人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

「?」
「あれっ ラピスだ! こんにちは!」

くるりと振り向き、持っていたスコップを花壇のふちに置く。

「なんかごようじ……」

手に持つメモを見る。ひとつふたつ、まばたき。

「だね! どしたの?」
(-138) susuya 2022/05/05(Thu) 23:11:27

【秘】 司書 エルナト → 花信風 トット

「人のために、疲れてでも配ってるんだ。」
「偉いね。」
「良い子だね。」


労いの言葉。
本当ならあんまり血を流したくもないだろうに。
幼いのに偉いな、と思う。


「じゃあ………そうだな………」
「貰えるだけ、貰いたいかも………?」


たくさんある方が嬉しいからさ、と。
そんなお願いをするのは心苦しいのだが。
大丈夫?と首を傾げて問いかけて。

お腹をさすった。
(-141) arenda 2022/05/05(Thu) 23:24:36

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

「………」

こくん。
普段より動き少なく首肯をして、メモを手渡す。
そこにはラピスのものではない文字。

【本日の治療予定者:トット
 ○日○○時迄に所定の場所へ誘導すること。
 手段は一任します】

ラピスに宛てられたものだろう。
それをわざわざ見せに来たことは、
彼女なりの真摯さであったのかもしれない。
(-144) dome 2022/05/05(Thu) 23:50:59

【人】 花信風 トット

>>34 エルナト
「んへ〜〜。ひひ、んふふふ」
「そ〜〜 おれってじつはかわいくて」
「んふふ」

頭を撫でて貰えれば、コロコロくすくすと体を揺らして嬉しそうに笑う。
満足げな表情はとろけるようだ。

「え! それは……おしえないけど でももっとってなっちゃうから」
「もっとやったらおれしんじゃう……」

んむ……と少し難しい顔をしてから、手招きをされればそちらへ寄っていくだろう。
(35) susuya 2022/05/06(Fri) 0:02:52

【秘】 花信風 トット → 司書 エルナト

「! ぜんぜんいーよお!」

「おへやにもとっておいてるのあるし たくさん」
「その あう えと こっそりまいばんしてるので」

「いまもちょっとはわたせるし」
「はずかしーけど」

「まえばらいかも」

できます!のガッツポーズ。
(-145) susuya 2022/05/06(Fri) 0:06:54

【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

手渡されたメモを、首を傾げて受け取る。
黒板にも書かない内緒話である事は察しているけれど、いつもよりぎこちないな、なんて思って。

──メモの内容を目で追えば、「ぇ」と声を漏らした。

しばらくそのメモを黙って 何度も、何度も読んで。
やっと上げた顔は、……青ざめている。

「ラ」「ラピ ス」
「おれ」

「お れの ばんなの ?」


掠れた声で 決まり切った事を問う。
(-146) susuya 2022/05/06(Fri) 0:12:58

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

もう一度、頷く。
何度読んでも、書いてある文字は変わらない。

今日居なくなるのは、トットなのだと。

いつか来るかもしれないと、薄々は考えていたこと。
青ざめるその顔を、それよりずっと深い青色の瞳が見つめている。

『決まってしまったことです』

無慈悲に、そう伝えるしかできなかった。
(-150) dome 2022/05/06(Fri) 0:25:48
花信風 トット(匿名)は、メモを貼った。
susuya 2022/05/06(Fri) 0:26:02

【秘】 司書 エルナト → 花信風 トット

「本当に?わぁ、嬉しいなぁ。」
「……?毎晩してるんだ、偉いね。」

何でちょっと言い淀んだんだろう、と思いつつ。
たくさん貰えそうなので嬉しそうに笑う。
良かった、やっぱり、あると安心感が違うから。
非常食があると安心できるのとおんなじ。


「!」
「じゃあ、今ちょっぴりもらってもいい?」
「…こっち、くる?」

恥ずかしいなら、あんまり屋外じゃない方が良いのかな、と。
開けた窓の内側を指さして。
さて、血の花はどんな感じなのだろう。
楽しみだな。
(-154) arenda 2022/05/06(Fri) 0:41:46

