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【見】 くるみ割り人形 トラヴィス>>8 キエ それが何に消費されようと、構わない。 『舞台人トラヴィス』の構築に 関係のない記憶だと思っているし、 舞台を降りた今、 経験の一つとして置いておく価値すらないそれ。 だから容易に手放すし、 その行動の意味を考えることすらない。 承諾する貴方には感謝しかない。 「有難う」 再び近付く貴方へ、触れる事が叶う。 くるみ割り人形は……委ねるように瞳を閉じた。 このまま誰からも干渉を受けなければ 男の記憶は貴方によって、簡単に消えるのだろう。 (@4) osatou 2021/10/24(Sun) 17:00:56 |
【見】 くるみ割り人形 トラヴィス>>@5 >>@6 「────えっ、 どうしたんだい、そんなに気を立てて……。」 そんな魔の抜けた声が出て、 伸ばされた手は、悪魔に届く事は無かった。 「……停滞を、望もうと思って。 この宴は、あまりに私に変化を齎した。 きっと君達の求める私とは遠くなっただろう。 だから私に必要のないものを……捨てようとしているだけだよ?」 テラが楽しませてくれた。 ユピテルが信じさせてくれた。 ミズガネが、舞台に立たせてくれた。 楽しかった。忘れられないものになった。 それは───自分を大きく変えた。 変わったからこそ、二人を信じる為の選択。 「君達の側で、変わらずに居たいから。」 シトゥラに叱られた。 プルーが見守ってくれた。 キエが眠らせてくれた。 自分を造る記憶だけを抱いて、 貴方達を信じて、手を伸ばして、生きたいのだと 男はプルーを、そしてシトゥラへ視線を向けた。 (@7) osatou 2021/10/24(Sun) 18:17:30 |
【見】 くるみ割り人形 トラヴィス>>8 「それは───……分からなかったな。」 男は、既に悪魔に捧げた記憶がある。 父と笑い合い、母に抱かれた過去。それらの記憶は男に、人を愛し、愛される術を、誰かを大切に思う心を教えていた。 『分からなかった』とは──その為であると、 男が一欠片の変化に気付くことは一生無い 。「プルー、私は……、 このままで、良いのか?」 言葉を吐く唇が震える。 男にしては珍しく、言葉をどもらせながら。 「君達をもっと深く知りたい、信じたい、 思えば思うほど、怖いよ…… 二人が居なくなればと、考えるのが……、変わる自分が、変わらない自分が、」 酷く苦しい。 君達も、けれど舞台で過ごした過去の苦痛も失いたくない。 二人と、キエと、過ごせるならば、それ以外は全て捨てよう。その筈だったのに。 視界がぼやけ始めて、 それが格好悪くて、瞳を閉じた。 「シトゥラに約束した、二人を蔑ろにしないと。 変わらない為にと思っての行動、 私は、また………間違えていたのか……?」 (@9) osatou 2021/10/24(Sun) 19:27:11 |
【見】 くるみ割り人形 トラヴィス>>@10 「そう、」 望んで良い、変わって良い、悩んで良い、 隣に二人が居てくれるから。 「……そう」 嗚呼、こんなに真っ直ぐに言葉を届けてくれることを 今までどうして知ろうとしなかったんだろう。 「そう………」 過去の 悪夢 を拭うことは出来ないけれど、二人が──三人が居てくれるなら、ゆっくり前を向いて、少しずつ未来 を彩っていけば良い。「ごめん、」 過去にばかり囚われて、必死に目を瞑って、 壊れられず、狂えずに夢を見る時間は、もう少しで──終わるような気がする。 「ごめんね………」 過去も、未来も、今だって、 全てを慈しんで、抱えて、 大切に思えるような人に、なれたら良い。 涙は流さない。 それを瞳から溢すのは、舞台の上でだけだと誓っている。 → (@11) osatou 2021/10/24(Sun) 21:20:55 |
