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人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 従業員 ルミ



[ 過ぎ去った日々に特別を今更見出すことは叶わない。
  そんな都合の良い魔法はないの。

  片方の気持ちだけでは弱すぎるのなら。
  忘れてしまえる程に脆いのなら。
  あの時甘すぎて食べられなかったりんご飴みたいに、
  飲み込めないくらいのをあげる。 ]


 
(6) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:07

【人】 従業員 ルミ

 

[ 「さて、どうでしょう」と彼の言葉にまた笑った。>>3
  釘を刺しているつもりは実際ない。
  そのつもりが少しでもあるのならば、きっと、
  彼は折衷案を出さず家に来てくれたはずだから。

  ねえ、そうだよね?
  わたしだけの、お兄さん王子様。 ]


  うん! 預かっておくね。
  保冷剤、送ってもらうなら返せば良かったね。
  ごめんね?


[ そう言いながらプリンの箱を受け取り、冷蔵庫へ仕舞う。
  保冷剤も一緒に冷やして、
  中身が見えないように扉を閉めた。

  一度だけ、同じ味を知りたいと思って飲んだ缶ビール。
  苦くて舌が痛くなるような大人の味。

  アイスを食べて笑った少年はもういないのに。 ]

 
(7) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:12

【人】 従業員 ルミ

 

[ アイスかホットか好みを聞いて、コーヒーを淹れる。
  紅茶やお茶も用意自体はあるのだけれど。
  ──ああでも、この夜を飾るにはやっぱり、
  味の濃いコーヒーがよく似合いそうだから。 ]


  ああ……そうだね。
  初めてお兄さんと会った時は、小学生じゃなかったな。

  五歳差。お兄さん、24でしょ?
  わたし19なの。
  でも小学校は、三年生になるまで行ってないから。


[ だから結局同じところに通えなかったね、と笑う。
  ──言ってから、しまった、と内心舌を打った。
  彼が今何歳か知らない方が自然だったのに。

  緊張しているのは此方も同じ。
  気取られないようコーヒーを彼の前へ置いた。 ]

 
(8) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:17

【赤】 従業員 ルミ

 

[ コーヒーなら、多少何か・・が混ざっても
  味覚で察知されづらいの──お兄さんは知ってるかな? ]


 
(*0) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:23

【人】 従業員 ルミ

 

  ランドセルとか教科書、買ってくれなくて。
  まあ友達いなかったり色々あったから、
  結局その後もあんま通ってなかったんだけど……

  あ、でも、高校はちゃんと卒業したよ!
  通信制だけど、学費稼いで通い切ったんだ。


[ 幼い頃は無知ゆえに、彼を繋ぎとめる術を持たず
  今はそもそも" 繋ぐ "糸すらあまりに薄い。

  室内には年齢を考えれば不相応のブランド物が並ぶ。
  売れば数百万は手元に入るだろう。
  これで利用価値のある女だと思ってくれれば、
  事は簡単に進むのに。 ]

 
(9) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:33

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 夜の街はなんでも手に入る。

  結構苦労したんだよ、探すの。
  人体に依存性や危険を与えない、危なくないお薬。

  微量しか入れちゃいけないから
  効き目はあっても効果時間は少ないだろうけど。
  意識はあるのに体が思うように動かない、ってさ、
  一体どんな感覚なんだろうね? ]

 
(*1) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:36

【赤】 従業員 ルミ

 

 [ ねえお兄さん。
   わたしを簡単に捨ててしまえたお兄さん。

   知らないよね。ずっと知らずに生きていく気だった?
   貴方がわたしを忘れて公園から逃げて、
   それでも恋人なんて作っちゃってさ。
   情報が目に入る度に物、
   吐き気に苛まれて蹲り続けたあの夜のことも。

   わたしが一生望んでも手に入らない場所を手にして、
   幸せそうに笑うあの女どもの顔を見るたびに
   ナイフで腕に刻んだ痛みの数も。 ]

 
(*2) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:50:40

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ──他の女に触れるたびに
  わたしが血を流していたことすら想像もしないで。

  思わなくてもいいよ。
  その分、わたしのこと、ずっと心に刻んでね。
  今から──死んでもずっと、ずーっとね。 ]


 
(*3) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:51:40

【人】 従業員 ルミ

 

[ お姫様蜘蛛は笑う。

  肝心の話を誤魔化すように話を続け、
  今か今かと、その時を待っている。** ]


 
(10) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 12:53:07

【独】 従業員 ルミ

/*
ヤク嘔吐自殺…のライト版…
(-0) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 13:21:44

【独】 従業員 ルミ

/*
腕切っとくかどうかめちゃくちゃ悩んだんだけど切ってる方が病んでそうという安直な理由
(-1) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 13:58:15

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


[経験していないことに対する危機感は薄い。
もういくら砂を藻掻こうとも無駄だということまでは気づかず。]
 
(-2) Ellie 2024/05/07(Tue) 17:33:11

【独】 従業員 ルミ

/*
お兄さん可愛いね…
(-3) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 18:06:07

【人】 従業員 ルミ

 

[ 無垢な少女とは掛け離れた打算の色。
  人畜無害な顔して笑う絡新婦のように毒を纏って、
  美しい色彩を帯びて咲く花々のように棘を隠して。

  女はにこ、と絶えず笑う。 ]


  ……ううん! まず先に飲み物とか用意しちゃうね。
  お兄さん、明日も用事あるんでしょ?
  長引かせるのも申し訳ないからさ。


[ 暗に長く拘束する気はないという意図を手渡し、
  獲物を捕らえるための糸を張る。

  家の中に誘い込んでしまえばこちらのもの。
  足なんて今更丁寧に怪我の虚飾を飾る必要もない。
  熱すぎないよう温度へ気を配り、
  ミルクと──" お砂糖 "を混ぜて差し出した。

  悪意なんて微塵もない振る舞いと声音。 ]

 
(17) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:06:27

【人】 従業員 ルミ

 

  …あはは、お兄さん忘れちゃったの?
  昔教えてくれたのに。
  わたしのこと忘れちゃうなんてひどいなぁ。


[ ──勝手に解釈してくれて助かった。
  植え付けられた偽りの記憶に乗っかって、
  努めて明るく、冗談めかして拗ねてみせる。

  わたしはお兄さんのことを忘れられなかったのに。
  忘れようと思わずとも、記憶から消してしまえたのか。

  ────分かってる。
  所詮これは名前も無いNPCの馬鹿みたいな妄執。
  頭と理性では分かってて、でも、引き下がれない。
  だから今、二人はここにいるんだもの。 ]

 
(18) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:06:46

【人】 従業員 ルミ

 

  ……他の大人とか、学校とか、どうでもいいよ。
  " かわいそう "だから助けるんでしょう?

  一緒にいてくれないなら、
  途中で役目はおしまいって消えちゃうなら、
  かわいそうじゃないわたしを見てくれないなら、
  最初からそんなのいらない。


[ 水底の澱みの様にまっくらな声だった。
  彼の言葉や感覚はきっと、社会人として真っ当で
  絶対的な大人の意見だ。

  欲しいのはそんな遠巻きな距離と温度じゃないのに。
  ここにあって当然なのは、その関係でしかない。

  会わずに重ねた何十回の夜が
  あの頃の楽しかった毎日を冷やしていく。
  小さいまま、小さかった頃のまま大きくなりたかった。

  胸になにかが込み上げてくる。
  今すぐに痛みでこの感傷を流してしまいたいような、 ]

 
(19) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:05

【人】 従業員 ルミ

 

  ────うん。
  ルミ、頑張ったよ。お兄さん。


[ ああ、でも。

  死にたくなるような痛みを与えるのが彼ならば、
  生きたくなるような温度をくれるのも貴方なの。 ]


 
(20) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:12

【赤】 従業員 ルミ

 


[ この恋を歪めたのは貴方過去なのに。 ]


 
(*5) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:23

【人】 従業員 ルミ

 

[ 本題に入る彼がどれほど飲み進めたかを確認し、
  警戒させないよう一人分の間をあけてソファへ座る。
  画面越しではない、大人になった好きな人。
  ──奇跡一度きりなんかで終わらせない。 ]


  あのね。
  ……えっと、えへへ、ちょっと恥ずかしいな。

  わたし──好きな人がいるんだけど。


[ 小さな頃は絶対に話題にも上らなかった恋の話。
  お兄さんは──半年前が最後だもんね?
  SNSの内容を思い出しながら言葉を続ける。 ]

 
(21) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:07:45

【人】 従業員 ルミ

 

  でも、わたし……今まで人と上手くいったことなくて。
  その人もね、半年くらい前まで恋人がいたりしてたし
  " 今は "全然関わりもないくらいなんだけど。
  ……けどね、その人以外好きになれないの。

  ……わたし、友達もいなくて、親も頼れないから
  将来どうしようって……一人の家が心細かったの。
  こんな格好だと余計に、人の目も厳しいし……。


[ これは全部嘘じゃない。
  実際問題、わたしは人と関わるのが下手だから。

  他の店に行った痕跡を見るたび裏切ったと思い込んで、
  いつもと違う匂いがすれば他の女だと怒りだして。
  愛される錯覚を得るために営業を頑張れば
  同じ店の女の子から距離を置かれるばかり。

  夜の女だと馬鹿にされたことだってある。
  傷が増えるたびに、彼との時間だけを思い出して、
  二度とあんな時間は来ないのかと不安になって。 ]

 
(22) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:08:14

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ でも、考えて考えて────気付いたんだ。

  逃げてしまった獲物は、追い掛けて掴んでしまえば良い
  どんな肉食獣でも、毒の前には勝てないでしょ?