【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

決まってしまったこと。

その言葉に大きな瞳を揺らして、薄く開いた口から「ぅ」「ぁ」と意味の無い音が漏れる。

「だっ て」「や」
「うん、うん 
わかっ た

「おれがいけばいーなら そ、やっ て」

何度も、何度も何度も、自分を納得させるように頷いて。
ここで拒めば迷惑になってしまうから、自分が素直にならなければならないと。

素直にならなければいけないんだけれど。

──ぐしゃりと、花飾りを掴むように頭を抱える。

「お、おれ」「はっ、」
おれたち
 が」

「さけなくなる」
「さけなくなっちゃう」「はな」「が」

……浅くなっていく呼吸の合間、とぎれとぎれに。
困らせちゃだめなのに、大丈夫なのに、
巡る血がそれは駄目だと頭を揺らす。


「わ わ、かった わかったよ んふ ありがとラピス」
「あは あの いつでもついてく 、 からさ」
(-155) susuya 2022/05/06(Fri) 0:48:00

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

「………」

誰もが、病を治したいと考えているわけではない。
誰もが、治療を受けたいと考えているわけではない。
それはよくわかっていた。

花飾りを掴み頭を抱える様子を見る。

『無理をしなくても大丈夫です』

"あなたたち"にとっては、受け入れ難いことなのだろうから。
子どもらしく、我がままを言ってほしかった。
子どもらしく、弱音を零していてほしかった。

「………」

『花を』
『花のお茶を、飲みましょう』
『森に行く前に』

紙袋でもらった花弁。
一度、仕事をこなすために使った。
まだ余りはあるから、あなたと一緒に飲みたかった。
(-157) dome 2022/05/06(Fri) 1:11:35

【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

「ん」
「んう うん うん……」

息を整えて、整えて。
無理はしなくて大丈夫という言葉がありがたくて。
──頭から手を離す。ぶらりと降ろした腕の包帯は、朝食の後にまた新しくなっていた。

「……いっしょにのんでくれるの?」
「おれ ラピスといっしょにおちゃのみたい……」

歩み寄って、あなたの袖を引く。
(-186) susuya 2022/05/06(Fri) 11:42:09

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

真新しい包帯が目に止まった。
袖を引くあなたを安心させるように微笑んで、そのまま手を引いて歩き出す。

生徒を"連れて行く"ときには、
ある程度行動に自由が与えられる。
とことこ、小さな足音が向かった先は
誰もいない調理実習用の教室。
鍵で施錠を解いて、その中へ。 

「………」

広い教室の中、調理台の一角にトットを座らせると
鍋にミルクを注いで火にかける。
沸くのを待つ間に、花弁を紙製のティーバックに詰めた。
紅茶でミルクティーを作るのと同じ手順。

(-200) dome 2022/05/06(Fri) 14:05:24

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

「………」

後はカップに注ぐだけというところで少し考える。
ポケットから小瓶を取り出して、
あなたに見えるように持ち上げた。

入っているのは真っ白な粉末。
一見しただけだと塩や砂糖にしか見えないそれは、
何度も"仕事"で助けられている睡眠薬。

──使う?

麻酔と同じだ。
眠っている間に運ばれてしまう方が楽なら、そうする。
自分で向かうのなら、やめておく。
その確認を取るために、掠れた息だけであなたに尋ねた。

入れてしまえば、飲み終わる頃には睡魔が意識を奪っていくだろう。
(-201) dome 2022/05/06(Fri) 14:06:37

【人】 花信風 トット

>>36 エルナト
「えー?ペットー?」
「ごはんがあってあそべてべんきょうできるならよいかも」

そこまで行くとペットじゃないような気がするが、そこは譲れないようだ。
犬猫扱いでも文句は言わないのだが。

「んむ………」
「なんかすいとられてるかんじするし ちがたりなくなるし いっぱいいっぱいはできない……」
(37) susuya 2022/05/06(Fri) 18:31:42