【見】 役者 トラヴィス「ありがとう」 瞼を開く頃、 そこに涙も、迷う視線も、怯える瞳も無かった。 役者のことを知ろうとしなかった自分は、座長失格だ。 もう一度、 踏み出す一歩目からやり直そう。 (@12) osatou 2021/10/24(Sun) 21:21:56 |
【見】 役者 トラヴィス>>ミズガネ それから、また時間が経った後。 竪琴を抱えた男が広間に居る。 紅茶のポット。 温められたカップが二つ。 ……誰かを待っているらしかった。 (@15) osatou 2021/10/24(Sun) 22:23:38 |
【見】 役者 トラヴィス>>@14 >>@16 >>@18 >>@19 シトゥラから淡々と紡がれる言葉を、静かに聞き入れる。 ときどき眉を顰めたり、苦笑したり、瞳を伏せたりしながら。 「………ごめんね、シトゥラ」 貴方が拒絶をしないならば、 腕を伸ばして抱き締める。 言葉が足りない自分では、 温度くらいでしか想いを伝えられないから。 「毎日君と会いたい、消えたくない、 ───いつか死ぬ日が来るのなら、君に殺されたい。」 嗚呼、嗚呼。 彼らに許容させてしまうのは、これで最後にしたい。 シトゥラの背を撫でて、 それから片手を離してプルーが入るスペースを作る。 そうして二人ともを抱き締めることが、叶うだろうか? → (@20) osatou 2021/10/25(Mon) 0:06:11 |
【見】 役者 トラヴィス想いを正しく、貴方達に伝えた事はあっただろうか。 嗚呼、そうだ、温度だけじゃなくて、 言葉にしないと伝わらないんだ。 ……伝えたい。 きっと受け取ってくれるから。 「シトゥラ、プルー、」 「………」 「私の特別になってくれる?」 (@21) osatou 2021/10/25(Mon) 0:07:50 |
【見】 役者 トラヴィス>>29 ミズガネ 大切な竪琴に、 貴方にとって不備のないメンテナンスが出来たか──不安がない訳ではないが、 自信満々、余裕たっぷりに、圧を込めて頷いた。 Wアーティストとしての先輩Wらしく、 まずは自信がなくても、背筋を伸ばして、堂々と。 「おや、教えてくれるんだね。 真名は大切な人にしか教えてはいけないよ? 悪い狼に虐められてしまうから──……」 なんてね、と微笑む。 そうして言い淀み、貴方が視線を泳がせ始めれば、 とん、……とん、……とん。 人差し指で手の甲を叩き、観客を待たせてくれるな、の意。 「……………仕方のない人だね、君は。」 そっと腰を上げ、 僅か前のめりになれば、貴方の頬をするりと撫でて、立つ。 「踊ってあげる、私の詩らしいしね。 音楽は自由だよ、好きに奏でてご覧?」 (@22) osatou 2021/10/25(Mon) 0:42:26 |
【見】 役者 トラヴィス>>32 >>33 ミズガネ 「大丈夫、 私が最高の舞台にしてあげる。」 胸を張って、背筋を伸ばして、笑顔に添えるのはウインクひとつ。 一歩踏み出して、広いその間に降り立った。 ───琴の音色が、貴方の声が響く。 時に歌声を交わらせ、手を鳴らし、 時に貴方を立ち上がらせて、くるりと一回転させる。 貴方が舞台へと誘った男が、今度は貴方を舞台へと。 楽しんだもの勝ちだよ、君。 耳元でそう小さく囁いて、詩人と役者の二重奏は奏でられた。 歌い唄われ、踊り踊られ───広間が騒ぎ立つ。 自分の詩だと言うのに、照れる素振りは一切なく、満面の笑みで長い手足を動かす。自分がどうすれば映えるのかを、よく理解していた。 隣に立てば、言葉を交わすよりももっと深く、貴方と言う人間が伝わってくる。 誰かに隣を預けるだなんて………酷く懐かしい感覚だった。 自分を見て、自分に当て書いて、自分の隣で声を上げる貴方はまるで、…… ありがとう、私の理解者よ。 ……… …… (@25) osatou 2021/10/25(Mon) 2:40:06 |
