【人】 二年生 鳳 凛─回想 ─ …屋台で使える食券が? [それは昨年のこと。 「夏祭り準備係」を決めるHRで、その特典の説明を聞いた鳳凛は勿論当然、勢いよく手を挙げた。] 私、やります!!!! [食券につられましたという顔を隠さずに目を輝かせて立ち上がる凛に教師は気圧されたように頷いていたとかいないとか。 いろんな意味で『うわぁ。』という視線がクラスの皆から注がれる中、凛は今年も胸を叩いて必要のない自己PRをしたという。] 普段からお料理とかお裁縫とかして磨いた手先に器用さを最大限に活かして昨年同様、お祭りに貢献します。 ・ 毎月通帳の残高が0になるよう数字の管理もしっかりしていますから、会計なども出来ると思います。 [ 『絶対嫌だろ、こいつに会計任せるの……』 という心の声が無言の空気の中に浮かび上がっていた。]** (32) springkraut 2021/07/20(Tue) 22:21:02 |
【人】 二年生 鳳 凛─はなひら神社─ ここで、小雪さんが私達みんなの荷物を守って下さっているのですね。 ……ありがとうございます。 [凛は自身の荷物―使い古した学生鞄に古新聞紙の籠―を置くと、改めて小雪に礼を言って微笑む。>>2] 大変なお役目、でももし一人で大変なことがありましたらいつでも、声を掛けてくださいね。 [そうして、凛は子供のように愛情を注いで育てたミニトマトをひとつ手渡した。] 頑張って下さっている小雪さんへ、私からプレゼントです。 [小雪の掌に艶のある赤がコロンと転がる。 小雪が喜んでくれたならば、凛も本当に嬉しそうにして、準備に向かったのだった。] (75) springkraut 2021/07/21(Wed) 9:08:49 |
【人】 二年生 鳳 凛───あら? 落川先生、こんなところで何をされているのですか? [社務所を出てすぐのところにある石段。>>30 そこにぼんやり座っている彼の姿に凛が声をかけたのはいつだったか。] その、見るからにやる気がなさそうで気怠そうな雰囲気…… いかにもウダツノ上がらないオーラを全身に纏ったような佇まい… 本当に──… [両手を胸のあたりに組んで、いつものように凛は言う。] 見るたびに ほれぼれ します。[そう、うっとりするように落川を見つめる凛は慇懃無礼なのではない。 心から本気で褒めていることはもう、彼も知っているだろう。] (76) springkraut 2021/07/21(Wed) 9:08:51 |
【人】 二年生 鳳 凛[彼との初対面は昨年の「夏祭り準備係」を決めるHRだった。 食券につられ、必要のない自己PRをしてまで立候補する人間は珍しかったのか、あるいは元々、風変わりな生徒と有名だったのかもしれないが、それ以来、結構何だかんだ学校では声をかけたりかけられたりしている。 とある雨の日に、凛が不法投棄された扇風機をどこからか見つけてきて、彼が居る美術室に運んできたことがあった。 錆びてボロボロだったソレを『未だ使えるから、』と奇麗に掃除して、彼に材料を借り上から塗装を施した。 向日葵のように生まれ変わった扇風機のスイッチを入れると、キチンと涼しい風が吹き、凛は幸せそうに髪を靡かせていた。 彼によってこっそり連れ込まれた捨て犬の存在も勿論知っている。>>50 凛はその子をポチと呼んで、可愛がっていた。] だって、こう…ポチって感じ、しませんか? [もし、別の名前がついていて、何故ポチと呼ぶのかと尋ねられたならば、凛はそう応えただろう。 外庭で野菜を育てる凛に、いつも美術室の窓からかかるのんびりした声は彼のもの。>>38 時折、収穫した野菜で簡単な料理を振る舞ったりもしているかもしれない。]* (77) springkraut 2021/07/21(Wed) 9:08:54 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a25) springkraut 2021/07/21(Wed) 9:25:18 |
【人】 二年生 鳳 凛─凛のお仕事〜お祭り準備編〜─ ───はい、はい。 このリストに従って、搬入されてくる備品のチェックをしたらいいのですね? [用箋挟に束ねられたリストに目を通しながら、鳳凛は指示に頷く。 チェックしながら、予め決めた場所へと案内することも凛の務めである。 これは昨年と同じ仕事であり、凛自身、既に要領は掴んでいる。 また、見るからに小柄で瘦せている凛に力仕事は向かないと指示する側も考えているようだった。] お任せください。 今年もしっかり、務めさせて頂きますわ。 [凛は頷くと、ふと指示者の後ろのほう、ゴミ箱を抱えふらふらしている女生徒が目に入った。>>74] (78) springkraut 2021/07/21(Wed) 12:29:50 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a26) springkraut 2021/07/21(Wed) 12:34:50 |