【秘】 花信風 トット → 司書 エルナト

「えらくないよ。だめっていわれてるの」
「でも……がまんできないから それだけ」

いつもは褒められれば素直に喜ぶのに、それだけは違うとハッキリ言った。
自分の身のためにはならないことだから。
自分の身の事は、二の次にしてしまうから。

「でもこーやって、やくにたてるなら、とてもうれしい」
「おれねー おれのはなつかってくれるひとがすき」

こくりと頷いて、窓の内側まで寄って。
腕の包帯を解けば──夥しい数の
傷跡
がそこにあった。

ポケットから鞘の付いたナイフを取り出して、刃を鞘から抜いて。
深呼吸して……腕へ振り下ろす。

血は 噴き出さずに。

「う」
、ふ ぁ……っ、あ」「は」

紅はみるみる間に芽吹き、咲かせ。
傷口から花開くのは、デイジーやアスター、ゼラニウム。

「い、ッ……あ、ぁ えへ へ も……ちょっと」「だけ、ぅ」

(-219) susuya 2022/05/06(Fri) 18:57:47

【秘】 花信風 トット → 司書 エルナト

自然じゃ見られない速度で育っていく花々はトットの腕を彩り、その分だけトットの身体はびくりと震えた。
かく、と膝に力が入らなくなった。そのまま座り込む。

「んぁ、ふ、ッ、あは、は、…………っあ"、」

ブチリ。


──勢いに任せて花を引き抜いた。
引き千切ったと言ったほうが正しいかもしれない。

「……………………、おわ、おわり」
「えへ、へ……あは、こ、こんなかんじ」

「さいたよ」

肩で息をしながら、涙の滲む上気した顔で貴方を見上げて花を差し出した。

腕に血はもう流れていなかった。花が咲けばすぐに塞がるようだ。
(-222) susuya 2022/05/06(Fri) 19:00:59

【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

手を繋いで先導するあなたの後ろで、鼻をすする音が聞こえたかもしれない。

調理実習室に入れば、素直に座って。
ふつふつとミルクが鍋にかけられて泡が浮かぶのを、ぼうっとした顔で見ていた。

一つ一つの手順を、緩慢に目で追って。
小瓶を見れば。

「……………………」
「うん。おれ、ねむりたい」
「そのほうがいい」

頷いた。

「……しあわせなゆめ みてたほうが」
「おれは こころのじゅんび できるから……」
(-223) susuya 2022/05/06(Fri) 19:14:41
トットは、自分の部屋の鍵を掛け忘れたなぁ、とぼんやり思い出した。
(a28) susuya 2022/05/06(Fri) 19:15:05

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

「………」

頷かれれば、淹れたてのお茶に匙ですくって粉を入れ溶かして、片方をトットの前に置いた。
からん、とティースプーンが乾いた音を立てる。
しあわせな夢を見るための片道切符。

怖いことが何もなければいいのにと思う。
いつも元気なその姿が今は見えないのが寂しかった。

どうぞ、と身振りで促して、自分は両手でカップを包むように持つ。
手袋越しにじんわりと温かさが移った。
(-227) dome 2022/05/06(Fri) 19:42:37

【秘】 司書 エルナト → 花信風 トット

「我慢できないんだ。」
「……なんでだろう、辛いわけじゃないのかな。」
「気持ちいいとか?」

血を出すという行為は、自分を傷つける行為に等しいもののはず。
なればあまりしたくない、と思うのが道理な気がするが……
君に手を伸ばして、窓の内側まで招き入れ。
そっと窓を閉めて、カーテンを閉じる。
図書室には誰もいない。
今の図書室は鍵を閉めていて、営業していない状態だったから。

「…っぅ、ゎ」

それから、解かれた包帯の中身を見て。
それそのものでは、目を細めこそすれ声を出すことはなかったのだけれど。
その後の、ナイフを突き立てる行為には。
思わず声を上げ、目を閉じてしまった。

恐る恐る、目を開けて。



「……わぁ……!」

行為と裏腹に奇麗な言葉の花が咲く。
それは何とも奇麗なもので、奇麗すぎて不気味ささえ覚え。
ぶち、と引き抜かれる花弁に、思わず目が釘付けになる。
こんなに奇麗なのに、血なのか。


「……ありがとう、痛くはない?」

零れそうな涙を、指で掬いながら、問いかけて。
掬ったそれを、ぺろりと口の中に運んで

(-232) arenda 2022/05/06(Fri) 19:52:35

【秘】 司書 エルナト → 花信風 トット

そうして、受け取った花。
しげしげとそれを眺めて。
くぅ、とお腹が鳴いた。


「うん、じゃあ。」
「頂きます。」

貰う側だから、きちんとした敬語で。
………なんてわけではなく。
それは。
食事の前の、簡易的な祈りの言葉。



ぱくり、とその花を口に運ぶ。

こんなに奇麗な花だけれど、それも血であるのなら。
それは、自分の"食事"の対象に他ならなくて。
今まで、食事の時に噛むなんて行為、してこなかったから。
その新鮮さと、ずっと空腹のお腹が満たされる快感と。
色んなものが混ざって、嬉しくて、気持ち良くて。