【見】 役者 トラヴィス…… ……… 詩人の詩が終わる頃、 役者はくるりとステップを踏んで動きを止める。 余す事なく動いたのだ、 汗は滝のように流れるし、喉だってからから。 けれどやっぱり、この達成感は……間違いなく自分の好きな感覚だ。 使用人の何人かが足を止め、 自分達へ小さく拍手を贈るだろう。 それに軽く手を振ってから───貴方の帽子を取り上げた。 片手を胸に、もう片手で帽子を持ちながら、背中に回して 「有難う御座いました!」と頭を下げる。 貴方にもそうしろと、視線を投げながら。 それはいつかの昔、 初めて舞台に立った自分に、誰かがしたことだった。 今度は貴方へ伝えていく。……届くだろうか? (@26) osatou 2021/10/25(Mon) 2:42:42 |
【見】 役者 トラヴィス>>36 >>37 >>a0 ミズガネ 二人で並んで頭を下げ、惜しみなく降り注ぐ拍手も静まる頃。 とすんと元の席へと腰を下ろし、貴方へ帽子を投げて寄越す。 すっかり冷め切った紅茶をぐっと飲み干して、 「 筋トレから始めるべきだね。 」優雅な笑みでダメ出し。 「息を切らしているね。酒なんかに浸ったせいだよ、自業自得さ。肺活量は鍛えている? いないよね。意識して深呼吸するだけでも少しは変わるから気にしてみると良い。 嗚呼そうだ、音を外すなんて論外だからね。手元が見えないなんて言い訳を吐いたら許さないよ? まずは弦に触れて慣れ親しむこと。頭で意識して弾かないで、指先にしっかり覚えさせて。一音たりとも外すな──とは言っていないんだよ、間違えても堂々として。自信が無くても背筋を伸ばして胸を張って。」 貴方が詩人を再開する、と吐いた言葉を違えさせるつもりはない。 であれば、ここに留まる筈もないのだろうと想定して。 「でも、 詩は……悪くなかった。 竪琴だって、長年鳴らしていない割に傷みも酷くない。 ……W今のW君には勿体ないくらいに良いものだよ。」 貴方が密かに稽古を重ねていたのか、家族から贈られた竪琴が本当に品質の良いものなのか、 はたまた、単純に物持ちが良いのか。 それは貴方にしか分からないし、言及するつもりもない。 「螺子を巻いてくれてありがとう。 トラヴィス・ハートランドだ、コトハ・ミズガネ。」 (@27) osatou 2021/10/25(Mon) 12:46:42 |
【見】 役者 トラヴィス「はは、勘違いをしないでね、 『二度とこんな所に来るな』って意味だよ。 それ程の竪琴に相応しい詩人を志すなら まさかこんな場所で停滞を望むまいよ。 だから、嫌だ。夢から醒めれば、私達の未来は交わらない。」 手を伸ばす。 貴方の額を、人差し指で小突いた。 言外に、自らはここから出る気がないと主張。 そうして、貴方への確かな期待を滲ませて。 「ほら、ほら。この程度で休んでいないで、 荷造りでも、大切な人の元へでも行きなさい。 ───けれども君、些か、心許ないなあ………」 ふわり、 金の細やかな刺繍が施された蒼いマントを 肩から下ろし、貴方へとまた投げて寄越す。 ───宙の舞台で、蒼が大きく踊った。 「強く願いながら、瞼を開くと良い。 さすれば、ある程度の融通は効くから。 さようなら。私の人生で二人目の共演者よ。 君の顔は二度と見たくない。」 真白いカップへ琥珀色を満たしながら 晴れやかな笑みで、手を振った。 (@32) osatou 2021/10/25(Mon) 20:50:14 |
