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【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「俺もパンケーキを食べたことがないとかシールドを張っておけばよかったな」 本のページをめくる。相変わらずロビーのソファに座って物静かに時間を過ごしていた。 それでも誰かのいる場所を避けているというわけではなく、 時折誰ともなく投げかけられた意見には、軽く相槌は打っているようだ。 「合戦するくらいなら人数が要るだろ」 (2) redhaguki 2022/01/26(Wed) 21:19:48 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「暑い。バカ。20度で十分だ。 運動から帰ってきた連中がひからびる」 気遣いもせずに溜め息をつくと、空調リモコンのある方まで歩いた。 ソファに置いた本の題名は、 だ。 >>4 一葉 「本を読んでる。時間が有り余ってるからな。 全体で何かしなくちゃいけなくなったら行くから、構わなくていい」 (15) redhaguki 2022/01/26(Wed) 21:42:18 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「あっためるなら出入り口もそうだし、温泉に近い部屋にすれば。 体の冷えた連中はすぐ風呂入りたがるだろうし、 あのへんのリラクゼーション施設でアイス食べるかもしれないだろ。 とにかく、ぜんぶ30度にする必要はない。光熱費は俺たち持ちじゃないし」 (24) redhaguki 2022/01/26(Wed) 21:58:09 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「……わかった。余計なことは言わない。 水銀も雪に混ぜてもらえばいい。それで、自分が快適な温度にするのがいい。 他人の意見を全部取り入れるのは大変でも、自分の体調のことならわかるだろ」 しばらくエアコンの操作盤は過労死しそうだから、 だれでもすぐいじれるように蛍光マステでマーキングしておいた。真っ暗でも安心。 「俺はしましまうまうまバーがいい」 (36) redhaguki 2022/01/26(Wed) 22:17:09 |
蛇神 阿門は、雪でもないしアイスでもない。 (a12) redhaguki 2022/01/26(Wed) 22:36:37 |
蛇神 阿門は、本の題名は、両棲人間だ。 (a34) redhaguki 2022/01/26(Wed) 23:30:58 |
【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「(ああそうか。人がいないから、今がチャンスなのか)」 単純に人数あまりでもあれば参加するか、くらいだったのだが。 ふと顔を上げると広間には少数人数しかいなかった。当然建物内にも。 おおよそ、特に男連中は雪遊びに興じているかアイスを買いに行ってるかのどちらかだ。 こっそりと本を置いて、その場を抜け出し風呂場へと向かった。 清掃はしてあるのか自分たちでするべきなのかはわからないが、ともかくそれは済ませて。 まだぴかぴかの一番風呂に湯がしっかりと張ってあることを確認すると、脱衣所に鍵をかけた。 (-13) redhaguki 2022/01/26(Wed) 23:34:41 |
【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門誰も居ない浴場で、厚めに着込んだ上着を脱いでシャツをたたみ、 白い肌着とその下に巻いたサラシを剥がした。巻いているのは腹だ。 ぶあつく巻いた木綿に染みるものはないけれど、一応。予防線として。 積極的に運動はしていないにしろ不格好ではない程度のラインの腹部には、 目を凝らせばわかるようなうっすらとしたスリットが古傷のように縦に走っていた。 習慣的に衣服をたたむと、浴場の方に足を向ける。 体を洗うに際し、腹に指を浅くもぐりこませるようにスリットの中を洗った。 かすかにぐにぐにと間隔はある。体の中まで洗う必要はないが、 表面に近いところは衛生的には洗わなければならない。どちらかというと、臍のようなものだ。 「面倒だな、いちいちこういうことをしなくちゃいけないのは」 綺麗さっぱりと洗った体を、さてどうするか。 外にある以上お湯の循環の早そうな露天風呂はセーフだろうけど、浴槽はあまりよくないかもしれない。 変な話だ。風呂に入るだけで、いちいちこうやってごまかさないとならない。 自分は将来温泉旅行なんてのもできないんだろうな、なんて思わなくもない。 (-17) redhaguki 2022/01/27(Thu) 0:25:42 |
