人狼物語 三日月国


159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】

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視点:


【秘】 かれがれ ユメカワ → 怖怖 ライカ

/*
ごきげんようダーリン 俺狼なんだけど(再放送)
多分襲撃予定は覆らないので、白々しい襲撃予告を送っておきます。一応。

無事に
今日がお前の命日だ!
を言えそうでオレは嬉しいです 敬具
(-7) unforg00 2022/07/10(Sun) 21:48:20

【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ

/*
再放送ありがとうハニー
必ず死んでやる 絶対に、未来を共にしような!
(-8) osatou 2022/07/10(Sun) 21:57:50

【秘】 不知 ミナイ → 怖怖 ライカ

「夏彦くん」

同級生の薬袋は君の視界に何度も入っていた。
いつも保健室登校だった生徒でも教室にいる機会は少なくない。

性別も普段いないことも家の悪い噂も気にせず話しかけ、
普通に言葉を返してくれる君を好いていた。

「さっきまで、誰かと一緒にいたろう。
 ひどいことをされていなかったかい?」

一人廃墟のなかで白い髪を揺らすその姿は少しだけ幽霊に見えるようなはかなさを持っていた。
(-13) toumi_ 2022/07/10(Sun) 22:10:17
ライカは、廊下を駆ける最中、ミナイの声に足を止めた。
(a7) osatou 2022/07/10(Sun) 22:37:01

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


────びく。

あからさまに、恐ろしいものでも確認するかのように振り向いて
一瞬だけ、幽霊でも出たかと肩を震わせたけれど
よくよく目を凝らし、君の顔を認めれば、安堵を浮かべた。

「……み、薬袋。」

君とは、保健室登校のクラスメイト──と言っても、
教室なり廊下なりで姿を見れば、何気ない会話を交わすような仲だ。

体が弱くて儚げで──体力面では気を使いつつも、
君を極端に特別扱いしたことはない。


「あー……、いや、居たケド。
 何も無いよ。ほんとに、なんにも。」

駆けていたものだから、僅か呼吸は乱れている。
何度か荒い呼吸を繰り返し、君へと向き直った。

「……そっちは、どしたの。
 何か……あったの? 手伝おう……か?」

何かを誤魔化すかのように
からりと下手な笑顔を作って、思い切り話題をすり替えてやった。
(-16) osatou 2022/07/10(Sun) 22:38:05

【秘】 不知 ミナイ → 怖怖 ライカ

「手伝ってほしいことは……
 あっそうだ、バケツを探してほしいんだ」

とってが取れているものや桶のかわりはきっとすぐに見つかるだろう。
薬袋が欲しかったのは探し物をする連れである。

「少し一緒にいてくれよ。
 ……深雪くんのことも聞きたいしさ」

その瞳には、明らかに逃すような甘さは見えない。
ただの興味ではなく真剣に君の眼のレンズの向こうをみていた。

自然と、その手を伸ばして優しく握る。
鋭い視線とはちぐはぐに薬袋は続けた。
(-26) toumi_ 2022/07/11(Mon) 0:00:33

【秘】 不知 ミナイ → 怖怖 ライカ

「――彼にいじめられていないかい?
 一緒にいるためにひどいことをされていない?
 怖いことや、辛い目に遭っていない?

 好きでも、苦しいことってあるじゃないか。
 ボクは深雪くんよりも、夏彦くんの味方だから。

 なにもなければそういっておくれ、安心できる」
(-27) toumi_ 2022/07/11(Mon) 0:00:47

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


「バケツ?
 そんなの何処にでも転がってるだろ……」

とは言うが。
嫌がる素振りはなく、じきに取っ手の取れたぼろぼろのバケツでも発見するだろう。


「……み、深雪のこと?」

──本題だ、とでも言わんばかりに。
君の視線、言葉、繋がれた手。
その全てが自分を逃すまいとして、向けられている。

事実、自分達の別れ話(?)は色々な人を巻き込んでいたり、気を遣わせたりしているようだから
君もきっと、心配や慰めの気持ちを持ってくれているのだろう。

「あ〜……
 うーん……そうだな……。」

……どうしようか。
言うか、言わないか。たった2択。
君の事はそれなりに信用している──けれど、選べずに暫し沈黙。
たっぷり間をかけて、口を開いた。

「……怖い、けど。
 酷くも辛くも……ないよ。
 W何かあったWケド……大丈夫。」
(-31) osatou 2022/07/11(Mon) 1:57:23
ライカは、空いた手を、君の頭上へ向けて。
(a10) osatou 2022/07/11(Mon) 1:57:44

