情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
スカリオーネは、いつものように仕事を終えて戻ってきた。 (a0) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 21:26:32 |
【人】 骸狩り スカリオーネそして、席に向かうついでに掲示板を眺めて。 「随分と迅速な指定だな」 皮肉げに、口の端を吊り上げた。 (0) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 21:28:21 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「山登りで急勾配に一歩踏み出す事を無駄と断ずるなら、 無駄な一日だったと言える。……次の目星がついただけいい」 「……政府連中が出来る事などたかが知れている。 そしてそうしたら、どうなるかもわかっているはずだ。 精々無駄に準備させておくとしよう」 重い足音がいつもの席へと向かっていった。 (2) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 21:37:22 |
スカリオーネは、幾つかの指輪の位置を直した。酒場の布巾で拭うと赤が布に移った。 (a1) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 21:38:21 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「忠言には感謝するが、やめる時は俺が死ぬ時だ。 音を上げようが動く限りは登り続ける。 足が駄目になったら腕で、腕も駄目なら這い、 それすら無理なら歯を地面に突き立てて」 テーブルに肘をつく。軋む音。 「……煙がないと生きていけない性分なんでな」 酒を注文する。いつもと同じ銘柄の。 ツマミを注文する。いつも通り辛口の。 いつもと変わらない男がそこにいる。 (3) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 21:57:51 |
スカリオーネは、きっとあなたが口にせずともわかっている。 (a3) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 22:17:59 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「……死後の安寧は約束されている訳だ。 寄付金集めて天国目指す連中より 余程いい世界に辿り着けそうだな」 酒をやって、ツマミを一口。 「尚更、生きている間は好き放題出来るな」 (5) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 22:31:49 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「……生きてる本人を前に死後の予想か? 生憎死ぬつもりは当分ない。 なんならお前達よりも長生きする予定だ。 安心しろ、蘇ったら再殺してやる」 臨時収入でいい酒を飲んでいるせいか冗談も出る。 (9) shell_memoria 2021/12/15(Wed) 22:57:23 |
スカリオーネは、明日は早い、と呟いて自室へ戻っていった。 (a6) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 0:50:54 |
【人】 骸狩り スカリオーネ (16) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 1:01:29 |
スカリオーネは、何言ってんだこいつら……みたいな顔で去っていった。 (a9) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 1:02:21 |
スカリオーネは、見えない相手に僅かに手を挙げて行った。 (a10) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 1:07:08 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 羽無し妖精 アイシャ「……はあ……。俺から見れば、子供と変わらん」 大きなため息の後、そう呟いて。 見上げるのも疲れるだろうとその巨躯を、気だるげにゆっくりと下ろす。 片膝をつく形になれば、きっと目線の高さも揃うだろう。 「……煙は俺が、俺の為にやっている事だ。 別に誰かを気にしている訳でもない」 誰への言い訳やら、説明を聞く合間に呟いて。 花籠に手を伸ばし、しかし2本の小瓶だけ抜き取って。……少し迷った後、クッキーも。 「この薬に関してはありがたく貰っておく。こっちは、 甘い物が好きな奴にくれてやるつもりだ。構うまい?」 相も変わらず不愛想な顔と冷えた言葉。 男は平等で、変わらない。そう努めている。 少女の"突然持ち掛けてきた過去の取引の清算"を、 "難航した交渉の末にやや不利な条件で承諾"した。 それがこの男にとってこの場で起きた全てだ。 だから、会話をしようが、何かを聞こうが、 そのまま去ろうが、問題はない。 それらは全て、平等な取引として扱われる。 あなたは、膝をつく男に何をしても構わない。 何をしても、きっと次の日に酒場で会っても、 この男の様子は変わらない。強いて言うなら―― 『花売り』ではなく、『アイシャ』と。 そう呼ぶように、なっただけ。 (-59) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 3:44:20 |
スカリオーネは、早朝に起き、いつもの席に陣取り、花が来るのを待つ。 (a20) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 12:38:00 |
