情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 学徒 蝶間「『月日は 百代の過客にして 行きかふ人もまた旅人なり』」 即ちそう、然もありなん。 ゆるりと指先が紙を捲り、つらつらと口先だけが偉人の言の葉を舞い散らす。 「故合ってだったのでしょう。喜ぶべきか、悲しむべきか」 如何ともし難き、と学徒は説く。 「……或いはつとに、つぶさに決まっていた事なのかもしれませんね」 其れが天命か、作為的か。 つらつら、と。淡々とした学徒の声が空音を揺らす。 「さて、今更乍ら皆々様は今はお変わり様子で。 ……嗚呼、いえ、他意など御座いません。つづがなく、何事も無く祭事が終われば良いと願う」 「小生は小さき故、細やかな事しか考えません故」 (15) esaka 2021/07/21(Wed) 2:41:55 |
【人】 学徒 蝶間「─────。」 「『空鏡、天道に至らず』」 即ち月は、太陽に勝る事は無い。 如何様に舞おうが其れが"最初"に認められる事など無かったのだ。 敢えて其れを凛とした声音で読んだ。 ゆるりと、何事も無く紙を捲る。 (17) esaka 2021/07/21(Wed) 2:53:37 |
【人】 学徒 蝶間「『花明かりを坐視せしめば、薄紙を剥がされのたうつのみ』」 まさしく咲き誇るは草鳥頭。 祭事の華やかさとは、まさしくそうであると学徒は読んだ。 のたうつべくして、誰もが素知らぬ薄紙(くるしみ)と宣わり、自らの手元の薄紙をまた一枚、と捲った。 「……さて、誰も彼も思う所があるようですがね。 小生は字は読めても、心髄は読み解けない」 むべらるかな。はらりと、一枚また捲る。 「何であれ、祭事が終わるまでに"悔恨"は残さぬように過ごすべきだとは思いますね。 ……まぁ、其れほどまでに素直な御人が集まっているとは思えませんが」 (67) esaka 2021/07/22(Thu) 19:23:49 |
【人】 学徒 蝶間ぺらり、また一枚紙が捲れる。 「何故に思い馳せるかは、小生にはわかりかねる」 「ある者は扇情煽られるか、ある者は強情さ故か。 祭事の華やかさにうつつを抜かすのも、其れも良しでしょう」 優風が黒糸をかき乱し、また紙は捲れる。 「然れど、故に "本性" は隠せない」「故に、人である」 学徒の吐息は、蚊遣火の紫煙を霧散させる。 (70) esaka 2021/07/22(Thu) 20:40:53 |
【人】 学徒 蝶間「また今日も刻が過ぎる。また誰かが選ばれる。 座視も結構。然るに、本質が単純な事を皆理解しているからだろう」 どれだけ目を反らそうと、否が応でも理解する時が来る。 学徒は其れを知っている。其の言葉は、小火を燻ぶらせる凩也。 「隣人か、友か、或いは小生か。……まぁ、誰が選ばれてもおかしくはない」 僅かに学徒の口角がつり上がった。 (72) esaka 2021/07/22(Thu) 20:47:37 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新