人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

誰も訪れることがなくなった建物に、乾いた音が鳴り響いた。
時間が止まったようなその空間で長いコートは翻される。

その整ったシルエットから導き出された身軽さの違和感に気づけば疑念で眉をしかめつつも、
その出で立ちに圧倒されてしまった男は安々と席につくことなどできず、がら空きのソファを眺めるだけしかできなかった。

「どうも、ご丁寧に。
 ……どこに行っても安心できない中嬉しいね」

「さてどうしてだって?
 言ったとおり無罪のやつが放り込まれるのが嫌だったからだ。
 でも其れが一番じゃあない」

「俺は例の法案の実行役を見つけるために情報を漁っていた。
 その時にあんたの名前をあげたんだんだが……」

男の口から語られたのは貴方の身辺を詳しく調べようとした事実だ。
しかし妨害に遭い調査は中止、いくつかの連絡先は手に入ったが目立つ情報は集まらなかったという。

そして、あくまでも確率が一番高いとされる推測を男は続けた。
悪事を裁く執行の目がいつの間にか自分ではなく、貴方にターゲットを移したこと。
もし、自分が貴方を調べようとしなければ貴方は危険にさらされることなんてなかったのではないかということ。

「妨害を起こしてきた輩とあんたを嵌めようとしている警官は同一人物だ。
 タイミングが良すぎる。その上で俺は……矛先が向いたのを自分のせいだって思っている。
 これで捕まりでもしたら目覚めが悪い。
 だから……こんな偽善、全部自分のためだ」
(-542) toumi_ 2023/09/20(Wed) 5:11:20

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「……なるほどなあ、だからあんなに可愛がられてんのか」

自分が黒眼鏡の管轄から離れたあと、面倒を見られている子供がいる噂は聞いていた。
ペネロペの家族まで関わっているのは詳しく知らなかったが、見ていれば懐いているのもわかる。
経緯を知れば万が一もなさそうだと納得した。

それはそうと、一度顔を見ないと信用はしないが一瞬で終わるだろうとも思った。

男は後で結局そんなアソシエーテの一人をビビらすことになる。
(-544) toumi_ 2023/09/20(Wed) 6:16:26

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「死ぬ気はないさ、死んでもいいだけだ」

あまり変わらないだろうが大事なニュアンスであることを此処の連中は知っているだろう。
だが誰かに命を捧げるという言い方は敢えて誰にも言っていない。


しばらく静かな時間が車内に流れる。

男は昔の話が出たついでにいつかの頃の自分を思い出していた。
黒眼鏡の上司の突然の事件のあと、新しい上司に変わって暮らしも見える景色も何もかもが入れ替えられたような感覚に陥って。

「っ、……ぁ……?」

息苦しい、そんな感覚に陥れば自分の胸元を押さえて息を整える。
最近になって起こるようになったそれは、何故か過去のいなくなった上司の顔を思い起こさせる。
昔はただただ
大切な人間
を失った寂しさや辛さがこの発作を起こすのだと思っていた、周りにもそう見えていたはずだ。

それは、今のルチアーノにとってそれはおかしいことであった。

「なん、で」

何故ならあの姿を思い出す暇なんて無い程、この時間や皆との暮らしで自分は十分満たされている。
ましてや今の今で誰かをぶち殺したい感情には目覚めど、昔の誰かで悲しむ隙も情もない。

「すまん、車停めて少し休ませてくれるかぁ。
 5分でいい。……信じられんと思うが
頭の中
がおかしくなってきた」

「? ペネロペ……俺、大分お前らのこと好きだよなあ」

あの頃と最近に起きた突然の奇行の発作、無心に猫を拾って来ていたのは誰かの真似事。
だが今となっては好きでもないことをさせられていたようにも思えた。
(-548) toumi_ 2023/09/20(Wed) 6:48:53

