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【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡「いい兆候だ。」 「大胆な改革というものは、凡夫には理解できないものだから。」 貴方を捕らえているからか、自由を奪っているという自負があるのか。 こちらの口の方が、いつもより回っているようだった。なんとなく高揚しているように見えるかもしれない。 それでも左右に揺れる視線を追うことはなく、一意に貴方を見つめている。 「駄目だ。」 「洗い浚い吐いてもらう。」 「お前たちには相応の罰が必要だ。」 貴方の取引未満の言葉に応じる気は当然ない。 自分が作成した資料のコピーを捲り、さてと詰問を始めようとする。 貴方の言葉が続いたのは、捲ったページの先の彼と目が合った時だろうか。 それを聞いても、男は表情を変えず。 目を紙面からあげることもなく、言った。 「ああ。」 「それについては問題ないよ。お前の気にすることでもない。」 「寝不足か。因果応報ってやつか?」 「自分の商品を使えばよかったのに。」 (-14) rik_kr 2023/09/17(Sun) 22:09:40 |
【秘】 情報屋 エリカ → 黒眼鏡/* ぴこん。御機嫌よう運営です! イレネオ様を襲撃した方(黒眼鏡様)宛てに、情報屋ロッシを利用しての情報開示希望のお知らせです。 エルヴィーノ様が、イレネオ様を襲撃したPCを知りたいとのことです。 OK、NG、黒眼鏡様の都合に合うものを回答いただければ。 OKの場合は運営を通して内容を伝えるでも、黒眼鏡様が直接伝えるでも構いません。如何しましょう? (-41) 66111 2023/09/17(Sun) 23:32:22 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡「ふふ、どうして謝るんですか。 私もシスターではないただの一介の警察官。 咎める資格も何も持っていませんよ」 少しおかしな事を聞いたように微笑む。 悪党で、不心得者で、でも、それだけじゃない人としての魅力があるのも事実で。 そんな人が信仰心の有無について気にする素振りを見せるのはどこか新鮮な光景だった。 「……そんな顔をされるなら言葉に出さなくてもいいのに。 本当に、不思議な人ですね」 貴方の表情を見て、悪党とはいっても真に何の悔いも抱えていない人ではなさそうだ。 そんな人にこそ救われて欲しい気持ちがあるのを心にそっと秘めて。 「わわっ!!そ、そんな近付かなくても迎えますよ……! 悪党仲間だとしても最初から距離がち、近すぎます…!」 勿論赤面の女はそのまま食らって、肩を組んだまま墓地の方へと引きずられて行くことになる、前に。 「……悔い改めれば救われるよ、と知っているのに、 改めず、救われないと知って尚、罪を重ねていく己は」 「まだ愛を知らないで生きている今の悪党よりも、 ……ね、余程の悪党だと思いませんか。 思われてるよりも、全然善良ではない女です」 罪の詳細は語らないのは、聞かせたくなかったからで。 それでもこうして語ったのは、聞いて貰う事で助けになるから。 (-45) poru 2023/09/17(Sun) 23:34:44 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「ばあか、大人ってのはな」 ぐりぐり、がしがし。 あなたの髪がばさばさ揺れるのを抑え込むようにして、 無駄に強い力でぐいぐいと。 「トキとバアイによって使い分けるもんなんだよ。 女の前ではバチっときめて、そうじゃないときはダルっとやれ。 のんきにやるコツだよ、コツ」 暢気なことだ。――翌日自分がどうなるか、この時は彼はもう知っていたはずなのに。 (-101) gt 2023/09/18(Mon) 1:02:50 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「はいはい、まあ、付き合いますよ」 めんどうくせえなあ、なんていいながら、特に拘泥する様子はない。 ──彼にとっては、それは余燼。 そして、あなたという若者がなす今と現在。 ならば少しは手助けしてやろう。…そんな態度すら垣間見えて。 「ふうん」 大変だね、なんて零してから。 「商品に手をだすようじゃ、この稼業やっていけねえよ」 からから、と笑う。 その態度はなんともぶしつけで、無遠慮で。 「んじゃ、始めようか」 追及されるされるべき立場の男は、 「いうべきことはなんにもない。 弁護士の到着を待とう」 しれ、っと。 そういって、笑いもせずに目を閉じた。 (-109) gt 2023/09/18(Mon) 1:18:45 |
黒眼鏡は、寝ている。 (c1) gt 2023/09/18(Mon) 7:29:50 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「俺はそうでもないが、お嬢さんは結構神様のことが好きなのかと思ってね」 「好きな相手を蔑ろにされるのは嫌なもんだろ」 神と人とを同列に語るのが、既に宗教的マナーがなっていないのだが。 それでも大真面目な様子でそう語り、 「俺のやったことを悔やむ俺と、 同じことを誇る俺の両方がいてね。 そのバランスをとるのが人生の命題なんだ」 自己矛盾、あるいは中庸、葛藤。 どこまで本気かどうかわからないようなことを、つらつらと述べた。 ──そうしてぼやきながら、組んだ肩もぎゅうと抱き寄せた体もそのままに、 はははと愉快そうに笑う。 「最初からじゃなければいいのかい、あれか? 二回目のデートとか?」 軽口を語るときばかり、その態度は軽々しく。 それなのに、おんなじくらい軽々しい調子で、 「あんたは確かに悪党だ。 だがなあ、罪を悔いるのと、それを改めることができるのは別の話だからな。 あんたにとってその罪は、優先すべき理由があるんだろ。 ンならしたほうが合理的…っていうのが、俺らみたいな悪党の考えだが」 くつくつ、と、湧き出すように笑って。 (1/2) (-126) gt 2023/09/18(Mon) 8:00:05 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「少なくとも、あんたは善い女さ。まぁ予想より、ちょっと面白い嬢ちゃんではあったがね」 「――神の愛ではないにしろ、それが、あんたの愛ならいいと思うが」 言葉はやがて、語り掛けるのではなく呟くように。 静かに風の吹き抜ける墓地に、零れ散らばり、消えていった。 ──あなた以外に、その言葉を聞くものは誰もいない。 なおそういう話をしながらも、ぐいぐいと墓地の方に引きずるのは止めていない。力が強い。 (2/2) (-127) gt 2023/09/18(Mon) 8:03:28 |
【秘】 黒眼鏡 → マスター エリカ/*匿名で運命様から 「アリソン・カンパネッロ」でお答えいただけますと助かります。 その名義で摘発を指揮した(する予定…まだロールがすんでいない…)なので! (-129) gt 2023/09/18(Mon) 8:17:36 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡ぐりぐりされ続ければ当然のように髪は乱れていく。 そうやってぼさぼさになれば、初めて出会った頃のちいさなときとそう変わらない。 「わ、わ〜〜〜かったって! も〜〜〜にいさんがそこまでいうなら明日からは考えるから! すぐに女がど〜とかいうんだからさ……!」 もう離せってば、痛いって!と。 男は、やっぱりべしべしと貴方の腕を叩き続けて。 「いい加減噛むぞ〜!?」 今夜自分がどうなるかなんて知らないまま。 明日も変わらない日常が続くと信じている。 (-137) mspn 2023/09/18(Mon) 9:39:36 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「ハハハ」 くしゃくしゃになったぼさぼさ髪を、なんだか懐かしそうにこね回す。 「おっと、猫に噛まれちゃたまらない。 見た目より痛ぇからな。 気を付けろよお前も」 ぐいと押しのけられるように手を離して――けれど寸前、耳元に口を寄せて。 「女にはな、気を付けろよ」 「お前みて〜のはとくにな」 笑いながら手を伸ばし、クロスタータを包むラップをぺり、と爪で欠け剥がした。 「ありがたく頂くよ。 ほれ、仕事あんだろ? 気ぃつけて帰んな」 (-141) gt 2023/09/18(Mon) 9:57:24 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡貴方のその、横柄な態度。 いかにも自分は真面目です、という態度。 悪党のくせに、悪人のくせに、それを焦って否定することはなく。それなのに開き直って、俺は真っ当な悪人だと言いたげな態度。 チ、と鋭い舌打ちが空気を裂いた。 目を閉じる貴方の正面で、男は目を眇めていた。 骨ばった手が眼鏡のつるを掴む。かちゃ、と音を立てた。 ペースを握られてはいけない。 それは自分の手元にあるべきものだ。 平常心、を保とうとする。保とうとして、小指の先がテーブルを叩いた。 「入手ルートは。」 さて。 黙秘はさせないと言うばかりに問うていくが、貴方の答えはあるだろうか。 (-144) rik_kr 2023/09/18(Mon) 10:12:31 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「知ってるし──」 猫に噛まれたことぐらいはある。 む、と唇を尖らせつつもようやく離してもらえたのでほっとしたのも束の間。 耳元で告げられた言葉にはなんだそれ、の表情だ。 「なんでオレだと特に……」 「……気を付けるけど!」 思い出したのは以前出会った“先生”のことだ。 自分が貴方よりもあしらいが上手じゃないことぐらいは自覚しているから、忠告は一応ちゃんと受け取った。 とにもかくにもようやく自由だ。 早速食べてくれるらしい様子にはじわりと嬉しさを抱きつつ。 「ん、仕事はも〜終わった! でも夜は約束あるからもう行く! あとねえさんにもあげたいし!」 「にいさんも、仕事はほどほどにな〜」 で、最終的にはいつもの笑顔だ、にっと笑ってまた駆けていく。 扉を閉める直前にぶんぶんと手を振り、足は今日まだ会いたい人たちの元へ。 ……そうやって誰かが望むように貴方に会いに行ったことが。 後に"法に触れる"と判断され、手錠を嵌められてしまうなど。 やっぱりそのときはまだ、知らないままだった。 (-145) mspn 2023/09/18(Mon) 10:21:43 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「どこだったかな。 そうそう、知ってるか? 三日月島一番のジェラート屋。 あそこのイチゴが一番うまい」 それが言うべきことなのだろうか。 ふてぶてしくも足を組み、ふんぞり返る姿が見えるようだ。 …今はその姿勢はとれないが。 「あんたも少し冷たいものを食べようぜ。 頭を冷やした方がいい。 一夜漬けして湯だった頭だと、 なんでも仕事が効率的に思えるだろう? あれは勿論脳内麻薬による錯覚で、 しっかり休んだ方がパフォーマンスはいい。当然のことだよな。 あんたも多分、分かってるはずだと思うんだが」 …これは間違いなく、言うべきことではないだろう。 途中で止められなければ、舌が回るだけ見当違いな講釈を垂れる。 (-146) gt 2023/09/18(Mon) 10:26:40 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡「そんなことは聞いていない。薬で脳まで溶けたか?」 断ち切る言葉にはけんがある。 「お前がしていいのは俺の質問に答えることだけ。」 「許されているのはそれだけだ。判るか? 黒眼鏡。」 明らかに苛立った声音は勿論貴方に煽られたもの。 低く唸るような言葉は勿論貴方が引き出したもの。 貴方が目を開いていたなら見えただろう。 男は人差し指を立て、貴方の眉間に強く突きつけた。 