人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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視点:


【秘】 園芸 ハナサキ → 演劇 アクタ

/* すいませんハナサキPLですが、更新20分程前のギリギリに結託の投票決めてしまって連絡遅れました…!
もしかしたら他の投票した方から連絡行ってたかもしれないですが、こちらからもするべきだったと思い連絡しています。
結果が出てからになってしまい本当に申し訳ないです……
(-5) shionsou 2022/03/01(Tue) 21:44:25

【秘】 演劇 アクタ → 園芸 ハナサキ

/* あ!そうだったんですね……!?
此方PCはこんな感じですが
PLは生きても死んでも楽しいので大丈夫です!
どうか気に病まれないようになさってください!
これからもハナサキPL様の良い裁判ライフを祈っております!
(-6) osatou 2022/03/01(Tue) 21:53:44

【秘】 園芸 ハナサキ → 演劇 アクタ

/* ありがとうございます!なら安心です!
残りの期間もご縁あればよろしくお願いしますね!
アクタさんカワイイネ……
(-10) shionsou 2022/03/01(Tue) 22:02:35

【秘】 普通 ナツメ → 演劇 アクタ

/*
こんばんは!死にたくないです!!

薬局の流れ、最終的にはエノさんをアクタくんに運んでもらおうかなと考えてたのですが、
場の流れと焦りで結果こうなり……横入りした形になり、非常に申し訳なく……すみません……。
ここからどうしよう!?とちょっと混乱中なので、一度相談したくて、ご連絡しました……
(-16) 榛 2022/03/01(Tue) 22:40:57

【秘】 演劇 アクタ → 普通 ナツメ

/* お気遣いありがとうございます!綺麗な臓器です!
そうだったんですね……此方は横入りだなんて思ってませんし、ナツメちゃんが来てくれて嬉しかったです!特に問題ありませんので
引き続きエノくんを介抱してあげて下さい〜……と思っていますが
そちらに向かう事も可能だと思います!何でも対応できます!
死にたくない様のお好きなようになさって欲しいです……!
(-20) osatou 2022/03/01(Tue) 23:21:22

【秘】 普通 ナツメ → 演劇 アクタ

/*
ああ〜〜〜〜っっお優しい ありがとう 後光…

急に引っ掻き回してしまって綺麗な臓器さん困ってたりしないかな…と、
死にたくないはあわあわしていたので、お困りでなければ大丈夫です…!
(何かあったら遠慮なくおっしゃってくださいね…)

P.S.アクタくんが吊られてかなりこころが苦しくなっています
(-23) 榛 2022/03/01(Tue) 23:46:52

【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 演劇 アクタ

「月? ……ああこれ月なんだ、気付かなかった」

 左上から左下、視線が落ちる。水面の白は空の天体の光。

「朝日に見えたんだが、よく見たら夕日?となり。
 どっちなんだろうとなったのだった」

 なったのだった。先程の反応とあわせると、彼は朝日に良い印象がないらしい。

「夕方なら、この船は家に帰るところ?
 家って言うか、船の倉庫みたいな……あ、タイトル長」

 PLがここで正式名称を見ました。解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号。長いな。

「タイトルから先に見てたら、最初から夕日に見えてたかも」

 夕方の方が終わりに向かう印象があるので。
(-26) 66111 2022/03/01(Tue) 23:57:15

【秘】 演劇 アクタ → 普通 ナツメ

/* 村は一度きり!やりたい事やりましょう〜!
ナツメちゃんに何が起こっていたのかは存じませんので
好きにして下さるのが私としても嬉しいです〜
また何か気になる事がありましたらお声掛けください!対応させていただきます!
これからもナツメPL様の良い裁判ライフを祈っております〜!
(-28) osatou 2022/03/02(Wed) 0:11:44

【秘】 普通 ナツメ → 演劇 アクタ

/*
はい!お返事ありがとうございました、お騒がせしました…!
よりよい裁判ライフのため邁進してまいります…。ありがとうございました!
(-30) 榛 2022/03/02(Wed) 0:26:47

【墓】 演劇 アクタ

>>@2 薬局


───暫く。
タオルの布地を湿らせて、
声を殺して、
泣いていた。


それから、ゆらりと立ち上がって
少女の遺体をなんとかストレッチャーに乗せて
運ぼうか、としたところ。

薄暗い局内。
錯乱する薬。
濡れた赤はそろそろ鉄錆へと変わる。

──エノは、ちゃんと手当てしてもらってるだろうか。
──ヒメノの体、すっかり冷たいな。

「……今、何考えてるって?」

何を、と真意を問いかけて
はっとスマホ端末を取り出し、画面を確認。
(+11) osatou 2022/03/02(Wed) 8:03:38
アクタは、………、
(c10) osatou 2022/03/02(Wed) 8:03:45

【墓】 演劇 アクタ


「はッ……はあ!?
 この僕がッ……なんで、」
「なんで、死ななきゃいけないんだよ!!?」

「ふざけるなよッ!
 あの嘘吐き野郎、やっぱり信用出来ないじゃないか!」
「ほ、他、い、入れやがった奴ら、全員……、」

「ゆ、許さない………!」




───少し前の自分なら。
そうして八つ当たりして、取り乱していたかもしれない。

けれど、今。
W考えていることWは、
(+12) osatou 2022/03/02(Wed) 8:04:08
アクタは、「コタロー、……」
(c11) osatou 2022/03/02(Wed) 8:04:17