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ

『そうかい、ならよかった』

他にもつかんでいる情報はあれど不安にさせるものばかり。
何でもかんでも話してしまうのは悪手であるとその身をもって学んでいる。

『逃げる準備をしてるから部屋も片付けることにしている』
『だから驚かせると思うが名前が上がらんことを祈ってくれ』

こんな時に突然抜け出したソルジャーとでも笑われてしまうかもしれない。
それでもやれるだけのことはやってあなた達に降りかかる被害を避けたいと考えている。

『お前いつかティラミスが気に入ったケーキの店があっただろ。
 なにかあったらそこのお嬢さんに手紙でも物でも渡してくれ』

『捕まってなかったら俺に届くようになってる。
 そしてお前宛にもなにか用意しておくよ』

泣くなとは言えないのは情けなかったが。
もうあなたのことは端から無条件に信じていたのだ、これぐらい許して欲しい。

『フィオレ、俺はお前を置いていかん。信じろ』
(-550) toumi_ 2023/09/20(Wed) 7:18:58

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

男は静かにあなたの言葉に耳を傾けていた。
此処まで足を運んだ労力を無碍にするわけでもなく、経緯を聞き取る。
しかし、最後まで聞いたならばやはり男は低く唸るように笑った。
他人ひとを青く見たような、威圧的で尊大な態度だ。
表立っての上級警部殿、の振る舞いとはまるで違った陰険さを男は持っていた。

「……確かに道理は適っている。矛先が向いたのは、お前のせいかもな。
 けれども残念ながら俺は無罪の輩ってわけじゃあない。
 大方、こっちを挙げたほうが成果になると踏んだんだろうさ」

立ち尽くす侭の貴方に対して、アタッシュケースが差し出される。
受け取らないのであったとしても、押し付けるように足元まで蹴り出された。
慎重に扱うべきものにしては、その扱いはぞんざいだった。

「このまま俺が持っていれば警察の手に渡る。
 どうせ仔細に至らない程度には調べ尽くされているだろうが、
 それじゃあお前たちの手には渡らなくなっちまうからな。
 何、物騒なもんじゃない、唯の情報だ」

葉巻の一つでも吸おうかとポケットに手をやって、やめた。
閉鎖空間で目立つことはないだろうが、
どうせこのあと殴られでもするなら勿体ない。


「俺のことが知りたけりゃ古株の――……そう、オルランド辺りにでも聞きゃよかった。
 それで俺がどんな奴だかわかる。

 お前の上司の"港"を荒らした、ニ年間とおまけの記録だ。受け取れよ」
(-551) redhaguki 2023/09/20(Wed) 7:19:07

【秘】 徒花 テオドロ → 口に金貨を ルチアーノ


眉を顰める。決して鈍感な方ではない。今の答えが満足いくものかはともかく、何か琴線に触れたことくらいは察して、やはり物好きめと密かに心の内で詰る。

「裸の付き合いや同衾を通り越して、
 更に裸でいるところを撮られるとなると……
 法外な金額でも貰わないと割りに合いませんね」

それならそれでいい。
人に好かれる性質ではないと認識していれど、
肯定されることが嫌いなわけでもなかったから。

「愚痴というか、苦言をそっくりそのまま言ってやっても別に構わないんですが……」

「少なくとも、あんたが扱い慣れているであろう、
 女でも猫でもないことは確かだな。
 逃げも隠れもしないさ、俺はただ選んでここに居る」

最初から変わらない。その報いとして何をされようと後悔することだってきっとない。
どうせ今更逃げ切れるものでもないのだ、なるようになればいい。
(-555) backador 2023/09/20(Wed) 7:44:11

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 門を潜り ダヴィード

「怪我は特に無いが……。まあ、そういうんなら。
 ちなみにペネロペからもお前は大丈夫とのお墨付きだったんで喜んどけ。
 今のこれは口を滑らせたんで本人には内緒な」