  そうすれば一生わたしを忘れない。
  そうなれば、 ]


 
(-4) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:09:00

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

[ もうあの頃の温かいだけの優しかった日々と
  貴方が消えてしまった痛みから逃れられるんだ。
  愛してもらえるなんて思ってないよ。

  綺麗なだけの思い出として昇華しないで、お兄さん。 ]


 
(-5) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:09:42

【赤】 従業員 ルミ

 


 [ アイスあの日々が溶けてしまうくらいの熱を交わそうよ。 ]


 
(*6) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:09:47

【人】 従業員 ルミ

 


   ────お兄さん、そろそろ効いてきた頃じゃない?


[ 体内に取り込んだ毒は、あたたかな血に混じり巡る。
  もう指先から力が抜けるくらいは起きたかな?

  大丈夫、怖いお薬じゃないからさ。
  少し思うように動けなくなってしまうだけ。 ]

 
(23) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:11:26

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 話を途中で、唐突に切り替えて。

  わたしは。
  彼をソファへ倒すように、とん、と肩を押した。** ]


 
(*7) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 19:12:18

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[――明日用事あるって、俺、言ったか?…………]
(-6) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:33:19

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[普段呼ばれない名前は
男から肉食獣の野生を奪っていたのかもしれない。
いや、そうでなくともきっと、毒には抗えない。]
(-7) Ellie 2024/05/07(Tue) 21:37:49

【独】 従業員 ルミ

/*
ばくしょうした>>29
(-8) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 21:39:22

【独】 従業員 ルミ

/*
おなかつったかもしれないw
(-9) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 21:39:58

【人】 従業員 ルミ

 

  ……ふふ。
  仕方ないな、許してあげる。お兄さん。


[ ────この時だけは、ね。

  懐かしさに緩む頬と、憎らしさが胸を打つ。
  ちらりと上目でこちらを伺う様は
  わたしが絆されると信じて疑わないみたいだ。

  そう、あんなに小さい頃の想い出に固執する方が
  きっとおかしくて、馬鹿だよね。
  お兄さんにとっては家族との会話より些細で短くって
  ──すぐ忘れてしまえるものだったのに。

  お祭りの光を見て、私を思い浮かべもしないんでしょう
  あの時甘すぎると言って渡してくれたりんご飴。

  懐古の海に沈めることに躊躇いがない貴方。 ]

 
(30) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:02

【人】 従業員 ルミ

 

[ どんな人だってずっと片時も離れず、なんて出来ない。
  けれど、不可能でも" そうありたい "と思うのが、
  それを出来る限り伝える努力をするのが愛じゃないの?

  見知らぬ愛を探そうと思える人間なら良かった。
  そうすれば貴方を傷付けることも無かったのに。

  でも、一度味わったが欲しかった。
  どうしても忘れられなくて、手離せなくて、
  ──誰に何を言われたってこれは戀だった。

  愛されないなら、二度と交わらないくらいなら
  わたしのトゥルーエンドはここで散って
  その先でバッドエンドを迎えるの。  ]

 
(31) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:16

【人】 従業員 ルミ

 

  無理だよ。


[ わたしはひどく落ち着いた声音でそう返した。
  何の確証があって、と言われるかもしれない。 ]


  ────そんな希望、とっくに捨ててる。


[ 力になろうとはしてくれているのだろう。
  けれどその解決策は有効性を失って、
  今や毒を巡らせる以外になくなってしまった。

  間抜けな声を上げる彼に、思わず無邪気に笑う。 ]

 
(32) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:21

【人】 従業員 ルミ

 


  っふふ、あはは、……ほんとうに可愛いね。
  お兄さん。
  ────鈍感で、優しくて、無防備で。

  …………ね。


 
(33) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:31

【赤】 従業員 ルミ

 



   ────……やっと捕まえたよ、お兄さん。



 
(*10) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:28:55

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の身体は、呆気なくやわらかなソファへ沈んだ。
  起き上がらない様子を見て、「やっとだ」と小さく呟く。
  そのまま足の怪我なんて無いように彼の上へ跨って、
  顔を見下ろし、両頬に手を伸ばした。 ]


  " なんで "?
  どっちを聞きたいのかな。
  身体が動かない理由? わたしがこんなことした理由?

  ……上手く喋れなくて怖いよねぇ。
  でも大丈夫、わたし、お兄さんのことなんでも分かるよ


[ わたしはキッチンのシュガーポットを指差した。
  多少でも首が動かせるなら見えるだろうけれど、
  見えなくても持ってきてあげるつもりはない。 ]

 
(*11) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:29:13

【赤】 従業員 ルミ

 

  じゃーん!
  あれ、歌舞伎町で買えちゃう" 魔法のお薬 "だよ!

  ……あ。人体に害はないから大丈夫、安心してね。
  わたしがお兄さんにそんなことするわけないもん
  だから、大人しくしてて。

  ──────……悪いことを考えてたの、
  わたしでごめんね?


[ でも、と続けて口を開く。
  彼の反応は視界に入れているけれど、
  どんなものであれ、止める気はなかった。

  指差すために離した手を再度彼の頬へ宛がう。
  伝わる体温はあたたかい。 ]

 
(*12) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:30:06

【赤】 従業員 ルミ

 


  でも、お兄さんが──、ッお兄さんが悪いんだよ。

  待ってたのに。
  あの公園で、あの場所で、ずっとずっとずっとずっと
  ずっと────待ってたのに。

  わたし、友達じゃなかったの?
  どうして黙って消えていったの?
  捨てたの? 逃げたの? ──そのまま忘れたの?


  わたしには嫌だって言った呼び方、
  どうせ他の女には許したんでしょう!?
  ねえ、 
わたしはずっと待ってたのに!!



 
(*13) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:30:33

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ぜえ、と肩が揺れる。
  言いたいことだけ好きに言い散らかして。
  言葉にするたびに、理性的な自分が叫んでいる。 ]


  ………………わかってるよ、わたしも
  お兄さんが公園に来続ける義務なんかない


  それでも、仕方ないで済ませられる恋でもないの、


[ 許してくれなくて良いよ。
  最初から許されるなんて夢も見てないから。

  頬を名残惜し気に数度撫ぜて、手を離す。 ]

 
(*14) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:31:19

【赤】 従業員 ルミ

 


  好きだよ、お兄さん
  ──────もっと早くこうしてれば良かった。


 
(*15) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:31:25

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の腰のベルトに指を伸ばし、かちゃ、と音を鳴らす。
  どうすればいいかなんてもう知ってる。
  だって、わたしも貴方も、子どもじゃないんだから。

  体温欲望を重ねた夜くらいあるでしょう? ]


  ……ごめんね、お兄さん
  そうだ。前の彼女の顔でも浮かべててよ。

  かわいい人だったね、──同僚だっけ?


[ どうして今までの恋人たちが貴方から離れたか、
  ──……わたしは全部知ってるよ。

  バックルを外して、チャックを下ろす。
  そうすれば瞬く間にズボンくらいは下ろせちゃうな。
  触れた熱はきっと、大きくなるどころじゃないかもね* ]

 
(*16) 鬼葉 2024/05/07(Tue) 22:31:43

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[出逢った頃の少女は表情に乏しく、
笑い声を聞いたのは遊び始めて随分と経った頃。

子どもらしく笑えなかった当時には見られなかった
「無邪気な笑顔」がそこにある。
それが却って不気味さを感じさせた。]
(-11) Ellie 2024/05/07(Tue) 23:16:54

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[頬に触れる手を、首を振って弾くことも出来ないまま。

自分がこうなってしまったつみを突き付けられた。]
(-12) Ellie 2024/05/07(Tue) 23:18:34

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ わたしの笑みは、彼と関わるうちに咲いた。 ]


 
(-13) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:00:17

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……あ、お兄さん、吐きそう?
  気分悪いかな。大丈夫……じゃないよね。

  大丈夫、殺したりしないから。
  …………そんなことしないよ。


[ 流石の自分にも、殺人には躊躇いがある。
  夜の街では当たり前のように殺傷沙汰が起きているが、
  刃を他人に向けるほど壊れてはいないつもりだ。
  ──薬を飲ませるのはどうなんだと言われてしまえば、
  言い返す余地もないけれども。

