人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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視点:


到着:軍医 ルーク

【人】 軍医 ルーク



 “天”の向こうには世界があるのだと、父は言った。
 誰が聞いても鼻で笑うような、そんな御伽噺を、
 まるで夢みる価値のある夢だと思わせるほどに、
 熱のこもった口調で。
 子どもに聞かせる与太話にしては、
 やけに真剣な眼差しで。

 あの酒飲みでくそったれなロクデナシの記憶は、
 いっそ脳にエタノールを流し込んで
 きれいさっぱり消毒してしまいたいけれど、
 生憎、手前はこれでも医者だから、
 それをしたらさすがに死ぬことくらいは知っている。

 それでも自分は医者だから、
 やろうと思えばやれるんじゃないかと、時折思う。

 けれど、もしそうしたとしても――…
 
 あのろくでなしの語った、天の上の与太話のことは、
 この躰の脳とは別の部位に、
 うっかり深く刻み込まれすぎてしまって、
 何を流し込んだところで、消えてくれはしないんだろう。

(6) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:03:50

【人】 軍医 ルーク


 だから時折、手を伸ばしてみる。
 当然のこと、天には届きやしない。
 けれど、もし、
 “十分に準備をして何か道具を使うなら、
  届くことも、触れることも、上っていくことも出来る”。
 天というのは、そういうものだ。

 ――何故なら、それはただの岩なのだから。

 さあ、その向こうには何がある?
 あのくそったれはなんていったと思う?

 
『どれだけ手を伸ばしたって、
  決して触れることが出来ないものがある』
のだと。
(7) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:05:14

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
前線基地・外壁
 ――

[ 基地の周りをぐるりと取り囲み、
 高く高く張り巡らされた壁面の上に、
 一つの人影がある。

 針金のようなその人影は、
 爆風の一つも食らおうものなら吹き飛ばされそうに
 ひょろりと頼りなく、細い。

 全身真っ黒なローブに身を包み、
 “上”に向かって手を翳すような、そんな仕草をする。
 けれど、直ぐに手を下ろし、前方へと視線を延べて、
 壁面の上にただじぃっと佇んでいる。]

  
  さて、今日は何がお出ましかな?


[ 飄々と、淡々と――
 その声をどのように受け取るかは、分かれるところだろう。
 高揚しているようでもある、緊張しているようでもある、
 嫌悪しているようでも。
 感情の色の薄い紫の目は、あまりにも平坦すぎて、
 逆にある意味力が強い。
 互いに顔を見合わせてにらみ合ったなら、
 相手の方が気まずくなって目を逸らしてしまうような、
 そんな奇妙な平坦さだ。]
(8) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:07:03

【人】 軍医 ルーク

[ フードから覗くその容貌が男性のものに見えるか、
 女性のものに見えるか。
 男性にしては高く、女性にしては柔らかさが足りない声が
 果たしてどちらに聞こえるか。
 それもまた、人によって見方は分かれるようである。
 本人が『ルーク』と名乗るのを聞いて、
 大体の人間が、男か、と判断することになるようだった。


 誰もいない壁面の上、人影はフードを下ろす。
 長く豊かな橙の髪、青白い顔、
 そして頭の上には白い『耳』がある。
 
 ふわふわとした綿のような、削り取った氷の破片のような、
 真っ白で柔らかい、大きな狐耳。
 前方の音に集中して、時折ぴくぴくと動く。]
(9) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:08:31

【人】 軍医 ルーク

[ そうして、上を見上げる。
 見上げた上には当然のように、
『天』
がある。
 それは、硬い岩盤だ。
 この地区の『太陽』の明かりに燦燦と照らされた天蓋は、
 此処からははるかに高く、
 どれだけ手を伸ばしたって届きやしない。

 けれど、地区によっては『天』はここよりはるかに低く、
 地面から天へと壁面が続いている箇所もある。
 そういったところでは、『天』に上っていくことだって、
 そう難しいことじゃないだろう。

 ――より分かりやすい表現をするなら、そう、


  
この世界は“穴蔵”だ。



 穴蔵と言ったって、そんじょそこらの洞穴とはわけが違う。
 自分の視力では、ここからどれだけ目を凝らしても、
 地平壁は見えやしない。
 そして、『天』もまた、
 どこまでも広がる、無限にも等しい世界の蓋だ。]
(10) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:11:11

【人】 軍医 ルーク

[ 穴蔵の天井――『天』は、岩盤だった。
 それは絶対に、確かなことだ。
 けれど、ここ最近、ある
『異変』
が起こった。
 目を凝らし、その『異変』を見上げ――]


   『きゅー』

     ん?


[ 後ろから聞こえてきた鳴き声に、振り返る。
 そこにいたのは、小さい白黒の一匹の丸っこい鳥――
 いや、鳥というにはあまりにもころころふわふわとして、
 手足の短いナニカが一匹。
 そう、いわゆる“ペンギン”だ。
 体つきは成鳥のものより、やや雛に近い。
 そいつは人影に向けて、
 何かを訴えるようにきゅいきゅいと跳ねる]
(11) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:12:39

【人】 軍医 ルーク


  ああ、なんだ君か――
  なんだい? 
  君、こんなところにいたら、
  吹き飛ばされて落ちても知らないよ。
  他の連中と違って君は飛べないのだろう、
  この高さから落ちたら挽肉だ。
  わたしに調理しろと?
  悪いが、君の解剖にはいささかも興味が沸かない。
  いや、そもそも肉になるのかな…?
  ――っと、引っ張るな引っ張るな。


[ 嘴で咥えて必死に引っ張ろうとするそいつは、必死だ。
 何がしたいのか分からず、首を傾げる。
 折しもそのとき、基地内で再びサイレンが鳴った。
 現在の警戒レベルを知らせるその警報は、二音ずつ。
 基地内の平時よりは引き上げられているが、最大警戒ではない。]
(12) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:14:54

【人】 軍医 ルーク


  ほら、鳴ってるだろう、さっさと避難するといいよ。
  

[ 白黒のもふもふは、なぜわからぬ!? とばかりに
 短い手をぱたぱたと羽ばたかせる。
 この警戒レベルなら、恐らく戦闘部隊は通常の出撃態勢を
 取っているはず。
 つまり、総員出撃ではない、
 そこまで危険度は高くない通常の襲撃だ。
 ――とはいえ、それは相対的な比較の話。
 容易い襲撃など、これまで一度たりともなかったのだから。

 出撃した部隊もあれば、守りを固める者たちもいるだろう。
 そして、自分のような非戦闘員は、指揮官以外は、
 ほぼ全員が比較的堅牢な基地内の建物に避難しているはず。
 つまり、この鳥たちも、だ。

 言うことを聞かない白黒の鳥を、むんずと抱え上げる。
 これなら、爆風がここまで来ても飛ばされないだろう。]
(13) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:16:25

【人】 軍医 ルーク


  君、言語機能まで故障してないだろうね?
  本当に解剖されたくなかったら、
  もっと聞き分け良くなりなさい。


[ 鳥はあきらめたように、腕の中できゅー、と鳴いた。
 サイレンは、高く耳に触る、
 けれどもどこか無機質な音を立てて鳴り続ける。

 遥か下、基地の門が開き、兵士たちが出撃していく。
 此方からは向こうがよく見えるけれど、
 向こうからは此方の事なんて見えていないだろう、きっと。
 彼らは、これから戦いに行く。

 ――“天”を見上げる。
 いや、正確には、そこにある明らかなひとつの異変を。
 あまりにも高く遠い、世界の蓋。
 そこにぽっかりと開いた、
『大きな、黒い穴』


 穴の向こうは、何も見えない。
 目にしているだけで吸い込まれて行きそうな、
 そんな錯覚を覚えるほどの、
 あまりにも深く昏い、巨大な穴が、“天”に穿たれている。

 西側の外壁に据え付けられた砲台が、動く。
 数十の砲門が一斉に、穴の方角へと。
 けれども、それで『あれ』を斃しきれた試しなど、
 これまでどれだけあっただろう。]
(14) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:18:06

【人】 軍医 ルーク

[ 出撃部隊が配置につく。
 腕の中で、鳥が不安げな鳴き声をきゅう、と上げた。
 不安なら中で大人しくしていればいいだろうに――と、
 そう言いかけるけれど、もう遅い。
 
 風のない世界に、風が吹く。
 天に空いた黒穴から、『それ』が降って来る。
 目を凝らしてもこの距離からは細部は見えないが、
 そう、それは逆に――… 
 この距離からも視認できるほどの巨体だということだ。

 この世界に生きるどの生き物よりも遥かに巨大で、
 あるいは建造物と比したほうが早いかもしれない。

 “それ”は、咆哮を上げる。
 幾百もの獣の吼え声のような、
 金属をこすり合わせた叫びのような、ひどく不快な音だ。]
(15) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:19:26

【人】 軍医 ルーク

 


   
天の穴から、死が降りてくる。



                   *
(16) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:20:11
軍医 ルーク(匿名)は、メモを貼った。
zelkova 2020/05/15(Fri) 1:27:34