ぎりぎり触れない距離だ。それがきっと、理性の境。 「調子がいいのも大概にしておけよ。」 口を回せと言っておきながら、随分な言い草である。 (-152) rik_kr 2023/09/18(Mon) 10:58:43 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「許されている、というのは誰にだ? お前にか? ああ勘違いするな、これはきちんとお前の疑問に答えるものだ。 いいか、よく聞け、一字一句聞き逃すなよ。 本来こういうのはお前が全部筋道たてて、これこれこういうものだから間違いないよな、ほら認めろと 俺の首根っこをひっつかんで額で判を押させるものだ。 前に捕まった時はそうだったぞ。 んで、違うよな。法は個人ではないのだから、個人が振るうものは法ではない。 お前が拠るべきは正当性とは、つまり法だ。 法に則るから正義で、法に反するから悪。 そういう意味で言えば入手ルートについては法に触れちゃいないんだ。 違法じゃない品物を運んでることになってるんだから。 それを認めたのはどこだ? 行政だな 真面目に仕事してるとこういうことが通りやすくていいよな。 さあシンプルなものの考えじゃないか。俺にもお前にも分かりやすい」 突きつけられた人差し指がたとえ額を抉ろうとも、 アレッサンドロは顔を逸らすことも下げることも無い。 結局のところ、 実行される暴力 に晒され続けたものは、痛くも痒くもないものを痛がったりはけしてしない。 「サテ、この取締法が、多額の献金によって設立したことは知っているか?」 いつもなら、ぱちんと手でも打っていただろう。 「金で法律を作れるンだから、正義というのもなんだ、もしかしたらレシートが出たりするんじゃないか? 是非見せてほしいものだ、帳簿付けは得意だ、任せてほしい」 (-154) gt 2023/09/18(Mon) 11:14:28 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「それでいいそれでいい。 ま、気ぃつけてもダメなのが女子供だが」 結局ダメなんだろうか。 適当極まる言葉とともにラップをぺりぺり、剥がしたはしからがぶり、とかじりついて。 「おう、気ぃつけろな。 フィオにもよろしくいっとけ」 ぶんぶんと振る手が、その扉の向こうに消えていくまで見送った。 「輝くものすべてが、黄金だとは限らない」 カウンターに腰を下ろして、溜息のように。 「痛い目見なくちゃ覚えないが、 痛い目も見てほしくねえのが兄貴分ってもんだよなあ」 トシとると独り言が多くなっていけねえな、と。 クロスタータがゆっくり、だが大口で削り取りながらつぶやいた。 (-156) gt 2023/09/18(Mon) 11:21:47 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡がたん。 一際大きな音が広くない部屋に響いた。 男が立ち上がった音だ。椅子が揺れて細かに反響した。同時に左の手が貴方の胸ぐらを掴んだ。ぐ、と力を込めて引き寄せれば、眼前に額を突き合わせた形になるか。 燃える瞳が至近に映る。金の瞳。激昂に色濃く、ぎらぎらと炎をちらつかせる瞳だった。 「これだからノッテの奴らは嫌いだ」 「伝統に砂をかける、規則に泥を塗る、法に唾を吐きかける────他人のことなんぞ自分の食い物にしか思っていないんだろう、下衆が!」 食い締めた歯は鋭い。 肉食の獣のようなそれを有為に晒して男は貴方に詰め寄る。 ▽ (-175) rik_kr 2023/09/18(Mon) 14:09:20 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡「ご教示どうもありがとう」 「アレッサンドロ・ルカーニア、お前は現行の、反社会組織取締法によって悪だ。ようやくお前に追いついた。お前が目を向けるべきなのは帳簿じゃない、自分自身の末路だよ」 は、────と、笑う。 勝ち誇っているようにも見えた。単に、激昂の興奮があるだけにも見えた。 「お望みならそうしてやる」 「額で判を、だったか。どうせなら血判にでもしてみるか?」 手は胸ぐらから襟首へ。 貴方が何もしないのであれば、次には顔から机に激突することになるだろう────この、頭に血が上った獣の手によって。 (-176) rik_kr 2023/09/18(Mon) 14:10:18 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ引っこ抜くように持ち上げられたその腕に、 のけ反って体重をひっかけながらからからと笑う。 金の瞳が焔ならば、それは燻る堅炭だ。 黒く黒く歪まず濡れて、しかしぐらぐらと煮え滾るように熱を孕む。 「犯罪者を相手にぐだぐだ言うのがお前の流儀なんだな。 どこで喧嘩を学んだんだ、ボクササイズ・ジムか? 薄着の女がいないとアドレナリンも出せないか」 顎先を引き、ぎちぎちと襟が引き絞られて、 それでもなお余裕を湛えたような顔で。 「やれよ、ドさんぴん。 マンマのポリッジをひっくり返すのとはワケが違うぞ、 デスクワークで鍛えた筋力を見せてみろよ」 嘲笑う。 (-183) gt 2023/09/18(Mon) 15:17:20 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡/* お疲れ様です。 お世話になっておりますおさとうかえでです…(ここに任意の感情) 手が空き払った頃に牢獄の様子を見に行きたいと思っているのですが、事前に牢獄の様子などで留意事項などありましたらとご連絡致しました。 あとお預かりしている荷物ですが、同じく落ち着いた頃に情報屋ロッシを利用して内容を知ろうかなとも考えています。 なにか不都合ありましたらお教え下さい…… お返事の方も、そちらが落ち着きました後でかまいません。 まだ暫く伺うまでかかると思いますので…………。 よろしくお願いします。おさとうかえででした! (-201) oO832mk 2023/09/18(Mon) 18:00:39 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡この男は曲がりなりにも警官である。 おまけにこの国の男としても大柄で ──その体格でさえ貴方に負けるのが癪だが── 、つまり、人一倍の筋力や体力は当然備えていた。最早何も言うまいと口を結べばぎり、と歯が鳴った。言葉以外も饒舌だ。 黒と金はもう一瞬だけ交差するだろう。そしてそれが最後になる。 ────ダン!! 激しい音を立てて貴方の頭部が落下する。させられる。させられただろうか。 男の思う通りになったのであれば、貴方の顔面はただでは済まないはずだ。けれどこれはそれで飽き足らず、追撃を喰らわそうとするけれど。 (-208) rik_kr 2023/09/18(Mon) 19:42:50 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「 ぐ っ… 」にやけたような面が、硬質なスチール机に叩きつけられる。 鈍い音をたてて振動が床を叩き、衝撃とうめき声が部屋を伝う。 あざやかな赤い雫が、ぽたぽたと音を追いかけるよう机に落ちた 「、 ぉー、痛え…っ、なんだ、一回でブルったのか、 人間わりとジョウブだ、気にせずだなぁ〜…」 鼻血が絡んだごぽりという音。 机に頭を叩きつけられた男は、それでもなおなにかを言っていたが、 反射的に体が跳ねる以外に抵抗するそぶりはない。 その気になれば、幾度でも頭を打ち付けることができるだろう。 なに、死ぬことなんてそうそうない。 (-215) gt 2023/09/18(Mon) 20:44:02 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡> 0日目 小さく笑う。周りに比べれば年嵩だろう貴方を、年下の子供のように見る目だ。 言葉の上では年長者の責を求めるくせに、対面すればまったくそうではない。 社会、世間からしてみればいい大人のような振る舞いが随分上手くなった。 年の頃の近いマフィアの一員、敵対者を見るような目から代わって、 まだ未熟なものを見るかのようにいつしか移り変わっていった。 変わっていったその先は、最後には何になるのだろう。 「この年にもなって、野良猫みたいに道に飛び出したりなんてしないさ」 だから、返答するに伴って少しだけ振り返った顔に張り付いた表情も、 大層其れらしく繕ったような余裕を持った悠揚がそこにあるばかり。 内心で何を考えているのだか、なんて翳ったスカイブルーが語るだけ。 見透かされる前にふいと視線は逸れて、道の向こうへと足音は遠ざかっていった。 #Mazzetto → (-223) redhaguki 2023/09/18(Mon) 21:07:59 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡> 3日目 それが、まだ何も起こらずに過ぎ去った日のこと。 検挙されたと名前のあげられた人物を探して、目標を挙げた部署の建物内へと足を踏み入れた。 取調べを受けたとされるその人物は、どこにいるのだろうか。 貴方の見てないところで、男がどんな対応をして、表情をしたのだかなんてのは知れないこと。 知らないことは話せない。 (-224) redhaguki 2023/09/18(Mon) 21:08:40 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ/*こちらこそお世話になっております、ポップコーン殺人事件です! ダニエラさんの姿を牢獄から見守っております。 (現在逮捕〜勾留ロール中なので状況が確定しておらず、あまり表に顔を出せなくてすみません) 見に来ていただけるの嬉しい!です! 特に注意点はありませんので、やりやすいようにしていただければ。 実は用意していたルートで連絡とかもできるようになっています。 (使用する場合は任意のジェラート屋さんなどにメッセージをお託しください) 荷物はあける場合はご連絡ください。中身をお伝えします。ダニエラさんのお手元にあるものなので、いつでもいいですよ!!!!!!! こちらはのんびりしたものなので、 お時間あるときにゆったりとお付き合いいただけましたら嬉しいです。 なにとぞよろしくお願いします…! (-227) gt 2023/09/18(Mon) 21:21:35 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡/* 心の準備をしていましたが傷は深いです。 おさとうかえでです。 まだ未確定なのだろうな〜とは思っておりましたので、お気になさらず…! ジェラート屋さんが使えることに今1番驚いています…使えるんだ!? 何も知らずに後日ジェラートを食べる予定でした。そのままでもいいかも…… すごい。開けてほしそおに見える。すごい。(語彙) ダニエラはあまり開けることに乗り気ではなさそうなので、ソロールしながら展望を見てみようかなと思います。持っててよかった叢魔窓。 よければそちらで開けることになりましたら、秘話にて描写をくださいませ。…墓下って叢魔窓見えましたよね!?(確認) 未確定が確定してからの方がよいかな?と様子を伺っておりました。 その方がよさそうでしたら合図を頂けましたら参じます。 なにとぞよろしくお願いいたしますねm(_ _)m (-253) oO832mk 2023/09/18(Mon) 23:01:58 |