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


弱々しく笑って、
あんまり目線の変わらない、君の頭を柔らかく撫でた。

「僕らの問題だから、
 僕らが何とかする。」

心配はいらない、大丈夫だ、と。
言葉で、温度で、示す。

「あ。」

嗚呼、でも、ひとつだけ。
君に伝えたい事がある。



「……今までありがとな。
 薬袋のこと、結構好きだったよ。」

ずうっと下げていた、カメラの紐へ手を掛けて。
首から降ろせば、君へと差し向ける。
それをやっと手に入れた時の喜び様を、自分が肌身離さず持っていた事を、君は知っている。

「だから、貰って欲しい。」
(-32) osatou 2022/07/11(Mon) 1:59:55

【秘】 かれがれ ユメカワ → 怖怖 ライカ


廊下での出来事から、暫く経って。

空き教室で誰かを待った、そのもう少し後。
君が誰かと話を終えた、そのもう少し後。

君を捜しに行こうと思って、悩んで、でも諦めたくなくて。

けれども広い廃校内を闇雲に捜し回ったってどうにもならないし、
何より、あんな別れ方をしてしまった後だから。
すぐに面と向かって話すのは、また怖がらせてしまいそうで。

──怯えた君の眼が忘れられない。


『怖がらせてごめん』
『できるだけ怖がらせないようにしたつもりだったんだ』
『そのつもりになってただけみたいだけど』


『一つだけ聞きたい事があって』

『夏彦は今、どうしたいと思ってる?』

だから結局、君に問い掛けるのは画面越し。
そんな文章を送信して考える事は、返信が来なかったら──

きっと言葉が足りない。
きっと時間が足りない。
君と言葉を交わせるこの時間が、いつまで続くかもわからない。
だから消極的になっている余裕なんてもう無いんだ。
(-45) unforg00 2022/07/11(Mon) 3:23:56

【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ


──画面の向こう側。
またグループLINEが鳴っているのかとスマホを確認すれば
君の名前が目に入る。

君を傷つけてしまった、だろうか。
それはそうか。無理もないか。
僅か思い悩んで、文字を打つ。

君がWひとのそとWへ成りかけていたとしても、気付く筈もない。
だって君は、大切な君のままなんだから。

覚悟を、決めなきゃ。





『僕こそごめん』
『もう大丈夫』

『どうしたいかって』
『深雪と居たい』

『今どこにいる?』
(-55) osatou 2022/07/11(Mon) 14:26:10

【秘】 かれがれ ユメカワ → 怖怖 ライカ


あの時、あの場所で、逃げ道も無く。
死への恐怖と死者への感情を天秤に掛けざるを得なかった。
そんな君の言葉を信じて疑わなかったのは、きっと身勝手な盲信。
けれど傷付かなかったと言えば、嘘になる。

それでも悪い事ばかりではなかった。
事実君からの拒絶で足は竦み、何もかもが遠い世界の事のようになって。
どうして、ただそれだけしか考えられなかったけれど。

その絶望の深さも、それでもなお諦めたくないと思った事も
きっと君が好きだという事の証左だと思えた。


理不尽な死は、この場所に吹き溜まる幾多の想いは
ただの人だったものの在り方を少なからず歪めてしまった。
それでも、君を好きだと思う気持ちだけはずっと変わらないままだ。


『三階の、階段上がってすぐの教室』

迎えに行こうか、と打ちかけて、やめた。
君から来てくれたら、それ以上に嬉しい事なんて無いから。

画面をタップしてアプリを閉じれば、壁紙は二人で撮った写真のまま。
液晶はひび割れ、ところどころが血で少し汚れている。
虚像が剥がれ落ちて、あるべき姿に戻りつつあるその様に暫し目を伏せて。
窓枠に座り、僅かに明るくなりつつある遠くの空を見て、君を待っていた。