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a1) zelkova 2020/05/15(Fri) 1:28:44

【人】 軍医 ルーク

   ――
“ルーク”
――

[ 東棟、医務室。
 その場所を訪れる者たちの間で囁かれている不文律がある。
 着任したての新兵に、真顔で告げる上官もいるらしい。
 曰く、『葬儀屋がいるときには近づくな』。
 軍医は一人ではない、
 ハズレを引きに行くことは避けろ、ということだ。

 軍医としては不名誉を通り越して致命的な呼称の原因は、
 先ずは身に纏う黒衣のせいでもあるし、
 枚挙に暇がない、ろくでもない噂の数々でもあるだろう。

 藪かというと、決してそうではない。
 むしろその逆、この基地に配属される前は、
 中央で将来を嘱望された研究者であり外科医だった。
 尤も当人、中央にいたころから
 多大に問題のある言動を乱発していたものだから、
 それでも将来を期待されているということは、
 マイナスを補って余りある力量
だけは

 持ち合わせていたわけである。

 さて、そのろくでもない噂の数々というのは、例えば―― ]
(17) zelkova 2020/05/15(Fri) 2:23:31

【人】 軍医 ルーク

[ 違法な研究に手を染めて中央を追放されたとか、
 夜な夜な何かを解剖している高笑いが響くとか、
 患者にひそかに非合法な薬物を投与して
 人体実験を行っているとか、
 出さなくても良い薬を実験のためにわざと飲ませているとか、
 満月の晩に医務室に入ったら生きては出られないとか、
 あのローブの下は自分で自分を改造しているのだとか、
 その結果表情筋も死滅しているのだとか、
 いや、患者の悲鳴を聞いたときにはにやりと笑うのだとか、
 滅多にフードを下ろさないのは
 頭の後ろにも口がある妖怪だからだとか、
 耳も尻尾も二目とみられない有様なのだとか、
 いっそ切り取ってしまったのだとか、
 実はとっくに生き物でもなんでもない義体なのだとか、
 あの顔が笑うのを見た者は呪い殺されるとか、
 医務室の鍵付き戸棚の中は決して開けてはいけない、
 この世界のありとあらゆる毒が収納されているのだとか、
 むしろあの中にあるのは爆発物の類であるとか、
 気分次第で麻酔なしで手術をされるのだとか、
 切られた傷口がそのうち開いて殺されるとか、
 手袋を脱いだ手には絶対に触られるな、
 研究中の細菌に感染するぞ、とか、
 中央にいる頃に確執のあった上官を毒殺しようとしたとか、
 逆に、実は中央からの監視官で、
 兵士たちに内偵のための処置を行っているのだとか、
 だから戸棚の中には内偵文書が収められているのだとか、
 基地内にいるぺんぎんたちを解剖する機会を狙っているとか、
 飲料水のタンクに実験のための毒を流し込んでいるのだと ]
(18) zelkova 2020/05/15(Fri) 2:24:17

【人】 軍医 ルーク

[ か――…

 最後辺りは大喜利の様相を呈していることも否めないが、
 兎も角、はみ出すほどに枚挙に暇がない、というわけだ。
 
 医務室は広い。
 一気に大量の怪我人が運び込まれてくることがあるからだ。
 その場でも相当の処置が出来るよう、設備も整っている。
 勤務は交代制だが、常に一人ないし二人は
 在室することになっている。
 
 そして、どれほど酷いうわさが流れていようと、
 あるいは流されていようと――
 患者は医者を選べない。
 部屋の中にいる黒い奴を見て引き返せるものは、
 時間に融通が利いて、それなりに余裕がある者だ。
 中には、止む無く治療を受けに来る者もいるだろう。]
(19) zelkova 2020/05/15(Fri) 2:25:21

【人】 軍医 ルーク

[ 本人、自分が何を言われていようと気にした様子もなく、
 粗末な木の椅子に腰掛け、微動だにせず医学書を読んでいる。
 時々瞬きを忘れているのに気づいて、瞬きをしたりもする。
 ごくたまに、何が面白いのか、頁を捲ってにやりと笑う。]


   あははは
 

[ 笑い声も妙に平坦だった。
  そのようなわけで、入って来た犬耳の新兵は、

 『失礼しましたー!!』

 と、蒼い顔で踵を返し、
 尻尾を(文字通りに)巻いて、ばたばたと逃げ出していった。
 其方にちらりと視線を遣っては、読書に戻る。

 概ねそれが、医務室の日常だ。]**
(20) zelkova 2020/05/15(Fri) 2:28:37
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a2) zelkova 2020/05/15(Fri) 2:31:19

【人】 軍医 ルーク


  ―― 
父親の話
 ――

[ 物心ついたころには家にはおらず、
 世界中彼方此方を旅してまわっていた研究者の父は、
 良く言えば夢追い人、
 一般的に言えば生活力皆無のロクデナシだった。
 気付けば自分も似たような道を歩んでいたのは、
 果たして奴の影響を受けたのかどうかは知らないが、
 片付けられもせずに積み上げられた本の中で育てば、
 まあ、自然の成り行きではあっただろう。

 ろくに連絡も寄越さなかったそいつが、
 死んだと聞かされたのは、暫く前――
 そう、あの大穴が出来たときのこと。
 穴の調査に赴いて調査拠点に留まっていた父は、
 そこから突如現れた『怪物』に殺害されたのだという。]
(53) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:19:46

【人】 軍医 ルーク

[ 当時の自分も、既に医術の道に踏み込んではいた。
 衝撃を受けるだろうと予測してか、
 遺体の状態について口ごもる父の同僚に、
 いいよ、見る、とだけ告げて安置所に赴いた。
 ぽつんと灯された裸の明かりが、薄暗い安置所を照らす。
 回収された部分だけが入っていた遺体袋は、
 人ひとりが入っているにしては、随分に小さかった。

 ――自分は、きっと平気だったに違いない。
 思い出される自身は、どうしてか、遠い後姿だけれど。]
(54) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:20:01

【人】 軍医 ルーク

[ その拠点に赴いていることは知っていた。
 居所を知らせる手紙なんて寄越しやしなかったけれど、
 父の知り合いが気を使って知らせてくれたのだ。
 まあ、一年か二年はそこに留まるのだろうと思っていた。
 研究のこととなれば寝食を忘れる破天荒のロクデナシは、
 調査拠点でもさぞ持て余されていたに違いない。
 いや、あれはあれで、案外人望もあったようだ。
 情に厚く、人には親身になるたちのようだったから。
 もし何か面白い結果でも得られようものなら、
 同僚や警備員を捕まえて、
 どんちゃん騒ぎの酒盛りでも始めたりだとか。
 ―― 今となっては、想像するのみだ。

 その調査拠点に残っていたものは、
 殆どが死んでしまったのだと聞く。
 早々に避難できたものは、何が起こったかは当然のこと、
 ろくに見てはいなかったようだ。
 少なくとも自分は、何が起こったか、
 何一つ知らされることはなかった。
 ただ、“怪物”が現れたのだと――それだけ。]
(59) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:29:19

【人】 軍医 ルーク

[ 残されたものは、多くはなかった。
 形見の遺品も礫の下に埋もれ、見つかってはいない。
 ただ、身に着けていたものがひとつ。
 白い狐耳の若い女性と、同じ耳の子供が写る写真。
 それだけが、奇跡のように傷一つなく残されていた。
 もう、随分と昔のものだ。

 ああ、そういえば、最近写真なんて撮っちゃいなかった。
 自分でも忘れていたようなそれを、
 そいつが肌身離さず持ち歩いていたのは、
 ひどく意外だった。]
(60) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:30:11

【人】 軍医 ルーク

[ いま、外壁に立ち、天に空いた大穴を見る。
 荒れ果てた地面を見る。

 そこに聊かの感慨もないと言ったら嘘になる。
 けれど、降下してくる怪物をただ真っ直ぐに見据える紫の、
 その奥底に冷たく煮えたぎるものは、
 一言に恨みや恐怖、好奇心と表すには足りない、
 ただまっしぐらに、炎のように燃え盛る、探求心。
 そして――…                 ]
(61) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:30:40

【人】 軍医 ルーク

 
  ―― 
飛べないぺんぎんの話
 ――

[ 基地にはたくさんのペンギンたちがいる。
 いわゆるお手伝い端末というやつで、
 小さな身体でてちてちと歩き回りながら、
 行き会う者たちに人懐っこく挨拶したり、
 業務の『おてつだい』をしたり、
 そこかしこに歩き回っている、白黒のもふい塊だ。

 ちなみに、奴らは一生懸命羽ばたけば飛べる。
 高いところのものを取るときだとか、驚いたときには、
 必死に羽根を動かして高所に飛び乗る姿が、時折見られる。

 大体似たような姿形だが、微妙に個体差はあるようで、
 活発なのもいればおっとりしたやつも、
 真面目なやつも、サボりがちなやつもいる。
 大体の者は彼らの見分けなんてつかないのだが、
 一部には分かっている者もいる。

 自分は後者だ。
 興味のあるなしの問題ではない。
 単に、特徴を見れば見わけがつくというだけだ。]
(62) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:31:38

【人】 軍医 ルーク

[ そのうちの一匹が医務室に担ぎ込まれたのは、
 着任から一週間ほど後のこと。
 どうやら他の連中とは動きが違って、
 手――というか羽根を痛めているのではないかと。]


   わたしは人間の医者なんだが。
   こいつは専門外だ――ばらして調べていいか?