アクタは、「書かなきゃ」
(c12) osatou 2022/03/02(Wed) 8:04:27

【墓】 演劇 アクタ


ここで得た経験、感情、死。誰かの思い。
全て抱えたまま、何もせずに死にたくない。
……遺さなきゃ。


「……運んだら、寮に戻る。書く。
 時間、ぜんぜん足りないからな。」

まだまだ実績もない癖に
男の心は、確かに舞台馬鹿だった。

体のバツ印も探さないまま、
タオルを放り投げて、薬局を後にする。


──そうして、残されたひとつの遺体は
きちんと彼女の部屋に運び込まれたのだった。
(+13) osatou 2022/03/02(Wed) 8:06:34

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

合議の最中、あなたの姿が見えずに端末をみる。
なにかが起きている、だが、わからない。

男は仕方がないとはいえ嘘になってしまったことを、知らせたかった。
謝罪はするか、わからないけれど。

『アクタさん
 君が見て、知ってる、ここで起きたことを教えてくれませんか』

『俺は君のためにも、俺自身のためにも
 やりたいと思ったことをやります。
 投票の理由も教えます。

 でも、メッセージよりも
 会えなければ、音声で、
 声を聞いてやり取りをしたいです。
 時間が空いたら連絡してください』
(-63) toumi_ 2022/03/02(Wed) 8:14:59

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


位置情報を確認するならば、アクタという男は寮から動く様子がないと分かるだろう。


そうして、君がメッセージを送信して暫くした後。

君の端末に、数字の羅列だけが送られてくる。
男の
寮の部屋番号
だ。


君のメッセージに対する肯定であり、
手が離せないからお前が来い、との意図だが
いかんせん、分かり辛いかもしれない。


君が男の部屋を訪ねるならば
鍵は掛かっておらず、簡単に立ち入る事が出来る。

初期配置から変化のない家具達は、大量の紙束に埋もれていて
足の踏み場は無いかもしれない。
(-89) osatou 2022/03/02(Wed) 13:28:48

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

示された番号を眺めてから足を向ける。
フカワは画面から誰がいるのかを確認できても本人から聞くことが常だった。

扉をノックして、さて。返事はあっただろうか。
少し悩んだあとに開けば、

「お邪魔します……」


と、部屋に吸い込まれそうなほどか細い声を響かせる。

「……あの、
肉まんと餡まんどっちの気分ですか……?


ばらまかれている紙を踏まないように一枚一枚拾いつつ、貴方の元へと向かっていった。
(-90) toumi_ 2022/03/02(Wed) 13:41:08

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


ノックの音。返事は、ん、とか、その程度。
君が立ち入ることを、拒みはしない。
代わりに、そちらに目を向ける事もない──紙に、物語を書き殴っている──筈だったが、


「何でそうなるんだ?」


突然の肉まん餡まん。
ばっと顔を上げ、不思議そうに君を見る。

「えっと……今は餡まん、かな?
 手土産のつもりか……?」

ぱち、ぱち、と瞬きをしつつ
紙束をばさばさ退かしたのち、ベッドに君が座るスペースを作ってやった。

自分は備え付けの椅子にかけたまま
君の話を聞こう、と。作業の手を止めた。
(-94) osatou 2022/03/02(Wed) 13:57:12

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「手土産のつもりです、
 なんだかずっといるみたいだったので……。

 ええと、聞きたいことが一つと
 言いたいことが一つ。
 ……今何が起きているかわかりますか……?
 実は一日中部屋から出れなくて、いつの間にかヒメノさんは見えなくなっているし、エノさんは怪我をしたらしいそうで何が何やらなんです。

 それと、
アクタさんに票を入れました……いれる理由がないと言ったあとにすみません……殴られるの覚悟できています


本題は現状を知っているかと、あなたに票をいれたことらしい。簡潔に告げれば示されたところに座って、手元の紙をみる、いったい何を書いているのだろう。

「……手は、止めなくても、あ、いや。
 甘いもので……休んでください。
 書き物をするときは、集中しすぎると倒れると言いますから」

どうぞ……と差し出したのはほかほかした餡まん。
コンビニの袋ではなくてなんだか紙袋に入っていて、少し高そうな雰囲気で甘い香りが漂うだろう。
出した、というよりは買ってきた、雰囲気がある。0円で。
(-99) toumi_ 2022/03/02(Wed) 14:38:38