夢の終わりが、少しずつ近付いている。
(-64) unforg00 2022/07/11(Mon) 17:49:47

【秘】 不知 ミナイ → 怖怖 ライカ

「キミと居ればいいバケツが見つかると思ってね。
 ありがと」

とん、と隣に寄ってその言葉に耳を傾ける。
おおよそ予想した言葉と、ちょっと意外な言葉が聞こえてきた。

一度目を伏せて、撫でられるその感覚を名残惜しく思うように
そっと手を伸ばした。


「二人で解決してしまうんだ」

「なんだか、そんな気がしてた」


嫌だなあ、辛いなあ、寂しいなあ。
なんだか永劫のおわかれみたいな気分でさ。

(-66) toumi_ 2022/07/11(Mon) 18:13:10

【秘】 不知 ミナイ → 怖怖 ライカ

 

「どうしてこれをくれるんだい。
 相談がないことに怒っているとでも?

 随分長いこと写真を撮ってるその姿とか、
 彼のことを当たり前のように話すその表情を見てきたのに。
 この先も同じように思い出は作るべきじゃないのかい?」


――敢えておかしい言葉をかけてみる。
既に薬袋は"わかっている"。
これがちぐはぐで、的外れな疑問であることもわかってる。


だから、とそのカメラを受けとって肩を揺らす。

「こんなプレミア物」

「返せと言っても返してやらないぞ?
 ボクだってキミの事が好きなんだから」
(-67) toumi_ 2022/07/11(Mon) 18:14:32

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


「……写真に残せるのか、分かんないからさ。
 壊しちゃったら、僕だってヤだし。」

自分が、自分達が、何をするのか。
自分が何を危惧しているのか。何を想定しているのか。
……きっと、君は理解っている。

だから、これ以上何も言わない。
困った様に眉を下げて、笑ってやった。


肌身離さず、いつだって側に置いていたそのカメラには
今まで撮ってきたデータが詰め込まれたまんま。
彼の笑顔だとか、何気ない景色だとか、廃校の理科室だとか──クリスを撮ったW心霊写真Wだけは、消してしまって残っていない。

「そんで、多分、もう使わないし。
 それならさ、誰かに持ってて欲しくて。」
(-76) osatou 2022/07/11(Mon) 19:59:56
ライカは、お気に入りのカメラを、手離して
(a24) osatou 2022/07/11(Mon) 20:00:26

ライカは、やっぱり下手くそに、笑った。
(a25) osatou 2022/07/11(Mon) 20:00:51

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


高校生が買うには、ちょっと高価なカメラ。──それが確かに、君の手に渡る。

なんとなく、
自分が生きていた痕跡を残しているみたいな気分だ。

「そのW誰かWは、
 薬袋が良いなと思ったんだ。」

自分だって、君の事が好きだ。
それは勿論、友情に近い感情だけど。
W特別Wと括るには、十分なほどの大きさ。


「……じゃあ、そろそろ。
 行ってくるよ。」

君と出会えたお陰で、少し心の整理ができた。
……ちゃんとW見出しWて、笑って、彼の元に行けそうだ。





  「
ばいばい。
(-78) osatou 2022/07/11(Mon) 20:01:35
ライカは、君に背を向けて、階段を登っていく。
(a26) osatou 2022/07/11(Mon) 20:02:39

【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ





君のメッセージに、既読だけが付いて。
返事は、無かった。

(-83) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:11
ライカは、階段を登る。古びた木が、きしりと音を鳴らす。
(a28) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:30

ライカは、体が軽い、気がする。カメラひとつ分の重みがないから。
(a29) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:37

ライカは、行かなければならない。彼が好きだから。
(a30) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:50