  時計の針は逆向きに回らない。
  砂時計の落ちた砂は元には戻らない。

  犯した罪も愚行も、消えやしないのに。 ]

 
(*23) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:00:24

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 一般的な話に興味はない。
  そんな物差しで関係性の普遍を決められたくないから。

  世間がなんだというのだろう。
  だから仕方ないことだとでも解かれるのだろうか。
  くだらない、くだらない、くだらない。

  歳を重ねたから? 話も遊び方も合わなくなったから?
  それじゃあ××はどうすれば良かったの。
  片方の都合で、もう片方をないがしろにするのが、
  ────それが一般的な世界なのか。


  まるで女の両親さながらではないか。 ]

 
(*24) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:01:00

【赤】 従業員 ルミ

 

[ これは確かに、紛うことのない、恋だ。

  楽しくて声を上げて笑ったのも。
  美味しいものを分け合う幸せを知ったのも。
  彼と同じ名前の生き物を覚えたのも。
  明日が来るのが、初めて待ち遠しいと感じたのも。

  あの日々が恋じゃなかったというのなら、
  わたしは二度と本当の恋なんて知らなくていい。 ]

 
(*25) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:01:12

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  お兄さん、あのね、これあげるっ
  いつもアイスとか半分こしてくれるけど
  ……ルミはなにもわたせないから……

  これね、おはなのゆびわ!
  たんぽぽ、きれいに咲いてたの!


[ あの時一度だけ渡した小さな指輪は、
  きっと薬指なんかには入らないくらい大きくて
  不格好で、きれいではなかったけれど。

  受け取ってくれるといいな、と願って編んだ。
  彼に何かを返したかった。

  ──今はもう遠い純粋だった春のころ。 ]

 
(-14) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:01:24

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

  このまえねぇ、お兄さんのママがおしえてくれたよ
  お兄さんが言ってたどーぶつ!
  かっこいいのとおなじお名前なんだねぇ。
  みんな、かっこいいからやきもちやいたのかな?

  ルミもひつじさんとかがよかったなー。


[ でもあんなに大きかったら遊べないから、
  お兄さんがお兄さんで良かったーと笑った。
  子ども特有の拙い言葉で好き勝手に喋っても、
  怒られない環境が嬉しくて、鳥の様に囀って。 ]

 
(-15) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:02:15

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 言葉を交わす暇さえあったなら、
  今何かが違ってくれていたのだろうか。

  早々に話を切り上げてバイバイなんて、もう御免だ。
  それならなにもかも封じてしまって
  ────加害者と被害者になるしかないのに。 ]


  もう! ひどい!
  ストーカー……むぅ、言われてみればそうかもね。

  だって、お兄さんのこと、なんでも知りたいから
  ────大好きだから。


[ とはいえこれが犯罪だとは自分でも分かっている。
  これは線引きだ。

  わたしは加害者。
  貴方はストーカーに好かれた可哀想な被害者で、
  ────……。 ]

 
(*26) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:02:39

【赤】 従業員 ルミ

 



   ……こうする以外に、
   どうすればお兄さんの世界に戻れたっていうの……


 
(*27) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:02:48

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 呟いて、目を閉じたお兄さんの顔を見つめる。
  無理に開けさせることなんてしなかった。

  それでいいと言ったのは自分なのに、
  どうしようもなく胸が痛くて、唇を噛む。
  でもここまで来れば戻れない。

  優しい、牙のない肉食獣が、哀れな檻の中。 ]


  ────……嫌だよね。
  だってこういうことは、好きな人とするんでしょう?
  お兄さんは、わたしのこと、嫌いだもんね?


[ 呟いて、彼の芯へ布越しに触れる。
  果たしてこんな状況下で反応するかも怪しいけれど
  丁寧に、痛みなど与えないように、
  やわく握って手で擦った。 ]

 
(*28) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:02:55

【赤】 従業員 ルミ

 

  お兄さん、相変わらず優しいね。
  無防備で。
  悪い人の存在を人に説くのに、自分は無警戒で。

  ────昔からずっと、優しいもんね、お兄さんは。


  ごめんね。逆手に取るようなことしちゃって。
  ……いくら謝っても無駄か。
  うん、……頭のおかしいストーカーだと思っててよ。


[ 昔を懐かしむたびに、愛しさで手先が鈍るから。
  わたしは布越しにカリ、と先端を甘く引っ掻いた。
  そのままするりと下着を下げる。

  悠長にしている時間もあまりない。
  人体を害さないように、微量しか使えていないのだ。
  じきに口の縺れが収まることから始まって、
  四肢も動くようになってしまうはず。

  そうなる前に、この執愛の蜘蛛の糸で彼を搦めて
  ──目的を成さねばならないから。** ]

 
(*29) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:03:04

【独】 従業員 ルミ

/*
←なんだこいつ…というかお
(-16) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 0:03:32

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


 えー、俺があげたいからあげてるだけなのに。
 でも「もらう」のって嬉しいからありがとう!

 ルミって器用なんだなー。
 これ茎?どーやって編んでんの?
 よく折れないな。


[大きさを踏まえて親指に嵌めた。
「指輪」は「指に嵌めるやつ」という知識しかなかった。

生花で出来た指輪は花瓶に生けたものよりも
寿命が短いのだと聞いて、親のガラケーで写真を撮って貰った。
もう少し昔なら、写真は全部現像していただろう。
もう少し最近なら、スマホデータはクラウド上に保存してあるだろう。

過渡期に撮ったガラケーのデータはどこにあるのか知らない。

指輪が枯れた時はとてもショックだったが、
写真は撮ってもらったからと安心しきって管理を怠った。

罪の記憶が蘇る。]
(-17) Ellie 2024/05/08(Wed) 0:52:21

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[ライオンを認識したと聞いた時には恥ずかしさでどうにか
なってしまいそうだった。
ルミが帰った後に家族に当たり散らした。]


 ルミは「ルミ」でいーんだよ!!
 俺は「お兄さん」って呼んでもらえるからいーけど、
 ルミが「ひつじ」って名前で呼ばれたくなかったら
 どう呼んでいいかわかんないからな?!

 いいかっ!
 変えるの禁止だからな!
 俺が!「ルミ」って呼ぶから!


[いつも以上に大きな声を出してしまった気がする。

今も「雷恩」まで呼ばれるのを厭うから、
彼女にも「ライ」と呼んでもらっていた。
別れた理由に、「そんな小さいことにこだわるなんて」と
いうのがあったことも、ルミは把握しているのだろうか。]
(-18) Ellie 2024/05/08(Wed) 0:52:55

【独】 従業員 ルミ

/*
えりーさん寝てる?大丈夫!?
(-19) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 7:05:52

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 恋にもっと理由は必要なのだろうか。
  ただあの時わたしに優しくしてくれたから、
  だから彼を好きになったでは足りないのか。

  インプリンティングと言われればその通りで、
  けれど女は確かに己の意思で恋をしている。
  毒林檎からキスで目を覚ましてくれたから?
  或いはガラスの靴を届けてくれたから?

  お姫様たちの恋だって、
  始まりは皆思ったよりも大仰では無いのに  ]


 
(*36) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:54:55

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 相手を傷付けないのが愛ならば
  自分にはやっぱり人を愛する資格が無いのだ。

  彼は今度は許してと甘えなかった。
  過去すら容易く掘り起こすあの惨さはなく、
  代わりに別の痛みが横たわっている。 ]


  
(*37) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:55:11

【赤】 従業員 ルミ

 

  ………綺麗な思い出として忘れられるくらいなら
  私みたいに、痛いってこと、覚えててよ


  ふふ、名前ばっかり呼んでどうしたの?
  ルミだよ。

  …………嬉しいな
  久しぶりに名前、いっぱい呼んでくれた。


[ 働き始めてからは源氏名でしか呼ばれず、
  ルミという名前で呼ぶ存在もいなかった。
  ひつじが良かった、と憧れた少女はそこにおらず
  いるのはボタンを掛け違えた亡霊だけ。

  ──ああ、こんなことなら
  正しく愛する方法を知っておけばよかった。
  傷付け方なら、いくらだって分かるのに。 ]

  
(*38) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:55:26

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………………雷恩お兄さん


[ ライ、は他の人も呼んでいるから嫌だった。
  けれど雷恩と呼ばれるのを厭われてしまえば
  我儘だけで通せる呼び名でも無かった。

  別れた理由なんてどんなものでも知っている
  ──そうなるように仕向けたんだから。

  呼び方なんて小さいことに拘るのが不満だと
  そう言っていたのは何番目の女だったか。
  わたしはただ、呼び出した場所で
  ブランドバッグを差し出してお願いしただけ。 ]

  
(*39) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:55:39

【赤】 従業員 ルミ

 


  私の、お兄さん、  



[ ────彼と別れてください、って。 ]


  
(*40) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:55:51

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 噛み締めるように名前を呟いた。
  会話で意識を向けさせるためでも何でもない。
  ただ、自分が呼びたいから、そう呼んだ。