【見】 役者 トラヴィス>>@28 >>@29 >>@30 「………シトゥラ?」 確かに貴方はこの腕の中に居る。 けれども、髪の奥の表情は、ぽつりと吐かれる言葉は、拒絶と取れた。 「─────」 怖い。これは自分が、彼を傷つけたせいだ。 自業自得と理解している筈なのに、『暇を貰う』の一言がこんなにも恐ろしい。 ──もしも、二度と信じてくれなかったら? 誰でもない貴方たちの言葉だから素直に受け入れられた。 誰でもない貴方たちの言葉だからこそ、臆病になる。 整った顔を、ぐしゃりと歪めて。 二人から手を離さなければ、とは思うけれど 意思とは逆に、抱き締める力は強くなっていく───次第に貴方達へ、痛みを与え始めるだろう。 喉から出る言葉は、くだらないわがまま。 貴方たちが私へ与えたものは、一欠片も返さない。 貴方たちを1秒でも、手放さない。 「 、」 (@33) osatou 2021/10/26(Tue) 0:41:43 |
【見】 役者 トラヴィス>>@35 男は─── 特に返せる言葉が無かった。 全てにおいて、図星であった。 誰かを『代わり』にする事は無くても、 誰かを腕の中に収める時には 下心を持って、その時間だけは恋をする。 貴方達にも、貴方達以外にも、何度だって甘い言葉を囁き、優しく抱いた。例外もあるが。 故、本当に、返せる言葉が……どこにも無い。 だから、そうだねごめんねと答えて、離すべきなのだが 「シトゥラが、」 反論の代わりに、子供のようなわがままが有る。 「言葉にしろと言ったのに。」 やっぱり前を向くにはまだ早くて、 長年吐かなかった言葉を吐いたのに、と寂しげに、縋るような視線を向ける。 「どちらが欠けても嫌だ。 肯定以外は認めたくない。」 何かの役としてではなく、自分の言葉を使い始めた男は、独裁的な性格の片鱗を覗かせた。 貴方達にはこれへ否定を返す権利がある。 → (@36) osatou 2021/10/26(Tue) 12:41:40 |
【見】 役者 トラヴィス>>64 >>65 >>66 ミズガネ 「吟遊詩人。 各地の伝承、歴史的事件、 史実を詩曲として後世へ語り継ぐ、 知見し広げた経験こそがモノを言う肩書きだ。」 返品されたそれへ視線も送らず、 そのままぱさりと音を立て床に沈む。 「出しゃ張るのは自由だけど、 姿形すら見えぬ存在の為に 君の、限られた、貴重な時間を使うのは、 悪手だと言っているのだけどね?」 にこり。 男は笑顔を歪ませない。 けれども圧を込め、代わりに、地に伏すマントを 踏み付けて見せた 。「───君は本当に仕方のない人だ。」 瞳を細めて、貴方を瞳の中に映す。 → (@41) osatou 2021/10/26(Tue) 22:00:50 |
【見】 役者 トラヴィス>>64 >>65 >>66 ミズガネ 「けれど………それが君の性格なのだろう。 大いに結構だ! 舞台は生き物、思い通りにならない事の方が多いさ。」 一度は座長の肩書を背負った身だ。 アクシデントもトラブルも、 想定外の何をも演出に組み込んでみせる。 私が君の為に怒ると思ったかい?なんて態度を覆し、 くつくつ笑って、ほのかに温かい紅茶を飲み下した。 「長い夢の退屈凌ぎに、気長に待ってあげるよ。 君に似合いの琴だと褒められる日をね。 その頃にでも考えるとしよう、共演の話はね。」 喜色は滲ませる程度に。 流す視線は余裕をたっぷり含んで。 「君の顔を見るたびに悪態を吐いてあげる。 耐えられなくなったら去ると良い。」 それはとっても素直じゃない、 これからもよろしく頼むとの言葉だった。 (@42) osatou 2021/10/26(Tue) 22:04:19 |