【人】 二年生 鳳 凛謝ることはないのですよ。 小牧さんは、お仕事に一生懸命になってたのですよね。 [素直な言葉を口にする小牧に凛はふわりと微笑む。>>86 お世話になってる服飾店のお嬢さん。 いつだったか、店番をしている彼女に端切れで作った小さなぬいぐるみをプレゼントしたことがあった。 制服と同じ、拙いツギハギだらけのそれは日頃の感謝と、喜んで貰えたらとの想いを込めて作ったが、自称貧乏神の手作りは客観的には遠慮したいものだったかもしれない。] 私、お裁縫、好きなの。 お母さまのようなお仕事、とても素敵だと思うわ。 [身形も境遇も違い、どこからどう見ても貧しそうな凛はそれでも、いつも幸せそうにしていた。 そういえば、彼女の母親が凛の制服のツギハギを直そうと提案してくれたこともあっただろうか。 ただご存じの通り、寄付はしても手元にお金は残さない凛。 費用を用立てることが出来ないので、と申し訳なさそうに残念そうに、その好意を遠慮したのだった。 余談ではあるが、もし篠田屋にも募金箱が設置されているようなら、凛は端切れを購入したお釣りをいつも全額投入していることだろう。] (93) springkraut 2021/07/21(Wed) 20:17:09 |
【人】 二年生 鳳 凛勿論ですわ。 そのために私は来たのですから。 [小牧が荷物を下ろすのを支えるようにして凛は伝える。 顔が見えれば、小牧も凛に気付いたよう。] 名前、憶えて下さったのですね。 いいえ、私のほうこそ篠田屋さんにはいつもお世話になっていますわ。 [先輩という小牧に照れくさそうに笑う。 けれど、小牧が半分より少なめのゴミ箱を渡そうとしていることに気付けば『め、』というような口調で、『半分こ、』と口を動かすのだった。]* (94) springkraut 2021/07/21(Wed) 20:17:13 |
【人】 二年生 鳳 凛小牧さんも。 [優しいと自身を褒める小牧に凛は目を細める。>>96] 小牧さんは人の優しさに気付いて、それを相手に素直に伝えることが出来る素敵な女性ですわ。 [手作りのプレゼントを渡した時のことを思い出しながら凛は告げる。 その道のプロを母親に持つ小牧からすれば、凛の渡したツギハギのぬいぐるみは見るからにボロボロでみすぼらしかったが、彼女はそのプレゼントを喜んでくれた。 とても嬉しいと笑顔を向けられた凛は、彼女以上に嬉しそうにして、零れるように微笑んだだろう。 きっと、彼女に大事にされて部屋に飾られているぬいぐるみも幸せに違いない。] …私、財布や通帳にお金が残っていると落ち着かないんです。 [いつもお釣りを全額募金している凛は小牧から、そのお金を修復費にしたらどうかと提案を受けたことがある。 確かに傍から見れば、人一倍貧しい暮らしをしているのにも関わらず寄付をする凛の振る舞いは普通じゃなく、けれど凛は彼女にとってはそれが普通なのだという風にそう応えた。 そんな凛の行動は、前世が貧乏神だったというのは本当なのではないかと思わせる雰囲気があった。] (170) springkraut 2021/07/22(Thu) 1:02:09 |
【人】 二年生 鳳 凛鳳凛です。 …嬉しいわ、私達、もうお友達ね。 私のほうこそ、いつも端切れを分けて頂いて感謝していますわ。 [お店の商品を買わず余りものの布ばかり求める凛に、篠田屋のひとはいつも優しく接してくれている。 売上にならない客は厭うのが世知辛い世の真実ではあるが、そうではない人たちも居る。 そして、目先の利益やお金に囚われずに、人を大切にする篠田屋のような人たちは将来、必ず成功すると凛は思っている。] あ、でも、大丈夫、安心してね。 小牧さんはどこからどう見ても将来有望で、私とは違う世界に羽ばたく人だから。 [前世(自称)だが貧乏神と友達と言われて、小牧が不安に思わないよう凛は付け加えた。] (171) springkraut 2021/07/22(Thu) 1:02:17 |
【人】 二年生 鳳 凛─回想:社務所近く〜落川先生と〜─ ええ、今年も立候補しました。 [凛が声を掛ければ、落川から返ってくるのはいつもの鷹揚な声。>>143 そして、これもまた、いつものように額をおさえる仕草に凛は微笑む。] では、どのような趣味だったら良いのですか? 先生のこの、お金持ちの人達とは無縁の空気は誰でも簡単に出せるものではありません。 私にとっての マイナスイオン 出ています。心が安らぎます。 [凛にとって、落川の空気が心地よい、というのは本当。 けれどそれは、人生に活路を見出せず、自身の不幸を自身を思う家族にあたる彼女の父親とは違っていた。] (182) springkraut 2021/07/22(Thu) 8:00:34 |