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


エノ。ヒメノ。
その名を聞けば、ああ、とひとつ息を吐いて
椅子にかけたまま胡座を描く。

温かい餡饅を受け取れば、
特に何も言わずに一口齧り付いた。
……今は細かいことに気が回らなさそうだ。


「……僕達も、駆け付けた時にはもう遅くて。
 えと……誰かが薬局を建てたらしいんだけど
 そこでエノとヒメノが、こ、こ……
殺し合い
を、してて……、」

手中から、ペンが落ちる──そのまま、紙が散らばる床へ。
思い返すだけでも、齢17の男の手は震えてしまう。

「エノは、何とか……ユスとナツメさん、が
 医務室に運んでくれた、筈。でも、ヒメノは……、」

──首を横に振る。
ぐ、と握り込んだ拳が、
餡饅の中身をせり上がらせて──咄嗟に力を緩めた。


「……ぐらいしか。僕も、詳しくは。」

分からないのだ、と。
力無く俯いて、再び餡饅に齧り付く。
(-124) osatou 2022/03/02(Wed) 18:33:26

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


君の手元──部屋中に散らかった紙は、
文章をよく読むならば、何かの物語らしい事が分かる。


 ──丸が付いた下に、場面の設計。
 ──シーンや人物の細かい動作。
 ──台詞。続くト書き。

何枚か手に取れば、
それが舞台の脚本だと察せるかもしれない。


「あー、そうだな。
 お前投票しやがったよな、僕に。」

餡饅をさっさと平らげて
紙袋をぐしゃりと丸めれば、床に放り投げる。

「……なんで?」

椅子から腰を上げて、君の隣へ。
紙束の上にも関わらず座り込んで、近い距離で君を見上げた。

問いかけは、随分と落ち着いた声色だ。
(-125) osatou 2022/03/02(Wed) 18:34:41

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ

「はは、」

齧っておいて良かった、美術。

こうして君に格好付けられただけで、
脳の容量に価値が生まれた瞬間だった。


「先入観無しで見るのも楽しいだろ。
 お前が最初にそう見えたなら、その絵は朝なんだよ。
 朝、家出るとこかもな、なんてさ。」

芸術は、心で楽しむものだと。
何かで見たような、気がする。

「もしくは、朝でも夕でもないんじゃないか。
 作者の頭の中にしかない時間帯……とかな。」

訳も分からず涙を流したり、笑ったり。
心が揺れるのに、理由なんていらない。

人のそんな表情を見るのが好きで、
自分だって舞台芸術を志している。
 ──つまり、これは芸術家気取り、だ。


「自由で良いんだ、芸術は。
 ……ほら、こんなぐちゃぐちゃの油絵ですら評価されるんだぞ。」

適当なぐちゃぐちゃの絵を指差した。
美術家に失礼だ。
(-126) osatou 2022/03/02(Wed) 18:54:14

【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 演劇 アクタ

「ん、ん、ん〜〜〜〜〜」

「言ってることは分かる。
 見ての印象からで考えるのは確かにたのしい」

 ん〜〜〜〜ともう少し微妙な顔で意味のない音を漏らすのが続く。嫌いなものから始まった話でなければ素直に肯定できたのだけど。

「最初は朝に見えたけど、朝の絵ならこの絵は嫌い」

「嫌いなものが多いよりも好きなものが多い方がハッピーだから、
 俺はこの絵を朝の絵ではないと思うことにします。
 本当に最初の最初だけ朝の絵だったんだ」

 いー、の口にジト目でイヤを表現した。ワガママの聞かん坊をプレイ。朝、そんなに嫌いなんですね。

「朝日じゃないならとても好きだと思える。
 アクタお兄さんの言うように、朝でも夕方でもないかも
 というのはいいかもしれない。
 現実のどこの時間にもないときの空だ」