「………美味しい………。」


熱っぽく呟いた言葉。
上気した顔は、こちらも同じだった。

「もっと食べられたらいいのに………」


お腹いっぱいまで、食べられたらいいのにな。
(-233) arenda 2022/05/06(Fri) 19:58:08

【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

「ありがと」

ティーカップを貰えば、少し微笑んだ。
倣うように両手で持ち上げて、ふう、と息を吹きかける。
空気の揺らぎと小さな波に混じって、花の香りがした。

瞬きをして、そのまま一口。
甘い。 
……もう、後戻りもできない。


コク、コク、とまた飲んで、ほうと吐き出す息さえ温かい。
……少し思考がぼやけてきた。眠る前に、と。

「ラピス」

「おれ、たぶん……だめになっちゃうとおもう」
「なおったら」
おれたちさかなくなったらつかわれなくなっちゃう

「それがこわいの」

ゆっくり、まばたき。それから、もう一口。

「ラピスは」

さかないはなをゆるせる?
(-235) susuya 2022/05/06(Fri) 19:59:49

【秘】 花信風 トット → 司書 エルナト

気持ちいいのかと問われれば、「ん"う」と唸る。
いつも図星を突かれた時に出す声だった。

「いうな……」

恨めしげな目、恨めしげな声。恥ずかしいというのは、これが原因らしく。

確かに、花が育つ時のトットの様子は正に"そう"であるようだった。
熱い息に、潤んだ目。跳ねる肩に蕩けた声。
年齢に相応しくないとも言えるその様子は、過ぎた感覚をトットに与えている証左でもあった。

だから、痛くはなかった。

「んふ」「き、もちい……よ」
「だいじょぶ」「あは」

一度は自分から不服とした事実を、簡単に認めた。
掬われた涙が、咲いた色とりどりの花が貴方の口に運ばれるのを、どこか恍惚としながら眺めて。

(-239) susuya 2022/05/06(Fri) 20:15:18

【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット

何度、微睡みに浸かっていく姿と向き合っただろう。
甘さを口の中で転がして、問い掛けに耳を傾ける。

「………」

少年にとっては、咲くことが、
使われることが存在意義なのかもしれない。
静かに黒板をチョークがなぞる。

『咲かない花があっても、良いと思います』
『世の中全てのものに、使い道は必要ないと思います』

花はただ、咲けるときに咲くだけ。
咲かないなら、そういう花だっただけ。
それが自然なことだと少女は思っていた。
使われなくても、誰が見ていなくても、花はそこにあっていい。
そこにあったことを覚えている人がいれば良い。

『私は、許しますよ』

それが答えだった。
(-240) dome 2022/05/06(Fri) 20:19:09

【秘】 花信風 トット → 司書 エルナト

美味しい、と。

その言葉で、なにか どこか
今までにないくらい、色んな気持ちが溢れた。


「おいしい」「あは」
 
「ふ、んふ あはは えへ ああ……」

「おれおいしいっ?おれたちのことたべてくれるのっ?」
「つかってくれる?おれやくにたつ?」

「うれしい」「うれしい!」「おれたち、もっとさきたい」


……ゆっくり立ち上がる。足が震えるのは、痛いからではなくて。
体に力が入らないから。ぬるま湯に浮いているような感覚だ。

多幸感。

年相応にはしゃぐ姿は、けれどいつもよりどこかおかしい。

「おれ〜 あは とってくるねぇ」
「もっとあげる んふふ」


言うやいなや、ふらりと図書室を出ようとした。
まるで褒められた犬のよう。……無抵抗に、無邪気に、盲目に。トットは 喜んでいる。
(-243) susuya 2022/05/06(Fri) 20:29:58

【秘】 司書 エルナト → 花信風 トット

「気持ち良いんだ。」
「………へぇ………。」

というのは、少し揶揄いの混じった声と目線。
こんなに小さくても。
そう言うのはあるんだなぁ、と。
くす、くす、笑って。

実際に目の当たりにしたそれは確かに。
実際にしてる行為は違えど、そうであると言ってもいいもので。
その表情を可愛いと思い、汗ばんだ顔を美味しそうと思い。
ただ、幼子が自分を慰める行為を、目前で見ている。