【見】 座長 トラヴィス>>@39 >>@40 瞳を閉じて、また開く。 「───分かったさ。 君達は何もしなくて良い。 審美眼を持つ私が二人を、存分に持て成そうじゃないか。 楽しみにしていてくれて構わない。」 ふ、と、不敵に笑う。 私は偽りなく、この館の 『座長・トラヴィス』 だ。「すぐにでも愛の言葉を引き出してみせるよ。 それが叶ってからも、永遠に、何度もさ。 だから心の準備だけはしておいてくれ、 如何なる時であろうともね?」 心の根の部分は、夢に真っ直ぐで、素直な男なのだ。 少し雲が陰てしまっているだけ。 「……ずっと、二人を見ているから。」 すぐにとは言えないけれど 今宵の空のように、いつか、 晴れやかな星空になると良い。 自分を、貴方達を信じて…… するりと抱き締めていた腕を離した。 (@46) osatou 2021/10/26(Tue) 23:18:03 |
【見】 座長 トラヴィス>>ユピテル カーテンコールの夜。 きっと貴方が一人で居る頃。 「───やあ、ユピテル。」 男はW宴の終わりWを明確に理解していた。 そうして貴方が、確かに約束を守ってくれた事も深く。 けれども、山のように賛辞を述べ騒ぎ立てて、 貴方の時間を奪うのも無粋というものでしょう。 だから、男が告げるべき言葉はひとつだけ。 「WまたW会えたね。」 貴方がくれた、一歩を踏み出す勇気。 それが齎したものを、 作り物ではない穏やかな笑みに携えて、 貴方の前で膝をつき、あの日叩き落とした手を取る。 ……そうして、手の甲へ唇を付けた。 敬愛、尊敬。そんな思いを込めて。 「宴は楽しめたかい? 愛しい君よ。」 (@50) osatou 2021/10/27(Wed) 10:21:11 |
【見】 座長 トラヴィス>>81 ユピテル 「そうだね、君の言った通りだ。 ……ごめんね、有難う。」 貴方を見上げて、今度は困ったように微笑んだ。 貴方が分け与えてくれた『人を信じる気持ち』は、確かに男を変えたのだから。 「はは、そういう事が起こる場所なんだよ、ここは。 誰かの為の、箱庭。不思議な夢の世界。 私だって、詳しい事は知らないさ。時々こうして宴を始めることくらい。」 じとりと責めるような視線を受け流し、結局は貴方と同じようにおかしそうに笑い始めた。 手を離し、立ち上がれば───自らの頬へ貴方が触れる。 引き寄せられれば、その通りに。 「……楽しかったよ、君にも出会えたしね。 うん、もう苦しいだけじゃないよ。」 貴方の手へ頬を擦り寄せ、 瞳を伏せればこの数日間へ思いを馳せる。 「……ね、君、早くここから去ると良い。 きっとまた夜が訪れるのは 遠い先の話になってしまうから……」 貴方はこの先の未来をどう過ごすつもりなのだろうか。そういえば、自室へ招く約束もした気がする。 そっと瞼を開いて、貴方の瞳を見据えて言葉を待つ。 (@51) osatou 2021/10/27(Wed) 16:02:28 |
【見】 座長 トラヴィス>>93 ユピテル 貴方から紡がれる言葉を聞いて、ひとつひとつに頷く。 「君は素敵な人だね。」 頬を包む温度が心地よくて、暫くは成すがまま。 けれども今後の話を聞けば、 おや、と声を漏らして瞬きをひとつ。 素敵な貴方の心を あの詩人が射止めたのだと、察する事は容易だった。 貴方の瞳が、声が、何よりも愛おしげに動くものだから。 男は、他人同士のそれには敏感であった。 「そう、………君が決めたのなら、 そのように過ごすと良い。 けれども──ここは夢の楽園であり、危険な箱庭だ。 いつか君を害そうとする者だって、訪れるかもしれない。」 勿論、あくまで可能性の話。 「その時に、必ず信じられる誰かへ助けを求めて。 些細な事でも、一人で背負わないで。 私も勿論、君を気にかけるけどね。 残ると決めたなら…… 私の言葉を、ユピテルの心の片隅へ置いてくれないか?」 → (@57) osatou 2021/10/27(Wed) 21:57:56 |