「芸術が自由なら、こうやって言うのも自由でいいんだろ?」

 話す内に、不機嫌顔から段々とたのしそうな表情になっていく。彼は朝は嫌いだが、自由と君の事は好き。

 そんな好きな君のさしたぐちゃぐちゃの絵が、彼には<<カイ>>allwhoに見えた。

(-152) 66111 2022/03/02(Wed) 21:28:57

【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 演劇 アクタ

「なんかこの辺に数河お兄さんっぽいのいない?」

 ぐちゃぐちゃの一部が髪と眼鏡に見えた。
(-153) 66111 2022/03/02(Wed) 21:32:08

【秘】 剣道 ツルギ → 演劇 アクタ

君に送信されたのは簡素なテキストだった。詳しい経緯までは知らなかったけど、どんな結果だったのかは聞いていたから。最初に気遣うような言葉が入る。

『アクタ、今大丈夫か?
 まずはお疲れ。ユスから少し話は聞いた。』

君が最多投票だったことも知っている。だけどそんなこと君がよく知っているだろうし。
だから用件だけを。

『ヒメノどこに寝かせてるか教えて。あいつと話したいことあってさ。』
(-166) wazakideath 2022/03/02(Wed) 22:52:06

【秘】 演劇 アクタ → 剣道 ツルギ


暫く間を置いて。

君の端末か、脳内か、はたまた別の何かか。
それに、簡素なメッセージだけが届く。

決して君を避けているとか、蔑ろにしている訳ではなく。
男は脚本を書き上げる事に、使える時間を全て使っているだけだ。



『あいつの部屋』


続いて、数字の羅列。部屋番号だ。

そこを訪ねるならば、まるで寝ているだけみたいに
ベッドへ運ばれたヒメノの遺体があるだろう。

最も。
男が運び込んだままの状態で居るならば、だが。
(-172) osatou 2022/03/02(Wed) 23:45:51

【墓】 演劇 アクタ


合議の間。夜のこと。

ヒメノの息が止まった後、
彼女へと割り当てられた寮の自室を探し出し、そこへ運び込んだ。

ストレッチャーから優しく布団へ寝かせて
まるで眠っているかのように少女を扱って
割れた爪を、抉れて冷えたその手を一度だけ握りしめて。

……何も言えない男は
その部屋を立ち去っただろう。
(+21) osatou 2022/03/02(Wed) 23:46:34

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「十分、詳しいですよ。
 ありがとうございます」

淡々と返しているが眉は下がりあなたを心配そうにみる瞳は変わらない。
そんなに怖がっているのだ目の前での彼らは大変だったのだろう、自分がいないまに、そして、

「……お疲れ様です
 ほ、褒められ、ましたか? アクタさん。
 俺からも、言わせてください。
 二人を、診てくれてありがとうございます。
 すごく偉いです、それと……

 かっこいいです」

弟と妹がいるその男の手は無闇にあなたを撫でようとした。
避けられもするしはねのけもする、わざわざ大袈裟に聞こえるもの良いも、なんだか初日よりもスムーズな言葉選びになっているような。

「でもそのあとに、こんなに台本を書いてるなんて一体なにが……あ、はい」

手は不自然な位置でとまった。
(-176) toumi_ 2022/03/03(Thu) 0:53:55

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「票をいれた理由は、
 俺に生き残る理由ができました。

 もう少しちゃんというと生死ではなく……
 票をいれる権利を持ち続けること、です。

 それで、やりたいことをします。
 頼まれたことを、やります。

 そして。
 ……最後まで選ばれずに。
 君のかわりに臓器を差し出そうとおもいます。
 うまくいくかわからないんですけど、ね?」

「はっきり教えるとナツメさんに票をいれないつもりで、ハナサキさんに協力をしています」

「……怒りました?」

見下ろしているはずなのに弱々しくて、それでもはっきりした声音で。
合議のときよりもよっぽど情けなく、その漆黒はあなたの瞳をしっかりと見つめた。
(-177) toumi_ 2022/03/03(Thu) 0:54:10

【秘】 剣道 ツルギ → 演劇 アクタ

『わかった。
 必要な物とか、人手が必要なら言ってくれ。』

君らしくない短い返答に、何か取込み中なのかな、と。
何をしているかは予想がつかないけど、それだけ思った。

『返信不要。』

だから、最後に付け加えておく。
(-191) wazakideath 2022/03/03(Thu) 11:02:30

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ

ひとしきり泣いたから
もう涙は枯れたものだと思っていたけれど。

君の視線。言葉。伸びる手。
それらは確かに自分に向けられていて
……なんだか、凄く、嬉しかった。

ぐっ、と頭を上げれば
君の不自然な手は、正しくW撫でるW行為と成った。


そうして、君の手の温もりを享受しながら
君から紡がれる言葉を聞く。

「………ふゥん。
 それ、本気なんだ。」

W君の代わりに臓器を差し出すWとの言葉。
今ばかりは君の言葉にも、信頼を置けた。

「僕、別にお前を責めるつもりなかったんだ。
 その方がお前にとって後味悪そうだから……嫌がらせのつもり!
 だから……お前が僕の元に来ても、笑ってやろうと思ってたんだけど、」

近い距離。君を見上げたまま。
──びし、と君の額にデコピンを。

「気が変わった!怒る!
 そういうのはもっと早く言え、バカ。」
(-216) osatou 2022/03/03(Thu) 13:15:55

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「ちゃんとやれよ。」

何を、とも。どう、とも。聞かないけれど。

「投げ出すなよ。」

男は態度が最悪なだけで
誰のことも、嫌いなんかじゃない。
だから、今君に向ける表情は、笑顔で間違っていない筈だ。


「あーあ、でも
 上手くいくか分かんないなら
 やっぱ今のうちに書かなきゃいけないな。」

ふい、と視線を逸らして、君に寄せた分の距離を、また開けば、
踏み潰した紙をひとつ手に取って、君へ見せ付ける。

「この数日──この合議を題材にした、舞台の脚本。
 何も生み出さずに、死んでたまるかよ。」


死に触れて、絶望感を味わって、男の心を支配したのは、怒りや悲しみではなく、創作意欲だった。

「お前の設定、
 変えなきゃいけないな。」

にーっと笑って、
君を見上げてやった。
(-217) osatou 2022/03/03(Thu) 13:18:03

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「……本気です。
 こんな面倒な自己犠牲もないでしょう」

「俺は君に何を言われても後味は悪くないですが……
 悲しんだり、苦しんでいると、嫌だったかもしれません。

 あと」

「怪我をするのは見ていられなかったと思います。」

「いたっ」


「……ごめん、なさい。
 俺、恨まれて良いだとか。理解されなくて良いのだとか。
 君の中で悪役で残ろうとしていたんだと思います」

「それって、ずるいですよね」

自分のことを他人のおかげで理解できる。
本当にそんな人間なのだ、この男は。
誰かの為に動こうとしてそんな人間だったことに気付く。

「やりますよ、例え思い通りにならなくても。
 ひどくて、デリカシーのないと言われた男が。
 方法を選ばないわけないじゃないですか」

之で納得されてしまえば、嫌な信頼だろう。
男は良い人間ではないのだ。
(-222) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:52:53