ライカは、……ほんとは、まだちょっと怖い。
(a31) osatou 2022/07/11(Mon) 21:24:01

ライカは、きっと今なら、W見出せているWと思う。
(a32) osatou 2022/07/11(Mon) 21:24:11

【秘】 夢の先 ライカ → かれがれ ユメカワ


3階の、階段を上がってすぐの教室。
ぱた、ぱた、からり──床板とドアが鳴って、
君の前に再び姿を表す。

お気に入りのカメラは、手中にない。
これが自分なりの覚悟で、誠意。のつもり。

「おまたせ、
 ………さっきは、ごめんな。」

もう、怖がったりしないから。
だから、君の側に居させて欲しい。





 ──君以外の全てを、捨てるから。


「好きだ、深雪。
 僕も、ずっと一緒に居たい。」

宵闇の空が、白んでいく。
ぼやけた月明かりに照らされる君が、あんまりにも綺麗で。

惹かれる様に、君の側へと、歩み寄る。
辿り着けば、いつもみたいににっと笑ってみせた。

もうその瞳に、恐怖はない。
(-84) osatou 2022/07/11(Mon) 21:25:37

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ


「そういって、ボクが黙って送り出すと思ったのかい」

手を振っていそうな台詞を言うキミを言葉で繋ぐ。

「見送る言葉を易々と言うと……?」


なにも遠慮を感じさせなかったキミ。
隠しきれない少年らしさと、男の子らしさ。
それでも可愛いところもあって、一緒に笑ったり。
確かに自分の青春はキミのと隣にあった。

幼馴染みというほど近くはなかったかもしれないけれど。
ずっと一緒だったのだ。
ずっと見ていたのだ。
(-89) toumi_ 2022/07/11(Mon) 22:04:03

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ


「生きてくれよ」

「夏彦くん」

「寂しいよ、辛いよ、悲しいよ」

「ボクに、キミたちを置いて行かせないでくれ」

初めて見せた、生きて居るキミに見せる悲しげな表情だった。
誰かの死を聞いても、一人の時も崩さなかった穏やかな表情を崩して、その背中に泣き言を言う。
(-90) toumi_ 2022/07/11(Mon) 22:04:24

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ

「嫌だ。特別だとか、恋がなんだよ」

「一番近かったキミがいってしまうなんて」

「このぽっかりあいた穴の代わりなんていないんだよ」

「だって、キミはキミだから。

 ずるい、一緒に居てくれるひとがいるなんて。
 ずるい、ボクだってキミ達が欲しかった。
 ずるい、」

人の物が欲しいなんて、嫌な言葉を言わないで。
それの何が悪いんだ、好きな人の好きな人を好きになって何が悪いの?

どうして二人とも一緒にいなくなるの。
(-91) toumi_ 2022/07/11(Mon) 22:05:02

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ


一人で、そのカメラを抱きしめる。
そのまま呼び止められなくたって構わない、だけど、

「……でももう決めたと、言うなら。
 一切、責任も、何もとらないなら」

いやだから、見たくないから。そのまましゃがみ込んだ。
少しだけ、ほんの少しだけ休憩をしよう。

せめて。
(-92) toumi_ 2022/07/11(Mon) 22:06:22

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ


「もう、振り向かないでくれ」



友情、親愛、大好きだったキミに。
やっぱりこんな言葉しか言えない。
(-93) toumi_ 2022/07/11(Mon) 22:07:26

【秘】 夢の先 ライカ → 不知 ミナイ


振り返る事はしないけれど、
少しだけ、足を止めて。

知っている。君のWいつも通りWを。
故に、君のおかげで固まった決意を、僅か揺らがせて。


「……責任なんて、
 誰のものも取れないよ。」

ただ一人を、選んでしまったから。
たった一人だけを、隣に選んでしまったから。




「ねー薬袋、」
「笑って見送ってよ。」

君が笑ってくれないと、
僕だって泣き出してしまいそうだから。

「……さいごの、お願い。
 もうこんな事言わないからさ、聞いてくんない?」

覚悟は、折らない。
君の望みは、叶えられない。

今君は、どんな顔をしているのだろう。
(-96) osatou 2022/07/11(Mon) 23:30:05

【秘】 夢の境 ユメカワ → 夢の先 ライカ


小さな足音が、一人分。

夏の夜の空気と、夜明け前の物寂しさの中。
聞こえた軽い音は、確かに待ち人の訪れを告げていた。
それだけでどうしようもなく嬉しくなるくらい、やっぱり単純だ。

「……夏彦」

名前を呼んで、そっと君と向き合って、いつもと違う事に気付く。
ああ、ずるいな。俺が証明できる事なんてそう多くないのに。

「俺、やっぱり頑張るのは下手くそみたい」

「さっきだって、やり直そうとして、また空回って」

「そんな俺でも、いいの」

なんて、聞いたら決意を鈍らせてしまうかな。
まっすぐな月白色。君の瞳と目が合って、
ちょっと困ったように、けれども自然と笑みを返した。

思えば、始まりも君と目が合った日の事だった。

周囲の同年代とは少し違う雰囲気。少し違う距離感。
それが何だか気になって、駄目元で話し掛けたのが初対面。
実のところ、鬱陶しく思われてしまわないか少し不安だったから。
だから君がこっちを向いてくれたのが本当に嬉しかったんだ。