  再会した時は、幼い頃と違って
  名前呼び自体を面と向かっては厭われず
  表面上は許されたようにも聞こえたけれど
  ──自分ですらそれが本当に許されるなら

  今までの、彼に近しい人たちは、? ]


  
(*41) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:56:06

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 私にとっての“らいおん”の響きは彼だけ。
  そこに肉食獣の影なんてひとつもない。

  彼だけ見つめて、彼だけを望んで、
  なにもかも煮詰めた砂糖色の声。

  まるでわたしはおとぎ話の魔女みたいだ。
  甘く美味しく作り上げたバッドエンドへの道。
  無警戒な存在に毒林檎を齧らせて、
  最後には裁かれてしまう悪いひと。 ]

  
(*42) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:56:20

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 望まれない命は不幸だ。
  今ですら正しく彼を愛せない自分ひとりで何が出来る。

  命で縛り付ける気なんてない。
  わたしのはわたしだけのもの。
  ──アフターピル、って便利でしょう?
  ベッド横のデスクに幾つか予備を置いてある。

  わたしは少しづつ兆し始めた熱に触れて、
  嬉しさを隠しもせず顔を綻ばせた。 ]


  好き、──大好きだよ、お兄さん


[ 愛を囁かれても萎えちゃうだけかもね。
  どうせ今夜限りの魔法の夜なら
  喉すら焼けるような蜜も許してよ。

  りんご飴、わたしとなら食べ切れるでしょう? ]

  
(*43) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:56:34

【赤】 従業員 ルミ

 

  これでもう、わたしを忘れないよね
  これでもう、綺麗な思い出として消えないよね

  ────なにかある度に痛む傷になって
  忘れたくても忘れられないくらい、
  痛くて熱い存在になれるよね?


[ 本当にわたしが羊だったら、
  本当に貴方が獅子だったら。

  食べて貰って貴方の血肉になって
  そしたら、好きな人の一部として生きていけて
  ──なんてろくでもないたられば話。 ]

  
(*44) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:56:47

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の熱芯をやさしく、柔く包み込む。
  これは愛を交わす行為ではなくて、
  わたしの一方通行で、彼を苦しめるだけ。

  過度な愛撫も快楽も必要無い。
  あくまで生理的反応で仕方なかった、って
  彼が言い切れるように────なんて

  加害者がせめてと与えるものなんか、
  害を与えた時点で無意味か。 ]


  ……お兄さん、目、閉じててね


[ 挿れる、だけなら不都合ないようになるまで
  熱を甘く柔く触れて、擦って、刺激を与えれば
  わたしは彼の反応も見ずに己の下着をそっとズラした ]

  
(*45) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:57:02

【赤】 従業員 ルミ

 

  ────ッ、


[ ろくに慣らしてもいない中へ熱を入れれば
  さすがに痛みが訪い、すこし眉を顰めた。

  それでも人体とは不思議なもので
  防衛本能で分泌される愛液が刺激を緩和し、
  膣肉も広がって、熱を難なく飲み込んでいく。

  ───これがわたしの、望んだ形。
  欲しくて欲しくて仕方なかった熱も
  やっと手に入れた彼の傷も。 ]

  
(*46) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:57:28

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 叶っていくのに。叶っているのに。
  どうしてこんなに虚しいばかりなのだろう。
  ────どうして。

  わたしは、 ]


  ………………っふ、あは、は

  お兄さん、……だいすき
  ……あいしてるんだよ、本当に……


[ 目から流れたものはただの汗で、
  きっと目を閉じていれば彼は気付かない。

  誤魔化すように笑って、身体を動かした。
  中に彼の熱を吐き出させるためだけに、
  それだけを目的にした虚しい動きで。** ]

  
(*47) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 8:57:47

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


 ルミ。
 ……さすガに、 ぁたまにゃ、むりか。


[撫でるように手は虚空を凪いだ。]
(-20) Ellie 2024/05/08(Wed) 17:26:57

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 恋は万有引力なのだと誰かが言っていた。
  ツバキの花が落ちるように音もなく、
  りんごの実で堕ちたように先もない。

  原初の罪というものがある。
  禁断の果実を齧って神に背いた二人の話。
  彼らには口にせず共に在り続ける未来があったのに
  罪を犯してでも手にしたい何かがあった。


  それならば、この恋は。
  わたしと貴方、原初の罪出会ったこと
  ──その対価は。 ]

 
(*55) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:01:58

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ 過去痛み現在思い出と同じ色をしていらしい。 ]


 
(-21) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:02:24

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 初めて食べたアイスの甘さも。
  焼き芋の舌を焦がすような熱も。
  名前を呼ばれることの嬉しさも。
  誰かに花をあげることの情動も。
  貴方と同じ名前の生き物がいることも。
  痛みも苦しみも愛しさもなにもかも。

  貴方が与えて、貴方は消えた。
  ────忘れようとするたびに、あなたを思い出す。 ]


  …………なぁに?
  これでもまだ名前で呼んでくれるんだ。

  そうすれば逃げられるとでも思ってる?


[ 力も抜けて上手く喋れない状況なら、
  いっそわたしに絆された振りをして
  隙を突いて逃げる方が現実的かもしれないものね? ]

 
(*56) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:02:33

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 今更男と女として知り合うなんて出来やしない。
  もう一度最初からの幻想は夢のまま。

  出会い方が選べないなら、
  手離し方は選べるのが人間だよね?
  ────今度はわたしがそうする番。

  一緒に同じ傷を負って。
  何を見ても、なにに触れても、どんな日常でも
  わたしを思い出して、──死ぬまで傷の中で会おうよ。
  制止の言葉は聞いてあげない。

  かさぶたを剥がして傷口を抉って貴方を手にする。
  夢すら果てる程に焦がれたこの結末が、

  ──きっと何よりも喜べるはず、だった のに、 ]

 
(*57) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:02:38

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………?

  ……あぁ
  お兄さん、薬切れ始めちゃった……?


[ 先程よりも明確な音になった言葉を耳に入れ、
  わたしは問いに答えず小さく呟いた。
  視界の端で彼の手がすこしずつ動いている。

  身体でも押すか、力に任せて暴れるか。
  薬剤の追加投与なんて危うい真似は出来っこない。

  ならばと抑えつけるために、彼の肩へ
  そっと手を伸ばそうとして── ]

 
(*58) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:08

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  ──────……、 は……?


[ 虚空を撫ぜて落ちる手を見届けながら
  わたしは水面を波打たせるように声を震わせる。 ]

 
(-22) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:14

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 真意が読めなくて、わたしは目を細めて動きを止めた。
  滲んだ視界を晴らすように眦を拭ってから、
  途切れ途切れに紡がれる言葉へ耳を傾ける。 ]


  嘘つき。
  そうやって、またわたしから逃げるくせに。

  ストーカーにそんなこと言ってまで逃げたいの?
  ──殺さないって最初から言ってるじゃない。
  ああもう、どいつもこいつも、そうやって……!!


[ 唇を噛み締めて、自分の腕に爪を立てた。
  傷付いてくれと願った以上大差はないだろうけれど、
  物理的に傷を負わせたいなんて思ってはいない。

  行き場のない激情を彷徨わせながら、
  わたしはもう一度、彼の顔を じ、と見下ろして。 ]

 
(*59) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:42

【赤】 従業員 ルミ

 


  ………………………。
  …………逃げたら死んでやるから。


[ 目論見通りにはいかないと続けることは出来ただろう。
  けれど同時に、彼の幻影を、貴方へ見ていた。

  撫でられたかったわけじゃない。
  そんな夢はもう小人たちの家に置いてきた。
  ただ、もしかすれば、と微かな蜘蛛の糸を手繰ったの。

  わたしから逃げないお兄さん。
  わたしを、忘れないでいてくれる、お兄さん。 ]


 
(*60) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:03:52

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ この期に及んでわたしは、
  思い出として留めるべき過去を捨てられなかった。

  昔の幻影貴方に現在を重ねる。
  ──ただ行為から逃れるための計算の色が、
  彼にないことくらい分かっていた。 ]


 
(-23) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:04:00

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 熱を引き抜き、けれど警戒するように跨ったままで
  わたしは動向を見守った。

  撫でられたかったわけじゃない。
  だって、この恋が実らないのと同じで
  撫でて貰えるわけがないって理解してるから。


 
撫でて欲しいなんて望めない。
それだけのことをしてるって、分かってるから。
* ]


 
(*61) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 20:07:27

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あの時間を忘れて、過去の貴方を記憶に埋めて。
  きっとそうするのが一番良い道だったかもしれない。
  わたしは貴方を傷付けないし、
  貴方も忘れた過去を思い出すこともない。

 
諦めるのは生きていくだけならとても楽で、
けれど選べたのは無様でも縋りつくいばらの道。

思い出すたびに惨めで痛くて腕を切った。
血を流すたびに生きている実感があって
でも、そこにはいつも、貴方はいない。
 ]

 
(*68) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:31

【赤】 従業員 ルミ

 



  [ もう名前を呼んでくれる声さえ遠いのに。 ]



 
(*69) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:37

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の声は震えながらも、言葉の輪郭を形作る。
  持ち上げられた手を見やり、動向を注視しながら
  うそではないと紡ぐ声へ目を細めた。 ]


  そう思わせて逃げる算段かもしれないじゃない。


[ 理性では彼の言うことが正しいと分かっている。
  感情が、一度消えた相手のことを信用できないだけだ。

  ちがう。
  信用できないという言葉すらも正しくはない。

  これ以上、期待して傷付きたくないと
  自己防衛に徹しているだけ。 ]

 
(*70) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:41

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……諦めさせたのはお兄さんなのに、
  なんでそんなこと言うの?