今真実を知っているものの中で、自分のせいと責めるのは大凡この男だけだ。
それでも無茶をさせるきっかけを与えたことには違いない。


「何と言うか、ダヴィードにはそのまま過ごしてほしいね。
 俺がお前ぐらいの頃は……」

そう話しているとふいに口元を抑え言葉を止める。
なにか驚いているように何度が瞬きすれば深呼吸をして。

「……? ん、すまん気分が悪くなった。
 水飲んだら治る。というわけで面会や後のことは頼んだ。
 ……今のうちに俺に聞いておきたいことや相談はあるか?」

「多分俺はしばらく顔を見せん、これは明日には通じない俺の個人の連絡先だ」

何故か明日には通じないプライベート用の連絡を渡して苦笑いをした。
(-557) toumi_ 2023/09/20(Wed) 7:59:54

【魂】 口に金貨を ルチアーノ

「……一言言えば解決するがな。
 言ったら怒りそうだから言わん」

始終貴方の混乱したような様子にくつくつと笑っている。
貴方に対して言いにくい隠し事などこのぐらいなのに、その一つが本当に大きいのだなと。

「そーいうってのが何処までかはしらんが、色んな奴の話は聞いてやったり斡旋はしたなあ。
 自分の魅力もわからんで悩んてる宝石の原石がいたら磨いて一番いいところにあてがってやるのが俺の仕事だ」

ちっともわかってないと態とらしくため息をつく。
仕事の問題ではない、貴方の望みがはっきりとわからないのだ。
漠然とした祈りを捧げるにはこちらは自由気ままがすぎる故に。

「要するに、自分すら大切にできないやつが
 俺をどうにかすると大口叩くんじゃないと言っているんだ」
「俺から何もいらんのならとやかく言うな」

その上、こだわりも強い。
こちらは貴方よりも難しいことは言っていないの忠告を聞かないではないか。
健康に過ごして眠って、元気な姿を見せてくれて飲めれば良い。

なにか自分たちの願いは違ったことはあるか?

……その後輩が捕まった理由も知らんくせに


「俺はマフィアだ、立派な悪党だ。
 素直に捕まってやるわけないだろ、警察さんよ」
(_12) toumi_ 2023/09/20(Wed) 10:13:27

【秘】 門を潜り ダヴィード → 口に金貨を ルチアーノ

「ああ、よかった。
 ……内緒にしておきます。俺は何も聞いてません」

何か企んでいたらすぐに露見する距離だからだろうか。
それとも俺はそんなにわかりやすいんだろうか……
そんなことはありえないと信頼されているのなら、それが一番嬉しい。

真実は得た人間がどういう切り取り方をするかによって形を変える。
男がそれを得た時に決めることだろう。


「……お疲れでしょうから。お大事にしてください。
 それと……相談、ではないんですが」

一人の女性の顔が思い浮かんだ。
何かと優しくしてくれる人で、ここ数日は忙しさもありあまり言葉を交わせていない。
昨日の食事会での様子を見るに貴方とは親密そうであったから、一言くらいはお願いしてもバチは当たらないだろうか。

「フィオレさんに。
 『ちゃんとご飯食べて、寝て、元気でいてください』と。
 ……会うことがあれば、お願いできますか?」

連絡先を受け取って、そんなことをぽつり。
明日には通じないということはどこかに身を隠すのかもしれない。
少なくとも、貴方が無事でいてくれるなら良いと思った。
(-569) NineN 2023/09/20(Wed) 10:39:18

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ


「ま、覚悟が決まってんのは良い事だな」

死ぬ気は無いが、万が一の際死ぬ覚悟は決まっている。
そういった人間は、こちら側の世界には少なくないだろう。
この男も例外ではなく。

「おう」

短い返答の後、車は静かに路肩に停められ、一時停止。

「何だ急に。俺はお前じゃないからわからんが。
 まあ……それなりに情はあるんじゃねえの。
 あんな法案にしっちゃかめっちゃかにされて荒れる程度には。
 少なくとも俺は軽口叩き合える程度の仲だと思ってるが」

「お前も所属して長いしな。
 俺にとってファミリーがもう一つの家であるように、
 お前にとってもそうなんじゃねえの」

知らねえけど、と無責任に付け足される。
それが合っているのか間違っているのかは、
あなたにしかわからない事だ。
けれど、合っているか間違っているかのどちらかはわかるだろう。
(-570) unforg00 2023/09/20(Wed) 10:51:49