スカリオーネは、花を手に酒場を出て行く。 (a23) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 15:42:48 |
【人】 骸狩り スカリオーネ街を歩く。幾人ものごろつきが姿を見るなり逃げ出し、 そうでない者達は御布令を見たのかそそくさと視線を外す。 口さがない者はその場で「やっぱりね」だとか 「前から不気味だった」だとか、 そんな風に言葉を交わして。 それらの一切に興味がない、と いつもと変わらぬ顔でもって街を歩く。堂々と。 男は、自らにつく 尾行を嫌う 。どうせ後で露見するから。それでいて、 同行に関してはまるで頓着していない 。どこで何をするのに際しても、この男は平等だ。 邪魔にならない者を突き飛ばすような趣味はなかった。 あとは、もし決して気取られない尾行が出来るのなら、 それに関しては、容認しているだろう。 そうして街を、歩く。街を、抜けていく―― (25) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 18:26:36 |
スカリオーネは、街を抜け、丘へと向かう。海を見下ろす、あの丘の上へ。 (a24) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 18:30:12 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@1 フェリックス 丘の上の墓所。海を見下ろす、無数の墓石。 一体幾人が、寿命以外で納められているのやら。 そして幾つの死体が、今地上を歩いているのやら。 「……潮風を堂々と浴びる詩人がいるとはな。 喉にも楽器にも悪いと思うが」 まして煌びやかな場所でもなく、寂れた墓場。 こんな所で死体に聞き込みか、とでも言いたげに、 巨漢の男が姿を見せた。 (27) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 19:25:57 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@2 「結果魔女に沈められる船も多かったと聞くがな。 ……そもそも詩人と情報屋のどっちが本業なんだ、お前は」 胡散臭い男はあの都市に少なくないが、 政治の場に根深く食い込む詩人は目の前の男くらいなもの。 こういう時に限ってこういうのと遭う辺り、 御布令の辺りから運は向いていないらしい。 「……何もないから来ている。 ヨルムガンドは喧騒が過ぎる」 上等な靴で墓場の湿った土を踏んでいく。 いずれの墓石の前に留まることもなく、 崖際まで歩いていくだろう。 (28) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 19:42:20 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@3 フェリックス 「…………」 多くの場合と同じように、沈黙は肯定でもある。 ただし、あなたと男では履いている靴が違う。 潮風が撫でつけた髪を僅かに解き、揺れさせて。 もうあと2歩、いや1歩。踏み出せば落ちる。 そんな場所に立ち止まり、 風にはためくコートのポケットに手を突っ込んだ。 「生憎変わりはない。変わらせるつもりも、ない」 抜かれた手には二輪のクモマグサ。 造花のそれは、男の言葉と同じように変わる事なく。 逆風を切り裂くように、海へと放り投げた。 「……それで、お前は何をしていた。 祭り騒ぎの元凶が届くのでも眺めていたのか」 遠くをゆく船を見る事も、詩人に振り返る事もなく。 (29) shell_memoria 2021/12/16(Thu) 20:30:21 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@4 フェリックス 「仮に俺が死んでも、この仕事は誰かが引き継げる。 無論、空中分解する可能性もあるがそれはそれだ。 どちらにせよ、この街は変わらない」 個人の話が、いつのまにか街の話へと。 そうしてまた、ポケットに手を突っ込む。 「……〈脳刺し〉が行った蟹狩りの船は そろそろ帰港ではなかったか。 それとも既に着いていたか。 悪いが昨夜は忙しかったんでな」 元凶は元凶でも、一般的な賑わいの方。 国ぐるみの喧騒なら、あなたの方が詳しいはずだ。 肩を竦めて、水平線を見る。 崖下を覗き込んでも、もうそこに花は見えないだろう。 花と同じように、何か、手に対してずっと小さなものを ひとつ、ふたつ……海に向かって放った。 手を軽く払い、振り返る。 葉巻を一本咥えて、火をつけようとして、 その背に向けて吹いた咎めるような強い潮風に―― ふ、と。いびつにわらって、葉巻をしまいこんだ。 (34) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 0:02:35 |
【独】 骸狩り スカリオーネ「(俺は――死にぞこないだ)」 いびつな笑みの向こうで、男はそう考える。 あの頃のようには笑わなくなった。 いや。もう、あの頃のように、笑えなくなったのだ。 強い潮風が背を押す。 ついさっきまで立っていた崖から遠ざけるように。 まだ来るな、そう言われているような気がする。 男は、たったふたつの宝を同時に失った。 あの戦争の火が燃えていた頃、 警備隊長として指示をしながら民間人の避難をさせていた。 そんな時、気付いたのだ。 自分の家から、煙があがっている事に。 遮二無二走った。避難も、指示も、全て投げ捨てて。 辿り着いた先で見たものは、 赤い涙を流しながら、実の娘を貪り喰らう妻の姿だった。 (-155) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 2:18:23 |