切っ掛けは、本当にただそれだけ。単純だって笑われてしまうかな。
(-105) unforg00 2022/07/12(Tue) 6:13:47

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ

「…………苦しむ、時間が……長ければ、」
「それだけ恐ろしく思う時間も長くなる。」
「即死とか、それに近い死に方なら」
「きっと怖がらせないんじゃないかな」

「一緒なら、飛び降りても怖く無いかも」


「…よく、なくても。俺も、夏彦の事が好き」

座っていた窓枠から降りて、一度教室の床に足をつけて。
今はすぐ傍の君に我儘な愛を囁くだけ。
三階の高さは、ちょっと心もとないから。

「諦めたくても、諦められないくらい──大好きで、
 愛してるから、離れたくない。離したくないから、だから…」

「今度は、一緒に死のういこうか」

思い返すのは、猫が屋根の上で月を見上げている写真。
屋根裏に行ったらしきあの子が撮った写真。
屋根に開いた穴からなら、校舎の屋根の上に出られそうだった。
(-106) unforg00 2022/07/12(Tue) 6:15:11

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ

/*
というわけで結婚式と書いて死因の相談なんですけど
飛び降り心中or絞殺リベンジorその他(なんも考えてない)
 の三択くらい
人生に一度の晴れ舞台だし好きな死因を選んでくれな 要望は最大限聞く

個人的には飛び降りで上手く頭からいって即死だと
死因がお揃いになって激アツです
(-107) unforg00 2022/07/12(Tue) 6:19:49

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ

「お願い、お願いか」

ボクが何も手に入らないお願い?
ああ、でもいまここにあるじゃないか。

あの子が欲しがった、あの子が紡ぎたかった大切なカメラと思い出を貰ってしまった。

ここまで大きな対価があるか?