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

上部層にいるわけでもない一端のマフィアと、上級警官である貴方を捕まえるのならたしかに旨味の軍配はそちらに上がるだろう。
高圧的だが不動たる貴方が揺れる姿を望むものは多いように思えた。

「オル……あの人は今、
 ―――は? それ、は」

ボスは今はバカンスだとはっきり言いそうであった愚か者は、その差し出されたものに息をのんだ。
アタッシュケースに目を見開いてから改めて貴方の表情を見る、中身はこの際関係はない、続く言葉を聞いた瞬間にそれは大きな意味を持ってしまったが。
反応が遅れてぞんざいにされたそれの動きまで様になってるなと、場違いな感想を持つほどにこの行動を理解することが出来なかった。

「なんで……。
 あんたは今ここで俺をしょっ引くことぐらい余裕なのに」

あくまで警察だ、殺されはしないと踏んでいたが何らかの処罰や拘留は覚悟していた。
もしかしたらまだこれからこの事実を告げられるのかもしれないが、今渡されたのは手土産のように思える。

「今ならまだ身を隠せば捕まらんかもしれないだろ!
 捕まったらどうせろくな目に、たとえ……くそ……っ」

ああ、貴方は何処にとっても何か仄暗いものを持っている男であったのか。
自分の敬愛する上司の事件にも関わっていれば、十二分にマフィアとの縁も捕捉されている。
その上自分はすぐに恨み言すら吐けない甘ちゃんだ、たしかに無罪とはもうこの口から言えなくなってしまっていた。

「……黒眼鏡もあんたが務所にぶち込まれて喜ぶやつじゃないだろ」
「どうにか、ならんのか。ただ俺は……」

一番誰かを責めたいのは、此処で理不尽な目に合うのは貴方だと言うのに。
男は貴方が検挙されることを愚図って嫌がる子供のように意味もない言葉を吐いた。
(-571) toumi_ 2023/09/20(Wed) 11:01:19

【秘】 月桂樹の葉 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

街が法の施行でざわめきたち
空模様もどんよりと落ち込みつつある日々の何処かで。
貴方の幾つかある携帯端末の1つが着信を告げるだろう。

画面には、以前に飲みに行こう、と誘っていた
巡査部長である男の名が表示されている。

飲みの誘いかな、という事は分かるだろう。
(-573) ぴんじぃ 2023/09/20(Wed) 11:13:41

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の葉 ニコロ

その日の男も忙しなかった。
しかし他でもない
貴方から
の誘いだ、勿論と言って快諾した。

此方のおすすめの場所でよければ個室が充実しているバーを紹介される。
勿論貴方の行きつけの場所でも構わないが気分は個室だったらしい。

そうして時間通りに訪れれば、その男は既に黒革のソファーの席につき足を延ばして寛いでいただろう。

「おう、やっと来たかニコロ。好きな酒を頼め。
 今なら気分がいいから半分の金を出してやっていい」

どうやら本日は飲めば飲むほど相手に金額を上乗せできるシステムだ。
(-575) toumi_ 2023/09/20(Wed) 11:38:10

【秘】 月桂樹の葉 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

快諾して貰えたならば勿論、と
特に何か店を決めている訳でもなかった男は二つ返事で応じる。
個室が良いのならば、此方としても好都合だから。

「悪い、色々こっちもごたごたしててな。
そっちも忙しいんじゃないのか?」

好きな酒を頼め、と言われれば
アリアニコを頼むのだろう。
気に入りの赤ワインだ。ここぞという時に、飲むもの。
(-576) ぴんじぃ 2023/09/20(Wed) 11:47:47

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「色男と美女とのデートで忙しくてなあ」

毎度言うこの台詞が本当に嘘ではないのをあなたは察せられる。
本当にデートと言えるほど遊んでいるか語らっているので。

「おー、ワインか。帰り道はちゃんと歩けるようにセーブできるか?
 俺は飲んだくれを運んでいってやらんぞ」
(-577) toumi_ 2023/09/20(Wed) 12:45:19