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「台本描くんですか、俺の設定難しそうですね。
 ……見たままで、良いと思いますが……。

 でも、一人の女性を生かしたくて、
 君がこの先も舞台に立つことを祈ってることは
 本当、です……ね?
 そう思ったようになったのが、
 すべて周りの声とあなたの行動でした」

「そう思ったら、俺は君のことを思ったよりも好いているのかもしれないですね。俺好きな人って言われてすぐにおもいつかなかったんですけど」

殺したい人と理解したい人ならいるんですが。
この言葉は綴られなかった。


「手を煩わせるような、
 嫌な奴ですみません」

その笑顔に不器用に笑い返した。
(-223) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:54:48

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「ツルギさんがはじめに、いってたこと。
 自分を説得したら、命をあげるって言ってた奴です。

 ……誰かは"死んで"、誰かは"生かされる"。
 そんな場所だと思いませんか。

 死んでいい人を決めるだとか
 生きて欲しいひとを決めるだとか。
 そんなの話し合いで決められるわけ無くて……だって皆それぞれ個人の値段って違ったんです。

 だから、エゴの押し付け合いになるんだなって、思いました」
(-225) toumi_ 2022/03/03(Thu) 14:55:39

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ

   ──『口を開く度にあなたを傷つけることになるのは』
  ──『気になるみたいなので、気を付けようと思います』


先日君から届いたメッセージを思い出して
前からそんな事を言っていたな、と。

「別に僕が悲しんでも、苦しんでも、
 傷付いても怪我しても……死んでも、お前に関係ないのにな?」

純粋な、疑問。尋ねなければ分からないので、
分かりたくて、もう一度、君へ身を寄せた。

「もっとさァ、僕より優しい……てか、印象良い奴居るだろ。」

一度は君を嫌いだと、死を望んだ相手だ。
謝罪したとは言え、
君が己を賭す程の価値が自分には無いと認識している。
……これもまた、互いのW分かり合えない部分Wなのだろうか。


「ずるいこた無いよ。
 相手の中に愛を残したいか、傷を残したいか……そんな細やかな違いのさ
 
W好きWって気持ち
なんじゃない?」

そう例えれば、まるで舞台で吐く情熱的な告白みたいだ、と
揶揄って見上げて、意地悪く笑ってやった。

「僕、嫌いな奴のこと考えないタイプ。
 好きなモノで頭埋めたいじゃん。残念だったな。」
(-259) osatou 2022/03/03(Thu) 19:58:06

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「やれよ、」


「がむしゃらになって
 誰に酷いと言われても、」

「デリカシーなんて欠片も考えずに
 面倒なぐらいめちゃくちゃやる奴の方が好きだ。」

一言、一言。
まっすぐ、確と君に向けて。

「……僕はな!」



舞台の螺子を巻くように
物語を紡ぐことが何より好きな男は
そういう、自分にない物を持った人間が好きだ。

ある種の信頼。期待。
それから、男なりの、君への応援だった。

──この言葉だけは、裏切ってくれるな。
(-260) osatou 2022/03/03(Thu) 19:58:54

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


ここまで言い切れば
腰を上げて立ち上がり、元の椅子へ腰掛けに行く。
──ぎ、と
軋む音を鳴らして、椅子は自重を支える。


「……さァ、僕は
 エゴとか値段とか、分かんない。」

Wそんな場所Wとは
あの議論の場のことを指すのだろうか。

「僕は怖いよ、
 そんなに達観してるお前が。」



がり、がり、
音を立てて、WフカワWと付いた台詞、設定、ト書き全てに射線を引いた。

「お前のせいで、今から
 ここの紙束ぜーんぶゴミ。」
(-261) osatou 2022/03/03(Thu) 20:00:00

【秘】 演劇 アクタ → 剣道 ツルギ



画面の向こう側。

光る画面──届いたメッセージを見れば、
君からの気遣いが嬉しくて、温かくて。


「……腹減ったら
 パシってやろっと。」


ふ、と、穏やかに微笑んでから
メッセージを返す事なく、また紙に向き合った。

(-262) osatou 2022/03/03(Thu) 20:04:53

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


子供らしく、等身大にいじける君を
は、と笑いながら眺めていた。

「それ、良いな。
 W最初だけ朝だった絵W──って
 まるで閉じ込められた額縁の中の時間が
 しっかり動いてるみたいでさ。」

どこにも無くて、どの時間帯でもなく
それでいて、自由に時を過ごす絵。

わがままな君の為に、
この絵はたった今から、そのように成りました。


「朝そんな弱いのか?」

嫌いそうなので、
あんまりにも寝起きが悪いのかと思った。

(-263) osatou 2022/03/03(Thu) 20:20:45

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


「数河……あのメガネか?」

87%ぐらい、同意した。
ぐちゃぐちゃで凸凹のある油絵、そのように見えても見えなくても、不自然ではない……かも。きっと。多分。恐らく。
(-264) osatou 2022/03/03(Thu) 20:21:16