嬉しい
嬉しい
。ずっとほしかったとくべつ。

キミの声の裏で見える命の灯火が、
このたからものを鉄屑にしないことを物語っている。

「――わかったよ、キミのお願い叶えてあげる」

いつも通りだ、いつも通りで良い。
(-122) toumi_ 2022/07/12(Tue) 13:37:52

【秘】 不知 ミナイ → 夢の先 ライカ



「ほら、ボクのかわいい笑顔だ。
 君にもあの子にも負けないから。

 
知らずままそのまま脳裏に焼き付けていけ
(-123) toumi_ 2022/07/12(Tue) 13:38:13

【秘】 夢の先 ライカ → 不知 ミナイ



「───はは、」

振り向くな、と言われたから
君の笑顔を拝むことはない。
見たかったな、なんて思ったのがバレたら
彼は拗ねてしまうだろうか。

「叶えてくれてありがとう、
      僕の大事な友達よ。」


君に贈る言葉は、たったそれだけ。
だけど良いだろう、長々話せば、決意が揺らいでしまいそうなんだ。


そうして、止めた足をまた動かして
古びた木の階段を、一段ずつ踏みしめていった。
(-151) osatou 2022/07/12(Tue) 20:20:16

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


君のすぐ隣は、自分の定位置。
頭ひとつ分高いところから、君の声が聞こえるのが、酷く心地良い。

笑い合えば、Wいつも通りWみたいな空気が流れていって
それがなんだか懐かしくて、また笑った。

「どんなでも、良いよ。
 だってそんな深雪が……す、好きなんだから。」

ああやっぱり、慣れないな。
歯の浮く様な台詞は、何度吐いても照れ臭くて。
いつか自然と言える日が来るかな、なんて考えてたけど、どうやら来ないらしい。

「……もう、一人にしないから。
 空回っても、ダイジョーブでしょ。」





幼い頃は、ちょっと体が弱くて。
自分の為にと越してきた先が、この広大な田舎で。

初めはうまく友達が作れなくて、ずっとカメラばかり触ってたから
君が声を掛けてくれるよりも、ずっと前──インスタントカメラを持っている君の姿を見つけてた。

思い返せば、きっとあれが一目惚れ。
(-154) osatou 2022/07/12(Tue) 21:05:38

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ



「……あのさ、
 この町の──夜景が見たい。
 いちばん高い所から、二人でさ。」

自分達が出会って、関係を育んで、
生きていた景色が見たい。
カメラは置いてきたから、
レンズの代わりに、自分の目で。

「この校舎あんま高くないし
 灯りも少ないけど……まあ、
 ギラギラしてるよりは綺麗だと思う。」

最期の、デートの誘い。
自分から何か切り出すのは、数えられる程しか無かったから
さいごくらい、自分から。




「……深雪と見たいんだ。」

そっと君へと、手を差し出す。

屋根の登り方なんて知らないけれど
少しだけ格好付けるくらいは、させてくれ。
(-155) osatou 2022/07/12(Tue) 21:06:37

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ

/*
バタフライ今日は今までの
どんな日々より美しい

飛び降りていこうぜ
結婚死き、しような!
(-156) osatou 2022/07/12(Tue) 21:09:11

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


ああ、少しずつ、いつも通りが戻って来た。

君が隣に居て、こっちを見てくれて、笑い掛けてくれて。
ちょっとずるい言葉を掛けても、気恥ずかしくたって
ちゃんとこたえてくれるから、つい君の優しさに甘えてしまう。
少し背伸びをする君が、どうしようもなく愛おしくって。

たったそれだけの なんでもなくて、かけがえのない日々。


「………あは、じゃあ、…このままでも、いいのかな。」

「…うん。俺、夏彦が居ないとだめみたい」

寂しがり屋だから、を免罪符にして、図々しく誰かの傍を陣取って。
毒にも薬にもならない言葉を吐く事なら、いくらでもできるけど。
努力は下手で、取り柄は無くて、得意な事は人に甘える事、くらい。
結局はそんな人間だ。

また甘えてしまっていいのかな。
なんて、今更なんだろうけど。
(-181) unforg00 2022/07/13(Wed) 1:28:58

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


「いいよ。見に行こう、二人だけで
 どうせ怒る人なんて居ないから、屋根まで登っちゃおう」

「同じ場所で、同じものを見よう。
 嘘のない、ありのままの綺麗なものを見に行こう。
 きっと今なら、それがよく見えるから……」

自分達が生きていた事も、想い出も、過去になっていくけれど。
現実はきっと、自分達を置き去りにしていくけれど。
これからは。ずっと変わらずに、二人一緒に居られるから。
ずっと、同じ場所で、同じを見ていられるから。

カメラが無くたって、楽しくないから、写真が撮れなくたって。
今を今のまま、切り取る事はできるから。


「………夏彦、」

差し出された君の手に手を重ねて、

──ぐ、と引き寄せて、不意打ち気味に唇を重ねた。
できるなら、ただ触れ合うだけよりもずっと深く。
理由は単にやり返しておきたかったのと、それと。
今しておかないと、終わりを先延ばしにしてしまいそうだから。

だからきっと、これがちょうどいい。
少ししたらちゃんと仕切り直して、
また格好付けてエスコートしてくれるかな。
(-182) unforg00 2022/07/13(Wed) 1:30:22

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


「──……〜〜っ、!?」

懐かしい唇の感触。目を見開いて、次にぎゅっと閉じて。
──もっと、と、唇を薄く開いて、控えめに舌を絡めていく。
静かな教室内に似つかわしく無いリップ音を立てて。

「……、ん、」

自分達が付き合って、だいたい一年くらい。深いキス。君と数えきれない程交わした筈なのに、上達しなかった、とぼんやり思う。


───暫く、そうしていて。
 息苦しさに胸を叩いて、どちらからともなく唇を離す。

「……やるなら、やるって、」

ちゃんと言ってよ。なんて、どの口で言うのか。
君をじとりとねめつけて、それでも繋がれたままの手を引けば

「……行こう死のう
 僕が居るから、大丈夫。」

もう離さないから、命を終わらせに。
夢の先へ、向かう為に。


さて。
「や……屋根って、
 どう行ったら……良いんだろな。」
(-189) osatou 2022/07/13(Wed) 11:31:08

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


ふたりきりの教室に、微かな吐息と濡れた音。

そっと舌を重ねて、優しくその輪郭をなぞって、深く深く。
薄い粘膜同士で触れ合って、誰よりもずっと近くで君を感じられる。
どうしようもない多幸感でじわじわと満たされていく。
それでももっと欲しくなる。