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「羨ましいねえ、こんな時勢だってのに。
流石のルチアーノも黙ってないんじゃねえか、なんてな。」

含みを持たせた物言い。
まるで貴方がマフィアだと、分かっているかのような…

「大丈夫だよ。
明日も仕事だからな。程々にするさ。
それより次いつ飲めるか分からねえからな。
今のうちに飲みたいものを飲んでおくさ。」

なんて、笑いながら言うのだ。
(-580) ぴんじぃ 2023/09/20(Wed) 13:01:35

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 門を潜り ダヴィード

「フィオレに? あー……」

もしかしてあいつはちゃんと食べてなくて、寝てなくて、元気でいないのだろうか。

「…………
フィオレに?


二度言った。そんなことない気がしていたんだがな。
何かこの俺が自分の部下の調子を見逃しているとでも言うのだろうか。もしくは眼の前の貴方が心配性なだけかもしれない。

「ほお、そうかそうか。ちゃんと伝えておいてやる……。
 今はあいつも混乱してるんだろ、そんな風に引っ込んでないで話しかけてやってくれ。
 同じ寂しがりやだから、会えたほうがほうが喜ぶ」

自分と違って交流が広い彼女のことを思いながら頬を緩ませる。
出生からして貴方も彼女もこのファミリーを裏切ることも離れることもないだろう、だから更に微笑ましく思えて。

「それじゃあ、そろそろお暇しよう。時間を取らせた。
 またなにか
聴きたいこと
があったり金が借りたくなったら言いにこい。
 俺の貸す金は旦那の金じゃねえからな」

話の端々でわかったかもしれないが、男の取ってつけたようなプライドとこだわりの間には妙な甘さが残っている。
その上そこそこ誰かに、ここでは例の上司に貸しを作っていることも嫌なことであるようだったそうな。
(-581) toumi_ 2023/09/20(Wed) 13:06:00

【秘】 門を潜り ダヴィード → 口に金貨を ルチアーノ

こくこくと頷いてから、頰を掻く。

「心配している……と言うと、心を痛めてしまうかなと。
 こういう時にどう言えばいいか、分からなくて」

彼女は優しくて顔が広いから、気にかける人は沢山いるだろう。
それでもやっぱり心配で、何か言葉をかけたくなってしまう。

「はい。また会ったら俺からも伝えます。
 ……ありがとうございます」

さまざまな苦難は絶えず襲い来る。

友人とも仲間とも言い難い関係のことを、未だなんと呼んでいいのか測りかねている。
失ってから名前をつけるのでは遅すぎるから、声が届く間にまた会いに行こう。

「借りなくて済むよう頑張りますよ。
 また、いろいろ教えてくださいね」

その甘さを優しさと捉え、勝手に感謝を送っている。
そうして去り行く貴方の背を見送った。
(-597) NineN 2023/09/20(Wed) 15:21:01

【魂】 口に金貨を ルチアーノ

「居なくなってないだろお、牢屋の中にも住所はあるぞ」

一体何を心配しているんだか。
捕まったあとのことは分からないが、貴方が見たり周りがなにかしてしまうんだろう分かっている。
そこまでして捕まえることにこだわってる理由がわからない。

「あー、そうだなあ」

期待がないと言ったら大きな嘘になるし、期待があると言ったら聞いてくるのだろうな。
それは困るんだ、言われてなってほしいわけじゃない。

「俺が大事にしてる幼なじみが何処かの誰かに暴力を振るわれていたら苛つくのは当然だろ」
「そんな単純な話だ。
 俺はなあ……怒るのも喧嘩するのも得意じゃないんだ。
 だから極々普通の表社会に住んでるご友人は、それらしく過ごしていてくれと月並みな言葉しか言えん」