【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡赤。 赤 。赤 。赤 だ。白い光の下でそれはよく光った。流れる血液は天板に雨を降らせるが、なかなか溜まるほどの量はない。 ガツン。 二回。ガタン。 三回。大きな音が鳴る度に無機質な机に赤が散った。 その度に荒い息が貴方の頭上に吐き下ろされた。 落下には自重もかかるとは言え、成人の身体を持ち上げるには難儀する。 三度もすれば限界か。それとも飽きたのか、次に男は貴方の身体を後ろに放ろうとした。 それが叶うなら、貴方は強かに背を打ち付けることになるだろう。貴方の話を、既にこれはまるで聞いていない。 (-258) rik_kr 2023/09/18(Mon) 23:31:10 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたが留置場を尋ね、そこにいる者に声をかけたなら 「こちらです」…と、普段あまり使わない一角へと案内してくれるだろう。 絶対に使わないわけではない。 ただ、そこは人数が一定以上の時だとか、他の受刑者の近くに置いておくのを避ける場合だとか―― そういう場合に使われる場所のはずだ。 とにかく、アレッサンドロは、留置場の中にいた。 場末のホテルよりは清潔な狭い部屋、簡易なベッド。 そこにごろんと横たわる長身の男。 なんだか顔やらあちこちがぼこぼこに腫れてはいるが、元気そうなそいつは、 あなたが覗きに来た時にはぐうぐうと寝息をかいているだろう。 (-262) gt 2023/09/18(Mon) 23:57:04 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡あくまで、責任者然として男は留置所へと踏み入った。 おそらくは部下の何れかがあげたのだろう目標の取調べの一環として。 正式な手続きを踏んで下って来たのだから、何くれと言われる筋合いもない。 重ねて、これからの取調べを有利にするための布石だなどと言ってしまえば、 連れてきた人間も丸め込むことは出来た――おそらくは、だ。人の心などわからない――筈だ。 堂々たる姿勢をどう捉えるかはさておき、相手は確かに重鎮だ。 周りと多少違う対応を取られるのは、おかしな話ではないだろう。 そんな奥まった場所の部屋の前に立ち、壁を指先で叩いて音を出す。 直接叩き起こせもすればこそ、今はそうしたこともできない。 「随分な姿だな、黒眼鏡」 声音には、数日前に見せたものとも違う隔たりがあった。 こっちが正しい姿で、正しい対応で。マフィアの幹部に対する声の掛け方だ。 外よりもいっそうに冷えた廊下に染み入るような、重たい声だった。 (-266) redhaguki 2023/09/19(Tue) 0:24:08 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「 う ご」「っ、」 「っ、……っく が」 ぶふ、と、蛙が咳をするような濁った音が響く。 アレッサンドロが息のようなもの吐くたびに、ぽたぽたと赤い飛沫がテーブルか床かを汚した。 ぐらん、とその首が大きく傾いで、どうやら脳にまで震動がいってふらりと目線が回転する。 ──だがそれを、あなたも見ることはないだろう。 四肢から中途半端に力が抜け脱力しかけた体は重く、 それでも放り投げるならば土嚢か砂袋と同じようなもの。 ごづん、と。 柔らかくも鈍い音を響かせて、 「っ、 ……っげほ、……げほ 、…っ、」男は背を打ち付け、せき込んだ。 何か言おうとするが声にならなかったらしく、 ぺ、と血の混じった唾を床に放るだけになる。 苦痛と衝撃に歪んだ眦が──それでもあなたを、見上げている。 逸らすことなく、じいと、まっすぐ。 (-268) gt 2023/09/19(Tue) 0:31:14 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡人体というよりは、物が放られるような音だった。 どたん、ともばたん、とも取れる音。重たさだけははっきりと伝わる音。その後、ごづん、とまずそうな・・・・・音。 赤やらそれの混じった透明を撒き散らして、荒い息や呻きを漏らして、なおも無抵抗を貫く貴方を見ている。 男は見ている。上から。じっと見下ろしている。 その呼気は目立って荒かった。 ぬちゃ。 そろそろ溜まり始めた血溜まりを磨かれた靴先が踏む。 ちゃ。ぬちゃ。ぬち。 塗り拡げるように踏む。踏む。 そうして踏み出せば、上背が室内灯を遮るか。 一層暗くなる堅炭を一層盛る焔が見下ろしている。 さて。 それでも貴方が動かないのであれば、これはぶらりと────ストレッチをするように左の手を振り。 そうして再び、今度は馬乗りになるようにして、貴方の胸ぐらを掴もうとした。 (-286) rik_kr 2023/09/19(Tue) 1:50:19 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ/* こちらももうちょっと色々ダニエラさんとやっておきたかったのですが、 これはこれで……(過去にも多分ゆったりと交流してたんだろうなという感じではありますし) 機会をみて色々やっていければ嬉しいで〜す! ジェラート屋さんはアレの仕込みが色々してあるので、実はまだ使えます…! そのうちふっとメッセージがくるかもしれません。 荷物に関しては見ても見なくてもぜんぜん! だいじょうぶなのですが、開ける際はご一報いただければだいじょうぶです! アレッサンドロとしては、ダニエラさんの手元にあることが大事なものですので。 業魔窓みえてます!ルチアーノこいつ…(後方保護者面) そして状況ある程度確定しつつあるので、多分いつでも大丈夫です! 最期までよろしくお願いしますね。 (-289) gt 2023/09/19(Tue) 3:03:53 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡髪触るの、好きなの?と聞いたことがあったような気がする。 だから、あなたがそうやって触る時。自分から髪を巻きつけたりしたものだ。 さらさらとした髪質は、そうしたってすぐ解けて広がったから。 「っん……あ、ぁっ…」 断続的な甘い声が、あなたの傍で響いている。 指の沈んだ秘部をしばらくそうしていると、包み込むような柔らかさに変化していく。 かといって緩いわけでもなく、中に入ったものを抜こうとすれば吸い付くような。 「ん……うん」 はあ、と息を吐いて。 少し呼吸を整えた後、押し付けられた性器に手を伸ばす。 自分の手できもちよくなってもらうのも、好きだから。 下着の上から、あなたのそれを指先で責めていく。 あなたがまだ、自分でも責めたいのなら。 好きなように体勢を変えてもいいと。 口付けの合間に、また囁くのだ。 (-292) otomizu 2023/09/19(Tue) 4:18:12 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡ぽかんとしたような表情から一転、困り笑いを返す。 勝てないなあ、本当に。と笑いかけて、 「今のちょっと、……ずるいなって思いました。 ……さすが悪党さんですね。人心掌握に長けていると」 拗ねたように唇を尖らせるが、内心そう呟く程度には貴方の言葉が嬉しかった。 神と人を同列と言う点だって、貴方の視点から見ているのであれば特に引っかからず、気遣いの言葉に聞こえたから。 どちらか片方に偏り過ぎず、常に均衡を取るのを命題とするバランス感覚だって持っている。 こう言うのは何て言うのだっけ。ギャップ? 「……見透かされているようで、お恥ずかしいですが、 ……そうです。優先すべきことがあるから、意図的に罪を犯します。犯したい訳ではないなんて、ただの言い訳ですから」 善い女、と言われれば、 虚を衝かれたように返答に困ってから、頬に少し赤みが宿る。 「共犯者さんをあんまり揶揄わないで下さいよ、もう……」 わたしの愛とは、なんだろう。 どうしてか、そうして肯定されてしまうと弱くて、怖くて、 ぐいぐいと引っ張られ気づけば墓地にたどり着いただろうから、先ほど感じた恐怖の正体を深く考えずには済んだ。今は。 (-294) poru 2023/09/19(Tue) 4:28:51 |
【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ「ふーっ……」 がふ、と呼気に混じって吐き出された粘ついた血と涎が、襟元に滴りまだらに汚す。 ふん、と鼻をひとつ慣らすと、ぼたりとかたまりかけた血塊が腹のあたりにぼたりと落ちた。 広がっていく血のあとに、あらたな鮮血が重なり、広がっていく。 「………ぁー…」 「……」 何か呟いているようだが、がらがらとした血のあぶくに塗れて良く聞こえない。 馬乗りにされて引き起こされても、 あっという間にはれ上がった瞼に視界が圧迫されてもなお、 あなたから目を逸らすことはなかったが。 (-296) gt 2023/09/19(Tue) 4:42:31 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたを送り届けた職員は、何も言わずその場を辞していく。 何者かの意思が介在しているのかは分からないが、 少なくともあなたの邪魔をする気はないようだ。 「んぐ」 呻くような声。 見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。 喧嘩と暴力を常に帯びていた以前ならばともかく、 ここ10年程のアレッサンドロが顔に張り付けるにはあまり見たことのない様相だろう。 「おう、旦那。 警察署にこんなスイートルームがあるとは知らなかったよ。 ガイドブックに乗っけた方がいい」 上体を起こしながら、ベッドの上にあぐらをかいて座る。 こちらの様子は、代わりはしない。 対面するものの声色が変わっても自分の態度を変えないのだから、 この男の性根が知れるというものだ。 (-297) gt 2023/09/19(Tue) 4:56:37 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「……、ん、……」 ぴちゃぴちゃと、滲む愛液をかき回す音がする。 肉と肉が触れ合い重なり合って、体温と鼓動が交じり合う。 浅く優しく、推し引きするよう前後していた指で、 奥底に、奥に、その刺激をさらにかきたてていく。 充血し熱を持っていく女の体を、ぎゅう、と一度強く抱きしめて。 「、フィオ」 触れられる感触に、息が弾む。 口づけの合間に意味を持たない言葉が挟まり、口づけがそれをまた塞ぐ。 手さぐりだけでお互いの性器に、体のあちこちを探り合ううち、 ベッドに敷かれたシーツがひだが重なるように乱れていく。 そこに、女の体をまた深く組み敷いて。 「……」 ──言葉は少ない。 覆いかぶさって、自分の体であなたの両足を押し開いて、 体重を深くかけながら、奥へ、奥へと沈むように。 さらりと、耳元の髪を、かきあげる感触がして── ふと、あー、と熱のこもる声がして。 「アレねえわ」 ──言葉がようやく出てきたかと思ったら、片手落ちの報告だった。 (-300) gt 2023/09/19(Tue) 5:53:13 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「はははは、そうだな、人を食い物にするのがマフィアだろ。 その辺は昔から……」 「いや、ガキのころは"女はなるべく殴らない"くらいしかしてなかった。 あれだな、まあ、トシくったからだな」 謙遜か照れているのか、あるいは自虐か。 なんともくだらない発言をぼそぼそ。 それでも──おそらくは、根っこの部分では、この男は自らを否定はしていない。 だから顔を伏せることはなく、直ぐに前を見ているのだ。 「ならいいさ。自分を裏切るのも自分を信じるのも、 結局は自分にしかできねえ」 そうして赤みの差した頬を見ているのかいないのか、 からから、揶揄ってねえよお、なんて笑い。 「愛とは旅路であり、目的地というわけじゃない。 ハハ」 「あれこれ悩むとわからなくなるが、 悩みもせずに本物だとは信じがたいわ」 墓地に敷かれたコンクリートの通路を踏みながら、 悪党はあなたに、あるいは自分にそう言った。 (1/2) (-307) gt 2023/09/19(Tue) 6:47:08 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「──っと。 つっても、結構近くにあるんだよな。 "A"だから」 墓地に踏み込み、―─話しているうちすぐに、アレッサンドロは足を止めた。 