【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「万一一緒に入ろうぜとか言われた時、 断り方とか隠し通す方法とか考えないといけないな」 ただでさえ秘密もバラされかねない環境だっていうのに。 やたらに喚き立てて不安を伝搬させたいわけではないが、 まだ環境に順応して遊び呆けるには、警戒心が勝っていた。 お湯に混じってサラサラと流れていく粘液を、浴槽から掬ったお湯で流していく。 掃除用具を拝借してモップで佩いてしまえば、誰かに訝しまれることはないだろう。 「明日もこうやって集団で遊び回っててくれたら楽なのに」 (-18) redhaguki 2022/01/27(Thu) 0:34:30 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「ちょうど帰ってきたところか、助かる」 あまり日に焼けていない肌からほんのりと湯気を立たせつつ、アイス組の面々を出迎えた。 自分の頼んだぶんもちゃっかりひょいと貰い受けて、雑に代金をテーブルに置いてソファに戻った。 しっかり乾かしたながらに洗い髪は少し湿っていて、いつもよりぺたんとしていた。 (66) redhaguki 2022/01/27(Thu) 1:09:18 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「なんでもいいだろ。無作為に集められた歳の近い人間で、一歳二歳の差を気にする方が変だ。 アイス、そろそろ余ってるやつは冷凍庫に入れるからな。勿体ない。 夕食が腹に入るようにはしておけ、入らないなら雪合戦してこい」 ひょいひょいとビニール袋の中でしっとりし始めたアイスを冷凍庫に入れて、テーブルの見えるところにメモを貼り付けた。 そんなにすぐに回収しなくてもいいかもしれないが、何せこの室温だ。夏くらい暑い。 騒いでる面々を尻目に夕食に何が出るのかを施設のホームページで調べる。この辺は何が採れるのだろうな。 (109) redhaguki 2022/01/27(Thu) 9:04:31 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「ジビエはいいな。ちょうど猟期だったか。 こういうところで食べる特別なものってのは美味しいしな」 こんなのが出るらしい、と耳を傾けるものがあったなら共有したりもした。 どういう形式で食べるのかはわからないけど、たぶん会食のていでみんなで囲むのだろう。おいしいね。 「うちは男子校だから運動部はそういう体質があったらしいが、文化部は個人戦だからな。 基本的にはビブリオバトルで勝った人間が一番強いことになっていた」 (112) redhaguki 2022/01/27(Thu) 10:19:30 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門>>116 >>122 「書評をして自分の推す本を紹介しあい、互いに誰の本に一番興味を惹かれたかを競うんだ。 4、5人以上のグループでやりあって王を決める。 プレゼン能力の高い者が勝つし、本の魅力もある程度あればいいがそれのみに限らない。 かつて架空の心理効果についての論評を披露し、見事勝ち取ったやつもいたな」 ぱらぱらと本をめくりながらに、単語を拾った二人に説明する。 たまに顔をあげたり、この空間にいることを厭んでいるふうではないようだ。 「ああ、そういうことだから、本題に戻るが。 とにかく俺にも、別に年齢や学年の上下なんてのは気にせずでいい。 俺も別にここにいる面々に必要以上に慇懃無礼にしたりはしないからな」 (124) redhaguki 2022/01/27(Thu) 12:22:28 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門>>130 一葉 「ああ、自分には投票できないようになっている。 だから人の勧めるいいもののうち、一番気になるものを選び取るだけでいいんだ。 最初はうまくプレゼンできなくとも人の言葉を耳に入れるのはいい経験になる。楽しいぞ」 あまり表情の動きがないなりに、表情を緩めて語る。 それもすぐにすっと色の抜け落ちるように消えてしまう。 「多少過激な先輩の首根っこを捕まえるなよ。バカ。 人間に手をあげたら停学だ停学。 まあでも、ジビエの知識があるなら料理の好きそうなやつに教えてやるのはいいかもな。 だいたいのやつは一葉と違って、そういうの珍しく感じると思うから」 (131) redhaguki 2022/01/27(Thu) 12:54:12 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門>>140 一葉 「別に難しい言葉を使う必要はないんだ。 たとえば小説なら、印象的なシーンを前提を絡めながら説明してどう思ったか。 一人の持ち時間は5分しかないから、つまり5分をしっかり作れればなんでもいい。 映画だって、どういう論法やカメラワークを用いているからエンターテイメントが成り立つかより、 誰もに通じる印象的なネタをさらっと解説するほうが気を引いたりするだろ。 コマンドーとか。……まあ、ここでやるのは本の準備が足りないから。