【独】 骸狩り スカリオーネどうしようもなかった。 産まれた時に涙を流し、笑いあって、 成長を見守ったあの子が、見開いた目に驚愕を宿したまま。 食い尽くされていく様を、見ていられなかった。 だから、男は、妻を殺した。 どうしようもなかったのだ。 例え分かっていても、殺さなくてはならなかったのだ。 例え、分かっていても。あの屍人が流した赤い涙は、 ――妻が、まだ意識を保っていたから流していたなどと。 しかし自分を造った者の命令には逆らえなかったのだと。 その妻は最後に、言った。 「■■■■。とめてくれてありがとう」と。 「わたしのことはわすれて、しあわせにいきて」と。 それきり……男は、自分の名を捨てた。幸福を、捨てた。 あの日、妻と娘が死んだ日に、■■■■は死んだのだ。 今ここにいるのは、その日の男の怨念だ。 死人のように生きる者。 スカル 《骸》を抱えた名前が似合いだ。 ――男は今は、スカリオーネと名乗っている。 (-160) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 2:33:01 |
スカリオーネは、もう、昔のようには笑えない。 (a35) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 2:33:54 |
スカリオーネは、死にぞこないだ。 (a36) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 2:35:46 |
スカリオーネは、それでも動き続ける。 (a37) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 2:36:12 |
スカリオーネは、……屍人と、何が違う? (a38) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 2:36:46 |
【独】 骸狩り スカリオーネ今日は、命日だ。ずっと昔に死んだ3人の。 供える花は2輪でいい。 甘いクッキーは2枚でいい。 美しい景色と、静かな場所は、2人にだけあればいい。 赤い涙に安寧を。 叫ぶ死人に休息を。 あの日に死んだ男には、 あの日に上がっていた煙でいい。 言われなくても、まだそちらには行けない。 だから、そんなに背中を押さないで欲しい。 だから、頼むよ。 あの日を忘れないように、一本吸わせてくれ。 あの日から離れたがるこの俺を、 どうかあの日に縛り付けてくれ。 俺が、変わってしまわないように。 (-168) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 3:08:37 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 羽無し妖精 アイシャ「そうしてくれ。 ……気が向いたらな。良い夜を」 そう呟いて、見送るのだろう。 それから少し、日が空いて。 男は気が向いたのだろう、 クモマグサの造花を2輪頼んだ。 そして、あなたが贈った桃色のクッキーは、 男の口にも、……誰の口にも入らずに。 ――きっかり2枚だけ、海に落ちた。 (-171) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 3:14:18 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト男は、昼の間は街から離れていた。 少し離れた、海の見える丘の上にいた。 宵闇が街を覆う頃には戻ってきていただろう。 それでも、いつもの酒場には少し遠い。 猥雑さとも少し離れて、薄暗い路地でも 通っていた頃だっただろうか。 「ああ」 「お前ほど酷い目には遭わないだろう。 連中がいかにバカでも、 俺の手勢は知っているはずだからな」 男は、……男は、いびつに笑う。 そうして、今日は、今日だけは、余計な口が回る日だ。 「なあ、ノア」 「俺は」 「変わっていないな?」 とぎれとぎれに。 あなたの外を知らぬ者が、あなたの内を知るはずもなく。 ただ、重用し、信用する、あなたへの確認の言葉だ。 男は、今日だけは、変わっていた。 (-172) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 3:25:17 |
【秘】 死にぞこないの スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト「何もない。……お前は何か、あったようだな?」 予想していたよりずっと、身綺麗な姿。 そこで手首のそれはいやに目立つから、そんな言葉。 「何を考えているか、か。ははは。 この街は変わらない、とそう考えている」 いびつに笑う。顔色を窺うごろつきは多く、 果ては部下ですらそんな風にする事もあるが、 目の前に居るお前がそれを聞くのか、と。 或いは、それを聞かせてしまうだけ変わっているのか。 ……どうやら、答えは後者らしい。 「許せよ、今日……いや、今だけだ。 それにしても殺したい、か。 どうも、やはり主としては失格だったか」 懐を探り、葉巻を取り出す。 室外で吸うのには向いていないのだが、 今は煙が欲しいから。 先端をカットし、マッチを擦る。 この街の深い路地まで、潮風は追いかけてこない。 顔を逸らして一息、煙を吐き出した。 「悪いな、ノア。俺はまだ死ねんよ。まだ、な。だが、」 一度切って、また一口。煙の味を。 (-206) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 18:49:22 |