  わたしから離れて、勝手に消えて、逃げて
  新しく女まで作って幸せそうで──
  忘れてしまえるような昔の子どもひとりが、

  …………ッお兄さんには他にたくさんの人がいても
  わたしには、わたしにはずっと、
  昔のお兄さんしかいないのに!!


[ どうして勝手に大人になったの。
  どうしてわたしの知らない顔を他の女に見せてるの。

  今からの貴方を諦めなかったとして、
  貴方はわたしのモノになってくれるの? ]
 
 
(*71) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:47

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 叶わない夢なら最初から星屑になって落ちてしまえ。
  咲かない花なら最初から枯れて朽ちて消えてしまえ。

  わたしのものにならないお兄さんなら、
  いっそ過去に執着していた方が楽だった。
  ────なのに結局今の貴方の傷を欲しがっている。

  相反した感情と憎悪と愛情。
  矛盾を抱えていることくらい分かっていて、
  途方もない夢だけは見ないように自制して。 ]

 
(*72) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:48:50

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………おかげさまで。


[ ここで可愛く愛想を撒けるような女の子だったら、
  ここで、強がって突き放せるくらい強ければ。

  なにかを探すように持ち上げられる腕を見やり、
  そ、とすこしだけ頭を下げる。
  ────撫でられたいなんて、思う資格はないけれど

  ふれられたいと、願ってしまって。* ]

 
(*73) 鬼葉 2024/05/08(Wed) 22:52:34

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


 いーたいの、いーたいの、
 おーれがたーべた!

 これでどっかに飛んでることないから、
 痛いの戻ってこないよ。

 ルミの痛いの、俺がうんこにして流してやる。


[小学生らしく排泄物の名前を軽々しく口にして笑った。
転んだ時も、傷を負った現場にいなくて後から気づいた時も、
撫でて拭った痛みの概念を
どこにも飛ばさずに咀嚼したものだった。]
(-24) Ellie 2024/05/08(Wed) 23:41:17

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 女は彼と違って、経験してきた物事が少ない。
  生きてきた世界とてそもそも狭いような生き物だ。
  多くの人々と経験を知るよりも、
  閉じ切った閉鎖的な世界で身を守ることを好んだ。

  思い出のウェイトは過去に寄り過ぎた。
  痛みも重みも麻痺するほどに時を重ねて、
  昔を反芻し、飲み込み、追体験でこころを誤魔化す。

  過去を今に当てはめて息をしているだけ。
  そうするのが楽で、なにも傷付かずにいられるから。 ]

 
(*80) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:41:48

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………なにそれ。
  今更そんな、 体のいい言葉で騙されたりなんか……


[ ────死んでしまうのが一番楽だと考えたこともある。
  こころを殺して生きていくより、
  身体ごと死んでしまえばいいのかと。

  けれど。
  どうして苦しいばかりの世界で生きて来たのか。

  死ぬことを別に恐ろしいとは思わなかったのに
  ──……それならば、なぜ。 ]


  ……


[ 愛されようと色んな人に愛想を振り撒いて、愛を買った。
  金を渡して夢を買った。
  いくら繰り返しても満たされないまま大人になって、 ]

 
(*81) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:09

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 目的もなく生きていくのなら、それでも良かっただろう。
  けれど傷を付けながら、
  生きるために彼のアカウントを探って彼を見続けた。

  それは間違っても感動する類の話ではない。
  犯罪として背筋を凍らせることはあったとしても、だ。 ]


  ……べつに、最初から泣いてない。


[ 嘘だ。今更繕っても意味のないこと。
  涙で罪を誤魔化すみたいで、それは──
  そんなことはしたくないだけ。

  ちっぽけなプライドだ。
  わたしが泣いて許されるのは簡単だけれど
  それを見せられる彼の気持ちはどこにいく? ]

 
(*82) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:32

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の手が僅かだけ、体温も移らないほどかすかに触れる。
  頭を少し下げただけでは届かなかったのか、
  力の抜けた腕は、頭の代わりに醜いわたしの手首を撫ぜる。

  長袖を着て見えないように誤魔化した過去の傷痕。
  現在を生きるために過去で裂いた血肉の痕。

  ────ひきつれた皮膚越しに感じた彼の指は
  おんぶして背負ってくれた時とは程遠い。
  弱々しさだけが胸を打つ。 ]


  ────────……ッ


[ なにをするのかと見ていれば、貴方は。
  あの甘えとはまた違う懐古を連れてくる。 ]

 
(*83) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:48

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  で、でも、かわりにお兄さんがいたくなっちゃう……
  ルミいたいのへいきだよ?

  ……あ、もうっ、お兄さん!
  そういうこと言っちゃ、めっ!なんだから!


[ 知識のない子どもでもわるい言葉だと分かる。
  だめ!と年下のくせに妙なところでお姉さんぶって、
  そのくせ怪我の痛みに両目を潤ませていた。

  痛い、とあまり動きたがらなかった幼い子どもも、
  不思議とおまじないの後は軽快に歩けるようになり
  痛みを食べてくれた人の後ろへ引っ付いて。 ]

 
(-25) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:42:57

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

  ……お兄さんって
  いたいのとんでけーじゃないんだね。

  お兄さんがいたくなるのに、たべてくれるの?
  えへへ……やさしいねぇ。
  あのね、でもね、ルミもおっきくなったら
  お兄さんのいたいの、たべれるようになるから!


[ だから待っててね、と言って笑った。
  その頃には彼も同じだけ時間を重ねて大きくなって
  子どもの手助けなんていらなくなるのに。

  どこにも彼は行かないと信じていた幼い頃。
  撫でられては無邪気に喜べていた甘い記憶。 ]

 
(-26) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:43:46

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 噎せたように笑う姿が理解出来なくて、身体を引いた。

  どうしてこの状況で今彼は笑えるのか。
  なにも覚えていないくせに、
  どうして二人のおまじないだけ鮮明に見せてくるのか。

  ここで都合よく受け止めて幸せになれるような、
  お気楽で軽くいられる性格はしていない。 ]


  ……なに、お兄さん、意味わかんないよ
  今痛いのは、そっちの方でしょ……?

  上手く腕も動かせないのに、


[ 自分の頬を殴ってしまっていたのを思い出して
  恐る恐る、頬の怪我を確かめようと指を伸ばす。
  触れられるのは、彼にとっては怖いことだろうか。

  躊躇うように指先が空を彷徨って、 ]

 
(*84) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:43:59

【赤】 従業員 ルミ

 


   [ りんご蜘蛛の糸は落ちる。 ]


 
(*85) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:45:12

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 迷子のような、悪さをした子どものような。
  顔立ちばかりが大人に近付いた女のかんばせは、
  どんな言葉も似合わないマーブルカラーだ。

  背後から急激に匂い立つ過去に戸惑って、
  責め立てるのではない彼の反応に怯えている。 ]


  ………………せっかく今日の為に
  お金も貯めて、お兄さんのことたくさん調べて
  チャンスをモノにしようと思ったのにな。

  いいよ。もう。
  ────なんにもしないし、抵抗しない。

  警察でも何でも、連絡して良いよ。


[ やめてよ。
  今更どうしてこっちを見ようとしてるの。
  頭のおかしい犯罪者で、ストーカーなんだから、

  昔と同じ仕草で、言葉で、やさしくしないで。 ]

 
(*86) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:50:40

【赤】 従業員 ルミ

 


  ……わたしの十数年なんか
  嘘でも食べちゃだめでしょ、お兄さん

  痛くなっちゃうよ……ほんとにさ。


[ 呟き落とすように咎めて、目を伏せる。
  相変わらず跨ったままの体勢だと
  彼の顔が嫌でも良く見えた。 ]


  ………… ほっぺた、怪我は?


