人狼物語 三日月国


84 【R18G】神狼に捧ぐ祀【身内】

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視点:


【人】 奉公人 ユヅル

「……右方の舞が選ばれましたか」

宿の片隅に賜った自室。開け放った窓の遠くより、
印が消えたと騒ぎ立てる島民達の声がする。

部屋の中央に座して、喧騒を聞き流す。
暫くの間そうしてから
目の前に横たえた和弓に手を伸ばした。

弦を指先で抓み、弾く。

「ひい、ふう、み、よ、いつ、む、なな」

高くも低くもない声が七つ、数字を数え上げた。
弦の音は時間を置きながら半刻ほど、
宿の周りでひっそり響いていただろう。
(6) dome 2021/07/24(Sat) 22:19:54
ユヅルは、静かに弦を鳴らしている。
(a1) dome 2021/07/24(Sat) 22:20:37

【人】 奉公人 ユヅル

「………………。」

奉公人が警策を携えて歩いている。
他の島民に出会っては仕事の捗り具合を聞き、
お疲れ様ですと声を掛けては次に行く。
今のところ軽快な音が響く様子はない。

あの警策はどうしたことか、と事情を知らぬ者達が
遠目に囁きあっているのが見える。

「祭礼の終わりが近づいているからか、
 皆々さま一様に仕事に励んでいらっしゃる。
 ………良きこと、でしょうか」

宿の遣いがてら運営の様子を見回っているだけなのだが、
当人の真面目顔と手に持った棒のお陰か
歩いているだけで島民の背筋が伸びるというものだ。
(13) dome 2021/07/26(Mon) 12:05:13

【鳴】 奉公人 ユヅル

「いよいよ、今宵が大一番となるでしょう」

月がまた昇る。
金の瞳に月を浮かべ、弓を構えた。

「………幸多からんことを、願います」

最後に一度、強く弓弦を引き絞る。
矢をつがえずに鳴らすのは魔除けの作法だ。
弦が空気を震わせ、拡がる。
余韻が溶けて消えゆく中、弓手は静かに佇んでいた。
(=0) dome 2021/07/27(Tue) 20:19:44