人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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視点:


【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
あーーーーー友くんと金の輪分かち合いてぇーーーーーーーーー
(-6) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 12:21:03

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
青柳くん完全無欠イケメンやなー

そして月とあざらしいんよううううううひへへへへへ
(-8) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 18:18:00

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
インク、夕焼け色のも欲しいです……(氾濫注意報
(-9) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 18:24:58

【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月



  でも、ちゃんと会った時に
  ちゃんと、俺の声で伝えたい。

  ……てか、俺イケメンじゃないし、  
  ザ・陰キャ!って感じだけど……
  嫌じゃ、ないの?



[俺達の逢瀬は傍目にどう見えるんだろう。
 椅子にひとりで腰掛けて、くすくす笑って
 独り言言ってるヤバいやつなのか、
 それとも、このやり取り自体、
 誰の目にも映らないものなのか。]
(-11) シュレッダー 2020/10/05(Mon) 19:03:09

【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月




  ねえ、菜月。



[─────もし、この逢瀬が
 誰にも咎められないものならば。]
(-12) シュレッダー 2020/10/05(Mon) 19:03:54

【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月

[俺は影へと手を差し述べ
 その触れられない輪郭を手でなぞる。
 耳の辺りから肩へと滑って、
 胸から腰の辺りまで。

 多分お互い、なんの感触も齎さない愛撫。
 だけど、この影が一体どんな顔して
 こちらを見ているんだろう、って
 想像するだけで、愛おしくて。]


  逃げてもいいんだよ。


[聞こえないだろうけれど、
 その耳元で囁いた。
 影は逃げてしまうだろうか。
 触れられないから許してくれてるんだろうか。]
(-13) シュレッダー 2020/10/05(Mon) 19:04:26

【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月

[そうして、もし逃げないならば
 触れられもしないほど軽く
 口の辺りにキスを落とそう。

 ボロボロの便箋越しじゃ足りないと、
 「触れたい」と伝えたくて。

 迫る宵闇は温かい。
 とろりと蕩けて、二人でそのまま
 訳もわからず飲み込まれてしまえば
 ひとつになれる気がするのに。]


  なつき。


[闇に飲まれる図書館の中
 愛しげに呟く声が、
 どうか、相手に届きますように。]*
(-14) シュレッダー 2020/10/05(Mon) 19:05:09

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
悶々悶々……
うぇああああああどうしようどうしよう
18歳未満のPCだから
ぶっちゃけ色事無し用のボディメイクしてきてるし
せっ(概念 的なので全然いいよ ってヨキから来てるけど私が発情してしもたぞ
概念で済むのか
ポロリは概念に含むのか
一般書籍レベルならセーフなのか
乳首見えなければセーフなのか
(-16) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 19:58:52

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
しかしNGふみぬきしないかヒヤヒヤである(事前に話し合ったNG セックス)
(-17) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 19:59:36

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
言い換え人狼的な
綺麗に行こう
よし
セーフであれ
(-18) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 20:01:38

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[幸いなことに、図書室はあれからも
 私たちを繋いでくれた。

 友君の文字をなぞる。

 本当、映画みたい。
 2020年とんでもないなって、
 改めて思う。

 今の状況だって十分映画みたいだけど。]
(+0) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:31:35

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[続く優しい言葉を、何度も読み返す。]


 ……ありがとう


[ぽつん、と落とした言葉は届かない。
 他にももっと言葉があるはずなのに、
 どれだけ友君の言葉が沁みてるか、
 声が、表情が届けば、もっと伝えられるはずなのに。
 私にできることは、ただ友君の言葉を指でなぞるだけで。

 友君の文字がかすれなくたって、
 滲んだ視界では見えにくかった。]
(+1) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:32:04

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私は友君に何でも話した。

 チアの魅力、息がぴったり合って、
 会場の観客と一緒に演技を作り上げていく達成感。
 だけど、去年は銅賞になってしまったこと。
 リベンジしたくて必死に練習したのに、
 すべてのイベントが消えてしまって。]
(+2) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:32:28