アルファベット順に、機械的に並べられた人名を辿ればその墓標は見えてくる。 【 Alison Waterston 】 花束の一輪もない、恐らくは無縁の墓。 きっと彼も訪れたことのない、誰かが眠る場所だった。 (2/2) (-308) gt 2023/09/19(Tue) 6:50:08 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡ああ、と。顔を見た瞬間に嘆くような吐息が唇から溢れた。 かつて視線より先に拳を突き合わせていた頃、貴方がこの地位でなかった頃は、 それこそ自分の手でこの留置所に叩き込む勢いであったこともあったろう。 実際に叶うことがあったかどうかはさておき、今更取り立てて言うことなんかじゃない。 腫れた顔だって、なおさらだ。 にも関わらず男は、人目もないのを良いことに格子の向こうで片膝をついた。 僅かばかり境界線を越えて、指先が部屋の中へと侵入する。 冷たい床を、素爪が叩いて僅かな埃を書いた。 スカイブルーの裏側がどんな色をしているか、だなんて。 こんなに暗いところでは伺い知れないかもしれない。 ただ、常より僅かに伏せがちの眦は、瞬きも少なにじいと貴方を見ている。 「誰にやられた」 と。ほかに聞かれぬように沈めた声は、炭の奥底のようにちらついていた。 (-320) redhaguki 2023/09/19(Tue) 8:15:18 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「転んで顔をぶつけてね」 チャオ、なんて掌を見せながら、おどけて言う。 それはいつだったかのはるか昔、 珍しく喧嘩に負けた時のアレッサンドロが悔し紛れに発していた言葉だ。 だがその時とはまるで違い、まったくもってどうでもよさそうな態度は剥がれない。 「旦那、今怪しげなことしないほうがいいぜ。 俺と話しただけでしょっぴかれたやつがいるらしいじゃねえか? トシなんだから、大人しくチェスでもしてな」 ごろり、と再び横になり。 「こんな悪ふざけ、すぐに終るさ」 からからと口元が笑う。 (-338) gt 2023/09/19(Tue) 10:17:45 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡男は。 貴方の言葉を、まるで、聞いていない。 けれど。 肉食の獣は、動くものにこそ反応する。 それがどんなに小さな揺らぎであれ、 動くものにこそ惹き付けられるのだ。 貴方の唇が震えているのを男の目は捉えた。喘ぐのではなく痙攣するのでもない故意の動作を見た。機械的ではないそれが目を惹いた。血の色が薄暗くてらてら光るのが金色に反射した。 貴方の胸ぐらを掴んで。 引き寄せる。また、見つめる。 首を傾げて、────口元が弧を描いた。 ▽ (-372) rik_kr 2023/09/19(Tue) 12:56:03 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡そうして、 べろ 、と。厚い舌が、顎から鼻筋までをなぞるだろう。 貴方のかんばせを染めた赤を、これは不躾に舐め上げる。 飼われた犬が親愛を示す仕草に似ていた。似ていただけ。 (-373) rik_kr 2023/09/19(Tue) 12:58:01 |
【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ胸倉を引き寄せられ、舌が顔を這いなぞる。 けだもののような男のふるまいに、 アレッサンドロは僅かに顔を顰めた。 それでも噛みつくように歯をむきだして、 笑みの形に唇を引き絞る。 「マフィアの味でも覚えたか、犬ころ。 そのまま猟犬に格上げされるなら、 都合がよかったんだが」 零れた血、乱れた呼吸、ぎりぎりと締めあげられた血管が、 その顔を白く赤く染めていく。 か細く震える声はただ、 「お前はダメだ。 ヤク中みてえに扱いづらいし、 プランの邪魔になる」 ──それでもなお、自分の都合ばかり言うのだから、 根っからだ。 あなたの暴力をどれほど受けても、アレッサンドロは待っている。 引き金が引かれたあと、その銃弾に文句をつけるやつはいない。 (-402) gt 2023/09/19(Tue) 16:46:03 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡「お前のためじゃない。俺が安心したいからだ。 こんな機会に乗じて頭から落としていくような豪気な奴を残してなんかいられるか。 終わった先でまた狙われでもしたら厄介だし、面子に関わる問題だろ」 微かな苛立ちで声の調子が跳ねた。廊下に響く前に、そうっと抑えられはしたが。 自分のことでもないのに、小暗い感情が瞼の内側をちらつく。 別にそんなもの貴方が気にしてやらなければいけないものでもないが。 どうせ、離れゆく他人だ。二度と交わりはしない。 「どうせこれで最期の捕物になる。お前と俺は立場も、後ろ盾の在り処も違う。 それとも、お前のせいで何の罪もない奴が同じ目に遭わされる方がいいか? 警官連中でないならお前の下の人間がお前を売ったのかもしれないものな」 (-406) redhaguki 2023/09/19(Tue) 17:04:30 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡/* お疲れ様です。 周囲が立て込んでおりますが、(PLが)お話したいので捻り出そうとしているところです。 今晩までには開始を送るつもりです…ので、そのつもりでいてくだされば! よろしくお願いします! (-409) oO832mk 2023/09/19(Tue) 17:15:30 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「やっぱ旦那も、そう考えるよな」 苛立ちも目の奥の熱も。 背中合わせに燃える炎を、 その輻射だけで感じて、笑う。 「大丈夫さ、旦那」 ごろん、と再び転がって、上体が僅かにそちらを向いた。 黒い瞳は、燻る堅炭。 その爆ぜる火の粉を黒い眼鏡の奥に隠して、 くろぐろととぐろを巻き燃え盛る。 「もう残っちゃいないからよ」 ──確信したような口ぶりは、いかなる故か。 再びごろん、と頭が落ちて、その瞳も口元も良くは見えなくなってしまう。 「旦那はまぁ、どうにかするだろけどさ。 俺もせいで警官サンとか、若ぇのがブチ込まれたら、まあそれは申し訳ないなー。 それは嫌だな、うん」 売られたかどうかについては言及ナシだったので、あんまり気にしてないのかもしれない。 (-417) gt 2023/09/19(Tue) 18:24:43 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡かつ、かつ。 革靴の底が床を鳴らす。 軟らかなくせ髪を揺らしながら、まっすぐに女は通路を進んだ。 そうしてとある鉄格子の手前で女は止まる。 ノッテファミリーの幹部。そして今は、反社会組織取締法の下投獄された罪人。 …静かな声で、その名を呼んだ。 「…アレッサンドロ・ルカーニア。」 眼鏡は外していたから乱視で視界はボケていた。 そんな、ミントブルーの瞳が、檻の中を映す。 (-425) oO832mk 2023/09/19(Tue) 18:50:44 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「がー……」 …いびきだ。そいつは、ベッドの上で腕を枕にねころんでいた。 見れば顔のあちこちは腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。 ここ10年程のアレッサンドロには、似つかわしくはない… けれどなにより、彼らしいよそおい。 とりあえずは、生きているようだ。 今の様相は、動物園でひっくりかえるパンダのようだけど。 (-426) gt 2023/09/19(Tue) 18:58:32 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡さあ、それだけ近づけばその声も聞こえるだろうか。 きっと相変わらず、腫れや出血で聞き辛い声。あまつさえ男の舌に押し潰された唇はさぞ動かしづらかったことだろう。 それでも貴方は話すのを辞めなかった。 そうして耳に届いた音を、男はきちんと言葉として受け取ったらしい。 それすら聞こえないほど人性は失っていなかった。けれどやはりもう、その言葉を受けて返す表情も、言葉も変わってしまっているのだ。 「ふふ」 笑って。 「そうだな」 「覚えるとしようか」 「そうすれば随分追いやすくなる」 「犬が匂いを追跡するみたいにな」 「お前は濃い、教材に良さそうだ」 「俺はお前たちを狩る犬になるよ」 三日月に歪む口から牙が覗く。 口元は赤く、赤く汚れている。 その姿は、まさしく獣だった。 ▽ (-429) rik_kr 2023/09/19(Tue) 19:03:56 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡しかし────ふと。 耳がその単語を拾う。 男の表情がまた、変わった。 「プラン?」 さて。 笑みはすうと消えただろう。これは真面目な刑事の顔。 汚れた口元は貴方のシャツを引っ張って拭った。それでも残った分は舐め取って。 「お前」 「まだ何か企んでいるのか」 馬乗りの状態からは引かないまま、胸ぐらを掴む手だけ緩めてやる。 話しやすいようにという配慮らしかった。既に随分な暴行を加えられた貴方に対して、気遣いも何もあったものではない。 とはいえ────高揚の残滓がまだ男の中に燻っているのは明白で。 貴方がちょちょいと煽りでもすれば、また男のスイッチはそちらに振れるはず。 (-430) rik_kr 2023/09/19(Tue) 19:06:49 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡「ふふ、年と言う程まだお年でもないでしょう。 落ち着きを年月と共に身に着けられる人は、 私からすると見習わなければならない方になります。 ……マフィアの方から見習う事が多いんですよね、私」 女は年をとっても何もまるで変っている気がしない。 成長のなさに自分に呆れてばかりだから、真っすぐに前を見ている貴方が少し眩しくみえるのも当然かもしれなかった。 「あ、はは。耳に痛いなぁ……そのおことば。 目的にしてしまいがちで、手段にもしてしまいがちで、 正しさではなく、悩んだ先に本物の愛が見つけられれば 神がいなくとも、生きていけるのかもしれませんね」 ここで言える事はないですが。と苦笑しながら小声交じりにそう言って。 Aの文字列を探して、その墓標の名を目にすると目を瞬かせる。 「……アリ、ソン?」 それは今朝何かの手掛かりになるのではないかと走り回った結果得た某資産家と偶然にも同じ名前で。 知人のマフィアに尋ねても何も洗い出せなかった名が、そこに唐突にあって。少し驚きを隠せなかった。 だがそれもほんの少しすれば失礼だと恥じて、もし隣の彼に動揺がバレていれば頭を下げてから、膝をつき祈りながら十字を切って胸元で手を合わせた。 (-435) poru 2023/09/19(Tue) 19:44:33 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「…………」 その姿に、小さく吐息をひとつ。 …嘆息。いいや、安堵だ。 だけどしかつめらしい表情は変わらない。 すう。少し大きく息を吸い。 「アレッサンドロ・ルカーニア!」 もう一度。 (-438) oO832mk 2023/09/19(Tue) 19:55:23 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「んが」 がたん、と音がして、暢気に組んでいた両足がびくんと解ける。 「……」 しばらく、沈黙。 むくりと上体が起き上がり、 「あー……。 ダニエラ。何してんだ」 起き抜けの一言としては、自然だったけれど。 拘留されたカポ・レジームらしからぬ態度と言葉で、 かりかりと頭をかいた。 (-443) gt 2023/09/19(Tue) 20:36:20 |
