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さっき手を振ったし相槌もしたし……
見えてます。
この風紀委員はいる人をなかったことにしません。
もちろん、連れていかれた人も。

/*わぁ、かっこいい。
　彼らは小等部からいました。
　今後ともに
をよろしくお願いします。木の実、山菜、茸その他はまかせろー！

/* やいや〜い！かっこいい〜！
ところでなんかどこかで弱ったりしてると見えやすい？
みたいな話を見た気がするんですが
（気がしたのでメモを遡ったけど見つからなかったです……）
逆に気を強く持ち直した結果認識が薄れたりするんですか？

/*送信できていませんでした。
　たぶんあんまりないと思います。
　今回の騒動中はさらに強くなったり弱くなったり。
　長期発症患者は大変なんじゃないでしょうか。
でも、その認識のズレは確実に精神に悪影響を与えるでしょう。
そして再発へ……酷いですねこの螺旋。
　あと、そういった薬などがあったら、まず当人に知らされるでしょうし……

好きに、しよう！！
君だけの発症にアクセルを踏んでルヘナを右に！！

/*
キャッキャ！！把握しました！！
ありがとうございます！！
ルヘナくんとぶつかっていきます！！

あなたの元へ風紀委員伝手に一通の手紙…と呼ぶにも短すぎるメモが届けられるだろう。

*仕事のできる風紀委員へ*

もしも僕が居なくなったらルヴァの事を"お願い"したい。

こんなことを言えるような関係でもないのは分かっている。
だけど、頼りになりそうな上の人間は君くらいしか思い付かなかった。
だからこれは命令じゃない。
返答も要らない。どうするかは君に任せるよ。
全部杞憂で終われば忘れてくれ。　


……それだけだ。

メモを読む。
言葉は出なかった。
断る道理のあるような頼み事でない。
いつだってみんなのことを気にかけている、
風紀委員だ。

だが。



ただ、そこの真意だけが気になり、
メモを受け取ったスピカはあなたを探すだろう。

……もっとも、こんなメモを
人伝に渡すような相手が、
今見つかるかはわからないが。

あなたがブラキウムを探すのなら、夜の時間に施設のどこかで見つけられるだろう。
いつも通り廊下を一人で歩いている。

「ちょっと、どういうことですか。このメモ。
　まるで何か起こることがわかっているみたい」

スピカをスピカとして認識していれば、
用向きは言わずともわかるだろう。

風紀委員は、あなたに声をかけた。

「あー……待ってよ。この声はあの時の風紀委員だね」

足を止めてあなたの方に振り返る。

「無事に届いたみたいで良かった。
返答は要らないと書いたはずなんだけど」

おかしいな、と首を傾げる。
あなたは断らないと思ったから。

「どうもこうも……保険はかけておいて損しないだろう？」

「そうじゃないのよ」

否定する。

「そりゃあ、私には断る理由はないんです」

頼みを承諾する。

「でもね、保険というなら、
　他にもやりようはあるのでなくて？
　誰にも抗えないようなことが、起きていると。
　そしてブラキウムさんはそれを知っているということ？」

詰問する。
　

「勘だよ、勘。
まだ何も知らない。
けど、分からないからって後手に回るのは癪だ。
僕は最後まで負けるつもりはない」

詰められればあっさり答える。
無表情な瞳。
けれど、今はあなたの方をじっと見ている。

「勘、ね……」

この件は、
カストルにポルクスの非実在を説くようなものだと、
風紀委員は感じた。
これ以上詰めるのは無駄だ。
少なくとも、今は。

「分かりました。あなたの『保険』、
　私が背負います。
　その代わり……何か些細なことでもいいんです。
　『私に教えられること』がわかったなら、
　ちゃんと教えてくださいね？」

あなたの無表情な瞳を、
風紀委員の輝く瞳が見つめた。