「そう拗ねるな、全くお前は……」

貴方はまだ知らない。
ルチアーノの首にはもう古ぼけた首輪がつけられていることを。
それは今はまだ効力こそないが彼の精神を確実に捕まえている。


「俺は知ってるがな、その理由。イレネオも、ニーノも。
 教えたら行かんでくれるのか?」

そして望んでもないそのことに男自身も気付いてはいないのだ。
(_14) toumi_ 2023/09/20(Wed) 15:37:32

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「俺はお前のことを見くびっていたよニコロ。
 思ったよりやんちゃして遊んでるのはそっちじゃないのか?」

適当につまめるもの、と言いながらここからここまでと雑に頼んだ。
面倒くさがりだ。酒も飯もここのは美味い。

しばらくして届いたグラスとボトル。
注いでやろうかとコルクを抜けばあなたの方へと注ぎ口を傾けた。

お勤めご苦労さま

 俺みたいなちゃらんぽらんと違って精が出るなあお巡りさん」
(-599) toumi_ 2023/09/20(Wed) 15:44:11

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「どうだろうな。
俺は為すべき事を為しているだけに過ぎない。
ただ、お前がそうだとは思わなかったけどな。」

注ぎ口を向けられれば、グラスを向けて。
入れてどうぞ、と促す。

「別に俺らはそっちにゃまだ何もしてねえさ。
A.C.Aとは別に動く奴らも居るみたいだしな。
おかげで、署内はてんやわんやだ。」

分かっていて喋っているのか
それとも、ただ口を滑らせたのか
分からない表情でそう話す。
(-600) ぴんじぃ 2023/09/20(Wed) 15:53:23

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「俺も何処からも狙われる人気者らしいからなあ」
「しかし美人と色男天秤に乗せたら、そりゃあ美人に傾くよな」

何の話と言う訳でもなくただただ赤い液体と一緒に言葉を注いでいく。
機嫌は悪くない、もうこちらも片付けは済ませているから。

「ふーん……大変そうだねえ。
 野良猫でも署内を駆け回ってるんじゃないかあ?
 ちゃんと捕まえてゲージに入れるか首輪でもつけてやらんと暴れるぞ」
(-602) toumi_ 2023/09/20(Wed) 16:16:04

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ

「かもな。
まあ大体目星はついてきてるから
そう遠くなく首輪でもつけられるんじゃないか。」

適当にそんなことを言う。

「近々俺の妹分がそっちに行くかもしれねえ。
その時は頼めるか?」

注いで貰ったら今度は此方がそのボトルを預かって
注ぎ口をそちらへ向けた。飲むだろう?と。
(-603) ぴんじぃ 2023/09/20(Wed) 16:21:04

【魂】 口に金貨を ルチアーノ

「何を持っていなくなったと言ってるんだ……。その辺にいたさ」

住む家が変わって仕事を手に入れただけ。
やはり貴方は大げさだなと思う。
たしかに頻繁にあわなくなったし、連絡もかなりなくなったが。

「おう、やるときはやるぞ。弱くとも喧嘩は習ってる
 殺していいなら殺すがそれをやると怒られるんでな。
 どうしてもトラブルにあうなら撃ち殺してもいい奴に殴られろ」

そんな、無茶を言った。何が何でも殴るのは確定らしい。

「すまん、そいつは名前しか知らん。
 実情には何も触れとらんのだ」

「俺はただ、調べ物が得意などら猫だ。
 まあ会いに行くぐらいは好きにすればいいさ。
 それでも変なやつに直接会いに行くな、今はほっとけ」

「執行役なんて奴らは全員
俺たち
が片付けてやるから」
(_16) toumi_ 2023/09/20(Wed) 16:30:05

【魂】 口に金貨を ルチアーノ

「お前は俺に負けず劣らず意気地なしだな……」

貴方はあまり感じていないようだが、男は自分の事をさほど高く見ていない。

「イレネオが狙われたのは目に余るから。
 警察だろうとマフィアだろうと何でもかんでも私刑にする勢いだと俺も思ったね」

かなり簡略化したが、執行役が狙うと決めたのだ。
そうとう目に余ったんだろう。此方も覗いたものだ。

「ニーノは保護のためだ、悪意はない。
 ただ巻き込まれる前に誰の手にも届かないところに連れて行った。
 それこそ執行役なら止めるために、だ」

「これでいいか?
 ちなみにこの情報量は本来なら給料4.5ヶ月分貰ってる。
 俺はお前が何でそっちの方を知ってるのかが気になるがね」
(_18) toumi_ 2023/09/20(Wed) 18:47:55