【秘】 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ獣のように笑うあなたの顔を、言葉を、 なんだか眩しそうに見やる。 あるいは、腫れた瞼に塞がれつつある視界が狭苦しくて、 そうなったのかもしれないが。 だがそれも、真面目ぶった笑みの中にすう、と消える。 「企んでいるっつうか、 まぁ、ほぼ終わったっつうか」 だけどなあ、と眉を顰める。 もうちょいかな、なんて首をひねり。 「──ああ、そーうだ、アリソン。 アリソン・カンパネッロ。 取締法、あいつのおかげでできたんだろ。 感謝の言葉のひとつくらい、言ってみたらどうだ」 ぱ、と。またわざとらしい笑みを――随分不格好だったが――浮かべて、 目の前のあなたに提案した。 (-445) gt 2023/09/19(Tue) 20:40:21 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「俺もそのつもりだったんだがね、なってみるとこれが… もう若くはないなあ、といつも思うが」 「マフィアは悪党だが、見習うこと自体はいいことさ。 ──マ、反面教師にしておくのが一番だけど」 うむう、と唸るように頭をかく仕草も、 あなたを諭すんだかマフィアを腐すんだかわからない言葉も、 男が行えばとても自然で――きっとそういう顔を身につけるために、 彼の人生があったのだろう。 そしてその横顔は、そうした言葉を素直に言えるあなたを 眩しそうにちらりと見て。 「神に愛があるのなら、 本物の愛を、 人生をかけるにたるものを祝福なさるはずだ。 ──教会できくそれが、愛のことでいいならね」 男の顔がふい、とあがる。 その顔は共同墓地を囲む柵と木々の向こう、 教会の鐘楼を見上げていた。 「いいや、そうだな。 同じ愛なんかなくて、 そいつにとって最も大事なことは、 そいつにしかわからない」 (1/2) (-446) gt 2023/09/19(Tue) 20:48:59 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェあなたの動揺には、気が付いていただろう。 それでもあなたが"アリソン"に祈りをささげる間、 彼はずっと、鐘を見上げていた。 (2/2) (-447) gt 2023/09/19(Tue) 20:49:50 |
黒眼鏡は、それのことばかり考えている。 (c10) gt 2023/09/19(Tue) 20:50:46 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡「それも吐いた方がいい。」 随分冷えた声で話すものだ。先程までの盛りが嘘のよう。 貴方の首元を揺すれば頭も揺れるだろうか。ごづ、と鈍く音を立てて床にぶつかるだろうか。 「そう何度も同じ目に会いたくはないだろう。」 如何にもこれは慈悲であるといった言葉は、残念ながら声音のせいでそうは聞こえない。随分とまあ、単に下手だった。 「ほら。」 「そうすれば楽にしてやる。」 ごづ。ごづ……と、手慰むようにそうしていて。 そうして、その言葉を聞けば機嫌良さそうな微笑を浮かべた。 ▽ (-460) rik_kr 2023/09/19(Tue) 21:21:04 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡「ああ。」 「そうだな、感謝しているよ。」 提案には案外素直に乗る。 片方の手が貴方の額に乗った。そこから眉。顬。耳から頬までを撫でやっていく。 「お陰でノッテのせいで泣く人間が少なくなる。」 「お陰でノッテの横暴を事前に止めることが出来る。」 「悪人は裁かれるべきだからな。」 まるで愛おしい人間にそうするようでいて、向ける言葉はやはり呪詛だった。 そうだろう? と。言いたげにまた、覗き込んで。 (-461) rik_kr 2023/09/19(Tue) 21:22:03 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡「ん、ッ、んん……っ、ぁ…!」 ひく、と太ももが震える。 その手であなたの下着の中に手を入れて。昂ったそれを撫で上げ、湿った先を指の腹で擦る。 奥を刺激されていくにつれて、その手も時折動きを止めて。 ぎゅうと身体をあなたに押し付ける。空いていた片腕で強くしがみついたから、指の痕が残ってしまったかも。 「は、っ、……アレ……」 口付けと口付けの間には、息継ぎをするのが精一杯。 きっと、あなたを絶頂までは持っていけなかった。それでも、ぐちゅと水音が立つくらいには性器も掌も濡れそぼっていて。 自分を組み敷くあなたを見上げて、熱い息混じりに名前を呼んだ。 呼んで。 また、首に腕を回して。いつでも来て、と蕩けたような顔がそう告げていたのに。 「……今…?」 何で先に確認しなかったの、と。じとりとあなたを見て、額をぶつけた。ごつん。 (-463) otomizu 2023/09/19(Tue) 21:24:26 |
【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ「そう、まぁ、お前の、いうとおり」 いてえな、と顔をしかめながら、 ハハ、と笑って。 「──、須らく 悪人は裁かれる べき、」 ご づ。「っ、だ」 ぐん、と勢いをつけて、揺らしてぶつけていた頭が 床に叩きつけられる。 それは優し気に慈悲めいて苛んでいたあなたの手によるものではなく、 アレッサンドロが自ら、文字通り叩きわるほどの勢いで 後頭部を床に打ち付けた音で。 「……」 あまりの勢いに一度跳ね、 ごとん と音がして横転する。壊れたマネキンのように首が傾いて、 すぐにじわりと床に血溜まりが広がっていく。 ──それと、同時。 (1/2) (-465) gt 2023/09/19(Tue) 21:42:31 |
【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ「イレネオ巡査長!」 ばん、と扉が開け放たれる。 扉の向こうには、警棒を構えた警官が二名。 「何をしている、やりすぎだ!」 「…この部屋の取り調べの様子は、 記録されてるんだぞ! 」──取り調べの可視化法。 この国でも採用されているそれは、 本来は一切の例外はない。 特にマフィアに関わるものは、全てが記録され保存される。 だが、取締法の影響下ではそれすらも無視される。 そういう時のために、録画録音が行えない専用の部屋が用意されている―― はず、だったのだが。 (2/2) (-466) gt 2023/09/19(Tue) 21:43:12 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡あまり要領がよくないものだから、時間はかかってしまったけれど。 昼頃の時間。あなたの元に面会に来る姿があっただろう。 立場を誤魔化せるよう眼鏡をかけて、髪を緩く後ろにまとめている。 「……アレ?」 あなたの姿が見えたのなら、そっと声を掛けるのだろう。 殆ど情報を仕入れていないから、今どんな姿なのかもわからず不安そうな顔。 (-469) otomizu 2023/09/19(Tue) 21:55:51 |
【秘】 pasticciona アリーチェ → 黒眼鏡今度は即答せずに、慎重に言葉を探すように少し間が空く。 難しい。言葉にしなくても表情にそうありありと浮かんでいる。隠しもしないというより、性格上隠せやしないのだろう。 無意識に口元に当てながら、まるで教会にお世話になりだし、教えを受けだした当初の頃のように愛について思いを巡らせていた。 「どうでしょう。隣人愛。無償の愛。 教会で言う愛の多くはアガペーでしょうから…… とは言え、子がアモーレを人生に賭けたか否かで 特別扱いが変わるとも思えず……私から言える事は、」 祝福されたいなら、不倫は、駄目ですよ。 それだけは祝福されない罪とご戒律が伝えているから。 それも神ならば全てをおわかりになっているのです。 なんて言いかけた言葉も、あなたが鐘を見上げながら呟いた言葉を心に刻むと、不思議と言葉にし辛くなって、結局頷くのみであった。 「……」 「……鐘に、なにか思い入れでも?」 祈りを捧げ終え立ち上がった貴方の視線を追って、祈るわけでも、花を捧げる訳でもない様子に不思議そうに首を傾げる。 (-470) poru 2023/09/19(Tue) 21:59:50 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「… 仕事 です。」間延びした声はなりを潜め。 どこか沈痛な面持ちはそのままに。 「………… 本当は、様子を見に来ました。 」悪い事をした子どもみたいに不明瞭な声。 それでも聞き取れるくらいには発声した。 心配で、とはつけないところが素直じゃない。 そんな自分には、どこか自覚的だ。 (-473) oO832mk 2023/09/19(Tue) 22:02:51 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「おう、そうか。 危ない橋だぞ」 見られたらどうすんだよ、なんて言葉は言うまでもないが。 掌に顎を乗せて、溜息のような息を漏らす。 ──牢獄の中でも、カウンターの中とまったく同じ。 実際はあなたが着たこと、そこにいること、 それそのものが嬉しいのに。 「んで。 様子はどうよ。 いつも通りだろ?」 へらりと笑う頬に、あざがぼこぼこと広がっていなければ、まあ。 (-475) gt 2023/09/19(Tue) 22:12:42 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡「────は、」 それは一瞬のことだった。 目を離した隙に、ではない。油断した隙に、でもない。 男は少しだって貴方から目を離さなかったし、僅かだって油断してもいなかった。 だから、それは。 この手から逃げられてしまったのは。 単に貴方が上手だっただけのこと。 「おい」 「おい、ルカーニア」 男は貴方を再び揺さぶろうとするだろう。当然重傷者にするのはご法度だが、男は医学の徒ではないし、何より今は滲みだす焦燥があった。 死んだのか? どうして? これでは法に背くことになる。 しかしその焦りが形になる前に、 大きな音を立てて戸が開いた。 ▽ (-482) rik_kr 2023/09/19(Tue) 22:46:33 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡自分以上に焦った様子の警官たち。 悲鳴のような怒号、或いは怒号のような悲鳴。 対照的に己の下敷きになった男は一言の声も発することなく、 ただ傾いだ身体を支えようとした片腕が、流れ出す血で滑った。 通常機器が設置されるはずの場所に無意識に目をやる。 突入してきた警官たちの表情に目をやる。 最後に自分の現状に目をやって。 ようやく血の気が引いた。 「……違う」 何が? 「……違う!」 何が? 男は平常、シンプルなものを好んだ。 搦手の聞き込みより率直な捜査を好んだ。 ▽ (-484) rik_kr 2023/09/19(Tue) 22:48:24 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡この状況で最もシンプルな答えは、 『イレネオ・デ・マリアは、アレッサンドロ・ルカーニアに暴行を加えた』 ────それだけ。 (-485) rik_kr 2023/09/19(Tue) 22:49:02 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「…わかってます。」 「でも、A.C.Aに選抜されましたから…少しは誤魔化しが効く立場なんですよ。」 ヒラの巡査に比べたらの話。 さて、そうでなくても果たしてここに足を運んでいただろうか。 …意味のない自問だ。目を伏せて一蹴した。 「せっかくの色男が台無しですね。」 