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「関係ないのに、ですね?
 すみません、あの……わからないんです、ただ。
 ただ、気に入ったっていうのが。あ、メイサイさんが。
 推しって言葉を教えてくれました、多分そんな感じです」

これが、
"好き"っていう気持ち
だとしたら、多くの人に抱いた感情は興味や哀れみ、綺麗なものではなかったような、もっとドロドロしたものだ。
こうして気づけて良かったと思うと同時に、この先どうなろうと目の前の好きな人の未来は見れないのだなと、寂しく思った。

「そうですか、それでよかった」

これは、悪い考えだ。
今言われたとおり、相手の瑕になってしまった方がちょっとスカッとする。愛だって、傷だって与えて、欲張りになっちまおう、そんな話。


「……、っ」

あ、後もう少し待って欲しい。

軋む椅子をみてふっと力が抜けて、あなたを撫でていた手を見て、
ぼろりと一つ涙が零れた。

良かった、きっと、見られていない。
(-275) toumi_ 2022/03/03(Thu) 21:35:03

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「ええ、俺も、」

わかるはずがない、値段なんて。正直つけられていない。
だけど意地をはって、命を安くないことにしようとして。

自分が。

「わからなくて、怖いです」
「大人だから、ですかね。ちょっとだけくたびれてます、から」

怖いんだ、生きていられないことが。
生きることを望まれていないことが。
それでも、この命を誰かの為に使えるのなら、何だってしたい。
それが本当にやりたいことになっただけ。

「また何度書き直すことになる、んでしょう、ね?
 頑張って、ください。読むの楽しみにしています。
 完成するのがずっと先になっても、楽しみにしています。
 そろそろ、邪魔になってしまいそうなので、出て行きますね
 ……ご飯とかお茶とか、気休めでも取ってください。

 俺も、そろそろ。
 ケーキでも食べて休憩しようと思っていたんです。
 いいでしょう?」

おかしな自慢をしながら、目元を拭って立ち上がった。
扉の方を見て、一度深呼吸をする。
声は震えなかったはずだ、だから、大丈夫。
(-276) toumi_ 2022/03/03(Thu) 21:36:19

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ

ああ、とか。うん、とか。
ささやかな自慢に「なんだそれ」と苦笑して。
軽い相槌を返して、君を見送ろうとして。

「………、」


 ───君の声が滲んだ気がして。
 ───君の瞳が、揺れた気がして。


「、待って」

そんな風に感じた事すら、
君を引き留める口実が欲しかっただけなのかも。




「───待ってッ!」


がたん!
椅子を倒して立ち上がれば、足早に駆けて君の腕を掴む。
(-293) osatou 2022/03/03(Thu) 22:41:47

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


部屋の紙束をひっくり返しながら
扉へ向かわせまいと、腕を強く掴む。

「その、……」

このまま君を見送ってはいけないような気がして
我ながら驚き、ぱちぱちと瞬き。

 何か聞こうとして、
      
何がWそれで良かったWのか。

 何か言おうとして、
      
何が怖いのか。



「………ぼっ、
 僕にもケーキ、寄越せ……!」


男は力が強い方では無い。
君が本気で振り解き、抵抗すれば、この部屋を出る事は可能かもしれない。
(-295) osatou 2022/03/03(Thu) 22:53:27

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「……、フルーツタルト好きなんですよ。
 花みたいにきれいに飾ってあるやつ」

「意外ですか? 誰にもいったことありません。
 親にも、妹弟にも、だって。
 誕生日ケーキはイチゴが乗ってる白いやつ。
 みんなが好きだからそれにする日なんです」


思い出すように笑って。
好きなケーキじゃないのに手作りだから、文句も言えなくて、やっぱり嬉しくて。
わがままなんて言えないし、愛はやっぱりそこにあって。

「原稿かく邪魔になりますよ、俺……。
 君という人間が前に進む妨げでしかありません。
 だって、今」

地面を濡らしたのは自分の涙で。
散らばってる紙にシミを作った。
謝罪の言葉よりも出てくるのは、嗚咽になって。

伸ばされたその手に腕を捕まれ、反動と共に身体は止まった。
(-298) toumi_ 2022/03/03(Thu) 23:51:32

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「今、許されたら、余計なこと言いそうなんです。

 だから、手を、離さないというなら。
 ケーキ黙って食べるか、……耳塞ぐか聞かなかったことに、してください」

弱々しく、今度こそ声を震わせれば。
ここではじめて涙をこぼし続け、辛いという感情を自覚した胸の痛みに耐えるのだ。
(-299) toumi_ 2022/03/03(Thu) 23:54:50

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


笑って、それから涙をこぼす君を
手離す選択肢は、ひとまず男には無いらしい。
──ぎゅ、と、掴む手に力が入る。

「えと、僕は……どっちも好き、かな。
 華やかなタルトも、素朴なショートケーキも。」

ぽつり、ぽつりと律儀に言葉を返せば
少しずつ、冷静さが取り戻されてきて。



「……分からないなら、一緒に考えよう。
 草臥れてるなら、ちょっと休んで
 怖いなら……隣に居てやるから。」

自分がそんな気分のときは、誰かにそうして貰いたいから。
涙の理由を、聞いて欲しいから。知って貰いたいから。

だから男は、目の前の君にそうするのだ。
自分が後悔しない為にも、この手を離さない。


「そんな顔で出てかれる方が、気になるんだよ。」

……床に散らばるゴミ達が濡れていく。
構わない。たった先程から、君のせいで廃棄物に格下げされたのだから。
(-300) osatou 2022/03/04(Fri) 0:24:11