【人】 二年生 鳳 凛『人間とは不思議な生き物で、自分にとってどうでも良い人には気を遣うのに 一番お世話になった人や一番自分を好きでいてくれる人、 自分にとって一番大事な人を、ぞんざいに扱ってしまうものなんですよね…』 [美術室で、自身の父親のことをこのように話したこともあっただろうか。] (183) springkraut 2021/07/22(Thu) 8:00:36 |
【人】 二年生 鳳 凛大丈夫、私はお金がなくても幸せになれますから。 [最後にこの決め台詞()を言うのもいつものこと。 周囲に人が居る時は大体、ここでドッと笑いが起きていた。] (184) springkraut 2021/07/22(Thu) 8:00:39 |
【人】 二年生 鳳 凛[それでも。 これまで落川が凛を邪見に扱うことはなかったように思う。 彼女の言動や行動に、人々はそっと距離を置き、離れたところから様子を眺めるのが殆どなのだが、美術室を訪れる凛に来ないでくれというようなこともなかった。 彼が雨の中、捨てられた犬を保護する様子を凛は見ていた。>>113 一時の感情ではなく、教頭先生から怒られても途中で投げ出さず、引き取り手を見つけるまで面倒を見たことも。 向日葵の扇風機も捨てられることなく、美術室に行けば優しい風をそよがせている。 育てた野菜は、そのままサラダにしたり、カセットコンロを使ってスープにしたり。 熱が出たとき、病院に行くお金がないと何処かで摘んできた“よもぎ”で対処していた凛を保健室に連れて行ってくれたこともあったか。] (185) springkraut 2021/07/22(Thu) 8:00:41 |
【人】 二年生 鳳 凛花巻庵の和菓子は美味しいと有名ですから、 今年も注目していました。 あのお饅頭も美味しかったですし。 [落川から出し物の内容を聞いて、凛は頷く。>>144 彼女にとって、この夏祭りは年に1回の無料(食券)外食イベント。 それ以外の外食(無料限定)はデパ地下の試食巡りか、お通夜に振る舞われる精進落としくらい。 知り合いでもないのにお通夜に参列し、遺族以上に悲しんで、料理を頂くことを外食と称していることは話したことがあるだろう。] ───本当ですか? [落川の話が、振る舞った料理のお礼にご馳走するというくだりに届けば、凛は分かりやすく目を輝かせた。 いいも悪いもない、というか悪いことがあるわけがない。 通りすがりの話は短く、凛は準備に向かったのだが、ふと足を止めると手を振る落川を振り返り、] 忘れないで下さいね、約束ですよ。 [そう念を押すのだった。]** (186) springkraut 2021/07/22(Thu) 8:00:44 |
【人】 二年生 鳳 凛〜小牧さんと〜 [相手の良い部分を見つめて交わす会話は暖かい。>>191 その行為をお世辞だ、おべんちゃらだと非難する人もいるけれど、例えば苦手な人のことでも、ひとつでも良いところを見つけて褒めることが出来る人はきっと、自身が好意を示すことで相手がその感情を受け止め、それを返してくれることを知っている。 計算や知識としてではなく、経験でそのことを知っている人は、呼吸をするように自然に人を褒めることが出来る。 目の前の小牧も、それがわかっているひとなのだと褒められながら凛は思う。 素敵なひとだと心から、嘘偽りなく思った。] ありがとうございます。 名前を奇麗と言って頂けたのは初めてですわ。 名前は、私が生まれて最初に両親から貰ったプレゼントですから、そう言って頂けると嬉しいです。 小牧さんのお名前も、響きが可愛らしいと思います。 ええ、篠田屋さんの端切れはどれも模様が素敵で、重ねたり繋げたりして色々活用させて貰ってますわ。 (226) springkraut 2021/07/22(Thu) 13:32:39 |
【人】 二年生 鳳 凛[小牧が抱えていたゴミ箱を一旦地面に下ろすと、これからも宜しくお願いします、と微笑んで、少しの雑談。>>192 ところどころ、話が嚙み合っていない部分もあったけれど、それは小牧のせいではなく、多分に凛にあると言える。 そうして最後の『半分こ、』『駄目です。』のやり取りは先に行動に出た小牧に軍配が上がったのだった。] …もう、 [負担の少ない近い場所を凛に指示して、彼女はさっさと歩いていく。>>193 それはきっとわざと凛に有無を言わせなくするため。] 小牧さんったら意外に強引なのですね。 [遠くなっていく背中に柔らかくそう零すと凛はマークに従い、ゴミ箱を設置するのだった。]** (227) springkraut 2021/07/22(Thu) 13:32:41 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a64) springkraut 2021/07/22(Thu) 13:36:49 |
