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【独】 骸狩り スカリオーネ「――さて」 常なら葉巻の出番だが、今日は煙管に香草を詰めて。 焔を落とし、口をつけ。灼ける匂いに、煙をひと吐き。 ――風の吹く方向とは真逆に、煙が流れていく。 屍人を探る、煙が路地を駆ける。その後を、巨漢が追っていく。 3つ目の路地を曲がった頃に、それは突然現れた。 「早いな」 言いながら、振り下ろされる腕を躱す。 ……曲がり角に、1体の屍人と、その後ろの人影。 「当、当然だろ?ボボボクの、"ノート"は身体能力も……」 「違う」 「ん?」 煙をひと吐き。ノートと呼ばれた屍人に煙が纏わる。 「"早い"と言ったのは、お前が挑発に乗るのがだ。 情報を聞いてから、部下を使って 変態クソ野郎の使う術の噂を流してたったの2日。 全員がお前ほどこらえ性のない間抜けなら、 俺の仕事も楽なんだがな。そう思わないか〈人皮綴り〉?」 上等なコートの内、腰に吊った一対のトンファーを手の内に滑り込ませる。 右手に白木の杭、左手に聖別銀。不死者を破壊する為の装備。 (-81) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:30:40 |
【独】 骸狩り スカリオーネ返事の代わりに飛び掛かる屍人の爪を銀で弾き、 瞬時に屈んでから体のバネを一気に伸ばすようにアッパーカット。 杭の先端は屍人の胸に突き刺さり、その膂力は胸から上を千切り飛ばしていた。 「ひ……」 「……聞きたい事がある。情報の対価に、お前の命は取らずに置いてやろう」 手元でトンファーを一回転。死肉を振り落とし、軽く構え直し。 崩れ落ち砕けた屍人を踏まないように乗り越えて、死霊術師の前に立つ。 「まず、お前以外の死霊術師がこの街に居るか。 ……ああ、〈泥〉と〈蜂〉は知っている。他に、だ。 次に、反乱軍と政府軍。お前はどちらについているか。 最後に、先の戦争で、略奪をしていたクズの首魁を知っているか。 さあ……答えてもらおうか――」 腰を抜かして後ずさる死霊術師に一歩、一歩と近づいていく。 路地裏に悲鳴が響き渡った。 (-82) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:30:56 |
スカリオーネは、仕事をしたようだった。路地裏から悲鳴が聞こえてくる。 (a13) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:31:28 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「…………」 ぼろきれのような何かを引きずりながら、 男は酒場に現れた。 掲示板を見て、先に酒場に居た部下たちから 噂を聞き、懐刀の末を聞いた。 「そうか」 とそれだけ。いつもの通りに返して。 ふと、引き摺っていたぼろきれの…… 気絶している男の死霊術師に今更気づいたように。 「……運び屋、オーウェンはいるか。 こいつの首にかかった懸賞金の半分をやる。 代わりに政府に突き出しておいてくれ」 その辺に男、〈人皮綴り〉を投げ捨て、 二階へと上がっていった。 ぼろきれになった男には魔女退治とまではいかないが、 小鬼退治よりは美味い懸賞金がかかっているだろう。 (13) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:42:30 |
スカリオーネは、オーウェンの部屋の前を見て立ち止まる。すぐに歩き出した。 (a14) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:43:42 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 花売り妖精 アイシャ重い軍靴を踏み鳴らすような足音が 貴女の部屋の前までやってくる。 二度の軽いノックの後、 ごとりと何かが部屋の前に置かれた音。 それから部屋の中に、扉の隙間から一枚の紙が滑り込む。 『ツケの支払い 銀貨――5枚 教会の治癒薬――塗り・飲み各2本 花蜜の鎮痛剤――1日2錠まで 3日分』 ごつ、ごつ……足音は去っていく。 扉の前に麻袋が置かれているだろう。 中身は紙に書かれた通り。 いずれもそれなりに値のつく品。 好きなように扱えばいいだろう。 (-84) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:54:08 |
スカリオーネは、二階から降りてきた。 (a15) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 12:58:06 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 見習い少女 アンゼリカ階上から降りてきて、いつもの席に歩いていく。 その最中、貴女の周囲にさりげなく人垣が出来る。 いずれもスカリオーネの部下達。 そして近くを通る巨漢が立ち止まり呟いた。 「……起きた詳細は知らん。 が、ノアはあの程度でどうにかなる男ではない。 安心しろ、とは言わないが――」 聖なる薬草を漬けたポーションの瓶を ポケットから取り出して祈る貴女の手元に忍ばせる。 「奴が戻ってきた時には、もう少しまともな顔で迎えてやれ」 そう言って、歩いていく。 人垣も少し様子を見て散って行くだろう。 (-86) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 13:08:07 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「…………」 いつもの席について、テーブルを指先で叩いている。 この男がこうしている時は大抵、考え事をしている時だ。 ややあってから首を振り、酒とツマミを注文した。 ……頼んだものとは別に、見慣れない鳥のツマミが出る。 なにも言わずに口にした。 「……火鼠の舌をくれ」 辛味が足りないようだった。 (16) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 13:13:58 |