問いには苦い声。 乱視で少しぼやけているから、直視こそせずに済んでいる。 …本当はこんなところで会いたくもなかったし、こんな姿を見たくもなかった。 眼鏡はその、折衷案だ。 (-492) oO832mk 2023/09/19(Tue) 23:05:55 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「ならいいが。 この後のことを考えるとなあ」 困ったように頬をかく。そうするといてえ、と当然の悲鳴をあげて、びくんと顔をそらす。 牢の中のアレッサンドロはなんだか気が抜けたようで── いや、気のせいではなく、彼は何かに安堵し、満足していた。 場所と境遇とのギャップが、その違和感を不気味に縁取るかのようだ。 そんなことにも構わず、男はあなたの軽口に肩をすくめる。 「子供のころはずっとこんな感じだった。 成長すると色男になったわけだが」 だらしなくかいたあぐらの上で、気怠そうに足を組み直す。 「そういうお前も、なんだかしんどそうだな。 仕事が辛いか?」 からから。笑い声は、牢獄のなかにばかりこだました。 (-501) gt 2023/09/19(Tue) 23:31:07 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡「……そうか」 長く、長く沈黙があった。少なくともそこには納得があった。 思考がぐるぐると落ちた先には少なくとも着地点がはっきりとあって、 遣り切れない思いを消化するだけの道筋を得た、そういう響きだった。 「お前がそう云うんだったら、そうなんだろう。 そういうことにしておくさ」 憎まれ口めいた言葉を残して、冷たい廊下から立ち上がる。 長らくいられるわけではないし、こんな情勢で出来ることも多くはない。 いずれは案内をした職員も戻ってきかねない、それだけの時間が過ぎていた。 「アレッサンドロ」 最後に一言だけ、貴方の名前を口にする。呼び寄せるように。 けれども貴方に応える義理のあることではない。貴方に責のあることではない。 放り投げられたボールをどうしてやるかなんて誰が決めるものでもない。 振り向かない権利は貴方にあって、引く指に引かれてやるかどうかなんて、強制力もない。 そのくせ、こちらを向かない瞳に向ける諦めは、縋るような輪郭をしていた。 (-502) redhaguki 2023/09/19(Tue) 23:31:12 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡――かつん。 廊下に一つの足音が響く。 牢の中にあなたはどんな格好でいるだろうか。 立っているなら堂々と見据えて、座っているなら冷めた目で見下ろして、あなたを見る一人の男が牢の前に立った。 いつもは客としてあなたの前に立っていたけれど、今日は違う。 警察として、多少の無理を通してここに訪れた。 そうでなければ、ここに堂々と来ることは出来まい。 「アレッサンドロ・”黒眼鏡の”・ルカーニア……いや」 つらつら語るはあなたの名前。 でもね、知っているんだ。お前の、正体。 「アリソン・カンパネッロ」 「……取り調べを……させてもらうよ」 ―――聞きたいことが、あるんだ。 (-511) eve_1224 2023/09/20(Wed) 0:08:46 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡開きかけた口がその悲鳴で閉じる。 そのまま眉間に薄い皺を寄せた。 何でこっちまで痛くならなきゃいけないんだろう。 なんだか満足そうなのが、また、腹が立つ。 「…… 辛い、ですよ。 」だからちょっとくらい仕返ししてやってもいいかなと思った。 「…聞いてくださいよ。」 「いきなり上司さんがいなくなっちゃって」 「困ったことがあったら言えだとか」 「仕事に穴は空けないだとかいってたくせに」 「どおしたらいいかわかんないじゃないですか」 「あたし、これから誰に何を報告したらいいんですか」 少しずつ声が震えていく。 本当に。仕返しですら痛くさせるんだから理不尽だこんなの。 まだ言ってやりたいことはいくらでもあるけど熱くなった目頭に中断させられる。 泣いてなんかやりたくない。路頭に迷ってただ泣くなんて嫌だった。 (-514) oO832mk 2023/09/20(Wed) 0:50:43 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ爪と指の跡が、充血したような赤く小さなあざが、 からだのあちこちに残っている。 交わりの痕跡を互いの体に刻みながら、体液を混ぜ合い重ねようと…した格好のまま、止めて。 「わり」 額がごつん、とぶつかって、眉間に皺を寄せながらへら、と笑う。 肌を重ねるようになってからも、 「しない場合のデメリットが…」だのなんだのといって、 避妊具なしでは決してあなたを抱こうとしなかった。 回されていた腕から器用に体を抜いて、身を離す――かと思えば、 秘部を晒し開かれた腿にするりと両手を回して、抑え込む。 そのまま、寝技でもかけるような小器用さで女の下半身を抱え込むと、 「今日はこっちで」 ──ぐちゅり、と。 蜜のように溢れだした体液を、舌先がすくう。 さぐりあてる必要もないほど触れてきたそこをぐりぐりと舌がなぞっていって、 やがてぷっくりと膨らんだ陰核をつんと突くと、 秘部全体を刺激するように顔をうずめた。 (-521) gt 2023/09/20(Wed) 1:50:21 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ「んが……」 …たまに聞く、静かなのにうるさいアレッサンドロのいびきだ。 のんきなことに、男はベッドの上で腕を枕にねころんでいた。 いつも来ている柄シャツではなく、貸し出されたらしい無地のスウェット姿。 顔のあちこちは打撲か何かで腫れあがっており、瞼が片方閉じ切っていない。 ここ10年程のアレッサンドロには、似つかわしくはない… けれどなにより、彼らしいよそおい。 とりあえずは、生きている。トドみたいなかっこうで大口を開けているが。 (-522) gt 2023/09/20(Wed) 1:53:15 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ「愛なんて短い単語で、人の気持ちが全部表せるとは俺あ思わない。 人によって愛は違うし、 人の中でも愛は違う」 びゅう、と風が吹く。三日月島の海から吹き抜ける、低く強い潮風だ。 それはばたばたとアレッサンドロの服の裾をはためかせ、 ──けれど微動だにせず、彼は紡ぐ。 「俺にとっての愛はひとつで、 ほかは全部愛じゃない。 じゃないと、愛が翳る気がしたからだ」 「優先順位の一番上。 俺が知る限り、それが一番の愛で、嘘がない」 神様はそれも知っているのか。知っているのなら。 …呟くような声は、風とその音で千々に紛れる。 その時、ちょうど。 (2/2) (-524) gt 2023/09/20(Wed) 2:03:56 |
【秘】 黒眼鏡 → pasticciona アリーチェ──ごーん…ごーん…… 見上げていた鐘が、鳴り響く。時刻の境目になるだけの、機械的なそれ。 「鐘には特に。 ただ、」 視線を下ろす。あなたを見下ろして―― 「死者に捧げるものを、花と鐘しか知らなくてね」 笑う。 「ずっと考えてた。アリソンに捧げる鐘は、何がいいだろうと」 「───共犯者のお嬢さん。 付き合ってくれたついでに聞きたいが」 笑って。 「死者には何を捧ぐべきだろう。 俺にとっての答えだけが、まだわからん」 ──主犯の男は、ただ寂し気に笑う。 それはなにもかも、もはや失った男の笑みだった。 (-525) gt 2023/09/20(Wed) 2:05:05 |
【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオふ、と。朦朧と、水底に投じられたわら束のごとく乱れていく意識の中で、 喚く男の声を聴く。 まぁ、これでいいだろ。 しばらくは。 揺さぶられるたびに傷口から血液が零れて、ごぼりと音をたてて涎が落ちる。 警官たちはイレネオを確保しようと駆け寄り、 やがてアレッサンドロには救護班がすっ飛んでくるだろう。 ──ああ、にしても、あちこち痛え。 ここで死んでも良かったのだが、生き延びてしまった男は、 ──口許だけを、ふ、と、笑みの形にゆがめて。 (1/2) (-526) gt 2023/09/20(Wed) 2:13:21 |
【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ「──動画は取っておけ、少なくとも今は。 必要があれば削除の指令が出るだろう」 「アレッサンドロ・ルカーニアは、予定通り――……増員用の区画へ」 「あそこですか? …普段使わない場所ですよ。 どうしてそんな」 「知らんよ。 …出資者からの要望らしいから、そこまでは」 「はあ。 …アリソン・カンパネッロですか。どういうやつなんですかねえ」 扉の外で、警官たちが話している。 ──逮捕前に、あるタブレットから送信された一通のメール。 それは警察内部に浸透し、一部の越権行為すら可能にする力を持っていた。 金と、伝手。 10年蓄えたアレッサンドロ・ルカーニアの弾丸が、 警察をも巻き込み、ノッテファミリーと三日月島の潮風を焼き焦がす。 ──あなたがそれをどこまで知るかは、分からないけれど。 (2/2) (-527) gt 2023/09/20(Wed) 2:14:27 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ「わるいね、旦那」 立ち上がるあなたを、見送る。 ──いつものように。 「うん?」 普段なら、引き止めることも追い求めることもない。 だが、あなたとの間に横たわる――実に二十五年の歳月が、 男の首を再び持ち上げた。 「なんだい、ヴィンセンツィオ。 あんたらしくねえな」 腹筋の力だけで起き上がり、よ、っと床に降りる。 無造作な足取りでぺたぺたと、裸足のままで格子に近づき、 「言いたいことあんなら言えよな。 昔っからそうで――いや、それならあんたらしいのか? …いややっぱ、らしくねえ」 自問するようで、結局答えは出ている。 がしゃん、と手をつき檻を揺らせば、 その隙間越しに黒い瞳があなたを見た。 (-528) gt 2023/09/20(Wed) 2:19:47 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「おう、きたか」 男はベッドの上で、腕を枕にふてぶてしく寝転がっていた。 その顔はさんざんにはれ上がっていて、瞼は片方ろくに開いていないようだ。 それでも口許のつり上がった笑みはそのままで、 見下されているのに見下ろしているように錯覚する。 「おっと、それは女の名前か? 悪いが俺は女子供は苦手でね。 警察ならキチンと証拠を揃えてからきてもらおうか」 ははは、なんて声が檻の中にこだまする。 ──実質認めているようなもので、きっとこれは挨拶だ。 あなたが何を聞くのかと、だらしなく組まれた脚の先がちょいと手招くようにして待っている。 (-529) gt 2023/09/20(Wed) 2:22:33 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「そうか」 震える声を、その吐露を聞いて。 「ダニエラ。 こっち来い」 男がまずしたことは、それにこたえるでも慰めるでもなかった。 答えよりも先に、格子のそばまで歩いていく。 ぺたぺたと、普段はいているサンダルよりも軽い裸足の音。 ベッドからひらりと飛び降りたその足取りは思ったよりもしっかりとしていて、 見た目ほど重傷ではないのかこの男が頑丈なのかは半々か。 「こっち」 そうして格子の傍まで来ると―― 男は隙間からほんの僅か、手を伸ばした。 (-530) gt 2023/09/20(Wed) 2:25:58 |