【人】 二年生 鳳 凛─凛の家族、生活─ [幼いころの凛は今でいう、ネグレクトよりの“放置子”だった。 食事も衣服も、愛情も、父と母、それぞれが気が向いたときにだけ、与えられる。 凛の両親は心に余裕がなく、いつも自分のことで頭がいっぱいだった。 この生活から抜け出したいのに抜け出せない。 どうしたらいいのか、その道は本当はすぐそこにあるのに見えなくて、見れなくて、見ようとしなかった。 絶望を繰り返すうちに思考の凝り固まった内へ内へと沈んでいく。 彼らは周りに『助けて、』と言えなかった。 そんな彼らを真っすぐに見つめる凛の瞳は、時に彼らを励まし、時に彼らを傷つけてもいた。 凛の視線に耐えられなくて、彼らは彼女から目を逸らした。 彼らの様子に、凛は自らなるべく家に居ないよう、外出するようになった。 町の公園や図書館、このはなひら神社も、そう。 裏にある山にも足を伸ばしていただろうか。] (246) springkraut 2021/07/22(Thu) 15:21:47 |
【人】 二年生 鳳 凛[ひとりで過ごして、一人で過ごすことにも慣れて。 けれど、毎日のように公園に居れば、声をかけられることもあった。 一緒に四葉のクローバーを探したり、テレビゲームをしようと家に誘ってくれた子も居た。 初めて遊んだRPGでは、気付くと凛が『ぬののふく』や『やくそう』をいくつも買って所持金を0にしたり、高価な装備はもったいないと身に着けようとしないため、必要以上にレベルを上げることを余儀なくされたりもあっただろうか。 けれど、初期装備で工夫して物語を進めるのは普通とは違う楽しみがあり、最後のステージをクリアしたときの感動もひとしおだったという。]* (247) springkraut 2021/07/22(Thu) 15:21:50 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a67) springkraut 2021/07/22(Thu) 15:26:41 |
【独】 二年生 鳳 凛/* 皆さん、縁故フリがお上手。 自分から行けない小心者とは私の事です。 落川先生は本当にありがとうございます。好き。 (-114) springkraut 2021/07/22(Thu) 15:39:06 |
【人】 二年生 鳳 凛〜凛と柊一〜 『こんにちは。』 『また、あったね。』 『わたし、りんっていうの。あなたは?』 [最初と2回目はなんとなく目が合っただけで終わった。 3回目にどちらからともなく挨拶をして、4回目に初めて言葉を交わした。 二人がお互いの名前を知ったのは初めて会ってから、何回目の時だっただろうか。] (278) springkraut 2021/07/22(Thu) 20:07:50 |
【人】 二年生 鳳 凛『この子が柊一の新しい家族? 初めまして、凛と言います。』 [それからまた、少しして。 黒鉄が柊一の元に来た時は、未だ彼に抱かれ小さかった柴犬の瞳を見つめて凛はそう微笑みかけた。 それからは一緒に裏山へ散歩に出かけたこともあっただろうか。 そこで、ラズベリーが沢山実っている場所を見つけて、今でも時折、取りに行っている。 凛が初めて、彼の家を訪れたときに持って行った手土産も、このラズベリーだった。 手作りの籠にラズベリーを摘んで持っていき、おやつにしながらゲームをプレイしたのだが、] 何って、お金が残っていると気持ち悪いというか…… 『やくそう』はいくつあっても困らないでしょう? 『ぬののふく』もペラペラでかわいいし着替え用に───… [凛の行動に面食らう柊一。>>256 ゲームで着替えなど必要ないことは言うまでもない。 けれど何度説明しても、彼が少しでも目を離すと凛は所持金を使い込んでしまうのだった。] (279) springkraut 2021/07/22(Thu) 20:07:58 |
【人】 二年生 鳳 凛[きっと、凛の身形を見れば、その境遇は子供でも察せられただろう。 お金を嫌う凛の性格は前世の記憶。 人より貧しいにもかかわらず手元にお金を残さず、募金してしまう姿も、貧乏神だったという彼女の話も柊一は直接か間接か見聞きしことがあるだろう。 けれど凛自身は、柊一を心配させているとは思わず、貧しいことが幸せなことのように振る舞い、笑っているのだった。]** (280) springkraut 2021/07/22(Thu) 20:08:01 |
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