慰めた君が出したものを、口に運ぶ。


美味しくて、美味しくてたまらない。
もっと食べたい、もっと欲しい。

(-245) arenda 2022/05/06(Fri) 20:36:09

【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス

「…………、……ふふ」

蕩けていく思考の中。狭くなった視界であなたの文字をなぞって。

「よかったぁ」

「じゃあ、 おれ さけなくなっても」
「まだ さけてても」

「いーんだ」


遠のく意識の中、置いたカップは もう空だ。

「ありがと」

「……らぴす」「これ」


座っていられなくなって、机に伏せた。
おもむろに頭に──花飾りに手を伸ばして、

ぷちり、と 音がした。

「……じつは これも」 「おれ のはな……ヘヘ」

「あげる」


あなたのカップの横に、そっと置いて。
そのままふと、意識を手放した。

幸せそうな顔で寝息を立てている。
(-248) susuya 2022/05/06(Fri) 20:39:40

【秘】 司書 エルナト → 花信風 トット

「…君の事、全部食べちゃいたいな………」


君の中の、その全部。
部屋に貯めこんでるものも。
全部、全部、全部。
全部が欲しい。そしたらお腹いっぱいになれる。

「君がくれると、とっても助かるんだ………」


恍惚とした顔で、蜂蜜のような声を漏らす。
様子のおかしい君を、その言葉をぼんやりと聞き。
取ってきてくれるんだ、嬉しいな、と。
思って。


「トットくん………大丈夫………?」

ふらりとした足取りに、ほんのわずかに残った理性で手を伸ばし。
叶うなら体を支えるようにして、問いかけた。
大丈夫だというなら、そのまま。
部屋に行かせるだろうけど。


/* 更新時間が近づいてきちゃったので、ふわっと区切ってもらっても大丈夫です!
勿論続けてもらったら喜びます!どちらでも大丈夫なのでお好きなように!
(-249) arenda 2022/05/06(Fri) 20:42:09

【置】 花信風 トット

トットの部屋は、トットが一人で使っていた。

寂しがりやのトットが自分から「一人部屋が良い」と申し出た時は、周りから驚かれた事を覚えている。

トットの部屋にはトットしかいなかったから、閉め忘れた部屋の鍵を掛ける人も居ない。

薄く開いた部屋の扉の隙間から、ひとひら。

それから、開けたままの窓から吹き抜けた風が扉を押して。

花を、
 
花を、
  
花を、

   
花を、
  ✱*   
花を、
 ゜
 
花を、
花を、
  *。 
花を。


廊下へと散りばめるように、花を溢した。

部屋の中は行き場のない花に溢れている。
ベッドに、棚に、机に、床に。


遅すぎる花信風が吹く部屋に、今夜トットは帰らない。
(L8) susuya 2022/05/06(Fri) 20:51:47
公開: 2022/05/06(Fri) 20:55:00

【秘】 高等部 ラピス → はなわずらいの トット

寝息を立てる姿を見て、黙り込む。
最初からそこに声は無かったけれど。

ゆっくり、手袋を外す。
その下にあったのは、所々が青い鉱石で覆われた肌だった。
夜空を映したようなそれは、まるで
ラピスラズリ
だ。

眠りに沈んでいくあなたの頭にそっと、その手を置く。
きっと記憶にも残らないかな、なんて思いながら数度撫でて。
カップの側に置かれた花を指先で拾い上げて、大事に抱える。

大人たちが迎えに来るまで、少女はずっと側にいた。




ありがとう。良い夢が見られるといいね。
………おやすみ、トット。
(-251) dome 2022/05/06(Fri) 20:55:26

【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト

「ゎ」

体を支えられて、ハッとしたようにそちらを見る。
少しだけ元に戻ったような様子は、あなたの恍惚とした顔に、耳に残った蜂蜜のような声に、また溶かされて。

「……ん〜ん」「だいじょぶ!」

今度はさっきより確かな歩みで。

「おれ ほんとにうれしいから」「おれいにあげる」

「あは」


風に乗るように、ひらりと開けた扉の隙間からすり抜けた。

……それから、トットが戻ってくる事はなかった。
少なくとも、今日は。
(-252) susuya 2022/05/06(Fri) 20:59:24
 




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