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「僕が聞きたいんだよ。」

腕を引いて、またベッドへと招く。
君が腰を下ろすまで、根気強く。

「余計なことばっか言ってるだろ、お前、普段。
 ……今更気にすんなって。」

黙って食べてやる気も、
聞かなかったふりもしない。

自分達は、分かり合えない者同士だとしても
知らないふりだけはしたくない。



「涙の訳を、聞かせて」

これまで散々君へ暴言を吐いた口が
いつも通り、我儘を君へ吐く。
(-301) osatou 2022/03/04(Fri) 0:26:13

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

つれていく方が多かった、皆が無理をしているから。
そしてわからない人が多かったから、歳が下だったから。

自分がどうにかしてあげたい、たったそれだけの。
わずかにあった、自尊心。
どうあがいても隠せなかった学生らしくなさ。

「……今っ
 ……格好つけるところ、じゃないですか……っ?
 俺は演技できないんですよ……。
 それなのに、……怒られるだけだと
 思ってたのに、あんな言葉言われて、
 応援されるだなんて」

わからないままだから、なんでも言えて。
わからないままだから、罪悪感もなくて。

そんなことわかっているのに知らない振りなんてできなかった。だから、男のからだには多くの皆の感情がぶつけられてきた。

「これが初日の自分なら、よかったのに。
 君のことも自分のことも知らずにすんで、
 好きにも嫌いにもならないで。
 ただ時間が過ぎるのを待つだけの、
 感情がわからなかった頃の自分だったら」

なにも辛くならなくてすんだ。
自分は幸せだった気がして、それでよかったのに。
(-306) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:43:21

【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ

「空元気や、覚悟決まった振り。
 もう上手にできないんですよ。

 気軽に選べるわけ、ない。
 動こうとする度、誰かの邪魔になってることが、誰かを怖がらせていることが、悲しませることが、嫌なわけないんです」

これはただの、強欲なお節介。
そして、ただの身勝手な叫び。

「……仲良くなって、傷付くのは。
 お互い様です、よ?」

すがってしまいそうになる。嫌ってくれている相手に。記憶に残してしまう、嫌だ、少しでも悲しませたくないのに口は止まってはくれない。

「ちゃんと確約されたお別れがないと。
 今すら、耐えられなくなっているっていうのに」

愚かでなにも知らなかった男は、十二分に心に負担を背負ってここの皆の苦しみを素直に受け取ってしまっていた。とっくに限界は来ていたのだ。

「……自分が思うしあわせな、都合の良い物語を考えて。
 皆を振り回すことでしか、もう保てないんです。
 俺がやりたいことは、あの人を殺すこと。
 君に臓器を差し出すこと。
 ナツメさんを生かしてあげたいこと。
 エノさんを、理解してあげないこと。
 ……そうしないと、話した皆が死んじゃうんです。
 そんなの、いやです。
 自分が死ぬことよりもずっと嫌だ、一人でも多く死ぬのを望まれなかった人を作りたかった。俺みたいな人を減らしたかった、それだけなのに。
 方法は罪のない誰かを傷つけることばかりです。
 やってくる結果はお別れです。そんなこと思う価値なんてないのに、それが悲しくて仕方がないんです」
(-308) toumi_ 2022/03/04(Fri) 0:53:12

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


「……うん、」

君から吐露されて来る、感情。
素っ気ない言葉で、けれども優しい声色で相槌を打つ。

知識とは、力だ。
それは己を守る事もあれば、傷付けることもある。
痛みを痛みと認識しなければ、苦しくなく、耐えられたのだろう。……心の傷が消える事はないけれど。


  ──一番辛い思いはここに来る前にしてきました。
  ──死ねと言われたのも、二度目です。


頭の中に、文字が浮かぶ。
いつか君から届いたメッセージ。

 ──俺の死を望む人が国の制度と貴方達だけじゃないことが、一番辛くて。
 ──それ以外が構わなくなってしまったんです


ほと、ほと、とめどなく溢れる涙を、そっと指の背で拭ってから
少しだけ高い君の背に、腕を回す。
拒絶されなければ、子供を宥めるみたいに背を摩り、抱きしめて温もりを分けてやる。