【秘】 死にぞこないの スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト「いつかその時が来たら、 お前に殺されるのも悪くはないかもしれんな。 ――その時は、お前に《骸狩り》になってもらうか」 煙を纏う。煙管ではない、ただの葉巻だ。 幾つも、幾つも煙を吐いて、その頃になって、 (-207) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 18:50:00 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト「……。まったく、やれやれだな。 どうしようもない日だ、今日は」 やっといつものように、冷静な顔が少しずつ戻ってくる。 それからいつもの通り、手首の痕に塗れとでもいうように、 ポケットから出した傷薬を投げ渡す。 いつもの通り、煙を纏う、骸狩りの男がそこにいた。 (-209) shell_memoria 2021/12/17(Fri) 18:57:49 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルトあなたの剣幕。あなたの好意。 あなたの刃。あなたの言葉。 その全てを受け止める。 そうして、思うのだ。 ああ、 やはり自分を再度殺すのはこの男だろうな 、と。そして、それは、自分には随分に過ぎた幸せなのだな、と。 しかしそれを表に出せば、きっと今言った通りに、 この騒ぎが終わる前に、死体が二つ転がる事になるのだろう。 だが、先に言ったように、男はまだ、死ねない。 だから、今は……否。今以外は。この男の主でいる。 だから、いつもの通り。変わらない、スカリオーネは。 「胸に刻んでおく。 ……いいだろう、なら、行ってこい。 今夜は待っていてやる」 そうやって、あなたの期待に応えて見送るのだ。 (-262) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 13:41:07 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルトあなたが仕事へいやいや向かっていった後。 路地裏でひとり、煙を吐く。 「……らしくない、変になっている、か」 瞑目し、そうだろうな、と呟く。 冷静な男。冷徹な男。死人にしか興味がなく、 いずれにも平等で、敵には罰を、味方には礼を。 そんな男には、『スカリオーネ』には、 今日のあらゆるものがあまりに似合わない。 「だとすれば、」 男は、怨念だった。男は、あの日に死んでいた。 そして男は、奇しくも、ノアベルトが"そうなった"と似て、 あの日、ほとんど全てを捨ててきた。 たったふたつ、命と煙だけを抱えて、 人の形にして生きてきた。 「やはり俺はお前の主失格なのだろうな」 かつてスカリオーネではなかった男 は、ひとりごちる。そうして、歩き出す。今夜の祝杯に向けて。 きっと、もうこの腕に誰かを抱けはしない。 死にぞこないに、幸せは似合わない。 ――ノアベルトの幸せすらいつかは壊すだろう、 そんな男は、最後に溜息と煙を吐いて、 酒場へと戻っていった。 (-263) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 13:49:16 |
スカリオーネは、望みたかった。 (a47) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 13:55:57 |
スカリオーネは、しかしそんな望みは贅沢が過ぎるとも思っている。 (a48) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 13:56:21 |
スカリオーネは、故に、スカリオーネである。 (a49) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 13:57:26 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「…………」 もう、幾らかの時間が経てば。 ここ数日そうされてきたように、 衛兵がやってきて男を連れていくのだろう。 その時間までは、せいぜいいつも通りに。 酒場の中の、窓際の。いつもの席で、過ごしている。 (40) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 13:59:52 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@5 フェリックス 「…………」 また、肯定。 丘を下り、街へと足を向ける。 船の帰還報告に、ならまた騒がしくなるな、と 出かけて行った者達の顔ぶれを思い出しながら。 消えた風に何を思うか、語り口の違う詩人に視線をやって。 「誰だって、夜には静かに寝るべきだ」 墓場の土を踏みしめて、ひとつめの答え。 それから、すれ違っていく頃に、もうひとつ。 「人の域なんてものは、俺にはわからん。興味もない。 それに、お前の言い草だけでは判断は出来ん。 ……人だろうが、獣だろうが、ヒバリだろうが、 蘇り、他者の安寧を奪うなら、俺が出向いて再殺する。 俺が殺すのは、屍人であって、死者ではない。が、」 「自分を死者と思っているような奴は、 『死にぞこない』は、いずれ……もう一度死ぬだろうな」 それで、男は丘を後にした。 騒がしい街へ、帰っていく。 その背は人混みに混じるほど小さくはなかったが、 今日は幾分早く、街に呑み込まれて消えた。 (41) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 17:10:17 |
スカリオーネは、居なくなっても仕事は止まらないよう部隊に通達済みだ。 (a51) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 17:29:37 |
スカリオーネは、頬杖をついて大道芸を眺めていた。 (a60) shell_memoria 2021/12/18(Sat) 20:51:31 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新