[ 自分が気にしていいことではないかもしれない。
  けれど、自分の仕込んだ薬の影響ともなれば
  資格がないなんて理由で放置もしたくはなくて。

  両腕を下ろしたまま、小さく尋ねる。
  敵意がないと示す唯一の手段だった。** ]

 
(*87) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 0:56:57

【独】 従業員 ルミ

/*
お兄さんの昔のクソガキ感いいですね
小学生そういうこと言うよねーーって思った
(-27) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 1:06:28

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[周囲の人間関係は緩衝材で
楽しい思い出は薬となって苦い思い出を癒す。
そうして少年は大人になった。

それを当たり前として。]
(-28) Ellie 2024/05/09(Thu) 20:30:47

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[緩衝材となる人間関係を築くことが出来ず
楽しい思い出が少年との日々だけの少女には
薬が逆に毒となり身体や心を蝕んだ。

それ以外の世界を知る勇気を得るには
少女の楽しい思い出そうびは足りなかった。]
(-29) Ellie 2024/05/09(Thu) 20:31:20

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


 俺はいーんだって。
 痛かったらうんこすれb……
 って、うんこって言っちゃだめなんだっけ。


[小学生男子の下品さをおしゃまな女の子の潔癖さが叱る。
悪びれもせず笑って、
何度も痛みを咀嚼した。

目に見える傷はその後で家の絆創膏を貼ったし
咳をしていたら喉を撫でて
(その後風邪がうつって叱られた)
しょんぼりしている時には頭や強張った頬に触れた。]
(-30) Ellie 2024/05/09(Thu) 20:32:49

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


 飛んでった痛いのがルミに戻んのはヤだし
 誰かが痛いのはルミがヤだろ。
 俺が痛くなるかもって心配するんだから。

 だから俺が全部うn……トイレに流すんだよ!


[大きくなったらルミが食べてくれると言っていたっけ。
傷つけとばかり薬を盛って強姦している彼女は
それを覚えているだろうか?]
(-31) Ellie 2024/05/09(Thu) 20:33:29

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

[ 誰から好意を向けられても満たされなかった。
  対価を払い続ける愛もあったし、
  中には本当に自分に恋をした客もいたと知っている。

  愛してくれるなら誰でも良かったわけじゃない。
  なのに着飾って、好みの女を演出して、
  埋まらない隙間を見ないで済むように
  多くの好意を欲しがった。

  偽物のひかりが目を焼くたび、思う。
  ──愛を得るたびに擦り減っていることを。 ]


 
(-32) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:27:59

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 幼い頃は子供騙しにもならないことばかりだった。
  隠れきれず、丸わかりの状態でかくれんぼをしたり
  お花の指輪は、すぐ編めるくらい簡単だと偽ったり。

  傷付けるための嘘には乏しかったはずだ。
  ────気付けばすっかり嘘つきに育ってしまったが。 ]


  だから、……ッ、


[ 泣いてないと否定しようとして、言葉を呑む。
  彼の声音に宿った確信を感じ、
  言葉の投げ合いをするよりも引くことを選んだのだ。

  多く語るほど、過去の傷が痛むから。 ]

 
(*92) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:28:04

【赤】 従業員 ルミ

 


  ──────そ、れは


[ すぐさま反論を紡げずに、掌を握り締める。
  そうだ、自分は彼を傷付けたかった。
  過去の中で一方的に会い続けることより
  痛みの先で思い出して貰うために。

  この際、目的が完遂出来ないなら
  頬の痛みでもなんでも良いはずではないのか。 ]


  ……ッは、
  忘れてたのに……忘れてるのに
  わたしのままなんて、よく言えるね、お兄さん


[ 視線が交わる。過去と今が交差する。 ]

 
(*93) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:28:19

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ぜえ、と肩で大きく息を吸った。
  掴まれた腕を振り解こうと、──振り上げようと
  動かしかけて、力を抜いて、また勢いに任せようとして
  ──繰り返すたびに喉を掻き毟って死にたくなる。

  ここで首でも絞めてやれば。
  彼には一生忘れられない記憶として残るだろうか。

  ここで頬でも殴ってやれたなら。
  みっともなく縋り続けていた過去を全部捨ててでも、
  目的を成せる存在だったら。 ]


  ──────……、わから なぃ、


[ まるで破れたページを継ぎはぐように。
  細切れで、強張った話し方だった。

  妙に冷静な頭が、彼の問いかけの答えを探している ]

 
(*94) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:28:26

【赤】 従業員 ルミ

 

  わたしには、これしか出来なかっただけ
  ……こうするしかないって、おもった、だけ

  お兄さんのこと探して、調べて
  昔の断片を見つけて…………
  お兄さんはわたしがいなくたって楽しそうで
  わたしは、昔のお兄さんしか、いなくて。


  思い知れば、傷付ける覚悟が出来るって思った、の
  ──────……そうすればもう、


[ あの公園に行かなくて済んだんだよ。
  楽しかった過去を、本当は美しいだけの思い出を、
  綺麗なまま封じ込めて死ねたんだ。 ]

 
(*95) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:28:41

【赤】 従業員 ルミ

 

  実るわけないこの馬鹿みたいな恋を
  叶えたがってる自分を殺せると思ったから………


[ 執着なのか偏執なのか刷り込みなのか。
  誰に何を説かれたって響かない。
  わたしにとってはこれが、わたしの恋。

  これが恋ではないなら愛なのだろう。
  愛ではないなら、
  そう思う人の方がおかしくって、恋を知らない。 ]

 
(*96) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:29:35

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………べつに、あのまま続けてたとして
  お兄さんを子どもで縛ろうなんて気はなかったよ。

  アフターピル……避妊薬持ってるから、それ飲んで。
  明日から実家、帰るんでしょ。
  さっきスマホのパスワードは盗み見ておいたから
  実家にお兄さんのフリして、帰らないって連絡して。

  長期休暇の間だけ、この家にいてもらう気だったの
  ──それで……何をしても、どうなっても、
  わたしを忘れられないくらい傷付けてやろうとしただけ


[ 犯罪だよね。そんなのも覚悟の上だよ。

  言って、わたしは飾られたブランドバッグを見た。
  もう連絡も絶えた昔の客からのプレゼント。
  売れば高い値段がつくような代物。

  可視化されたわたしの価値。 ]

 
(*97) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:30:10

【赤】 従業員 ルミ

 

[ お兄さんの痛いのを食べてあげるね、と笑った子どもは
  今や呑み込めないほどの傷を付けたがる化物だ。 ]


  そしたら、逮捕とかされるのかなって。
  慰謝料とかの準備もしたし。
  もしあれを見てお兄さんが利用価値を持ってくれたら、
  それでもいいなって思ってた。

  そういうのも含めて、いっぱい働いて
  ……頑張ったんだけど。


[ 現実は、想像のように上手くはいってくれないか。
  自分で自分を殴った彼を見ただけで
  怪我を心配してしまう甘さも弱さも抜けていない。
  ────昔なら、 ]

 
(*98) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:30:30

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  だって、いたいって泣いちゃうより
  たのしいってわらうほうが、しあわせだもんね!

  わたしもみんなも、お兄さんも!


 
(-33) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:30:55

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  ────ありがとう、お兄さん
  ルミ、お兄さんのこと、だーいすきっ


 
(-34) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:31:02

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 息を吐く。
  なりたかったものは、愚かにも見た夢は。

  なれなかったものならよく知ってる。
  昔の記憶に置き去りのままの幼いわたし。
  痛みも食べてあげると息まいた世間知らず。 ]


  ……薬が抜ける間の時間稼ぎにはなったんじゃない?
  ほら、もう良いでしょ

  だまされて今なら食べてあげるから
  ……さっさと離してよ、お兄さん


[ 今ならまだ、間に合うよ。
  妙な同情心でも湧いちゃった?
  やっぱり嫌になったでしょう?

  それでも今なら許してあげるから。* ]

 
(*99) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:37:09

【独】 従業員 ルミ

/*
ア一人称
み、みす 見なかったことに
(-35) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 21:44:55

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[そのだいすきは、思春期の前に聞いたが故に、
恋の意味に捉えることは出来ず]
(-36) Ellie 2024/05/09(Thu) 22:19:52

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[感情のない瞳をしていた子が
「たのしいってわらうほうが、しあわせ」と
言えるようになるまで痛いのを食べてやったのは自分だと
ただ誇らしげな気持ちになっていた。]
(-37) Ellie 2024/05/09(Thu) 22:21:05

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[「だいすき」の後、
ルミの望んだことは聞いていただろうか?]
(-38) Ellie 2024/05/09(Thu) 22:22:15

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[自分は覚えが悪いから、今ルミが言うならそれを思い出にすり替えられるだろう。
歳の差についての会話があったかのように思えたように。*]
(-39) Ellie 2024/05/09(Thu) 22:23:11

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 美化され続ける思い出と、
  色褪せて消える思い出の違いはなんだろう。

  失った過去は二度と手に入らないが故にうつくしく、
  苦しい記憶を経てきたと思い難い防御本能故に
  ある程度の痛みならば無かったことになる。


  狩人はどうして白雪姫を助けたのか。
  見返りも求めずに? 憐憫のただひとつだけ?
  ────狩人に恋すれば白雪姫は死なずに済んだのに。

  りんごは落ちない。
  死ぬ" かもしれない "未来から助けたひとよりも
  既に骸となった自分を救った王子を選んだ姫。
  どうして死して尚、
  狩人の救済の尊さを覚えなかったのか。