黒眼鏡は、プランがあった。 (c11) gt 2023/09/20(Wed) 2:26:42 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡自分よりも背の高い人間なんて見たこともないような、高い上背が貴方を見下ろす。 普段はサングラスの向こう側に隠れた目を覗き込んで、ああ、とこぼして。 歳を重ねて水気の失われつつある頬を緩めて、小さく笑った。 鉄格子に掛けられたその手へと、屈むように背を曲げて。 ほんの少しだけ。払った埃が触れるくらいに微かに。 貴方の指先に、触れるだけのキスをした。 「元気でな」 一つきりの言葉を最後に踵を返す。 こんな悪ふざけはすぐに終わるだろう。 では、その後は? 歩き慣れた革靴の底が廊下を叩いて、街へと上がっていく。 秋から冬へ巡る。10月を過ぎれば金星は見えなくなるだろう。 ヴェスペッラの名と同じように。けれど、それも牢の中では見えやしまい。 貴方の影に紛れ込んだ大嘘吐きは、それで潔く退場する。 (-535) redhaguki 2023/09/20(Wed) 2:43:06 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡自分の感情が自分でもよく分からない。 怒ってる、はずだ。でもそれ以前に悲しくて。 █しくて。 それだというのにほんの僅かなことにもホッとする。 同時にそれが今後も続く保証がなくって不安になる。 続きを吐き出すタイミングを逃してしまい、押し黙ったまま傍へ寄る。 せめてもの反抗とばかり表情だけはぶすくれているけど、だからなんだという話でもあった。 「…なんですか……」 ぼそり。 (-539) oO832mk 2023/09/20(Wed) 2:59:25 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡汗ばんだ肌に、上がっている息。 ここまで来たのに、と恨みがましい目を向けつつ。 あなたが避妊具なしで抱いてくれないのは知っていたから、今日はここまでかなと思っていると。 腕から体が抜かれたので、起き上がろうかと肘をついたのだが。 そのままずるっと滑るように、背中が再びベッドについた。 抱え込まれたような恰好は、秘部を高い位置へと曝け出す形になる。 「あ、え……っ、んん…!」 それほど回数をこなしたことがあるわけでもない。まして、身内にはこういったコトをさせることの方が少なかっただろう。 止める間もなく、舌先がそこをなぞる。ぞくぞくとまた、背筋を快楽が駆けのぼって。 とろりと、奥から込み上げた体液が舌の上に流れるほど溢れた。 流し込み切らなかった分は横へ流れて、いやらしくシーツを濡らす。 口元にあてた手の甲の隙間から、高い声が漏れて。濡れた瞳があなたの方を見ていた。 (-540) otomizu 2023/09/20(Wed) 3:00:53 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡寝ているだけなのがわかったのなら、不安そうだった顔は少しばかり和らいで。 しゃがみこんでその寝顔を眺める。 その顔の傷は気になるが、むしろ昔を思い出すようで懐かしさすら覚えて。 「自業自得だって聞いてたけど、……らしい顔してるわ」 「アレ、可愛い妹が来たのに起きてくれないのかしら?」 気付かないかもな、と思いつつ。冗談めかして声を投げている。 (-541) otomizu 2023/09/20(Wed) 3:03:20 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ骨が軋み、肉が弾ける。 ヴィンセンツィオとの間にあった物質的交流なんて 大体はそんなものだったから、指先に触れる感覚にぱちぱちと、 瞬きだけを返す。 「旦那?」 困ったように頬をかく、けれど。 その立ち去る背中が、革靴の後が、恐らくはあなたの選んだ道なのだろうと思えば、 もはや伸ばす手も問う言葉もない。 「はー……」 くるりとその体を反転させて、がしゃん、と格子に背を預けた。 「あんたともっかい、 殴り合ってみたかったけどな」 ──ぽつり、と呟いた言葉を聞く者は、牢獄の中には誰もいない。 鉄格子の隙間から広く細い廊下へと残響して、 いずこかへと消えていく。 (-552) gt 2023/09/20(Wed) 7:24:49 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレぐち、ぐち、くちゅ。 唾液の音か、それとも愛液の高鳴りか。 水音をひたすらにかきたてて、 性欲の昂りはますます劈き、燻り続けている。 それでもただ奉仕し、注ぎ込むように 自らの口吻でそこを啄み、舌を潜り込ませることだけ。 「……ん、……ぅ、……」 寄せてはただ返す波のように、 一定のリズムを崩さない鼓動のように、 同じ場所を執拗に責め苛む。 掌はときたま腿をかりかりと刺激するように弄い、 溢れる体液はぽたぽたと肌を伝い落ちていくけれど、 「……っ、……っは、……ん、……」 くちゅ、と唇が吸い付く音。 黒く、けれど燃えるように硬くそこにある瞳は、 口淫を続けながらもあなたの瞳をじいとみている。 あなたの様子を窺うように、 あなたの快楽を探るように。 やがてあなたが達するまで、ときたま体位を変えながらも 腕は離れず、それは続く。 (-553) gt 2023/09/20(Wed) 7:32:53 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ黒眼鏡の眠りは浅いほうだ。 あなたと共に眠りに落ちたとしても、 気が付くと起きていることが多かった。 ──そしてただあなたにぎゅっとしがみついて、何かに耐えるように眠るとき。 彼は、夢を見ていたのだろう。 多分、今日もそんな夢を見ている―― そういう時は決まって、起きたらしかめつらになって、 「夢見た」「忘れた」だのとぐだぐだ言っていたが。 「…アリソン?」 あなたの声にぴくり、と肩が震える。 ぼうと寝ぼけるような声で、 アレッサンドロはゆっくりと上体を起こした。 「……フィオじゃねえか。 お前どうした、こんな場所に、大丈夫か?」 驚いたように声が弾んで、がばっと身を起こす。 (-554) gt 2023/09/20(Wed) 7:37:52 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「ん」 くしゃり、と、前髪に手が触れる。 寄ってきたあなたの頭を、 格子を抜けた指先で弄うようにくしゃくしゃ、 どうやら撫でているつもりのようだ。 「わりい、苦労かけた。 メッセージくらい残すべきかと思ったんだが、 忙しくてな」 すまん、と何度か繰り返して。 口の端に浮かんだ優し気な笑みを指を伝い届けるかのように。 「…一応、例の店からはまだ俺のところに情報がくるようにしてある。 少し時間はかかるが、もし報告したいことがあればあそこを使え」 どうやって情報がくるのだろうか。 「それと、次だが――……」 そこで、アレッサンドロは、 なんだか悩むように言葉を止めて。 「お前、どうしたい?」 (-556) gt 2023/09/20(Wed) 7:44:20 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「…………。」 「……なんですかぁ…」 同じ言葉なのに、どうにも情けない声が出た。 どちらかというとあの車内の態度の方が近い。 へたくそだなんて思いながらも、口にしないで大人しくしている。 「…謝ったって、許しません ん 」本当に、苦労したんだ。今も、している。 それでも予兆があったからまだ耐えられた。 …そのことにだって、ありがとうなんて言ってやらない。 薄紅色のバスボムは、今も使わず置かれている。 短くSìを告げ少し落ち着く。 まだそうやって必要とされている間は地に足をつけていることができた。 「…あたしは」 「こんな悪法、とっととぶっ壊してやりたいですけど…」 顔が本気だ。本当に馬鹿な法案だと思う。 それを利用して今女は、もうひとつの摘発チームを解体させようと企んでいる訳だが。 「そういう話じゃ、ないですよねぇ」 「なんですかあ」 張り詰めていた分が随分と弛緩して、声音に反映されていく。 そこまで単純なつもり、なかったんだけどなあ (-559) oO832mk 2023/09/20(Wed) 8:17:59 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「酷いツラだね、誰にやられたの?」 くすりと、笑う。 その様子では、クリアな視界ではないだろうから、どこまで自分の顔が見えてるかわからなくて。 男は牢の格子に手をかけて、その顔を寄せた。 「まぁ、答えずとも大体わかったけど……。 僕の大型犬の後輩が、随分と世話になったみたいだね」 正義感が強くマフィアを嫌う彼のこと。 自分が睡眠薬を買いに行った、それを見ただけで強い力で問い詰めてきたくらいだから、彼があなたを狙うのはおかしなことではない。 それでも、個人的な理由でもなければ、一人で突き進むなど。 こちらを止めておいて自分で行うなど、到底、許したくはないものだ。 「証拠なんてこれからいくらでも。……じゃあ、まずはひとつ」 「うちの大型犬……イレネオ・デ・マリアとはどういう関係なのかな」 (-560) eve_1224 2023/09/20(Wed) 8:22:26 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「だめかあ。 じゃあ謝るのはやめておこう、代わりに、なんか欲しいものをやるから。 それで許してくれるといいが」 即物的だ。 女性に対するできた態度とは思いにくい。 それでもあなたが望むなら、その望むままにするだろうとは なんとなく、悟ることができるだろう。 「──そうさなあ。 まぁこんな悪法、そう持たんさ。 すぐにどうにかなる」 あの署長も長くはなさそうだ、なんて笑い。 「未来の話だよ。 お前にはちゃんと、未来があるんだから」 くしゃり。 指先が髪先を僅かに撫でて、離れた。 (-563) gt 2023/09/20(Wed) 9:03:59 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「転んでぶつけたのさ」 へらり、と笑う。 「ああ、あいつ。 お前ね、しつけはちゃんとしろよな。 どうにかなるならよかったが、 邪魔だから除かざるを得なかった」 ベッドの上であぐらを組んで、頬杖をつく。 その様子からは、どこか余裕のようなものすら感じられた。 「関係って話だとまあ…」 自分の頬をつんつん、とついて。 「被害者と加害者かな?」 嘲笑った。 (-567) gt 2023/09/20(Wed) 9:18:55 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「……。」 欲しいもの。 「………コーヒー、が」 真っ先に浮かんだのは。 「飲みたいです。…アレッサンドロさんの。」 …泣き言だ、これは。 いつ叶うかも分からない。叶うかどうかも定かでない。 離れてゆく指先を見守り思う。 「未来、とか」 「そんなの、考える余裕、ないですう。」 なんで自分にばかり未来があるんだろう。 いっそのことさっさと地獄にでも堕ちた方が気が楽だ。 …それとも今のこれが、地獄だろうか。 真綿で締めるみたいに大切なものをひとつひとつ取りこぼしていくことが。 「アレッサンドロさんは、あたしにどうなってほしいですかあ」 聞き入れてやる義務なんてないけど、聞くだけ聞いてみる。 自分ひとりじゃ、すぐ浮かびそうにはなかったから。 (-578) oO832mk 2023/09/20(Wed) 12:58:34 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「それは失礼。 うちの犬は正義感が強すぎてね」 犬に転ばされてしまったのかい? と、あざ笑う。 「はぁ……、今のことを聞いてるわけじゃないのはわかってるだろ」 今の姿を見れば確かに加害者と被害者ではあるが。 けれどもそれは、お互い様なのだろうにと肩をすくめた。 