「………あは、」

そうしている内に、とん、と胸を叩かれて。
名残を惜しむようにゆっくりと唇を離して、息を吐く。
いつになっても君の息継ぎは少し辿々しくて、
だからいつも音を上げるのは君が先だったな。

「俺、夏彦と同じ事しただけじゃん」

先に不意打ちしたのはそっち。
なんてのは、子どもの言う屁理屈みたいなもの。
君の様子は想定内で、手を引かれながら、目を細めて笑った。

繋いだ手は、今度はきっと、恋人同士のかたち。
今度こそ──同じ夢を見て、その先へ。
(-198) unforg00 2022/07/13(Wed) 14:01:54

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


「ここ出て右の方の突き当たり、」

廊下の隅、目立たない階段。
普段使われる事の少ない場所だろうし、それはそうだよな。
一度見に行って、そんな事を思ったのを覚えている。

「から、屋根裏に上がれて。
 屋根に穴が開いてるみたいだから、
 適当に何か積めば屋根の上に出られると思うんだけど」

屋根裏に無造作に積み上がった箱や瓦礫は、
猫にとっては階段のようなものだっただろうけど。
人間が登ろうとしたら、少し頑張らないといけないだろうな。

「連れていってくれる?」

とぼけたふりして先導はせず、
さいごのデートは君に手を引いてもらおう。
だってほら、君達に甘えるのは俺の特権だからさ。
(-199) unforg00 2022/07/13(Wed) 14:02:22

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


同じではない気がする。いつだって君の方が一枚上手だ。
……なんて言ったところで、水掛論。

「………もう。」

仕方ないな、と独りごちれば
五指を絡めた手を引いて、君の言葉の通りに空き教室を後にする。

「連れて行くよ。
 離さないからさ、安心して。」

ここを出て、右の突き当たり。
廊下の隅の目立たない階段。
屋根裏に上がる──前に、音楽室からパイプ椅子を拝借してやった。
足りなければ、瓦礫でも何でもかき集めてやればいい。

「さっきセンパイと来た時、
 階段なんて見逃してたな……。」

情けないけれど
君以外見えていない、証左。

さて。
パイプ椅子を引き摺って屋根裏へと登れば、確かに上へと続く穴がある。
ぎし、とパイプの鉄錆を鳴らして踏み付けて、屋根の上──いちばん高い場所へと辿り着くだろう。

君を先導して、手を引いて。
存分に甘やかすのは、僕の特権。
(-241) osatou 2022/07/14(Thu) 1:15:18
ライカは、君を連れて行く。
(a81) osatou 2022/07/14(Thu) 1:15:42

ライカは、「足元、気を付けて。」
(a82) osatou 2022/07/14(Thu) 1:16:53

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


───屋根上。
星空にいちばん近い場所。

落ちてしまわないように、確と足腰へ力を込めて
ゆるりと屋根へ腰を下ろす。勿論、君を隣へ誘って。

「……カメラじゃ、
 上手く撮れないんだよね、星って。」


電気の灯りが少ない町では
夜空に星々が力一杯煌めいていて、
そうして、大きな月が、僕たちをいっとう優しく照らす。

まるで二人の選んだ夢を、
見守ってくれるみたいだ。

「……綺麗。」

星空、それから君が。
僅かに残る死への恐怖を、全部飲み込んでしまいそう。

「夜景は、見に行った事無かったよね。
 夜は……いつも、家で……、だったし…………。」


……もう少し。
もう少しだけ、デートを楽しませて欲しい。
これから踏み出す一歩は、あまりにも大き過ぎるから。
(-243) osatou 2022/07/14(Thu) 1:17:23

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


仕方ないな。
隣から聞こえた言葉は期待していた通りで、嬉しくて。
また一つ笑みを零して廊下を行く。一緒だから、大丈夫。

途中踏み台代わりに椅子を拝借して、そうして──


一歩、そして一歩、そしてまた一歩。
ふたり階段を上るたび、少しずつ最後の一瞬へと近付いていく。
屋根裏に辿り着けば、軋んだ音を立てて、また一つ上る。
椅子を踏んで、君が引く手に行き先を委ねて、屋根の上へ。