[ 担ぎ込まれたぺんぎんは、じたばたと逃げようとしていた。
 それでもまあ、診るだけは、診た。
 どうやらどこかで強い衝撃を受けたらしく、
 まずは直せるような状態ではないようだった。

 こいつらはこれでも基地の備品扱いだから、
 上官への報告ついでに、言い置いた。
 変わったことがあったときには逐一報告するように、
 着任時に言われていたからだ。
 その時何やら難しい問題に頭を悩ませていたらしい上司は、
 持ち込まれたもふもふ案件に怒鳴り声を上げ、
 不良品ならすぐに捨ててしまえと厳命してきた。
 さー、いえっさー、と棒読みにして、その場を辞す。]
(63) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:32:26

【人】 軍医 ルーク

[ 鳥を小脇にふん捕まえたまま基地を行く。
 抱えられたぺんぎんの、きゅーきゅーという悲痛な叫び声と
 必死の羽ばたきは、
 すれ違った者たち皆の目に入ったことだろう。
 眉を顰める者や、止めようとする者も多かった。

 それがまた、着任早々着々と増え始めていた自分の噂に
 新たな一頁を加えることになったようだが、どうでもよい。
 そういえば、『葬儀屋』と呼ばれ始めたのは、
 ちょうどその頃だったような気もする。 ]
(64) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:34:40

【人】 軍医 ルーク

[ 焼却処分場にぺんぎんを連れ込んで、
 ごみの山の上に下ろしたときには、
 そいつはぷるぷると怯え切った様子で此方を見上げてきた。]


  さて、これでわたしは、君を捨てた。
  命令は完了した。


[ そうして、間をおかずにひょいとそいつを拾い上げ、
 さっさと焼却場を後にする。
 捨てられていたごみを拾ったところで、
 それは個人の勝手というものだ。
 人目のない廊下で、そいつを離す。]
(65) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:35:06

【人】 軍医 ルーク


  他の連中に紛れてしまえば、
  君に気付く上官はいないだろうさ。
  あとは好きにするといいよ。


[ かくして飛べないぺんぎんは、
 何事もなかったかのように基地内に帰還を遂げた――
 はず、だったのだが。
 何故かその日から、東棟の医務室に
 一匹のぺんぎんが入り浸ることとなる。
 人見知りが激しいようで、普段は物陰に隠れていて、
 患者が誰もいないときにはひょっこり顔を出し、
 医務室の主にてちてちと茶など運んできたりする。
 きっと場所が気に入ったのだろうと、放っておくことにした。
 (薬品の入っている棚には、その日のうちに鍵をかけた)

 来訪者があるときにそいつが姿を現すことがあったとしたら、
 それは例えば、余程気を許しただれかが訪れたときのこと。
 そういった相手がいるかどうかは――
 当のぺんぎんや、ぺんぎんと親しいであろう誰か次第。]**
(66) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:36:05
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a8) zelkova 2020/05/15(Fri) 13:46:07

【独】 軍医 ルーク

/*

>>ぺんぎんは一匹じゃなくて一羽ですね…<<


次からなおそう…
(-18) zelkova 2020/05/15(Fri) 14:22:59

【独】 軍医 ルーク

/*
相方がもふもふの赤いロップイヤーの耳尻尾かわいすぎて突っ伏している。
うさぎ…うさもふのロップイヤー…(もふー
そして記憶喪失かあ、中の人は全力で構いに突撃しに行きたい好き。
しかしこちらのPCがこんなやつでほんとごめん、
耳尻尾は白くて最高にもふだよ!
(-19) zelkova 2020/05/15(Fri) 14:28:02

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
前線基地・外壁上
 ――

[ 出撃した兵士達は散会し、各々の配置につく。
 中の一隊が、前方に突出している。
 あれは、穴から降りてくる怪物の降下位置近くに陣取る
 第一部隊だろう。
 武装に身を固めながら、
 その動きは気を抜けば見失いそうなほどに疾い。
 怪物を間近に相手取る超近接部隊には、
 身体能力に優れているものが多く配属されているのか、
 あるいは、余程よく統率が取れているのか。

 彼らを見下ろす顔に表情はない――はずだ。
 地上の動きに集中していたものだから、
 固唾を飲んで事情を見守る手の中の鳥が、
 不安げにちらりと此方を見上げたことには、
 一向に気付かなかった。]
(82) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:25:32

【人】 軍医 ルーク

[ 天の大穴から、“それ”が降りてくる。
 否、“降りてくる”というよりは――
 落下だ、落ちてくる。
 あの距離から落下しては、生き物ならばひとたまりもない。
 けれど、それは、そう
 ――言葉通りの意味で、生き物ではないのだ。
 
 けたたましい吼え声が戦場を劈き、
 『それ』が地面に着地するのと、
 砲門が火を噴くのは同時だった。

 腹の底に響く砲撃音が、耳を聾する。
 矢継ぎ早に放たれた第一陣の砲撃は、
 怪物に、あるいはその周囲に着弾し、
 爆音が轟き、土煙が巻き上がる。

 前線の人影たちは、射線上にはいない。
 砲撃部隊も味方を撃つ様な無様はすまい――という、
 そう簡単な話ではない、
 近接部隊の彼らはあれほど突出し、
 見上げるほどに巨大な怪物と相対しながら、
 同時に、味方の動きを把握しているのだろう。]
(83) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:26:15

【人】 軍医 ルーク

[ もうもうと巻き上がる土煙、
 閃光がひらめき、戦場は地獄と化す。
 今もその残骸が残る建造物の名残が、
 怪物の前足の一撃で、がらがらと崩れ落ちた。
 ――そう、此処は、あの大穴から怪物があらわれるまでは、
 ひとが住まう土地だった。

 ここにいても、大きな白い耳はあまりにもよく音を拾う。
 破壊音、爆音、銃弾の音、ひとの声。
 晴れてゆく土煙の向こうで、“それ”の影が現れる。

 再びの咆哮。
 四つ足の怪物は進みを止め、その首はぎりりと向きを変え、
 生き物ではありえない角度で外壁を見上げ、
 基地へと狙いを定めるように、一歩ずつ近づいてくる。>>72]
(84) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:27:11

【人】 軍医 ルーク

 
  四足歩行型――
  速度に応じて足並みを変化させている、
  歩容の再現まで完全…
  などという生易しいものじゃ、ないな、あれは。


[ 生き物にしか見えない動き、
けして生き物ではありえない、圧倒的な破壊の化身。
 その足取りを止めようと、兵士たちが攻撃を加える。
 けれど、その進みを止めるには至らない。

 四つ足の怪物が、迫って来る。
 その胸元がぱかりと開き、奥にある『なにか』が、
 戦場の何処かへと狙いを定めようとした、そのとき――]
(85) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:27:51

【人】 軍医 ルーク

[ 戦場の中心に、白い光が膨れ上がる。
 まるで『太陽』のように、
 目が眩み、焼かれそうなほどの光量だ。
 色素の薄い瞳は、それほど光には強くない。
 けれど、目を眩しそうに細めながらも瞑ることなく、
 強く、強く、輝きを増してゆく光を見続ける。
 やがてそれは一筋に収束し――

 怪物の中央部を射抜き、消えていった。
 
 ずしん、と、
 巨体の倒れる音と舞い上がる土煙が、ここからも良く見えた。
 それからもう一つ――
 先ほど白い光が見えた場所に、赤い影ひとつ。
 そして、倒れたその影のところに、
 ばらばらと駆け寄ってゆく近接部隊の兵士たち。]
(86) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:28:52

【人】 軍医 ルーク

 
  戻るよ。


[ きゅう、と鳥が窮屈そうな声を上げる。
 それで初めて、自分が身体に力を入れていたことに気付く。
 鳥は今の光が眩しかったようで、
 くしくしと羽で目の辺りを擦るような仕草を見せていた。
 こいつはこいつで、生き物よりも生き物らしい。
 あれはなに? と問うように此方を見上げるものだから]
(87) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:29:35

【人】 軍医 ルーク

 
  あれかい?
  そうだなあ、極めつけの莫迦が、
  極めつけに莫迦なことをしたということだよ。
  ああ、仕方がないんだ、
  莫迦は莫迦なことをするがゆえに莫迦なんだから。


[ そんな風に言いながら、基地の中へと踵を返す。
 これから医務室に訪問者があるに違いない。
 その足取りはゆっくりしたものだったが
 ――これ以上早く歩けないのだから仕方ない――
 寄り道せずに、医務室へと戻るだろう。]*
(88) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:30:02

【人】 軍医 ルーク

 
   ―― 
医務室
 ――

[ 長耳兎の部隊長がいつ頃目覚めたかは、
 そいつの体力次第といったところだけれど、
 少なくとも、隊長を担ぎ込んできた部下たちの阿鼻叫喚は、
 耳に入らなかったようだった。
 あの耳はさぞよく聞こえるだろうから、
 もし意識があったなら、

 なんでよりによって葬儀屋がいるんだ!? 
 誰でもいいから他の医者呼んで来い、
 うわやめろ俺たちは大した怪我なんてギャー!!!