  説明がつかないことを、恋と呼ぶ。 ]

 
(*105) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:03:04

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……終われそう、じゃないの
  終わらせるの────お兄さんを好きな気持ちごと。

  全部、この家で
  あの公園を見れる場所で、思い出すら消えるくらいに。


[ 随分と口も回るようになったらしい。
  あの薬は効果こそ覿面だったけれど、
  害さぬよう与えるとなれば時間はこんなものか。 ]


  ……幻滅できるなら、とっくにしてる。


[ 貴方が見知らぬ女を抱いた日に。
  わたしを忘れて楽しく毎日を過ごす様子に。
  所詮そんなものか、と手離せる愛ならそうしてる。

  出来やしないから、心ごと殺すんだ。 ]

 
(*106) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:03:08

【赤】 従業員 ルミ

 

[ ぱち、と目が瞬く。 ]


  …………ああ。そっか。
  わたし、目的を達成した後の自分のこととか
  あんまり考えてなかったや。

  心を殺せば、自分は死ぬのと同じだと思ってた。
  お兄さんには、与えた傷と一緒に生きて貰う為に
  お金を渡すしかないと思って、慰謝料、用意したの

  どうせ生きてる意味もないなら
  いつ死んだって同じだし────


[ 新しい発見を得たというように頷いた。
  言うことを聞かないなら死ぬと脅した時はただ、
  善良な人間なら
  目の前で人が死ぬのは嫌だろうと思ったのだ。

  そこに期待がなかったといえば、嘘になるけれど ]

 
(*107) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:03:37

【赤】 従業員 ルミ

 


  そっかぁ
  いつ死んでも同じなら、逮捕とか待たなくて良いよね。

  ……でも、生きてれば
  お兄さんはずっとわたしに怯えてくれるかな?


[ " 今の "彼を分析できるほど、彼を知らない。
  とにかくこの恋を終わらせるために必死だった。

  恋を終わらせて、傷の中で会い続ける。
  わたしは貴方の傷になって生きていく。
  ────新しい世界を知った子どものような声で、
  独り言のように言葉を零して。 ]

 
(*108) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:05:13

【赤】 従業員 ルミ

 

  ──────……

  なんで、そんなこと聞くの?
  答えたら叶えてくれるっていうの?

  ばぁか。
  なりたいものなんか、……わたしの願いなんて
  お兄さんにとって、ずっと────……


 
(*109) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:05:19

【赤】 従業員 ルミ

 



   …………………ずっと、



 
(*110) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:05:32

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  ずっといっしょにいようね、お兄さん!


 
(-40) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:05:38

【赤】 従業員 ルミ

 



    ………………ずっと 消えな、い、


 
(*111) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:05:42

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  えへへ、おとなになったらねぇ
  けっこん? おつきあい…? ……つき……?
  ……そしたらずっといっしょにいられるんだってー!

  おいしいのかなー。たべもの?
  よくわかんないけど、おっきくなったら
  ルミとたべようね、おつきさま!


 
(-41) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:06:08

【赤】 従業員 ルミ

 



   …………ひどいね、お兄さんって
   叶わないこと言わせてどうするの?
   それが仕返しのつもり?


   好きって、あいしてるって言ったでしょう
   ……わたしがなりたかったのは、

 
(*112) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:06:20

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………お兄さんと、ずっと一緒にいられる、存在。


 
(*113) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:07:52

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


  ……あ、でも、ルミしってるよ!
  こいびとどうしじゃないと、けっこんできないの!

  しょうらいのゆめ、それにする!


 
(-42) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:09:10

【赤】 従業員 ルミ

 



   雷恩お兄さんの、こいびとに、なりたかった
   ずっと ──ずっと


   
(*114) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:09:57

【赤】 従業員 ルミ

 


  ………………これ以外の方法なんか、しらない
  わたしは、新しいふたりで始めたかったわけじゃない

  わたしと、お兄さんで、……そうなりたかった


[ ほら。もうこれでいいでしょう。
  叶わなかった夢を語るほど、苦しいこともないのに。

  ひどいひと。
  今も昔も、──わたしの柔いところを刺し続ける。 ]

 
(*115) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:12:20

【赤】 従業員 ルミ

 


  答えたんだから、今度こそ離してよ。
  どうせもう動けるんでしょう。

  ……いじわるだね、お兄さん。


[ そんなところもやっぱり嫌いになれなくて、
  わたしは ぐ、と腕に力を込めた。* ]

 
(*116) 鬼葉 2024/05/09(Thu) 23:13:47

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ


 けっこん?とかよくわっかんねーけど、
 つきを食べるのは賛成。
 こないだどっかの土産でもらったんだよ、
 黄色くて甘いクリーム入った奴。

 あれ一緒に食おうぜ!


[当時は結婚や恋人という単語に馴染みがなく、
月を食べるという話題で銘菓のことで頭がいっぱいになった。
情緒の発達がもう少し早ければ、結果は違っていたかもしれない。

だがそれではルミが惚れた「笹倉雷恩」ではなくなってしまう。]
(-43) Ellie 2024/05/10(Fri) 0:13:27

【独】 従業員 ルミ

/*
月化粧かな
あまいんだよねあれ、おいしい
あとお兄さんかわいい
(-44) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 8:06:32

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 騙しても犯しても傷付けても手にしたかった。
  恋が実にならずに落ちるだけなら、
  愛が返ってこずに抱えるだけなら。
  責めて詰って喚いて足掻いて
  忘れ去られる透明な存在になってしまうのではなく
  思い出さずとも痛む傷になりたかった。

  その後自分が生きるか死ぬかなんてこと、
  心の底からどうでもよくて。
  積年の恋を殺して執着を埋めてしまったら
  わたしはわたしじゃなくなるから。

  いっそ本当に目の前で死んでやる方が
  深い心の傷になれただろうか。 ]


  
(*122) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 18:57:56

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 抉らなければ傷は治る。
  その言葉が出てくる時点できっと、
  生涯の傷にはなれなかったのだろう。 ]


  責任……

  ……責任、じゃ、ない
  わたしの責任を取って欲しいんだったら
  それこそ子どもでも作って縛ってる。

  …………好きだから、忘れて欲しくないから
  こうするしかなかっただけ……


[ いや、それもある意味責任のひとつなのか。
  貴方が好きで忘れられたことが悲しくて、
  こうするしかなかった責任を取って
  傷付いてくださいと言うようなものかもしれない。

  結局安易で安直だった子どもの計画は、
  そうやって穴だらけのまま終幕を、 ]

  
(*123) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 18:58:30

【赤】 従業員 ルミ

 

[ おしまいを迎え──── ]


  ………………?
  ……………………ずっと生きて
  お兄さんに突きつけ……

  罪を突きつけられるべきは、わたし、じゃ…?


[ 理解出来ずに数瞬固まって、
  俺に罪を突きつければという言葉を飲み込み
  今度は戸惑いながら首を傾ぐ。
  脳内処理が追いつかない時にぎこちなくなるのは
  幼い頃から変わらない癖だった。

  罪には罰が伴うもの。
  わたしの罪への罰はこの恋わたしを殺すこと。
  彼の忘却が罪だと言うのならば、
  その罰は今与えられているのでは無いか。

  探るように彼の目を覗き込んだ。
  未だなお恋に囚われた亡霊のままで。 ]

  
(*124) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 18:59:05

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 矢継ぎ早に彼の口から言葉が紡がれる。
  声が音になって、音が輪郭を持ち
  わたしに恋の種が降り注いで芽生えて。

  執着の果ては絶望のはずでは無いのか。
  終着の果てで過去が現在に塗り変わる。

  ──なんて、そんな、都合のいい夢は。 ]


  ……、な、んで?
  間に合わない方が、お兄さんにとっては
  関わらずに済んで良いんじゃないの……?

  わたしがかわいそうだから?
  罪悪感があるから?


[ 睨むような目の色で思わず声が萎む。
  間に合うと言いたげな様子を見て、
  疑問符ばかりが頭上に浮かんだ。

  新しい2人で始めたかったわけじゃない。
  昔のわたしたちを無かったことばかりにして
  平気なふりが出来るわたしと、
  平気なふりをさせるあなたなんてものじゃなくて。 ]

 
(*125) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 19:00:01

【赤】 従業員 ルミ

 

[ わたしが一緒にいたかったのは、
  関わらない方が良いような子どもにも笑ってくれて
  冷たい雨から連れ出してくれて
  たくさんのことを教えてくれたお兄さん。

  優しいお兄さんが好きだった。
  同時にひどく憎かったのだと思う。

  あそこでわたしを放って大人になるのなら、
  ずっとなんて無理だと突き放してくれたら。
  ────今この場で言ってくれたなら。

  このどろどろに煮詰まった貴方への愛を
  きっと正しく罪悪として扱えた。
  これは手離したくない愛執で、
  けれど手放さねばならない妄執なのに ]

  
(*126) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 19:00:46

【赤】 従業員 ルミ

 

  た、…たかが10年ちょっとって何よ!
  わたしには永遠に近い時間だったんだから!