終わりの先へ辿り着く為に。
(-244) unforg00 2022/07/14(Thu) 3:45:30

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ

そうして校舎の外へと出てしまえば、
静かな夏の夜の空気は先ほどまでよりずっと澄んだものに感じて
月明かりだって差し込むだけのものよりもっと明るくて。
屋根の上に居る特別感も合わさって、違う世界に来たみたいだ。

「ん……撮るのも忘れちゃいそうなくらい、」

傾きつつある月は、手を伸ばせば届きそうなくらい近くに見えて。
その後ろでは大小さまざまの星がまだ暗い空を飾っていて、
高層建築も少ない土地だから、そんな空が遠くまでよく見える。

君の隣で見るこの景色が、この時間が、ずっと続けばいいのにね。


「きれいだね」

それだけを言って、隣に座る君にそっと肩を寄せた。
ずっとは続かない。この先に行かない限り、それは叶わない。
けれど、けれど、せめて。
記憶の中に切り取る今が、少しでも多くなればいい。

「………あは、いちゃいちゃするのに忙しかったね?
 俺は夏彦の事を構う方が好きだし、何より二人きりの時は
 普段よりもっと可愛いから。別にいいんだけどね…」

声を潜めて囁くように、ちょっと意地の悪い言い方をする。
レンズ越しじゃない君の月白色の瞳が、
自分だけを見ているのは、事実とっても気分が良かった。

これからもそうなるのだと思えば、
やっぱり諦められそうにはない。まだ少し、時間はあるけれど。
(-245) unforg00 2022/07/14(Thu) 3:49:29

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


君と当たり前みたいに隣り合って、
綺麗なものを綺麗だと、好きなものを好きだと言って
まるで普段と変わらないW日常Wを、味わって。

レンズを通さずに見上げた空は、いつもよりも綺麗に見えた。
嗚呼、これから死ぬんだ、なんて。実感は未だ湧かない。


「か、わいいって……僕が………?」

そうして、君のストレートな言葉には、むっと眉を顰める。
可愛がられるのも嬉しいけれど、
他の誰でもない君には、もっと───

「格好良いとか、頼り甲斐があるとか
 そういう方が嬉しいんだけど……?」

……そっとその横顔に、頬に唇を触れさせて
意地悪には、不意打ちで仕返してやった。

(-278) osatou 2022/07/14(Thu) 20:04:32

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


そんなふうに君と笑い合って、戯れて。
どれだけの時間が経っただろう。

軽口から、意地悪、愛の言葉まで。
伝え合って、何となく互いに言葉が止まる頃。

「………、」

そろそろかな、なんて
誘うように両腕を広げて、君をまっすぐに見据える。




「好きだよ、深雪。
 ずっと……一緒に居よう。」

太陽が目を覚ます前に。
行かなくちゃ。僕たちの夢の先へ。

君をこの腕に抱いて、その後はどうしよう。
何もかもに逆らって、空でも飛んでやろうか。
(-281) osatou 2022/07/14(Thu) 20:06:12

【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ


ふたりきりの世界で、今は他愛無い戯れを。
肩を寄せ合って、言葉を交わして、愛を謳って。
かけがえのない時間の中、広がる沈黙は心地良い。

そうして、ふと。
まっくらな、なにも写っていない写真を取り出して。
屋根の端の向こうへ少し腕を伸ばして手放せば、
ひらひら はらはら 風に舞って屋根の下へと落ちていく。

それを暫し眺めた後に、君がゆっくりと腕を広げて。
まっすぐな君の眼を見て、一歩。

「うん。…大好きだよ、夏彦。」

ああ、幸せだ。そっと笑って、誘われるまま君の腕の中へ。
片手を繋いで、そっと身体を寄せて、

「これからも一緒に居よう、ずっと、ずっと……」

「──そのリボンで小指と小指繋いでみたらどうだろう、」


小指、だけじゃ、嫌だな。
そう思って、胸元のリボンを解いて、繋いだ手に結んで。
そうしたらあとの片手は君の背に回して、

「ずっと、離さないから」

ぎゅっと抱き合って、宙を舞う写真達の後を追う。
そのまま、同じ夢の底へ落ちていく。
(-285) unforg00 2022/07/14(Thu) 20:53:45