 ――みたいな大騒ぎが、
 ことのほかよく聞こえていたはずだ。

 (もしかしたら多少夢見は悪かったかもしれない)

 戦闘があって負傷者が零ということはなく、
 暫くの間は駆け付けた他の医者たちも交えて、
 怪我人の手当てに追われた。

 急な処置を要する負傷をしたものは、ほぼいない。
 部隊の練度の賜物か、
 あるいは――被害が出る『前に』、敵を仕留めたからか。

 ある意味で一番重症だったのは、この長耳だったのだけれど、
 先ずは寝台に突っ込んで点滴の管を刺し、
 他の患者の応急手当てに当たる。]
(89) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:31:30

【人】 軍医 ルーク

 
  君、そいつに何かあったら呼んでくれ。


[ 戸棚の横を通り過ぎがてら、
 影に隠れていたもふ玉に声をかければ、
 鳥はらじゃー! とばかりに頷いて、
 兎のベッドの下に潜り込んで隠れる。
 けれど、下にいては様子が分からないと気づいたのか、
 よいしょ、と寝台によじ登り、
 布団の中に潜り込んで、もそもそと隠れた。
 ――まあ、それはそれでいいだろう。]
(90) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:32:11

【人】 軍医 ルーク

[ だから、そいつが目覚めたときに最初に見るのは、
 首を右に傾けるか、左に傾けるかの運次第。
 運が良ければ、人が去って医務室が静けさを取り戻した後、
 にょきっと布団から顔だけ出して添い寝を決め込む
 ぺんぎんであったろうし、
 運が悪ければ、元々ない表情を凍らせて、
 笑っていない目で口元だけを釣り上げている、
 『話が分からない』方の医者であっただろう。]


  おはよう。
  早速だけれど、問診の時間だ。
  さてその前に、聞いておこうかな。
  確か君は以前、わたしが薬を処方した際、
  『苺飴なら喜んで食べるのに』と言っていたかな。
  それを踏まえて質問だ。


[ 記憶力は良い、患者の希望は『よく覚えている』]
(91) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:33:13

【人】 軍医 ルーク

 それほどあの薬が嫌なら、開発中の新薬か、
 中央から取り寄せた栄養剤を試そうか。
 どれも頗るよく効くよ。
 
 さて、腸が捻じれかえるほどに苦い奴と、
 胃が踊り出しそうに苦い奴と、
 それともいつものやつ、どれがいい?



[ にい、と口端が笑みの形を象る。
 三つも選択肢を用意するなんて、
 自分はなんて心優しい医者なのだろう。
 ――そう、患者の希望を覚えてはいるし、
 話もしっかりと理解するが、
 かといって希望に沿うとは限らないのである。]
(92) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:37:12

【人】 軍医 ルーク

[ 怒るか、実験対象か。
 どう思われているかは、分からないけれど。
 答えを待ちながら、その様子をじっと見る。
 目の動き、手足の動き、問いに応えるならば声の調子。
 疲労以外に何かの症状は出ていないか?
 
 ――戦場でどう行動するかは、兵士の領分だ。
 だから、ああするべきだった、こうするべきだったと、
 口を挟むようなものではない。
 しかし、ここは医務室で、自分は医者だ。
 だから医者としての所見を述べておくことにしよう。]


   阿呆。

*
(93) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:41:43
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a12) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:51:00

【独】 軍医 ルーク

/*
>>69>>74
楽しそうな皆を『眺めていたい』とか、仲間を『生かして返す』とか、
自分は―!? ってなる…
(-25) zelkova 2020/05/15(Fri) 22:56:48
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a16) zelkova 2020/05/15(Fri) 23:45:27

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
医務室
 ――

[ 監視を頼む、とぺんぎんに言い置きはしたけれど、
 目を離していたわけじゃない。
 だから、寝台の方でもぞりと動く気配は把握していた。
 そいつが寝返りを打ったのは左側、
 つまりは自分とは逆の窓側の方。
 まさかここから逃亡しようとしているなどとは
 知る由もない――

  
とでも思ったか。


 逃がすか、と診断に歩み寄れば、布団がもぞもぞと動き、
 白黒の塊とそいつが接近遭遇のご対面を果たしている。
 ひとがいるときに出てこないこのぺんぎんが姿を現し、
 あまつさえ寝台に潜り込もうとするのは、
 間違いなくこの兎が相手のときだけだ。]
(169) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:41:46

【人】 軍医 ルーク

[ 最初にそうしているのを見たのはいつだったか。
 自分が医務室にいないときに会う機会でもあったのだろう。
 このぺんぎんは実に人見知りであるからして、
 自分から出てくることはあまりない。
 恐らく空腹で燃料補給にでも現れて、
 窓際の特等席でごろごろしているときに、
 訪れた患者と遭遇でもしたに違いない。

 普段ならそれで逃げ出すのだけれど、
 懐いたということは、果たしてどんなやり取りがあったやら。
 ……動物は人を見る、と言うが、
 此奴が懐いているということは、そういうことなのだろう。

 少し驚きはしたものの、
 今もこうして布団の中で何やらもぞもぞ交流しているらしき
 様子を見ると、この兎の方も、
 ぺんぎんが好きな手合いであるようだ。

 なにか食べ物を与えているらしい。
 内緒のやり取りのつもりかもしれないが、此方も耳は良い。]
(170) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:43:06

【人】 軍医 ルーク

[ 布団からそいつが起き上がったタイミングで、声をかける。
 一瞬でも遅れたなら、窓の方へとダッシュしていただろう
 タイミングだ。
 そいつは見事に固まって、頭から布団を被って隠れる。]


  子供かな。


[ 声をかけるが、返事は来ない。
 構わず話を続けて薬の三択を迫ることにする。>>163
 布団のかたまりがふるりと震えたようにも見えたのは
 果たして気のせいか。]


  さて、希望は聞こう。
  5数えるうちに出てこないと、
  こっちで適当に選んで飲ませるよ。
  5432


[ 明らかに一秒一カウントではない、するすると減る数字。
 そのまま零になったら、本当に布団をはぎ取って
 口の中に薬を突っ込んでやろうかと思っていたのだが、
 白い布団から、赤い頭と耳がにゅっと現れた。
 まさに穴に潜った兎状態。
 余程苦いのが苦手であるらしく、涙目になっている。]
(171) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:45:47

【人】 軍医 ルーク

[ 音に聞こえた第一攻撃部隊の部隊長殿の有様とは思えない
 ――と、見ている者がいたら驚くかもしれないのだが、
 生憎自分は、こういった様子をこれまでにもよく見ている。
 だから、感じる感慨はひとつ。]
  

   ……最近気付いたんだ。
   君を見てると、
   自分の中に自覚していなかった類の
   感情があるのに気づく。
 

[ 感心したようにしみじみと頷き、
 ベッドの横のスツールに腰を下ろす。
 小首をかしげ、目を細め、
 布団に包まる赤いうさぎをじいっと見下ろした。
 冴え冴えと冷たい紫の目に、ふっと感情の色が宿る。
 そう、それは。]
(172) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:46:53

【人】 軍医 ルーク

 
   
嗜虐心。



[ どこまで冗談か分からない顔で、そう告げる。

 ぺんぎんは抱き込まれた腕の中で、
 だいじょうぶ? だいじょうぶ? とでも言いたげに
 赤いウサギを見上げていたが、
 外のやり取りが気になったのか、もぞもぞと動いて
 顔だけを布団から出す。
 そして、医務室の主の表情に、ぴえっと毛を膨らませた。]
(173) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:47:56

【人】 軍医 ルーク

[ 四番目、甘いやつ。
 その回答に、ぺんぎんの視線が戸棚の方に向く。
 それに気づいてはいたものの、小さく首を横に振った。]


  そうか、四番目――
  うん、分かったよ、了解だ。
  少し待っていて。


[ そう言って、ゆっくりと机に歩み寄る。
 そこにはいま告げた三種の栄養剤と、コップが一つ。
 きゅきゅ、と手際よく栄養剤をあけていき、]
(174) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:48:31

【人】 軍医 ルーク




  [
だばー、と、全部混ぜた。
]



 
(175) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:49:04

【人】 軍医 ルーク


   四番目。


[ くすりと微笑みさえ浮かべ、小さなコップに適量を取る。
 成分や配合は当然のこと、すべて把握している。
 そもそもどれも、似たような造りになっている栄養剤だ。
 混ぜて出すことに何ら問題はないことは分かっている。
 ただひとつ問題があるとするなら、
 その味はきっと、一日中口の中に残るようなえぐみに加え、
 腸が捻じれて胃が踊り出すような実に刺激的な味わいに
 なっているだろう、ということだけ。