スカリオーネは、合間に部下達から報告を聞いている。 (a17) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 13:17:16 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 見習い少女 アンゼリカ遠くもない席に着いて視線をひとつ。 頑丈な木製椅子は軋みも上げない。 「傷ついた 子供 ……人間を酷使する趣味はない。……どうしても礼を、というなら貸しにしておく。 いずれ何かで返して貰う」 そう残して届いた酒とツマミにひとり、目を向けた。 ――今日は、懐刀の音がしないようだった。 (-91) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 14:49:14 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>18 「……その軽口、"未満"を重用する者には 聞かれない方がいいだろうな」 呟いて酒を流し込む。 この都市でままなる事などそれほど多くはない。 蟹の祭騒ぎもどこへやら、 酒場の喧騒もうわべを残して、 下には多くのものが渦巻いているのだろう。 「……騒がしい事だ」 (19) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 14:54:18 |
スカリオーネは、テーブルを指先で叩いている。 (a19) shell_memoria 2021/12/13(Mon) 14:54:54 |
スカリオーネは、政府発行の新聞を読んでいる。『人皮綴』の逮捕に関する記事が出ていた。 (a25) shell_memoria 2021/12/14(Tue) 11:42:17 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 花売り妖精 アイシャ夜。仕事の計画を立てながら過ごしていると、 控えめなノックが聞こえた。 深夜に窓をノックする者はいる。 昼夜問わず乱暴に扉を叩く者もいる。 それらには決まって「入れ」と促す。 日頃からノック音すらさせずに入る者も、 まあ、いるのだが。それはさておき。 夜に、部屋のドアを、それも控えめにノックする。 そんな者は……部下は、そういない。 書き物をしていた机を指先で2回叩いて僅かに考え、 ペンを置くと「今行く」と声を返した。 間もなく、巨漢が外開きの扉をゆっくりと開け、 視線がゆっくり降りて行った。 「…………」 あまり予想していなかった来客なのだろう。 男は無言で貴女を見下ろしている。 室内から、僅かに煙が頭上を抜けていった。 (-178) shell_memoria 2021/12/14(Tue) 18:38:41 |
スカリオーネは、新聞から興味を失ったので窓の外を見ている。 (a34) shell_memoria 2021/12/14(Tue) 23:59:00 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>+13 ペトルーシャ 花売りがいるからだろう、煙はない。 不意に部屋に訪ねられでもしない限り、 子供に煙は浴びせない。 この男は一定のルールに則って動く。 「あれが愚かだっただけだ」 いつも通りに。興味を失ったように。 しかし、続く言葉に目を伏せる。 「……多くの者が何かを為すのには、目的がある。 お前は何故死霊術を修めた? 騎士が剣や槍を持って戦う理由はどうだ? 政府の連中が今頃躍起になって炙り出しを始めたのは? 理由は様々あれど、最終的に行きつく先…… 真理はひとつ――」 「――必要だったから。」 「それ以上の理由や説明など、要るまい」 二度、テーブルを指で叩いた。 (32) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 1:31:00 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 花売り妖精 アイシャ「…………」 かける言葉が出ないのか、声もなく。 ただ小さく頷くだろう。 相変わらず、何にも興味のなさそうな顔。 「………………気にするな」 少女の言葉に対して、焦れるほどの沈黙。 それからやっと出てきた言葉は、たったの5文字。 これではまるで――。 「――ツケの支払いに礼は不要だ。精々安静にしていろ。 煙も、夜歩きも、……身体に障る」 瞑目し、小さく首を振る。 煙が身体と扉の合間から振り落ちる。 花とは程遠い、苦味のあるにおい。 不要だ、と言いながら、しかし扉を閉じてしまうでもなく。 だからと言って、花籠に手を伸ばす訳でもなく。 金属の指輪がいくつも嵌った指は、 所在なさげに扉と、首元のネクタイにかけられている。 「…………その瓶は?」 絞り出すような言葉が降りかかるだろう。 (-231) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 1:56:02 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>+16 ペトルーシャ 「…………」 もう、2回。 「……少なくとも片方は。もう片方もじきにわかる。 お前ほど利口な奴は存外少ないものだ。 ……間抜けなら、そろそろ掛かるな」 言って、男は立ち上がる。それから、4歩。 出口に向けて歩いた時点で、窓の外が明るくなった。 一瞬後に、爆発音。幸い窓が壊れる事はなかった。 「行ってくる」 スイングドアが音を立てた。 (33) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 2:15:01 |
