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【人】 ろぼ先生 夏越 清正いちご。 [桃でもなくりんごでもなく、妻だった人が好きな果物を オリジナルは知っていただろうか。 自分の中の記憶に無い理由を求めて また、ちりりと腹の底が燻った。 ……でも、そんな向ける先のない苛立ちを抱えるより 新しい発見に目を向けよう、と気持ちを切り替え。] じゃあ……じゃあさ、春先に部屋のベランダで イチゴの苗、育ててみない? [イチゴ狩りに出掛けてもいいのだけれど 一緒に日毎に大きくなっていく植物を育てるのも それはそれで楽しいような気がして。 小さな白い花と、可愛い葉っぱが窓辺を明るく 彩ってくれる光景は、きっと見る者の心も ぱっと穏やかにしてくれそうで。] (5) シュレッダー 2021/11/05(Fri) 20:12:20 |
【秘】 ろぼ先生 夏越 清正 → 春野 清華[一緒に初めての事象に触れた。 二人分の視線を一身に浴びた結晶は 照れたようにとろりと溶けて 毛糸の手袋の中へと消えていく。 残ったのは、手を繋いで顔を寄せあった二人だけ。 ─────ほら、こんな出来事ひとつで 男の中にまた幸せな記憶が紡がれる。] (-2) シュレッダー 2021/11/05(Fri) 20:17:13 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正[築年数分の歴史を感じさせる建物は それでも入ればほっこりと温かい。 コートやマフラーをハンガーにかけつつ 冷えた指先を擦り合わせながら 部屋に設えられた炬燵に潜り込む。] 積もっちゃったら、どこも行けなくなっちゃうかな。 [何も無い、のんびり温泉に浸かって 気分をすっきりさせる旅というのもまた乙だけど。 しかし二人きり、炬燵に向かい合ってしまうと 家にいるのとあまり変わらない。 それがおかしくて、また笑う。] (6) シュレッダー 2021/11/05(Fri) 20:24:05 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正清華、あの、ね……。 [冷えた身体がじんわりと暖まってくるのとともに この旅の中、ずっと言いたかったことが 心の奥からじわり、じわりと溶け出されてくる。 男は少し炬燵の中でみじろぎして、口を開く。] 例えば、さ。 今日見たねぶたが、旅行のパンフで見たより オリジナルが社会の勉強で把握してたものより ずっと大きくて綺麗だってびっくりしたんだ。 ……これが、本当の意味で「知る」ってことなのかな。 [人伝や、自分で想像するだけじゃなく 実際にそこに行って目で見て、触れて始めて 本当の意味で「知る」のではないか。 男はそう考えている。 ─────だから、つまり。] (7) シュレッダー 2021/11/05(Fri) 20:37:57 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正だから、ね。 清華が僕に色々聞いてくれたり 僕の質問に答えてくれたのが 今更、すっごく、嬉しくって。 [手を伸ばせばコートの中じゃなくても その手と指をからめることは出来ただろうか。 出来るなら、触れたい。 この想いがちゃんと伝わっているかどうか 確かめてみたいと思ってしまったのだ。]* (8) シュレッダー 2021/11/05(Fri) 20:41:40 |
【独】 ろぼ先生 夏越 清正[懸念はいつだって男の心の片隅にあった。 自分の姿かたちが、そのつもりはなくても 清華を傷付け苦しめてしまってやしないか。 いつだか、顔に触れようとしただけで 強ばってしまった小さな体を思い出す。 それでも、そばにいるのを許されるだけで 本当に幸せだと思えていた。] (-5) シュレッダー 2021/11/07(Sun) 10:39:57 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正……そう言ってもらえて、 なんだか生まれてから一番嬉しいや。 [マグカップより、新しい発見より この先一生ものの「居場所」ができたのが嬉しくて 心臓を持たない胸の奥が、とくん、と脈打つよう。 嬉しさのあまり、身を乗り出して 今すぐぎゅっと抱き締めたい。 でも、ちょっと炬燵が邪魔だから 男はもう一度、清華に聞く。] …………ねえ、キスをしてもいいかな。 [したいんだ、って照れ臭そうに笑いながら きちんと意志の確認を。] (14) シュレッダー 2021/11/07(Sun) 10:50:34 |