 さあ飲め、とコップをぐいぐい押し付けようとする。]
(176) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:50:06

【人】 軍医 ルーク

[ 薬を飲んだなら、次は背中の傷の治療が必要だろう。
 動きを見ていれば、打っているのは分かる。
 担ぎ込まれてきた時にもっとよく確認するべきだった。
 痛みには強いようだが、
 それでもやはり体は痛めた個所に反応するものだ。
 自分の不手際に内心舌打ちしながら、薬の行方を見守る。
 ふと、言う心算もなかった言葉が零れた。]


  ……嫌いでも、苦い、は感じておいた方がいいよ。
  その手の信号は、要る。


[ ――痛い、は身体が出す危険信号だ。
 危険に反応し、身を護り、生き延びるためのもの。
 それに強いのか、あるいは鈍いのか。
 そのことに気付いたときに、自分が何を感じたかは――
 さあ、自分のことだから、
 きっと何かを感じるなんてことはしていない。
 していないはずなのだが、布団の中のぺんぎんは、
 きゅう、と難しげな顔でこちらを見ている。]
(177) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:50:57

【人】 軍医 ルーク

[ 阿呆、と言ってやっても、そいつは安堵すら浮かべて笑う。
 気遣うのは自分の部下のこと。]


  ……ああ、そうか。
  あのとき、敵はどこかを撃とうとしていたようだけど。
 

[ そいつが自分の忠告を無視してあの武器を使った理由は、
 何となく、分かったような気がした。
いま自分が口にした言葉は、命令に反して避難をせずに、
 戦闘の様子を一望できる場所に居たことを
 白状していたに等しいけれど――
 そのようなことは、今更だ。]


  全員無事だよ、
  軽傷はいたけれど、
  一番程度が重い怪我でも数日で完治するだろう。
  

[ 淡々と、事実を告げる。]
(178) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:52:47

【人】 軍医 ルーク

[ そういう部隊長が部下に慕われるのは当然のことで、
 周囲と交流がない自分にも、評判が聞こえてくるほどだ。
 たまに食事を思い出して食堂に行くときなど
 (なお、自分の周りには、どれだけ混んでいても
 見事な距離が出来る)
 部隊の者と共に食事をとる姿を見かけることもあり、
 彼らは自分たちの隊長を慕っているようにも見えた。

 このうさぎは、そんな彼らを見ている。
 ――眺めている。>>69
 そうして、一番の阿呆が自分ならいいと言う。

 自分の口が、唇を噛むのと似た動きをしたことに気づかない。
 気付く前に、口を開いていたからだ。]


  ……開き直る阿呆は猶更始末に悪い。
  何回言っても分からないなら、
  わたしの言ったことがよく聞こえてないのかな?
  その長い耳は飾りかな、
  飾りならいっそ、
  固結びにしてやってもいいんじゃないかな。


[ じー、と布団からはみ出した長耳に視線を落とす。
 こういうときでも、視線はやはり平坦すぎて強い。]


  さて、それじゃあ背中を見せて。
  これ以上籠城するようなら、本当に、その耳結ぶよ。* 
(179) zelkova 2020/05/16(Sat) 14:55:04
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a33) zelkova 2020/05/16(Sat) 15:01:17

【独】 軍医 ルーク

/*
あ、シュゼットとぺんぎんの遭遇回数勘違いしたかも、
ごめん><
シュゼットのロルだとこれが二回目かな?
(何回かあるように書いてしまった…)
(-77) zelkova 2020/05/16(Sat) 15:17:43

【独】 軍医 ルーク

/*
ところで苦いお薬にぷるぷるしてるうさぎさん可愛すぎませんか…
そしてちょっとこう、色々心配過ぎてどうしよう。
(-78) zelkova 2020/05/16(Sat) 15:18:13

【人】 軍医 ルーク

[ ぶわっと膨らんでボール状態のもふ玉は、
 ぬいぐるみのように抱きしめたなら、もふもふで暖かく、
 実に良い抱き心地だっただろう。>>220
 薬は甘いほうが良いかと問われた鳥は、
 それはもうぶんぶんと首を縦に振って、同意を刻む。
 医務室の主が差し出してきた薬の正体も、
 概ね想像がついていたらしく、
 ぴゃー…と、絶望的な鳴き声を上げた。
 その薬を一気に口に運ぶ様子を戦々恐々と見上げ、
 みていられない、とばかりに羽で目を覆う。

 一方、薬を差し出した医者の方はというと、
 『皆の様子を見に行って報告と見張り』のあたりで、
 微笑みの温度を益々下げていたのだけれど――
 甘い薬だと信じ込んだまま口に流し込むうさぎには、
 恐らくそのような表情の変化は、
 気付かれてはいなかったのだろう。]
(240) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:43:03

【人】 軍医 ルーク

[ ――さて、薬の“効果”は絶大だったようで、
 一息に飲み干したうさぎの顔色が変わる。
 布団に突っ伏したその身体の周りで、
 ぺんぎんがおろおろと慌てて走り回り、
 のたうち回るその“背”をさすろうと羽根を伸ばすのだが、
 それを、横から止めた。
 目を丸くして見上げるぺんぎんに、首を横に振る。
 ぺんぎんは行ったり来たり、
 ふたりを見比べるように視線を彷徨わせていたが、
 やがて諦め、赤いうさぎの横に丸まって
 じっと寄り添うことにしたようだった。]


  ん、何だい? 
  困ったな、君が何を言っているか分からない。
  そうか、やっぱりこれは
  上手く会話が成立していないのだろうね。
  それなら結んでしまうのも止む無しかな?


[ 苦さのあまり口が回らなくなっているらしい返答に、
 わざとらしく首を傾げ、
 サイドテーブルの空のコップに、水差しから水を注いだ。]
(241) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:43:40

【人】 軍医 ルーク


  ……怒る、わたしが?


[ そればかりは本当に分からずに、微かに眉を寄せた。
 確かに、言ったことを守らない患者には、
 何度でも強く言うべきだと思う。
 けれどそれが自分の“怒り”であるかといえば――
 わからずに鸚鵡返しにすることしかできない。

 怒りか、と言われると、何かが違う気もする。
 抑々、そこに何かがあったのか、自分ではわからずにいる。
 もし本当に自分が怒っていたとして、
 そのこと自体も自覚できていないし、
 ――その理由も。]
(242) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:44:10

【人】 軍医 ルーク

[ 思考は、患者の傷を目の当たりにすれば、そこで中断だ。
 シャツを捲れば想像以上に状態が酷い。]


  シャツも脱いでしまって。
  あとで新しいのを出すから。

  
[ これは全体を診たほうが良さそうだと、そう指示する。
 見ているのは、傷と同時に、身体の動き、目の動き。
 あとでより精密に調べる必要はあるが、
 おそらく今回も、極度の疲労以上の後遺症が出ている様子は
 なさそうだ。
 傷口を確かめ、めり込んだ破片や石の欠片を手早く取り除き、
 消毒し、処置を続けていく。]
(243) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:44:40

【人】 軍医 ルーク


  ……次に君が運び込まれてきたら、
  まずは、剥ぐ。
  部下の前で、丸ごと。


[ 溜め息をつかせるには十分な有様だ。
 けれど、息を吐く暇も惜しいとばかりに手を動かす。
 治療の速さ、正確さでは人後に落ちることはない。
 時折、氷のように冷たい指が触れる感触はあっただろう。
 (他の患者は、この世の終わりのように叫ぶ)
 処置に痛みを感じたとしても、
 長引くことはなかったはずだが――
 そもそも、この状態で今まで殆ど平気な顔をしていた方が、
 どうかしているのだ。

 治療を終えて包帯を巻けば、傷跡は隠れる。
 新しいものも、古いものも、白く覆ってゆく。]
(244) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:45:28

【人】 軍医 ルーク


  さっき何か聞こえたけれど――
  様子を見に行って、とかいうのは
  寝言か譫言と考えて構わないよね。
  言っておくけれど、暫くは安静だよ。
  動けるようになったら自室に戻って構わないけれど、
  任務に戻るのは言語道断、見張りも駄目。
  報告が必要なら、部下かぺんぎんにでも
  口頭か、書面の伝達を頼めばいい。
  ああ、もし無理して動こうものなら――…
 

[ わかるでしょう? とばかりに、
 じーっと耳に視線を落としてやった。むすぶ。]


 『検査』の方も、数日は休み。


[ 実際のところ、記憶の治療に差し支える状態かというと、
 他の軍医であれば、この指示は出さなかっただろう。
 上層部から厳命されている以上、彼らに選択肢などない。
 自分は?
 指示など知るか、である。]
(245) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:46:04

【人】 軍医 ルーク

[ とはいえ、どうやら本人、
 負傷よりも口内の苦みの方がダメージが強かったようである。
 ようやく話せるようになったところで、
 ぽつり、問いかけられたことが何であるか、
 最初は把握できなかった。>>225]


  どう――とは?