【神】 骸狩り スカリオーネヨルムガンドの夕暮れに、もうひとつの朱が差した。 都市の果てで燃えているのは廃屋の連なる場所で、 今や住む者もおらず、近寄る者もおらず。 「……やはり隠密も工作も及ばんな」 溜息交じりにそう呟いて、 昼間から酒に溺れる消防組織よりも遥かに早く現場に着いた男が一人。 野次馬すらもいやしない場所で、炎と煙に包まれて踊る影が、3つ、4つ。 「本来なら小火で煙を焚くつもりだったんだがな。 得意な部下が今は少々場を外している。 恨むなら都市の現状を恨め、〈屍蜂繰り〉」 倒れては炭と一緒くたに砕けていく死体と、 その内から湧き出る寄生蜂。 幾つものコロニーが火葬の憂き目に遭い、 羽音は炎の弾ける音に呑み込まれていった。 そんなとき、幾らか無事な中央の廃屋から 焼け出されるように転がり出てくる影がひとつ―― 死霊術師〈屍蜂繰り〉は、悲鳴とも、 罵声ともつかない叫びをあげながら地面を転がって……いた。 今しがた、その頭を骸狩りが踏みつけるまで。 「死んでもらっては困る。 ――"先に"吐いてもらおう、洗いざらい」 そうして未だに酷い臭いの漂う煤と泥だらけの男の胸倉を、 片手で軽々掴み上げて、火事の現場から二つの影が去っていった。 (G2) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 2:37:58 |
スカリオーネは、下層区域に姿を消した。 (a39) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 2:53:06 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 錆鉄御納戸 ミズチ「聞こう」 男は変わりなく。静かな口調で報告を待つ。 語られる事を前に、葉巻を吹かす。吸って、吐いて。 「だろうな」 と、前半の報告には知っていたというような言葉。 「珠響玉……ああ。それを商会の"大旦那"様がご所望か。 大方政府依頼で首輪を作ったんだろう。 だが政府連中は珠響玉に見向きもするまい。 それに監視される側の思念など、いちいち受け取っていたら 誰であれ脳が破裂するだろうな。 つまりこれは"後付けの仕掛け"だ。 ……両方から依頼を受け、気に入らん側を刺したか。 商売の上手い事だ、大旦那様は」 また、煙を吐き出す。 「笛の音に関しては初耳だ。覚えておくとしよう」 (-258) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 12:10:58 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 錆鉄御納戸 ミズチそうして、ミズチをじっと見る。 「補足の必要はない。が、聞く事はある。 ……部下のプライベートに立ち入る気は毛頭ない。 だがお前の質が随分変化したように思えてならない。 もっと言えば、『俺がここ数日追いかけている連中』に 随分と似てきている。諸々の情報源は鼠だろうが、 あれにそこまでの機微はあるまい。 潜伏している死霊術師の仕業とも考えたが、 そいつらが出てお前が俺に報告しないとも思っていない。 ……ペトルーシャ辺りと取引でもしたか?というのが ひとつ目の質問だ」 吸って、吐いて。興味の薄げな瞳は変わらないまま。 「ふたつ目。 革命側が監視の輪を取り付ける理由を作ったと言っていたな。 掃除屋、見習いも含めて2名。それに取り付けた奴がいる。 お前も知っての通り、ノアは俺の配下なワケだが―― さて、誰がそれを指示したのか、お前は知っているか? わかりやすく言えば、お前は革命側の人員について 掴んでいる情報はあるか?」 男は、大概の事に興味なさげに過ごしている。 あなたも知っての通りだ。 だが、今日は少々その瞳に苛立ちが見える。珍しい事に。 無論、それでも答えがないならないで簡単にあなたを解放するだろう。 平等に、情報に対価を。これはそういう男だと、あなたは知っている。 (-259) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 12:13:37 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 錆鉄御納戸 ミズチ「……死者の声が聞こえるが原因不明」 溜息と共に首を振る。 「よくわかった……原因究明を優先しろ。 ……それと、人体は完全なる機械ではない。 生身の部分が存在するのなら、休息を挟むようにしろ」 明らかに以前からおかしくなっている。 そして今もそれは表面上なりを潜めただけで、 続いているというのが端々から伝わってくる。 しかし男は精神科の医師ではない。 他人を落ち着かせる術など持ち合わせていない。 せいぜいが指示を飛ばす程度。 これを自由に動かすのは、逆に危ない。 手持ちの情報はしまいこんだまま、 次回の報告とその間の出来事次第だな……と 思考するに落ち着いて、次の報告を待ってあなたを見送るだろう。 (-273) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 20:12:38 |
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