いつか、実現できたらいいな」 そろそろ夕飯の時間も近づいて廊下に準備が整ったとみれば、ぱたんと本を閉じた。 めいめいに材料をどうにかしようとしている様子に近づきながら、話を続ける。 「東京でもニホンジカはとれるみたいだけどな……。 ほかにない体験っていうのは興味を引くと思う。俺も気になる。 猟師は鳥類なんかも色々とるらしいけど、やっぱり大体の人は鶏か家鴨くらいしか食べたことないし」 (229) redhaguki 2022/01/27(Thu) 19:41:59 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門>>141 不破 「普段の成績如何は意外と関係ない、かな。 いつもバカそうにしている人間が、豊かな感情表現で人を驚かせたりもする。 ようは、自分の言いたいことをちゃんと伝えられるかだから。 ……まあそれでも、不破には難しそうだな。自分に自信がなさすぎる」 実像はイメージとは違うかもしれない、けどやっぱり気弱そうな表情を見て、考えを改めた。 ずっぱりと言ってしまう物言いはあまり行儀のいいものではないかもしれない。 「気遣いのつもりではあるけど、別に優しいからじゃないな。 輪の中にうまく混じれないやつがいると、気になるだろ。悪い意味じゃなくてさ。 せめてもあの変なカリキュラムに関係ないところでは後腐れなく遊んで帰りたい。 不破だって、嫌な思い出にしたいわけじゃないだろ」 (233) redhaguki 2022/01/27(Thu) 19:47:23 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「こういう顔……は、見たことないな。 夜川のきょうだい……しんせき……? みたいな事情があるのか? まあとにかく、留意するだけはしておくけど、雪山の中探し回るのはさすがに無理だな」 いくらか準備の進んでいる鍋を見ながら、手元のスマホでぽちぽちと調べる。 鍋の進み具合とにらめっこしつつ、折衷案を考えて。 「鹿は醤油系が多いっぽい。味噌もあうみたいだけど。 食べれないものをよけるんだったら……お、こっちは鴨肉かな、たぶん。 偉智の言うとおり三つにわけるなら猪が味噌、鹿が醤油、鴨は……うすくちしょうゆらしい。 鹿はすき焼きみたいに食べるんだったら濃い目になるから、これを濃い味好きに寄せよう」 (236) redhaguki 2022/01/27(Thu) 19:52:09 |
蛇神 阿門は、トマトが苦手。 (a117) redhaguki 2022/01/27(Thu) 19:52:38 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「残念だが詳しいのはネットの人間のほうだな。 まあ何か間違ってたら従業員の人が助けてくれるだろ」 ハシゴをブン投げつつ、自分も味見の列に加わる。 「うん。おいしいと思う。 いい具合になった頃に豆腐を追加して出汁を吸わせたら最高だろうな」 (246) redhaguki 2022/01/27(Thu) 20:12:07 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門赤い肉が醤油でくつくつ煮えたのを、しめじと一緒に溶いた卵にワンバウンドして食べている。 手慣れたふうな手付きをしているがそういうわけではなく、初見だ。 たぶん思い切りがいいのだろう。 「さっぱりしててうまいな。脂こさはないけど、旨味がある。ちょっと野草の匂いがハーブっぽいな」 (261) redhaguki 2022/01/27(Thu) 20:40:02 |
【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門夜、みなで部屋で寝つく頃。 なるべく端のスペースに陣取り、布団に頭までまるまってしまって、人と隣り合うのを避けた。 今まで旅行はしたことがない。ケガだとか仮病だとか色々理屈をこねて学校行事は避けて、 個室で工面することの出来た高校の修学旅行だけは行くことが出来た。 「(やっぱり個室にしてもらえばよかった。明日からは、その方がいいのかもしれない)」 妙に緊張して眠れない。理由は、秘密が露見するんじゃないか、それだけ。 考えてもつきない。こうして一人で考え込む時間が出来ると、不安に押し込められてしまう。 こうならないようになるべくにぎやかで落ち着くところに、腰を落ち着けているのに。 どんなに自分で隠し通そうとしても結局、誰かにバラされてしまうのなら。どうしたらいい? 「(どうやって言い訳をこねればいい? 問いただされたらどうするつもりだ?)」 悩みが尽きないまま、夜が更ける。 (-111) redhaguki 2022/01/27(Thu) 20:59:17 |
蛇神 阿門は、よく眠れない。 (a137) redhaguki 2022/01/27(Thu) 20:59:43 |
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