[ さっき、というのが戦闘時のことであろうというのは、
 朧げに分かった。
 戦闘の様子を見ていたことは、話してしまっていたから。
 何かを思い返しているような目線、続いての言葉に、
 何を問われているかを漸く察する。]


  四足歩行型、あれだけの重量で自重を支え、
  且つ、あれほど精密な動作制御を行っている。
  間違いなく、我々の技術では再現不可能。
  
(246) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:47:05

【人】 軍医 ルーク

[ この世界に住まう者たちの技術力は、高くない。
 世界の其処彼処に遺された遺物を掘り出し、
 それらの使い道をどうにか把握し、使う。
 それは見ようによっては、どこか歪で、
 宙に浮いたような在り方でもあるだろう。
 
  ――…
  あの怪物は、『どちら』だったのだろう?
  脳裏に過る一つの『記憶』を、瞬き一つ、封じ込める。
]

  
  わたしがいた外壁の上からは、距離があったから、
  それ程のことは見えなかった。
  今頃調査班が残骸を回収している。
  それが済んだら解析作業が始まる。
  何か実戦に役立つ情報が得られたら、伝わるはずだよ。


[ 自分も、その解析には加わる。

 ――どう、だったか。 
 あの怪物について問われて、過る記憶が、
 自分には多すぎる。]*
(247) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:50:30
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a44) zelkova 2020/05/16(Sat) 21:56:37

【人】 軍医 ルーク

[ 剥ぐだの結ぶだの、散々脅した甲斐あってか、
 怪我は直ぐに言うし逃げない、
 暫くは安静にすると言質は取れた。

 此方も頷きはしたものの、
 結ぶ、は兎も角、剥ぐ、は実行するつもりだ。
 それはもう、べりべりと容赦なく。
 この分なら、本人には隠すつもりはなくても、
 気付かずにいる傷があったり、
 自覚より重症の可能性はあるだろうから。
 治療の間表情一つ変えずにいる様子に、改めてそう考える。
 安静の方も、不満はありそうな様子だったし。]


  さっさと治すのも仕事の内だろう?


[ 耳にじーっと視線を落としながら、それだけを返した。
 見張りは他の者も代わることが出来る、
 部下は、向こうの方からじきに来るだろう、
 そして検査も――
 そこまで言葉を継ぐことはせず、
 銀の義手を撫でる様子を、黙って見ていた。]
(297) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:47:52

【人】 軍医 ルーク

[ 襲ってきた怪物の話になる。]


  戦っている者にしか分からない話もあるだろう、
  いずれ研究班の方から、具体的な相談も来るかもね。
  例えば、回収された残骸のパーツが、
  実戦ではどのように動いていたか――
  みたいなこと。


[ もしかしたらそれは、
 もう少し話すことにリソースを割いていそうな、
 説明上手な連中に割り振られている役割かもしれないけれど。

 怪物は、外壁まではこれからもいかない――
 その言い回しと、真っ直ぐな赤い目には、
 これまで敵が外壁に至ったことはないという事実以上に、
 そこまでは“行かせない”という宣言が
 含まれていたように思えるのは、
 果たして自分の考えすぎであっただろうか。]
(298) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:49:34

【人】 軍医 ルーク

  ……あいつらのことは、
  突き止めるよ。


[ あの怪物は何者か、どこから来たのか。
   
“天”の向こうには世界があるのだと、
父は言った。


 少しでも分かることが増えるなら、
 戦局を打破する可能性も生まれるだろうか。
   ほんとうは。
   極一部にしか知らされていない情報は、ある。
   自分は、この基地にいる同じ立場の人間より、
   多くのものを見てきたし、聞いている。
   ――知らぬ顔で、いる。
   それらと命を賭して戦っている者たちの前で。


 待っている、と告げられた声音に、疑念は感じられなかった。
 只、頷く。]
(299) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:51:27

【人】 軍医 ルーク


   次こそは、甘いやつ?
   ……『次』というのは?
   もしかしてまたやる心算かな?


[ もう本当に結んでやろうか、とばかり、
 赤い耳に乱暴に手を伸ばすが、
 結局指は耳に触れることなく、緩く拳を結んだ。]


   今回の、明日からの分については、
   悪いけれど、甘い薬なんてない。
   ああいや、訂正するよ、ひとつ嘘をついた。
   “悪い”とは、正直思っていないんだ。


[ 少しは懲りるといい。
ベッドを離れ、自分の椅子に戻る。]
(300) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:52:16

【人】 軍医 ルーク

[ やがて、どれくらい時間が経ったか、
 寝台の方から寝息が聞こえてきた頃。

 静かに椅子を立ち上がり、戸棚へと歩み寄る。
 先ほど“四番目、甘い薬”の際に、
 ぺんぎんが意味ありげな視線を送っていた棚だ。>>174

 鍵を開け、静かに開けば、
 がらんどうのスペースにひとつ、透明な瓶がある。
 瓶の中には赤い果実と、
 とろりと柔らかな薄赤色の液体。
 あの薬の冗談みたいな語呂と同じ、小さな赤い実。>>77
 底には溶けかけた氷砂糖の塊がまだ残っている。
 瓶を傾け、軽く中身を混ぜ、また棚に戻して閉めた。
 あと数日もすれば、苺のシロップが出来上がる。

 自分では甘い物なんて食べないから、
 どんな味になるかは、知らない。
 ――渡すことがあるかどうかも、多分、知らない。]
(301) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:54:45

【人】 軍医 ルーク

[ 回収された残骸の調査は、その日の晩から始まった。
 夜は夜行性の研究者たちと共に調査を行い、
 昼は担当の時間帯に医務室に赴き、
 残りの時間は自室で本を読んだり、
 たまに外に出ることもある。
 そうしていれば一日はあっという間で、
 今日もこれから残骸の調査だ。

 ああ、そういえば、何か腹に入れておかないと
 そろそろ頭が働かない。
 机の上の瓶から錠剤をざらりと取り出し、
 数も数えず適当に口に放り込み、水無しで飲み込んだ。

 部屋の外に出るときに、訪れてきた兎の見舞いの部下たちが、
 不吉なものとの遭遇にぎょっとした様子で、慌てて避ける。
 彼らは昨日も一昨日も、ここを訪れていたようだ。
 挨拶もせず医務室を出て、ゆっくりと歩みを進めれば、
 角の所に、見知った男の姿があった。]


  ――司令。


[ この基地の司令官である黒眼鏡の男――ジャイルズは、
 どこか飄々とした笑みを浮かべ、
 気さくにやあ、と声をかけてくる。]
(302) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:55:46

【人】 軍医 ルーク

  『研究の方は、捗っているかな?
   患者の様子は?
   二足の草鞋は歩くのも疲れることだろう、
   ふむ、少しは眠ったほうがいいようだ、
   隈が酷いよ』


  どちらも、報告は上げています。


  『いやあ、書類はどうも苦手でね、
   副指令に任せて、サインだけしているんだ』


[ そのようなはずもないことをしゃあしゃあと言いながら、
 ちらりと、医務室に視線を向ける。]


  『そろそろ“検査”も再開できそうかな。
   ああ、もしかして急いでいる?
   そろそろ次の実験が始まる時間か。
   それなら失礼、どうぞ行ってくれたまえ』


[ 無言で一礼して歩き出し、すれ違おうとしたそのとき、
 男は思い出したかのようにもう一度、口を開く。]
(303) zelkova 2020/05/17(Sun) 11:56:49

【人】 軍医 ルーク

  『半端な同情は、結果的には大きな付けを払う。
   君は、誰よりもよくそれを
   知っていると思うのだけれど?』


[ 立ち止まり、振り返る。
 数日の検査の延期を打診したことを言っているのだろう。]


  同情ではありません。
   医師としての所見です。


[ 記憶のこと、痛覚のこと、
 最初の襲撃の折に、只一人生き残ったということ。
   
父が死んだ、あのときに。

 立場柄、資料の目を通してはいる。

 例えば痛覚のことをいうなら、無痛症程重くはないようだが
 先天性か後天性か、記憶の障害ゆえにそれすら分からない。
 けれど、痛覚が鈍いものが戦闘を行うことは、
 “きわめて危険だ”。
 身体が自身の限界に気付かない、
 咄嗟に身を護る判断をしない。

 それでいて、最前線に出る。
 心身に対する配慮が足りていない検査を日々行う。
 記憶が欠落しているというのなら、
 それ相応の『理由』があるはずなのに。]
(304) zelkova 2020/05/17(Sun) 12:00:07

【人】 軍医 ルーク

[ 同情ではない、それは確か。
 それだけははっきりと言い切れる。
 では別の何かというと――… どれも、きっと違うだろう。
 わたしには、なにもない。] 


 『それなら結構。
  まあ、心配にせよ、なんにせよ――』


[ 医務室から、賑やかな笑い声が聞こえてくる。
 元気でいいことだねえ、と、司令は目を細め、
 ゆるやかに視線を遣った。
 そうすることで、彼我に一本の線を引くように。]


  『あの様子なら、そういったものは
   十分足りているようだし、
   君のは、迷惑なだけだろう?
   まあ、つまりは――
   お互いお仕事をしましょう、ということだ』
 