【秘】 ろぼ先生 夏越 清正 → 春野 清華[きっと、触れた唇は暖かい。 緩く絡ませた舌も、漏れていく呼気も。 ふと、男は思う。 それでももっと、深く君が知りたい、なんて言ったら 嫌われてしまいやしないだろうか、って。 口を開こうとして、止めて。] (-6) シュレッダー 2021/11/07(Sun) 10:54:46 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正あの、 [男が言い出そうとした矢先、そっと襖が開いて 中居さんが夕食の用意ができた旨を伝えに来て 男はそっと口を噤んだ。 また大振りの海の幸や、 念願の巨大もやしがたっぷり入った鍋料理が 部屋の中に運ばれてくるのを見守りつつ さて、いつ言い出そう。]* (15) シュレッダー 2021/11/07(Sun) 10:57:22 |
【秘】 春野 清華 → ろぼ先生 夏越 清正あのね、私だってね。 あなたのこと、たくさん知りたいのよ。 ───そう、言ったでしょう。 (-7) ななと 2021/11/08(Mon) 22:45:40 |
【独】 ろぼ先生 夏越 清正/* 嬉しくてつい挟まっちゃったの、ごめんなさい……! いいえお疲れ様です。 お返事遅くなるので、充分お休みくださいね。 今回は本当にこの機会をくださってありがとう。 (-10) シュレッダー 2021/11/08(Mon) 22:49:08 |
【赤】 なごっち 夏越 清正 言葉の代わりに拳を振り上げ、 伝わらない苛立ちを募らせて。 そうして泣く清華を見てやっと怒りが収まり 代わりにじわじわと後悔の念が湧いてくる。 じゃあ、僕はどうすれば良かったのだろう。 どうすれば清華の心を繋ぎ止めて この先も一緒にいられるのだろう。 寂しさと情けなさに気が狂いそうになる。 ごめんね、ごめんね、と清華の肩を抱いて泣いて そうしながら考えた。 (*0) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 0:32:42 |
【赤】 なごっち 夏越 清正 こんなの、都合のいい妄想だけど…… 「僕」のままじゃ、きっと駄目なんだ。 魂を洗い流して、全く別な存在として 生まれ変わるのなら…… もうそれは「僕」ではないのかもしれないけれど 少なくとも、「僕ら」が描いた夢の続きは そこで見られるのかもしれないって。 僕には、ここから君の夢の続きを見るのに どうする「べき」か分からないから。 (*1) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 0:42:33 |
【赤】 なごっち 夏越 清正 でも、もしそんな都合のいい「もしも」があったなら その時は泣いたり怯えたりしない、 いつも笑顔の清華の隣にいたい。 ひとりの、彼女の幸せを願うものとして。 (*2) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 0:45:16 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正[しゃくしゃく、普通のもやしよりもどちらかといえば えのきに近い食感のそれを楽しみつつ ふと顔を上げれば清華が男を見つめている。 あんかけ揚出し豆腐を摘んでいた箸の先が ふるりとわななく。] ……いいの? [さっきの中居さんが来た時に言いかけた言葉の先、 少し戸惑うように尋ね返そうとして、躊躇う。 多分、食事中に言うことじゃない。 だから、この場ではそっとはにかんでみせて こう伝えたい。] (22) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 0:52:57 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正そしたら……どうか、この先の清華の人生を 僕と一緒に歩んでほしい。 君が老いる時も、病める時も、 僕は必ずそばにいるから。 [まだその関係に名前がついていなくてもいい。 ご飯を食べ終わって温泉に入った後 「一緒に寝たい」と申し出て、 雪の降る静かな宿の一室で体温を分かちあって 夜を共にすることを許されたり、 一緒に暮らす家に自分のお気に入りのマグカップを 置かせてもらったり、 清華の作る料理に、ふわっと表情を綻ばせたり。] (23) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 1:03:41 |
【人】 ろぼ先生 夏越 清正[そうやって、僕らのちょうどいい形を探していく。 そんな、当たり前の話の出発地点にようやく立てた。 今日という日は、そんな特別な1ページ。]** (24) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 1:05:49 |
【独】 ろぼ先生 夏越 清正/* ろぼくんとしても、きよくんとしても、 どっちもひとところに落ち着けようと思い、 最後の最後にいっぱい出してしまいました。 こちらこそ本当にありがとう! (-12) シュレッダー 2021/11/09(Tue) 1:06:52 |
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