  死ぬまでとか、ずっととか、
  そういう……そういうのっ
  いまさら信じろって!?


[ まるで子犬が噛み付くように言葉を返し、
  今度はこちらが彼をき、と睨んだ。
  なんの気の迷いかは知らないが
  少なくとも正気じゃないと叫びかけて、 ]

  
(*127) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 19:01:09

【赤】 従業員 ルミ

 

  ─────────…………っ、


[ 自分で傷付けておいて、傷を勝手に食べて、
  どうして今更そんなことを言うのだ。
  なんとも傲慢な「俺の」という呟きに、
  何故か力が抜けて暴れる気力も失った。

  ──記憶の補完なんて。
  都合のいいことばかり吹き込まれたらどうするのか。
  ずっと、がいつか重荷になる日がくるのに、

  唇を噛んで、錆びた鉄の味を感じながら
  わたしは大きく息を吐いた。 ]

  
(*128) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 19:01:33

【赤】 従業員 ルミ

 

  ………………
  ……………………どういう心変わりか知らないけど…

  死ぬまでの間、ずっとずっと
  他の女を好きになった分だけ腕切ってやるから。
  わたしを捨てようとしたら死んでやるし、
  その言葉を裏切ろうとしただけで気付くし…っ

  ────分かってるの?
  わたしにそうやって捕まったらもう二度と
  普通の人生送れないんだよ。


  
(*129) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 19:02:06

【赤】 従業員 ルミ

 

  お兄さんの痛みも、傷も、
  人生ごと一緒にわたしが食べちゃうんだよ?


[ これが最後通牒だ。
  蜘蛛の毒で目を回していたとしても、
  今ならまだ逃げられる。

  逃げて欲しいのか、逃げて欲しくないのか
  問われてもきっとすぐには答えられない。
  わたしに残ったただひとつの明瞭は
  今なお抱え続ける恋心だけ。** ]

  
(*130) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 19:02:33

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[ふつうだと思っていたが。
もしかすると自分はふつうではない感覚の
持ち主なのかもしれない。

もしかすると最初から。


――――捕まったのはどちら?]
(-45) Ellie 2024/05/10(Fri) 21:39:08

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 自分の傷は自分にしか分からない。
  なのに心の傷は自分だけでは癒せない。

  ずっと消えない傷になりたかった。
  そうすれば彼の中で、彼の人生の中で、
  彼に恋していたわたしが生きてる。 ]


  ……自分の目でって、いわれても、こまる……。

  そんな、
  …………


[ なにが" 困る "?

  願ってもない、自分にとって都合の良い話じゃないか。
  通報もされず突き放されもせずに
  一生かけて彼の傷を抉って生きて行けるなら。

  そのずっとがもしも訪れなければ、
  今度こそ本当に彼のせいだと罪を詰ることが出来るし
  そうする権利も得られるだろう。 ]

 
(*136) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 22:22:36

【赤】 従業員 ルミ

 


  (  わたしは、
     わたしにとって痛い現実が欲しいのか  )


 
(*137) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 22:22:41

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 目を逸らさず言葉を続ける彼になにも言えぬまま、
  ただ呼吸だけを繰り返す。
  何も変わっていない。──そうだろうか。

  あの時無邪気に誓った貴方の痛みの食べ方が、
  正しく優しくそうする方法が。
  分からないままここにいるのに。 ]


  ……お兄さん、変わんないね……。
  ………………。

  ずっと一緒にいるなんて言われたこともないし、
  未来の約束なんか、したこともなかったし
  できないことを言われたことも、ほんとは、ないよ…


[ ライ。
  周りの人が呼んでいるお兄さんの名前。

  同じ呼び方で呼びたくないって嫌だった二文字。
  でも今は、気付けばわたしが、一番最悪な意味を込めて
  お兄さんを嘘つきライって呼んでる。 ]

 
(*138) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 22:22:49

【赤】 従業員 ルミ

 

  ずっとルミって呼ぶって言ってくれたのも
  痛いの食べてくれるって言ってくれたのも。
  嘘になんか、なってない、のに


  ────……ごめんなさい、 お兄さん、


[ 何を謝っているのか、自分にも分からなかった。
  理不尽な理由で傷付けたことなのか。
  信じようともせず嘘つきと詰っていることなのか。

  こんなことをしておいて、
  見捨てられない自信がないから不安がっている。
  愛されることも恋が叶うことも諦めたから、
  不確かな可能性が、まだ続いたことに怯えているだけ。 ]

 
(*139) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 22:22:53

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 


[ かくして。

  日常と同じ色で作り上げられた蟻地獄で
  肉食獣を食べ切れなかった蜘蛛がいっぴき。 ]


 
(-47) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 22:23:05

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 傷付け続ける許可を出すなんて普通じゃない。
  自分がそうしてしまったのか、
  或いは元からそうだったのか。

  分からないなら、この先で知れるだろうか
  ──ほんとうにまだ道があるのなら。 ]


  ……わかった、自分の目で確かめる。
  やっぱ無しとか聞かないから。
  逃げても追い掛けて捕まえて、


  ──────ッ ゎ、


[ もはやお得意になった脅しのような羅列を連ね
  ──ようとして、言葉が止まる。

  突然彼の身体が起こされるのを止められず、
  反動で後ろに倒れそうになったのを堪えると
  見上げた先には貴方がいる。* ]

 
(*140) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 22:26:44

【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ

[1人で痛い想いはさせない。
手首を切る腕はずっと繋いでおく。

いつかそれが離れるのが怖いなら、
糸でぐるぐる巻きにすれば良い。

小指と言わず、ルミが望む場所全てを縛って。

他の誰かとの道うんめいがあったとしても
見えなくさせるだけの力を今の彼女は持っている筈。]
(-49) Ellie 2024/05/10(Fri) 23:01:29

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 物語、は。
  ハッピーエンドのその先がどうなっているのかを
  仕事中にふと考えたことがある。

  たとえば、いじわるな継母たちから離れて
  王子様のもとに嫁いだシンデレラ。
  あのまま彼女たちは不幸などひとつも知らず、至らず、
  生きていくことが出来るだろうか。

  " 恋愛の成就 "で大団円、終幕になるのなら
  その先がどうなっても読者に知るすべはないけれど。

  結ばれて終わるのがおとぎ話の運命ならば。 ]

 
(*145) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:30:56

【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩

 

[ 終わらせない現実がひとつくらいあってもいい。

  運命ふたりの傷で縛って、結んで
  毒のない林檎の甘さに視界を霞ませて
  ────ほかの何も見えないように。 ]


 
(-50) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:31:02

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………ぅん。


[ 忘れてたわけじゃない、と言うのはやめた。
  飲み込んだ罪の味。
  気付かないフリをしていたふたりの過去。

  記憶の残り香が頬を撫でる。
  匂い立つような昔の思い出が部屋に漂う。

  変わったね、と貴方を詰ったこのなかで
  変わらない、と優しいままの貴方を見つめた。
  痛みも恨みも苦しみも煮詰めてしまったその後に
  それでも消えないふたりの今が残っている。 ]

 
(*146) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:31:07

【赤】 従業員 ルミ

 


  ッいきなり起きると、危ない……


[ もうほとんど薬が抜けたらしい。
  油断して転びそうになった背中を支えて貰いながら、
  「ありがとう」と言おうとして。

  呆けたわたしの顔が、貴方の水晶に映り込む。 ]


  ぇ、


[ 唇は赤い。
  おとぎ話の白雪姫よりも真紅に濡れて
  りんごよりも苦くて錆びた味で満ちて。 ]

 
(*147) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:31:12

【赤】 従業員 ルミ

 


  ──────…、


[ 言い終わると同時に奪われていく鉄の味。
  睫毛を震わせ、瞳を瞬かせるのも忘れて瞠ると
  いよいよわたしの思考は現実に追いつかない。

  こいびと。 なる。
  だれの? ────わたしの。
  だれが。 ────お兄さん?


  言ったからには、嘘には、ならない。 ]

 
(*148) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:31:26

【赤】 従業員 ルミ

 



   ────……お兄さんの未来も痛みもずーっと、
   わたしがたーべた。



 
(*149) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:33:14

【赤】 従業員 ルミ

 


  お兄さん、わたしのもの?
  ……もう他の女のところに行かないんだよね?

  ────死ぬまでずっとずっとずっと
  わたしに縛られて生きててね、お兄さん。


[ 笑う。

  痛みを誤魔化すためでもなく、
  無邪気だったあの頃のにおいを連れ立って。** ]

 
(*150) 鬼葉 2024/05/10(Fri) 23:35:38
 




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ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
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rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
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御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa