(Fri) 18:10:50

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「……ヴィットーレは今、結構偉い立場なんだっけ。
それならそうね。捜査するにしてもマフィアの方面じゃ
入りたてになる私はあまり役に立てないかも……」

「もうひとつ、不思議な諜報ルートを見つけて、それで……」
「ね、……
ふぁい!?


──一緒に、住む!?
今とんでもない言葉が聞こえた気がする。

確かに貴方の思惑通り、傍に居られない心配は
毎日同じ家で共に暮らせば随分と懸念も軽減され、
安心して日々の公務に励みながら人探しもできるだろう。

「わ、わっ、」

なのだが、
ちょっと、今この繊細な乙女の気持ちを抱える女には
些か刺激が強すぎるというか、この気持ちを黙ったまま
一緒に住んでしまうなんて申し訳ないんじゃなんて
色々洪水のように気持ちは溢れかえってくるのだが──

「……いっしょに、くらせるなら……」
「くらしたい、です……」

しゅしゅしゅ、と縮こまって顔を真っ赤に染めつつ。
唇を真一文字に引き結んでいた状態から、
ようやく、その言葉をたどたどしく発した。

わたしのばかばか、誠実ってどこに行ったのよ!
でもいま、実はって告白をするタイミングじゃない気もして、
いえ、そうだとしても心の準備だって全くできていなくて、
結局何も言えなかった自分が情けなくてしかたないの……


それでも答えを変える気はないから、救いようがない。▽
(-206) poru 2023/09/29(Fri) 18:14:27
アリーチェは、両手を顔で覆ってもだもだした。
(a17) poru 2023/09/29(Fri) 18:14:37

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「……わかったわ。マフィアになるのは辞めて今のままに。
 でもね、何があってもわたしは、
 マフィアの味方でも、警察の味方でもなく」

「ヴィットーレの味方だからね」
(-208) poru 2023/09/29(Fri) 18:19:16

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「う、……恋人、じゃないわ。
家族……」


貴方が女の扱いに手慣れているなら、この反応だけで
何を心苦しく思い、何故切なげな顔をしているかも
容易に読み取れはできるだろう。

「血の掟、あまり詳しくはないのだけれど、
 敵対組織と仲よくしてはだめ、とかだっけ?
 ……ふふ、疑ってはいないわよ。贔屓にしてくれてありがとう」

大事にしてくれていたことについても、疑った事はない。
今までのうのうと警察を続けて来られたのだって、
全部彼が大事に守り通してくれたのだろうと信じている。

「……ルチアーノ、何でも知ってるのね。情報屋顔負けだわ。
 わたし、貴方に会えたら諜報の極意を教えてもらうか
 弟子にして貰いたいって思ってたの。……だめかしら」

だめかしら、ではない。あまりに唐突に、もしかしたら
チャンスがあるとばかりに尋ねてくる女、おかしい。

「……困ったわね。少しで済むかしら……
 ……ヴィットーレに関わる件でちょっと、調査をしていて。その過程で色々知ってしまっていて……。

 ルチアーノに会うのもこれが初めてではあるけど、
 "声"は私はお会いしたことがあったわ。私を投獄した日の指示を貴方がしていたのも、聞いている。
 ……これでも魅力的ってまだ言ってくれるかしら」

心配そうに目を逸らす。まさか、それを聞いたのが不思議空間であることまでは説明しなかったが、逆にそれで貴方の会話を盗聴していました宣言になってしまう。
(-210) poru 2023/09/29(Fri) 19:04:19

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「驚かせられただけよかったと思うべきかなここは……
 こっちは毎回神経をすり減らして調査していたのに、
 実際されてる側にはそんなあっけらかんとされるなんて
 安堵はするけど複雑な気分ではあるわね……」

足を止めればこちらも止め、顔を上げて瞳を見つめ返す。

「──勿論よ、ルチアーノ。
 例えこれで魅力が下がろうとも、秘密は守るわ。
 貴方の言う通り、彼に余計な心配もかけたくないし、ね」

とりあえず諜報の件はひと段落付いたか、と。
安堵の溜息を思わずふぅ、と漏らす。秘密と言う形にする事でかえって肩の荷が下りたくらいだ。

「弟子」

弟子。

「先生と生徒でも全然構わないのだけれど、……
 ニコにまでよろしく頼まれてたの?…………もう」

隠せない笑顔が思わず零れてしまう。どうしてそこまでして、私の幼馴染たちは大切にしてくれるのだろうと。それに報いられる女になりたいなと改めて想い直して。

「……よく、言われるわ。危なっかしいって……そんなつもりは、無いんだけど……
 わ、わかったわ!油断は減らすし、迷子にはならない!
 次からはそうなるように最善を尽くすわ、だから……
 将来、恩返しできる人材にきっとなってみせるから
 ……改めて、よろしくお願いします」

深々と頭を下げてから、「やっぱり師匠と呼んだ方がいいかしら?」なんて本気の顔で貴方に質問もしてきた。
(-220) poru 2023/09/29(Fri) 20:45:50

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-216
「……よかった。
 何だかんだ、正直言うと選んだからには、ね。
 喜んで貰えた方が嬉しいから安堵したわ」

両の手を合わせながら喜びを素直に露にする。
この辺りの喜楽の感情を正直に見せる所は昔から変わりのない所で。

「実は推理小説、あまり詳しくないのよね……
 あ、モンタルバーノは私も好きよ!あれ、あれはミステリーの方になるんだっけ……
 だから買おうとした本は一回」

「……警察を、やめる事になる人が少しいそうね。
 こればかりは皆各々の考えだから何も言えないけれど、
 寂しいって気持ちはあるわね。
私が言えた話じゃないけれど…」


なんせマフィアになろうと考えていた女である。
寂しいですら本来言ってはいけない話かもしれないが、皆なら許してくれるだろうとの甘えだ。

「さて、本屋が閉まる前に一度どんな本が並んでるか
 見に行ってこようと思うわ。またねエルヴィーノ。
 次の機会には本をどっさり持ってくるわ」

この女の事だから、加減しろと言うレベルの多さの本を持ってくるかもしれない。
(-319) poru 2023/09/30(Sat) 17:32:14

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「お出迎え……わたし、お出迎えできるんだぁ……
 それは、がんばれる。今までの3倍がんばれる、かも」

わたし、そんないい所を貰っちゃっていいのかしら……
孤児院のみんな、ヴィットーレを独占してごめん。なんて、思わず謝らなければならない気持ちが急に込み上がってくる。

無論アリーチェの理想のお出迎えとは異なったものにはなるだろうが、それでも嬉しいものは嬉しいし、幼心にも抱いていた、少しでいいから貴方を独占したかった気持ちの芽が、ちょっぴり顔を出す。

「実は私、家具とか凄く少ない方で……
 運ぶの、あんまり苦労しないと思う。
 だからヴィットーレのお部屋の内装を邪魔する心配は多分ないと思うわ。
 でも、要望、言っても大丈夫なら……
 ……一緒に家具を買いに行って選んで欲しい、な」

頭を大人しく撫でられて、猫のように目を細める。
くすぐったいと思った。こうして大人になってまで
変わらず接してくれる貴方の優しさに、
相変わらず胸に疼く不思議な感覚に、
その上で貴方をどうしようもなく愛しているという感情全てに。

(-368) poru 2023/10/01(Sun) 0:16:42

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「……あのねヴィットーレ、アメリータのことだけど──」

それでも、重荷のひとつはすぐに下ろされる事だろう。
残りのふたつが下りるのも、もしかしたら
そう遠く遠くの未来の話にはならないかもしれない。
それはアリーチェ達の成長と決意、運や神様の祝福次第だ。

過酷な戦いにはなったとしても、それでもアリーチェは、
貴方の傍に居られるのなら、何度だって。挫ける事は、決して。
(-369) poru 2023/10/01(Sun) 0:18:20