【秘】 二年生 早乙女 菜月 → 二年生 小林 友



 ──すっごい悲しいんだけどさ、
 心配してくる親には言えなくって、
 しんどい練習なくて楽だわ〜なんて笑ってさ、
 お風呂でめっちゃ泣く。全裸で。

 
(-27) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:36:42

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[アキナを落としてしまったことも。]
(+3) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:37:00

【秘】 二年生 早乙女 菜月 → 二年生 小林 友

 

 アキナは本当に空を飛ぶのがうまくてさ。
 小柄だし、しなやかな筋肉がしっかりついてるから、
 ふらつかずに投げられるんだよね。
 あの子が空中でぱっと笑うと、
 観客の心が一つになるの。

 だけど、私、アキナのこと落としてやれって
 どっかで思ってたんじゃないかな。

 チアの花形ではトップで、
 ベースはどんなに頑張っても、
 降ってくる人間を受け止めても、
 ただ危ないばっかりで。

 考え出したら怖くて、チアやめちゃった。

 
(-28) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:38:12

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[空気を乱さないか、興ざめじゃないか、
 そう怯えて飲み込んでいた柔らかい心も、
 友君なら受け入れてくれる気がして、
 優しさに甘えて、話してしまう。

 だけど、どれだけ心を寄せても、
 私たちの距離は遠い。]*
(+4) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:38:53

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
ねみー一旦ねる
(-29) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:44:01

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
何で平日にこんなに壁作れるんだ……
(-30) kumiwacake 2020/10/05(Mon) 22:50:26

【秘】 二年生 早乙女 菜月 → 二年生 小林 友



 友君こそ。
 今話してる相手は生粋のゴリラだぞ!
 たくさん名前呼ぶと懐きます。


[なつきだけに。
 
 影からは顔立ちなんか分からないけど、
 そんなのはお互い様でしょう。

 だけどそうだね、会った時には、
 たくさん友君の声を聞きたい。
 
世界中の誰とでも繋がれる時代なのに、
 一番話したい人と、話せないなんて。]
(-41) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:25:51

【墓】 二年生 早乙女 菜月



 ……とも、くん


[友君の影が、私に近づく。手が伸ばされて、耳を撫でた。
 耳にかけてくれた髪は、一本だって動かない。
 いくら筋肉をつけたって、輪郭までは女のままだ。
 その丸い胸と腰を、友君がなぞる。]
(+5) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:26:27

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[友君の声も、顔も見えないのに、
 気遣うような声が、表情を、感じる気がした。

 嫌じゃなかった。
 ただ、なんの感覚も無い愛撫が悲しかった。]


 ……ふ、


[影に口づけられると、じんと唇が痺れた。
 
 無いはずの感触に戸惑って、
 ほんの少しの期待を込めて友君を見上げる。
 だけど、鼻先に指先をかざされると、
 触れられなくても痒くなることを思い出して、
 そうだよね、これ以上の奇跡は起きないよね……
 なんて、すぐに落胆した。

 友君はそうやって甘い痺れをもたらして、
 私の緊張をほぐしていく。

 だけどやっぱり足りない、
 友君に触れたい。
 友君に触れてほしい。]
(+6) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:27:06

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私は友君の手を取る。
その手は、空を掴む。

 そのまま、カーディガンのボタンに導いた。
 ハート形の可愛いボタンを、
 私の、
 友君の 
 指が、
 一つずつ外していく。]


 ……ともくん、見て。
 私をもっと、みて。


[衣擦れの音が図書室に響く。
 私の影は、布の厚み分、小さくなった。
 友君に知ってほしい。
 早鐘のように鳴る鼓動も、
 乱れた息遣いも、
 夕焼けの色に染まった頬も、
 何一つ触れられなくたって。

 そのほんの欠片だけでも伝えたくて、
 友君の手を、裸の心に導いた。]
(+7) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:27:36

【置】 二年生 早乙女 菜月



 こうして、じっとしているうちに、
 あざらしはいつであったか、
 月が、自分の体を照らして、
「さびしいか?」といってくれたことを
 思い出しました。

 そのとき、自分は、空を仰いで、
「さびしくて、しかたがない!」
 といって、月に訴えたのでした。

──「月とあざらし」    


 
(L0) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:29:00
公開: 2020/10/06(Tue) 6:30:00

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[窓から吹き込む強い風が、カーテンを引いた。
風は、ヒュー、ヒュー、と
 音を立てて吹いていました。

 うっすらと開いた隙間から、月光が矢のように刺さる。
 いつのまにか、満月が近い。
 
 月明かりに照らされた私たちは、
 確かに繋がっていた。]**
(+8) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:29:35

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
あやべ
うっかり繋がってしまった
概念概念
(-42) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:36:30

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
しかもうっかり喘いでしまった
(-43) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:36:49

【独】 二年生 早乙女 菜月

\*

シャーペンだと何が文字で何がセリフなのかわかりにくいな、失敗した
(-44) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 6:39:53

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
友くんと柔軟体操でいちゃつきてーーーーーーーーー
ギブギブ言われても笑いながら背中ぎゅうぎゅう押したい
あーーーーーーしんど……
(-46) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 8:49:47

【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月



  心配してくれるのはわかるけど……ってこと
  俺もよくあるよ。
  心配してくれててもどうにかなるわけでなし。
  下手に声掛けられて、傷広げられても
  もっと傷付くだけかもしれないし。

  どんなに頑張っても縁の下の力持ちって
  縁の下、だもんね。
  俺も、何も知らなかったら多分
  上の子ばっかり見てたかもしれない
  (⤴ マジごめん!)
  
  もしかしたら自分の中に
  汚い気持ちがあるかもしれない、って
  菜月は言うけれどもさ
  少なくとも「今」の菜月は
  そんなことしないだろ。


 
(-47) シュレッダー 2020/10/06(Tue) 9:46:52

【秘】 二年生 小林 友 → 二年生 早乙女 菜月



  だから、俺は「今」の菜月が好きだよ。


 
(-48) シュレッダー 2020/10/06(Tue) 9:48:38

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
ベンベン……
(-49) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 10:03:55

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
ベンベン……
あーーーー空飛んで行きてーーーーーー
(-50) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 10:12:41

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
>>20 >>21やばい
その間の秘話もやばい
なんでこんなに拾い方うまいんや
なんでこんな上手に寄り添えるんや……
ベンベン……
(-51) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 10:14:04

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
つるぎのまいをありがとう
敵(上司)刺してくる(汚い心
いやこれは強い心だ
(-52) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 10:42:11

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
←上司と闘いすぎて疲れた顔
社会がどんどん私を戦闘民族にしていく
(-58) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 18:41:58

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
>>24 >>25
絵がなー
絵が綺麗なんだよなー
(-59) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 18:42:55

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
>>22
ハートマーク書いて消すの可愛い
ああああああんお別れちゃんとできてないし好きっても言えてない……
(-60) kumiwacake 2020/10/06(Tue) 18:56:11

【人】 二年生 早乙女 菜月

[家に帰ってからも、私たちはやりとりを続けた。
 スマートフォンと違って、通知も一切なかったけど、
 時々、友君が書いている瞬間に立ち会えた。

 そういう時は、椅子とコップをもう一つずつ。
 一人用の勉強机に二人分並べて、
 頬杖をついて便箋を眺めた。]
(26) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 6:16:23

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[あはは、ごめんね。
 お客さんに上の子見てもらうために頑張ってたのに。
 ちょっとすねすねモードはいってた。

 そんなことを、返事に書こうかな。]
(+9) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 6:17:14

【人】 二年生 早乙女 菜月

[青インクと黒炭の染み込んだ便箋に、
 赤いハートが浮かび上がる。>>22
 可愛いの。見ちゃった。
 すぐに消そうとするのも可笑しくて、
 くすっと笑いが漏れる。

 自分のもろさをさらけ出す私に、
 友君はたくさん寄り添ってくれる。
 友君との会話が楽しすぎて、永遠に続いてほしくて。
 だから便箋はぼろぼろで、
 いつか破れてしまうことは分かっていたのに、
 目を逸らし続けてしまった。]
(27) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 6:17:42

【人】 二年生 早乙女 菜月



[終わりの時間は、唐突で。]


 
(28) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 6:18:40

【人】 二年生 早乙女 菜月

[世界の破ける音がした。]


 ……あ!?


[友君、破っちゃったのか。
 便箋、薄くなってるもんね。
 分かっていても、大きな裂け目がメッセージを破くのは、
 ショックな光景だ。

 ちぎれた断面を合わせると、
 もう一度、びり、と破けた。]


 え、うそうそ、 やだ、


[びり、びり、紙がひとりでに破けていく。
 便箋を押さえつけると、手と机の間から、
 一羽の蝶が飛び立った。
 青いはねを一心に動かして、
 透き通った美しい翅脈が見えるほど近くを通り過ぎる。]
(29) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 6:20:42

【人】 二年生 早乙女 菜月

[もう一羽。もう一羽。
 するり、するりと手のひらの下から、
 蝶の群れがあふれ出す。
 友君と私の言葉を含んだ蝶は、
 青い翅をきらめかせ、
 銀の鱗粉を振りまきながら、
 窓から空へを昇っていく。

 月が二つに分かれた。違う、涙でぼやけているだけだ。

 ねえ、待って。
 もう一度だけ時間が欲しい。

 だって私まだ、好きってことさえ言えてない。

 そう蝶に訴えても、一羽だって振り向いてくれなくて、
 
 私達は、ちゃんとお別れさえできなかった。]**
(30) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 6:21:25

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
うぉああやえあえあああああ
(-100) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:25:03

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
あの
あの
言葉がなんかこう出てこないので
ひっくり返ってくる……
(-102) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:25:39

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
あえあえあえあーーーーーー
しんどい……
(-103) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:26:21

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
>>+11 ころすきかよ
あああえあえあーーーーーーー
ほんで煩悩刺激したのちに切ないフェーズ落とすのやめてくれ感情にはな息継ぎってもんが必要なんだ
ちょっと
ひっくり返ってこよ……
(-104) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:28:32

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
>>35
ベン……ベン……
(-105) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:29:00

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
⊂( ⊂  _ω_)⊃ 
(-107) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:33:11

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
べそべそタイム
(-108) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:34:14

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
青窓で
キャアアああともくんんんんんんん!?!?!?!?
ってなった後に
表で
うぉあああああと゛も゛く゛ん゛ん゛ん゛ん゛
ってなる
わかるか わかるな つたわるか つたわるな
(-110) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 19:41:17

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
ベンベン。。。
(-111) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 20:01:31

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
ふてねたいむ
(-112) kumiwacake 2020/10/07(Wed) 20:01:54

【人】 二年生 早乙女 菜月


「せーの!」「あ、い、う、え、お!」「せーの!」「か、き、く、け、こ!」……

[グラウンドに響く声は大きい。
 ちなみに体育館では発声練習禁止です。つば飛んじゃうから屋内はちょっと。
 肺一杯に空気を詰め込んで、おなかの底から声を出していると、頭がぼうっとかすんでくる。華やかさとは裏腹に、チアは地味な反復練習が多い。頭で考えなくても動けるように、ひたすら体に覚え込ませる。何十分も同じ動きをしていると、頭が白く溶けていく。
 そういう時間が、今の私には必要だった。]

「菜月、笑顔! みんなを元気にするのがチアなんだから!」

[指摘されて、にっと口角を上げる。
 笑ったんじゃなくて、口角を、上げた。

 皆を元気に、なんて、私にできるはずがない。
 友君に勇気づけられてばっかりだったんだから。

 細くなった筋肉に、必要以上に負荷をかける。
 生まれたての小鹿みたいに、歩くたびに膝が折れる。]
(41) kumiwacake 2020/10/08(Thu) 5:58:07