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 徒花 テオドロ

「今なら本気で金を払ってやってもいいな。言い値で買おう」

無事を祈るような野暮なことはしないし、とやかくうるさく言うことも思いつきはしない。
ただ大怪我をされると勝手に友人面をして喧嘩をふっかけに行ってしまうかもしれない。

「……まあ文句は聞き入れられるかはわからんが?
 他のやつよりは俺は融通がきくんでね、口説き文句だけ封じてくれるな」

考えれば考えるほど、共に歩いて話している姿は周りからどう映るのか見ものだ。

「お前ってやつは。
 そうやって何人落としてきたんだが」

この瞬間だけは信じてもいいだろう。
何でもかんでも判定が甘くなって行く気もするが。
自分にとってはしばらく味わえない最後の長い息抜きだ。

だから、その手を掴むのはきっとまた違う形で。

たとえ何処へ行こうと、また知りにいってやろうとその日男は心のなかで決めたのだ。
(-640) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:04:00

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ

「そんな大事なお方お断りだね」

酒は注がれながらくつくつと笑う。
貴方もそんなに調子が良くて良いのだろうか。

まあ、気にしたほうが今は負けかもしれない。

「……あーそうだテオドロのことだが。
 別にお前のことは嫌いじゃないってよ」

直接聞いた訳では無いが、何が話すことはあったらしい。
(-644) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:19:03

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「そうだな」
「俺の"家族"ってやつはここだ。……だが」

この男、実の家族というものには情はもうなかった。
ではこのノッテがもうファミリーであるというのは?
無論即答ができる。

それ以外だ、例えば共に育った知人や友人、または恩人を特別な家族として扱うことがある。
どうもそれを考えると頭に霞がかって仕方ない、こんなにはっきりしないことがあっただろうか。

「……
ファヴィオ?


此処にいない、恋人でも家族でもなんでもない人間の名前をつぶやく。
虚ろ目に、なにか忘れてることがあるようなそんな錯覚を覚えて暫し目を閉じる。その症状はついぞ治ることはなかった。
気分の悪さ自体は治ったが。

「とうとう化けて出てきたか……あの真っ白野郎。
 そろそろ歳だな俺も、幻覚の類が見えてた。
 最悪だ、黒眼鏡に言われていたとおりになってる。健康診断行かにゃならんかもしれん。今度のデートはそこにするかペネロペ」

あいつにもお前も年を食ったと言われ同じモノ扱いされた。
つまり貴方ももう年を食ったおじさん扱いだ。
(-646) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:27:03

【念】 口に金貨を ルチアーノ


見つけたぞ
』『今日のそいつも
当たり
だな?』
『そして俺の観測範囲では此奴が
最後の
一人だ』

あなたの留守電に一件。
メッセージがあった。

アリーチェ・チェステ

『武運をお嬢さん』

たった十秒ほどでその声は消えた。
賭け直せど無情にも使われていない電話番号を示す電子音が受話器からは流れる。

だがきっと、その男は変わらず貴方の味方で居続けている。
(!28) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:44:38

【念】 口に金貨を ルチアーノ


コツ、コツ。磨いた靴底が人気のない道を行く。

「強いて言えば残りの懸念材料はリヴィオだが……。
 あいつに、手のひら返されて検挙されるなら本望だろ」

「あー……ロメオ様々だねえ。勝手にネロを選ばせてよかった。
 身内を疑って調べるのは荷が重い、二度とやりたかねえな。
 それでも、もう。俺の仕事は終わったな」

昔ペットショップだった廃家の前、誰も訪れることがなくなった建物に此度は二つの影がある。

「さて、大物が残ってる。
 ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア。
 
ったく、さっきの電話口だけでも相当ヤバかったぞ……
(!29) toumi_ 2023/09/20(Wed) 20:58:43