「泣ける時に、泣いとけ。」

いつか自分が受け取って、楽になれた言葉だ。
想いは伝えないと、伝わらない。
(-317) osatou 2022/03/04(Fri) 2:21:33

【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ


子供の頃、気になっていた子に
わざといじわるをしたような記憶がある。
あれは今思い返せば、その子の気を引きたいだけだった。

「言われなきゃ、分かんない。
 傷付くとしても、ちゃんと知りたい。」

きっと、本音を押し殺して、自分を閉じ込める君が嫌いなんだ。
……やっと自分の心を理解して、君の心を理解出来そうだ。

「お前が死んだら、
 僕が悲しんでやるよ。」

だから、残念ながら、男は
もう君を嫌いだなんて思えない。代わりに死ねとも言えない。


 ──誰かを殺すこと。
 ──誰かを生かすこと。
 ──誰かを理解しないこと。

そのどれもが、君が成すべきこと。
では、男が唯一、君にしてやれることがあるならば



「一緒に死んでやろうか。」


どうせ、一度覚悟をした命だ。
(-318) osatou 2022/03/04(Fri) 2:24:48

【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 演劇 アクタ

「あのメガネの人だな。今眼鏡の人の絵見たら
 全部数河お兄さんに見えるかも〜〜〜〜」

「なんてね。話し合いの場で見ているくらいだから、
 そんなに全部にはならない。だろうけどこれ相当そう見えるわ」

 翌日のデイリー失礼メッセの送信先がカイになっていたのは、ここでこの絵を見たことも理由のひとつだったのかもしれない。

  他の誰か何かが見つからないかなと、視線を彷徨わせながら歩いて行く。ぼんやりと何かを考えているような、考えていないようなゆったりとした足取り。

「朝はー…強いとか弱いとかでなく起きないとだからね。
 まぁ弱いと思っているわけでもないが、そうだなぁ…」
(-319) 66111 2022/03/04(Fri) 2:44:22

【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 演劇 アクタ

「ほら、朝日ってお綺麗じゃないですか。
 朝と昼と夕方の太陽を比べるなら、
 一番爽やかで、浄化力みたいなの高そうなイメージない?」

「遊召家さんちの小太郎くんは
 そんな感じの理由で朝日に例えられたことがあるんだが、」
 

「俺はそれがすごくいやだった」
 

「天使みたいとか清らかな乙女のようとか、
 大体の例えは流せるけれど、本当にそれだけが、いやだった」

「なんか、いやだったんだ? そのいやが、ずっと残ってる」

「なんでだろうな、アクタお兄さんはなんでだと思う?」

 そう聞いた時にも、視線はどこかの絵。正解を求めているわけではない軽い問いだ。
(-320) 66111 2022/03/04(Fri) 2:45:26

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


「ん〜……」

朝日が嫌い。他はいいけど、これだけが嫌。
──なんだろう?

こういう時にこそ、舞台の脚本にあるような言葉がぽんぽん浮かんで
そのどれもを、違うかな、と、思案。

暫く、間をあけて。

夕日他人と比べないと
 綺麗だって言われないから、とか。」

……だろうか。
考えてみたけれど、一番しっくり来たのはこれだった。

「分かんないけど……
 僕は、コタローの事考えたら
 そうかなって、思った……かな。」

きっと君は答えを求めていないのだろうけど
芸術は、それから生まれる想いは、自由にあるべきだから。

自分なりの答えを、
君に投げかけてやった。


──なんて話していれば、
小さな美術館はあっという間に出口だろうか?
(-349) osatou 2022/03/04(Fri) 13:30:57

【秘】 モノノ怪 ユメスケ → 演劇 アクタ

「ふぅん。…うん、そうだなぁ、あ〜〜」

「他のものが物差しなのはそうかもしんないわ。
 俺の表現って連想ゲーム染みている」

「俺にとっては夕日の方がお綺麗なんだ、多分」

「天使も乙女も、上にくる似たものがないんだ。
 朝日だけ他があった。俺は夕日の綺麗になりたかった」

「今答えをつけるなら、こんな感じ?
 アクタお兄さんがそうやって言ってくれたおかげだな」

「俺を見て考えて、それでおくってくれた言葉がうれしいよ」

 愉召怪のコタくんがここにいることを思わせてくれる。
(-380) 66111 2022/03/04(Fri) 19:37:45

【秘】 落涙 ユメスケ → 演劇 アクタ

 君の前に躍り出る。ぴょん、大きい一歩分。

「アクタお兄さんは午後の陽射し、雨上がりの空の人。
 晴れ渡った青空の人ではないけれど、思い浮かぶのは明るい空」

 人差し指で宙を指して弧を描く。君は虹をかけられる人。

「俺、起きた後は雨上がりの空にアクタお兄さんを見るね」

 くるり、振り返って。
 君を見上げて、笑顔でそう言った。
(-381) 66111 2022/03/04(Fri) 19:38:36

【秘】 演劇 アクタ → 落涙 ユメスケ


「なんだそれ、」

やっぱり笑って、君を見た。
自分の言葉を受け取って、笑って、対話してくれる君が
なんだか弟分みたいで、可愛らしくて。

「じゃあ僕は、
 夕陽が綺麗な日は
 コタローを見るとするよ。」

赫く赫く広がる空。
薄暗い雲が透き通って、ヴェールをかけるとき。
君と話した今日の日を、ぼんやり思い出すのだろう。


「……W楽しかったWか?」

ぎ、と音を鳴らして、
君の背を見守りながら、美術館を後にする。

今日のデートは、ここまで。
続きは、紙袋を叩き潰した音の後に。
(-408) osatou 2022/03/04(Fri) 20:58:18
 




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