【人】 二年生 早乙女 菜月

「ナツキ……戻ってきたのは良いけど、正直、怖いよ。
 前はもっと、休憩時間も騒いでたのに。
 今のナツキは、練習だけしに来てるみたい」


心配してくれるのはわかるけど……ってこと
  俺もよくあるよ。

 友君の言葉がいつも、頭をよぎる。

 なにそれー私すんごい熱心じゃん! なんてはやし立てる。
 笑い飛ばして、無かったことにしようとする。]

「ろくに食べてないよね。
 いくらトレーニングしても、食べなきゃ意味ないでしょう。本当にやる気あるの?」

[そう言ってきた先輩もいた。さすが上級生、よく見ている。
 ウス、先輩ご馳走してくれるんスか? ありがとうございます、なんてへらへら笑ったら、もっと怒られた。
 あーあ、失敗しちゃった。]
(42) kumiwacake 2020/10/08(Thu) 6:00:17

【人】 二年生 早乙女 菜月

[柔軟体操をしていると、アキナと目が合った。
 アキナは一瞬、なんとも言えない表情を浮かべると、何かを言いかける。
 けど、その言葉が出てくる前に、他の部員に話しかけて、結局何も話さなかった。
 復帰しても結局、こんな感じだ。
 あれからうまく話せていない。
 ペアも外されてしまった。

もしかしたら自分の中に
汚い気持ちがあるかもしれない、って
菜月は言うけれどもさ
少なくとも「今」の菜月は
そんなことしないだろ。


「今」の私はどうだろう。
 優しい老夫婦が人魚を売ったように、表と裏はくるくる変わる。
 きっと私もたやすく、良くも悪くも転ぶ。

 チアリーディングはスポーツだ。
 グラウンドの外の花じゃない。技を競う真剣勝負。
 勝利の証は、会場に溢れる笑顔。
 誰かを応援するために、競い、高め合う。

 だから、応援したい人を失ったら、強くなれないのは当然のことで。]
(43) kumiwacake 2020/10/08(Thu) 6:01:13

【人】 二年生 早乙女 菜月

[そんなことは分かっていても、私は必死にチアに打ち込む。
 そうしていないと、友君のことを思い出してしまうから。
 線路や、紅葉や、月や。
 何気ない風景を見るたびに、友君の言葉が思い浮かぶ。

俺も、絵があるのも好き。
  けど、この本は写実的っていうか……
  読んでるうちに頭の中に風景が浮かぶんだ。


 そうだね、友君。
 世界にはこんなにも、友君と拾い集めた風景が散らばっていて。
 何もしないでいると、空を眺めるだけで泣いてしまう。

 自分の体を苛め抜いて、泥のように眠る。
 だけど夢の中では、いつもあの図書室にいて。
 目を覚ませば、友君ともう会えないことを思い出して、べそべそと泣いた。]
(44) kumiwacake 2020/10/08(Thu) 6:02:06

【人】 二年生 早乙女 菜月

「また延長ですか」

[司書の先生が呆れたように言う。
 あれから、図書室と友君の世界は断ち切れてしまった。それでも二週間に一度は足を運ぶ。
 小川未明童話集、「赤いろうそくと人魚」。私が唯一借りた本を、何度も延長する。
 「何か月借りるつもりですか」「卒業する時に買います」「これ備品だから高いよ。アマゾンの本が安いですよ」「この本が良いんです」「もう読み飽きたでしょう」「まだ読み終わってません」
 そう、まだ私はこの本を読み終えていない。
 友君と一緒に読もうと思っていたから。

 きっと、この本を読み終えることは、無い。]**
(45) kumiwacake 2020/10/08(Thu) 6:03:03

【独】 二年生 早乙女 菜月

/*
前髪は無くなりました。
(-137) kumiwacake 2020/10/08(Thu) 6:11:23