「強引な男なのはわかってるけど、それでもたった一人で無茶をするには理由があるはずだ。 お前たちは、過去にも何かあったんじゃないのかい?」 (-595) eve_1224 2023/09/20(Wed) 15:13:12 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「そおか」 うん、と頷く。あなたの泣き言を、肯定する。 「分かった。なあに、すぐできるさ。 真っ先にお前に飲ませてやるよ」 狭間には、格子がひとつ。 何にもないようにふるまい、 目も指も届くけれど、 それは越えられない隔たり。 けれどまるで最初からこうだったかのように、 アレッサンドロは意に介さない。 「そりゃあ、お前」 だから、そんな顔で。 「あぶねえことしないで生きて欲しいな。 やらせてる俺が言えた事じゃないから言わないが」 言っている。 言えないことだが、きっと言わずにはいられないから。 (-606) gt 2023/09/20(Wed) 16:59:48 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「過去〜……?」 真面目に考えるようなそぶり。 すぐにぱん、と指を叩いて。 「教会で喧嘩売られたぞ。礼拝の最中にうるさくすんなって言っとけ」 おとついくらい、なんて付け足し。──壁にもたれるように腕を組んだ。 「イヤ本当に、俺はしらねえのよ。まぁあっちは俺のこと知ってただろうけどな。 お前は理由があるはずというが、そいつはほんとにあるもんなのか?」 指を一本、立てて振り。 「いいトシの大人なんだから言わねえことは言わねえ理由があるか、 もしくはそんなもんねえんだよ。 あるとして、本人以外になーーんの意味もないもので、 そういうことに何もかんも全部身を投じる阿呆ってだけかもしれん。 どちらにしろ、理由を欲しがってるのはお前だろ? ここまで来れるんなら、本人に聞けよ。 俺が知るか、ばーかってことだよ」 一息に言ってから、に、と笑って。 「──だがま、若いモンだし、マフィアには無関係なやつだ。 終わったらさっさとシャバに戻って、マトモに人生送ってほしいと思ってるよ。 個人的には」 (-608) gt 2023/09/20(Wed) 17:21:41 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「勿論、キミとの話が終わったら会いに行くさ。 その前にキミから色々聞いておかなければいけないなと思っただけで」 だからそこは、順番が違っただけだと、前置きをする。 あなたの話を、嘘なのか本当なのか。 じっくりと見定めるように聞いて、笑顔を見れば深々と息をついた。 ――― 個人的に 、ね。「僕に、キミから物を買うのはやめろって止めに来ておいてね……。 理由がなかったというなら、それはしつけのし直しが必要だな」 格子にかけた手は離れることなく、意識を変える。 この男はイレネオが邪魔だと思った、それ自体は本当だろう。 けれど、本当に聞かなければならないことは、そこじゃない。 「―――。 じゃあ、2つ目。ここからが本題だ。 アリソン・カンパネッロ なんて名前を偽装して法案を通したのは何故だ」 (-613) eve_1224 2023/09/20(Wed) 17:37:49 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「オ、さすが。 ならなおさら、マフィアの言う事なんか聞いちゃいかんと思わんか。 お得意さんだから言ってるんだぜこれは」 へらへらと笑う。 施設から貸し出されたらしいスウェットの上下はだらしなく、 休日に寝転ぶおっさんそのものだ。 「いやまぁ、俺ぁ一応カポだから。 あいつからすりゃあ悪党の元締めだろ。 そこは別におかしなこと言ってねえと思うぜ。 心配かけてやんなよ」 …本人がいうことでもない。 自分の事を棚どころか天井裏にまで上げながら、 あぐらをかいたからだをゆらゆら揺らして。 「そりゃお前、マフィアのカポ・レジームアレッサンドロです! マフィア捕まえるために金出します! ……なんていったって受けてくれねえからだよ」 聞かれたことに、そう答えた。 (-615) gt 2023/09/20(Wed) 17:48:44 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「両方の話を聞いておくのは大事なことだよ」 「心配を……かけたことは自覚してるけれど。 僕だって心配くらいするって話で……いや、その話はもう良い」 本題と違うことまで思い出してしまいそうで、頭を振った。 話に集中できなくなってしまう、これはいけない。 というかそのだらしない態度はよせ、とは思うのだが。 牢の外からしか会わないと、もうひとり、心配性の誰かと約束したから破れない。 態度の一つくらいは大目に見たって構わないだろう。 ツッコんではいけない。 「そんな事はわかってる。 マフィアのカポ・レジームが金出してまでマフィアを取り締まるのは何故かと聞いてるんだ。 これはマフィアにとって重大な……裏切り行為だろう?」 (-617) eve_1224 2023/09/20(Wed) 17:58:40 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡不自由な独房の中で。ぼろぼろの顔して。何を。 …そんな簡単なことじゃ、ないはずなのに。 だけど、鉄格子の向こうの姿から、潮風とオイルの香りがした気がして。 一緒に香ったコーヒー豆の香りに、小さく、息を呑んだ。 それは、錯覚のはずだけれど。 「……絶対…ですよお。」 「それまで、許してあげませんからあ」 そう口にして、少し笑えてしまったのは仕方がないと思う。 自分はもう少し、現実を見ているつもりだったのに。 「…言ってないなら、聞こえませえん。」 聞こえたところで、どうせ聞けない。 だからそう言って肩を竦めて、少しだけ笑って見せた。 この生意気が、あなたの部下の姿だと。 独断で危険な橋だって渡る。それがあなたの役に立つのなら。 「あー。でもお。」 思い出すように、添える。 「アレッサンドロさんが危ないことしないならあ、考えまあす。」 (-618) oO832mk 2023/09/20(Wed) 18:15:12 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「ああ、そうだな。 その通り、裏切ったワケ。 よくよく理由を知りたがるやつだなあ。 答えはさっきいったじゃねえか。 俺が阿呆だって話さ」 ごろん。 ついには腕を枕には、もう一度寝っ転がる。 「なンでそんなこと気にするのやら。 あのワンちゃんのことでもない、マフィアの同士討ちの話だろ? 素直に仕事が楽でいいなあっつって喜ぶわけにゃいかんのかね」 (-620) gt 2023/09/20(Wed) 18:22:45 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「あぁ、駄目だね」 「裁判になればその理由は必ず聞かれるし、刑量の判断材料になる。 自分の首を絞めるだけだし、納得の行く理由を話してほしいものだけど」 むしろ話してくれたほうが仕事は楽になるんだけど?と冷めた目を向ける。 けれど裏切ったということをあなたの口からちゃんと聞いたことで、なんとなく、心が痛くなった。 多分それは……消耗している大事な幼馴染が、あなたの部下にいるからで。 「…………」 「裏切った仲間は、大事ではなかったのかい?」 語る声色は少しだけ、トーンが落ちた。 (-622) eve_1224 2023/09/20(Wed) 18:32:06 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「それで許してもらえるンなら、安いもんさ」 なんとも気軽にいうものだ。 だけどこの気軽さで、どんな高価なものでもぽんと渡してくるのをあなたは知っている。 「あーあー、生意気に育っちまって… 誰に似たんだか。 周囲が悪いな、こりゃ」 やっぱマフィアはダメだ! なんて言っているが、それこそ本当にどの口が言うのだろうか。 「おまえ得意なんだから、オトコの前ではちゃんとそういうの隠せよ。 ツラは良いんだし、賢いし、その気になれば一発だろ。な」 格子の中から、どうしてこんなに自信を持って説教じみたことができるのだろうか? さっぱり自覚していないのか、 あるいは屋根の上まで棚上げしながら嘯いて。 「それはー………」 危ないことは。 「………しないとは約束できんから、 努力目標ということにはならんか?」 変なところで正直だ。 (-623) gt 2023/09/20(Wed) 18:34:05 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「おいおい、こんな強引にしょっぴいといて、 裁判だけはまじめに行われるとでも? 俺はこんな悪法で逮捕して、取り調べ中に暴力までふるっておきながら、謝罪も反省もない警察に大変不信感を持ち憤っている。 マフィアにも人権はあるんだぜ? 弁護士を通してほしいね」 だいいち、と指を立てて。 「それ以前にな、取締法に金を出すことは俺の逮捕に関係ないだろうが。 あれはただの匿名の寄付で、それを使ったのはおまえらんとこのトップだろ。 ランドセルを寄付する覆面レスラーは犯罪者か? 俺は薬物の取引で逮捕されたはずで、そこは係争すべき点ではないだろう」 違うか?と寝転んだまま顎を引き、黒い瞳だけがそちらを覗く。 そうしてわざとらしくひとつ、息をついた。 「そうだな。ご期待に添えず悪いね。 実は俺、聖人君子ではないしトイレにも行くんだ」 ひらひら、手の代わりに足を振る。 なんとも態度が悪い。規定に照らし合わせれば、指導の名目で殴っても良さそうだ。 (-628) gt 2023/09/20(Wed) 18:55:20 |
【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡/* こんばんは! バナナマンパナマ湾です。 お返事色々考えてみたのですが、黒眼鏡さんからのレスで〆るのが綺麗な気がしたので、ひとまずこれで〆ということで大丈夫でしょうか。 もしまだなにかしたいからもう少し続けたいなどあれば遠慮なく仰ってくださいね。 拙い暴力にお相手してくださってありがとうございました! とっても楽しかったです! 黒眼鏡さんの行く先、わくわくして見守っております。 もしまた機会があり、そちらに余裕があればお話ししに行くかもしれません。あるかわかりませんが…… (-631) rik_kr 2023/09/20(Wed) 19:03:32 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡そうやって、いつもと同じように。 適わないなあと思うのだ。そんな夢みたいな言葉も、すぐ叶うように思わされる。 「さあ。」 「誰に似たんでしょうねえ。」 本気で自覚がないのなら大いに結構だ。 「でもちゃんと、隠してますよお。前も言いましたが優秀なのでえ。」 「アレッサンドロさんだけです、これはあ。」 ミントブルーが薄く笑む。 役得ですねえとこちらもこちらで嘯いた。 あなたが大嘘つきだったなら、どうせ指摘していたのだろう。 寧ろ正直はいい事だ。そうして口を開いた女の声は少しだけ静かに響く。 「……別に、いいんですよお。」 「その時は、必要なときでしょおからあ」 諦観ではない。けれどただの許容でもなかった。 ほんの少しの寂寥と、ずっと多くの信頼の色。 「だから、あたしも好きにしまあす。」 「必要だと思ったら。…アレッサンドロさんの、部下ですからあ」 そう口にしたら、少しだけ胸がすくようだった。 …今だって女は、間違えたことをしているなんて思っていない。 だから地獄に堕ちたとしても、やめようなんて思わない。 (-642) oO832mk 2023/09/20(Wed) 20:10:05 |
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