[ 否定はせずに、頷いた。
 何を感じることも、なかったと思う。
 仕事はする、そのために此処に来た、それは確かだ。
 その場を持して持ち場へと向かう。
 ぎしり、と軋みを上げて扉は開き、
 ゆるやかな足取りは、その向こうへと消えていった。]*
(305) zelkova 2020/05/17(Sun) 12:03:55
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a52) zelkova 2020/05/17(Sun) 12:13:22

【秘】 部隊長 シュゼット → 軍医 ルーク

― 東棟側外壁 見張り台の机の中 ―

[もし―――東棟側の外壁にある見張り台に赴いて、
そのタブレットを起動させることがあったなら。
中には殆どデータが無いことにまず気づくだろう。

使用された形跡があるのはただ一つ『ノート』と書かれた
メモや手記用に使う者が多い、アプリケーションだ。
そのアプリの名前も、好みに応じて名前を変えられるのに、
初期の名前のまま、変更された履歴もない。

このタブレットの持ち主は、
相当、機械類を操作することに興味がないか、
機能の詳細について知らないのだと予測ができるだろう。

『ノート』にあるのもただ一ページ。
内容はどうやら、日記のようだったが―――
この世界に居る者の日記にしては、何やら妙であったし、
見方によっては、暗号めいたものにも見えるものだ。]
(-127) kaomozi 2020/05/17(Sun) 20:18:10

【秘】 部隊長 シュゼット → 軍医 ルーク

〇月〇日
  今日から日記をつけてみようと思う。
  はじめてで何を書こうか悩んだが、
  馬鹿馬鹿しいと一笑されそうで誰にも話せていない
  最近僕が見た夢のことを書いておこうと思う。

  大地を、光が照らしていた。
  僕は、その光がどこから来てるのかが気になった。
  頭上にある、『太陽』だろうか。
  いや。『太陽』にしては、何かがおかしい。
  もっと。更にもっと上から、
  大地が照らされているような、そんな感じだ。
  
  上を見上げようとしたけれど、
  場面が切り替わってしまい、できなかった。
  そこで、ようやく僕は、これが夢だと気づいた。
(-128) kaomozi 2020/05/17(Sun) 20:24:14

【秘】 部隊長 シュゼット → 軍医 ルーク

  また、僕は同じ場所に居るようだった。
  今度は辺りは薄暗く、『夜』の刻限に思えた。
  でも、それにしても、おかしかった。
  辺りには、輝く光を放つ草花は一本も無かった。
  
  今度こそ。
  僕は、『月』を確認してやろうと上を見上げた。
  ……目を疑った。
  そこには、真っ暗な中に『月』の他に、
  草の輝きとはまた違う、沢山の輝く何かが、
  天に浮かんでいたのだ。
  
  一体、なんだったのだろう。
  頭上に、『太陽』『月』『輝く草花』以外に
  光るものなんて、あるわけがないのに。
  誰かに聞いてみたいと思うが、
  そのためにこの話をするのも、悩ましいものだ。
  それに、所詮は僕の見た、突拍子もない夢なのだから。**
(-129) kaomozi 2020/05/17(Sun) 20:26:06

【人】 軍医 ルーク

[ 兎の部下たちは、毎日のように見舞いに訪れた。
 歓談の雰囲気は、日を追うごとに和やかなものになった。
 自分がいては冷や水をかける以外の何者でもないが、
 勤務時間は勤務時間だから、席を外せないこともある。
 そういうときは、その場にいた。

 訪れるたびに胡乱な目を投げかける者もいた気がする。
 自分たちの隊長に何かしたら只では置かない、
 というところだろうか。

 義手を取り外してのやり取りの時には、
 ちらりと視線が其方に向かいはした。
 それもまた、通常なら耐えられないような『痛み』を伴う
 動作のはずなのに、
 表面上、それが表れているようには見えない。
 
 研究班の人に、細身のくせに馬鹿力の怪力兎と言われる――
 というくだりで、
 此方に部下のきつい視線が飛んだ気もするが、心外だ。
 自分が言ったのは『莫迦』だけだ。
 まあ、複数回言ったけれど。
 阿呆、とも言ったけれど。

 赤いうさぎの寝台を囲んでのそんなやりとりだとか、
 屈託なさげな若い部下たちの表情、
 感情豊かな女性の兵士の声、
 そのようなものを聞くとはなしに聞きながら、
 仕事の記録を付けている。]
(389) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:33:17

【人】 軍医 ルーク

[ そして、兎が医務室を去る日の事。
 検査についての問いかけに、決定事項を伝える。]


  明日からだよ。


[ 任務に戻ってからも検査を止める理由は、何処にもない。
 だから、これ以上引き延ばすことは出来ない。
 この数日間ですっかりうさぎに懐いたぺんぎんが、
 名残押しそうに足元に歩み寄るが、
 その回復具合を喜んでいるのか。
 がんばった! とばかりに両手を挙げてぱたぱたする。
 頭を撫でられ、ぶどう味、という言葉に目を輝かせた。
 はたしてどんなすばらしいあじが…! と、
 喋らなくても目の輝きで、
 誰にだって思っていることがわかるだろう。]
(390) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:33:29

【人】 軍医 ルーク


  次の検査は、薬は――


[ ふっと押し黙る。
 此方の耳があるあたりに視線が向いたのは感じたが、
 恐らく、何も読めなかっただろう。
 何せ、普段は滅多にフードを下ろさないから、
 覗こうとしても、耳自体見えなかったはず。>>18
 この耳の形や色を知っている者は恐らく、
 上官の前や顔の照会など、帽子を脱ぐ必要がある場に
 居合わせた者だろうか。]


  効果がない薬なら飲む必要はないよ。
  経過次第かな。


[ 飲まなければならない栄養剤とは話が違う。
 そう告げる声には、数日前このうさぎが担ぎ込まれて、
 怪我も申告せず逃げようとしたり、
 苦い薬に抵抗しようとしたときに見せた“怒り”――…
 少なくとも、このうさぎはそう思ったらしいものは、
 少しも含まれてはいないだろう。]
(391) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:34:13

【人】 軍医 ルーク

[ 検査についての司令とのやり取りが、頭を過る。
 部下たちとの和やかなやり取りも。
 ――多分自分は、あの棚の中の瓶を、
 どうすることもなく捨てるのだろうと思った。
 作った理由も、捨てる理由も、わからない。
 そんなものは、きっとない。

 それにしても、ぷるぷる震える耳が実に分かりやすくて]


  でも、此方はあと一回分残っているね。  
 

[ にい、と笑い顔の形を作り、
 件の薬――AME015を差し出した。
 飲み切るまではここから出さぬ、という
 無言の圧を込めて。]
(392) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:35:28

【人】 軍医 ルーク


  [ ――… ]



             
[ ――… ]
(393) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:36:15

【人】 軍医 ルーク

[ 視界のすべてが赤かった。
 炎は消し止められたようだ。
 耳音で滴る水の音に、
 ああ、流れている血だなと――そう思った。

 辺り一面の瓦礫の山、
 吹き飛んだ天井の向こうは、一面の闇だ。
 誰かの声が聞こえる、誰かの動き回る音、
 瓦礫をかき分ける音。

 彼らの声が、ひとつも意味を為さない。
 頭の中はぐらぐらと揺さぶられて、
 目に飛び込んでくる景色も一秒後には捻じれ、
 水にぬれて絞られる布のような心地がした。

 身をよじり、身体を動かそうとする。
 けれど、からり、と手元の破片が音を立てた、それだけで。

 そうだ、繋いでいた手が、あったはずだった。]
(394) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:37:57

【人】 軍医 ルーク

[ 首を傾ける。
 小さな傷だらけの手は、確かにそこにあった。
 自分の右手と、つないだままだった。


 ――その手“だけ”が、あった。

 動いた視界の先に、大きな瓦礫がある。
 その下にあるものは――ああ、位置的にはわたしの脚か、と、
 他人事のように、思う。

 音のすべてが遠ざかる。
 けれど、鼓膜は大丈夫。
 視界に問題はない、赤いのは、血が入っているから。
 そんな風に淡々と分析しながら、
 駆け寄ってくる誰かの足音を聞きながら、

 まるで、ピアノを弾いている指の上に
 蓋を思い切り閉められたように、
 自分の中に『何か』が致命的に断ち切れたということに、
 気づいては、いた。

 そのときは、それは両脚のことだと思った。
 切れてしまった糸はそれだけではなかったということを、
 病室で自分を診察した医師のカルテを盗み見て、知る。

 ―― そのときも、もう、何も感じなかった。]
(395) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:39:33

【人】 軍医 ルーク

      [ ――… ]


[ 目を覚ます。
 最初に目に入ってきたものは、医務室の固い床と、]


  ……ぺんぎん……


[ そう、ぺんぎん。
 目の前で此方を覗き込みながら、必死の様子でぺちぺちと、
 頬を羽で柔らかく叩いている。
 ああ、そうか、寝入った。
 あと三時間もすれば、仮眠をとる予定だったのだけれど。
 のろりと身体を起こし、揺れる頭を騙すように目を閉じて、
 少し待ち、開く。]
(396) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:40:40

【人】 軍医 ルーク


  今夜は、勤務はない……
  起こしてもらったところ悪いけれど、
  それは明日だよ。


[ そうじゃないそうじゃない、とばかりに
 ぺんぎんはぷるぷる首を振る。
 しかし、この調子では明日の勤務に差し触るか。
 食事だけでも、と、机の上の瓶を取ろうとしたところで、
 ぺんぎんが机の上に飛び乗り、袖をぐいぐいと引く。
 今日は何がしたいのだろう、一向に分からない。
 手を止めて、とりあえず椅子に腰かけていると、
 どこから調達してきたのか、
 丸パンを一つぐいぐいと押し付けてきた。]


  ……食えと? 
  栄養なら、錠剤の方があるのに。
  君のすることは、不思議。


[ 首を傾げるが、食べれば気が済むのだろうか――と、
 千切って口に運ぶ。]
(397) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:41:35

【人】 軍医 ルーク

[ まるで味がしないそれを飲み下せば、
 久方ぶりの固形物に驚いた身体が全力で抵抗し、
 飲んだものをそのまま吐き出させようとする。

 ああ、吐いたら面倒だな――と、口元を押さえ、
 机の上にあった瓶を片手で開け、中身をパンごと流し込んだ。

 AME015。

 味のない液体で、味のないパンを流し込み、食事を終える。
 ぺんぎんは、ふー、と大きく息をついて、
 机の上に座り込んでいる。
 栄養剤の効果は抜群で、暫くすれば、
 動くのに差しさわりがないくらいに体調も戻る。

 これから徹夜が続いたときはこれを飲めばよいか。
 自分用にも少しばかり発注しておこう。]
(398) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:43:01

【人】 軍医 ルーク

[ 明け方近い時間帯、人気のない基地の中をゆっくりと歩く。
 ひとりと一羽の、ゆっくりとした足音。
 自室には向かわなかった。 
 この東棟の、外壁へと。

 いつからだろうか、外壁を訪れて外を見るようになった。
 目的は、大穴の『観察』。
 毎日というわけではない。
 ただ、あの大穴を見上げながら――時折、手を翳してみる。
 天を眺めている。
 夜目は効くが、視力自体はそこまで強くない。
 生き物の影までは見えず、
 天で発光する植物や苔の明かりは、少しぼやけていた。

 見張りは外を見張っている。
 内部寄りの見つかりにくい場所なら分かっていた。]
(399) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:44:11

【人】 軍医 ルーク

[ やがて、『月』の時間が終わり、
 『太陽』に切り替り始めるころ、
 足元に壁面の、そして自身の影が差し、
 それに追い立てられるように外壁を離れる。

 立ち去り際、見張り台に寄ることにする。
 この時間帯は、見張りは此処にはいない。
 自分が立ち入る領域ではないのだが、
 今朝見たものの記録を取るため、机を借りようと思ったのだ。
 尤も、気づいたことなどそれほど多くはない。
 只、あの大穴の向こうに何も見えないことに関する
 仮説を一つふたつ――…

 胸元のポケットに入れた用紙の束メモを取ろうとして、
 ペンがないことに気付く。
 ああ、寝ていた時に医務室に落としたのか。
 今から取りに戻るのは面倒、申し訳ないが借りるとしよう。
 引き出しを開ければ、そこにあったのは誰かの私物。
 ノートや煙草だの双眼鏡だの、雑多なものだった。

 そのくせ、見張り台だというのに筆記具は見つからない。
 もしかしたらそれは他の引き出しにあるのかどうか。
 手を奥に差し入れ、何か固いものに触れる。
 なんだろう、と引き出してみれば]
(400) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:45:53

【人】 軍医 ルーク


  ……タブレット。


[ 不用心なことだ、盗られたらどうするのだろう。
 ひとのものを盗ったり読んだりする趣味はない。
 そのまま奥に戻そうとして、
 その手が止まったのは――見てしまったから。

 赤い布の袋から覗く裏面の角にある、ひとつの『印』。
 一見すると只の引っかき傷のように見える、それは。]

  
  ―――…


[ 心臓が、どくりと鳴った。
 これは、基地の人員に支給されているものだったはず。
 発掘された遺失技術の産物の一つで、
 何処かで大量に発見されたものと聞く。

 ……いつ、どこで、
 だれが?

 タブレットを取り出し、画面に指を滑らせる。
 ロックがかかっている。
 思いつくパスワードをいくつか入れてみるが、
 どれもエラーに弾かれる。
 当然だ、これを使っているのは――父ではない。
 諦めきれずに、単語を無差別に入れてみても、駄目だ。]
(401) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:47:51

【人】 軍医 ルーク

[ 恐らくは、発掘と研究に携わっていたのだろう。
 発見されたそれらが回収されて、
 期間を置いて実用に至り、基地に支給された。
 父が居た頃、この地域で発掘されたものかもしれない。
 だとしたらこの中身はとっくに初期化されて、
 痕跡なんて、何も残っているはずがない。
 そのまま袋に戻して立ち去ろうとして、ふと――…

 魔が差した、というのだろうか、
 あるいはある種の天啓だったのか。
 不意に指先が綴ったのは、どうしてか。
 先ほど自分が口にした、薬の名前。
 ……棚の中にある、捨ててしまおうと思った、
 それと同じ名前。

 ――画面が、切り替わった。]*
(402) zelkova 2020/05/17(Sun) 22:49:34

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット


 ―― 
東棟外壁 見張り台
 ――

[ タブレットの中身は、殆ど使い込まれてはいないようだった。
 まるで、まだ空のなにか。
 そのまま閉じた方が良いと分かっているのに、
 指先はどうしても、中にある何かを探す。
 『ノート』
 初期の名前のまま変更もされていないそれだけが、
 使用の形跡があった。

 導かれるように指で触れ、内容を開き、
 そこに刻まれている内容に、暫しの間、押し黙る。
 どうやら呼吸も忘れていたようで、
 読み終わったその内容が信じられずに、
 茫然とその場に佇む。

 『断ち切られてしまった』感情は、役割を果たさない。
 無くなったわけではないけれど、うまく繋がらない。
 鍵盤はあっても、ピアノ線が切れたようなもの。
 時折、思い出したように突拍子もない音を鳴らすだけ。

 死んだと聞かされた頃はまだ心の中に滾っていた、
 父への感情であるとか、過去の記憶であるとか――>>6
 そういったものに突き動かされるようにしていた自分には、
 やはり今でも、父の語った“別の世界”の話は、
 途切れた先の何かを動かすものだったのだろう。]
(-133) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:20:49

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット


[ そのまま閉じようとして――…
 凍るような、骨のような指が、自然と滑り出す。


  (音を奏でないピアノを、
   潰れた指先でなぞるように)
 ]
(-134) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:21:17

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット


  
 はじめに、ごめんなさいを言わせてください。
 日記を読むつもりはなかったのだけれど、
 このタブレットはきっと、支給される前に、
 父が発掘に携わって使っていたもののようです。
 裏面の角に、引っかき傷のようなものがあるけれど、
 それが印。
 何か遺されている物がないかと思って、
 中を開けてしまいました。

 
 あなたが夢で見たという、
 『太陽』よりも上にある、世界全部を照らすような光や、
 『月』の刻限に空全体に散りばめられた光を、
 わたしは想像することしかできないけれど。
 昔、聞いた物語があります。
(-135) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:22:53

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット

 『天』の向こうには、別の世界がある。 
 手を伸ばしても届かないような何かが、そこにはある。

 その夜の刻限の光は、『ほし』といって、
 まるで降ってきそうなほどに綺麗な、
 宝石のような景色で。
 そのひとつひとつには名前があって、
 物語を持っているのだと。
 
 もしまた夢を見たなら、
 『ほし』と『ほし』を繋げば、
 何かの形のように見えるのかも。

 日記を読んでしまったお詫びに、
 その物語と一緒に、
 教えてもらった曲を入れておきますね。
 『星』をめぐる歌だそうです。

 わたしも、多くを聞いたわけではないけれど、
 その中の一つが、『ほし』の話でした。
 いま、とても不思議に思っています。
(-136) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:26:55

【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット

[ そうしてノートのアプリを閉じて、他のアプリを立ち上げる。
 玩具のような、楽器。
 初期から入っていたもののようで、
 娯楽もある程度は必要ということか、
 タブレットにはこの類の代物も、少しは残されている。

 鍵盤をひとつひとつ奏でれば、
 無機質な音の繋がりが曲になる。
 それは、どこか素朴なメロディの繰り返しで、
 遠い何処かを旅するような、そんな曲だった。
 作成したファイルを、ノートのアプリの隣に出しておく。
 そうして、画面を消した。

 ――“思っています”と、自身の指がそう綴ったことには、
 自分でも、気づかずに。]**
(-137) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:28:20
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a57) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:37:48

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a58) zelkova 2020/05/17(Sun) 23:42:55

 




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