【見】 座長 トラヴィス>>93 ユピテル 「そんな事は、既に覚悟しているとは思うけどね。 一度、言葉にさせて欲しかったんだ。」 こんな場所に居てはいけないよ、と 貴方へ向ける感情は心配一色。 言葉を伝える事に意味があると知ったから、 こうして貴方へ余計な言葉をかける。 自分が守る、と主張しないのは 貴方を誰よりも大切に考える誰かの領域を害さない為。 館に残る間、 ひと匙だけ、貴方の心に居場所を貰おうと言うのは、少しの悪戯心。 それから、芽生えた事に気付かぬまま消えた、小さな嫉妬心。 「それにしても……悔しいな。 私のどこが、彼よりも劣っていたんだい?」 くすくす、貴方の腰へ手を伸ばし 自然に抱き寄せて、貴方の唇へ人差し指を触れさせる。 自分にも貴方にも、特別な人が居る事は明白。 ──故に、戯れだ。貴方の反応を伺おうとする、野次馬心。 (@58) osatou 2021/10/27(Wed) 21:59:56 |
【見】 座長 トラヴィス>>104 ユピテル 「はは、耳が痛いな。」 丁度何かに浸っては 逃避していた男だ。返す言葉もない。 「お節介だとは思うけどね、 言葉にして、伝えたかったんだ。 君に何かあれば、私も悲しい──とね。」 語られる言葉に、貴方の変化を知っていく。 この数日間は貴方にとっても 深く意味のある日々であったのだ、と。 ときどき貴方から物騒な話が出るが それらもいずれ、ゆっくりと聞く時間がある。 「自分に優しく……か。善処するよ、 時間は掛かるだろうけれど、 必ず振り向かせたい相手が居るんだ。」 その頃には、 胸を張れる『素敵な人」を自負出来ると良い。 そんなことを考えて、続く貴方の言葉へ楽しげに耳を傾ける。 → (@59) osatou 2021/10/28(Thu) 3:02:55 |
【見】 座長 トラヴィス>>105 ユピテル ……嗚呼、貴方はやっぱり眩しい人だ。 愛する人の話をする貴方の瞳は、どんな宝石よりも輝いているし、 紡がれる言葉のひとつひとつには、ひたむきな愛情が込められている。 他人の為に身を削れる貴方の隣で 支え合い、傷を理解し合い、包み込み、守ることができるのは ただ一人しか居ないんだと、深く理解しながら。 そこには喜びや憧憬、親愛……そんな美しい感情しか芽生え無かった。 「眩しいな。 けれども、いつか辿り着きたい目標だ。」 貴方の顎へ手を出して、 此方へ向けるとそっと顔を近付けて 唇の端───頬へと唇を落とす。 遠くからならば、逢瀬を重ねる男女のようにも見えるかもしれない。 『それ以上深い事をしない』との信頼を、ほんの少しだけ裏切りつつ。 ……ここはきっと館内、どこかの廊下。 貴方が一人で何処かへ向かっていたか、その帰路のこと。 ちら、と廊下の更に向こう側を一瞥し、 貴方を腕の中から解放した。 (@60) osatou 2021/10/28(Thu) 3:05:19 |
トラヴィスは、「また明日」、くるりと背を向けた。 (t4) osatou 2021/10/28(Thu) 3:05:36 |
【見】 座長 トラヴィス人も、人ならざるものも集う賑やかな夜。 館の主人だけが瞳を閉じ、眠りに付く時間。 男は自身の客室へ、使用人を大勢呼び付けていた。 「───そうだね、 プルーは好き嫌いしている所を見ないから良いとして、 シトゥラの食の好みが難しいな。」 あれやこれやと情報収集しつつ、 夜景が一際綺麗に見える自室へ、オーナメントを用意させ、飾らせている。 大きな天蓋の付いたベッド。 自らが館へ辿り着いた際、最初から存在したものだ。 まるで何処かの皇様が使っていたようなそれを気に入り──それ以外は随分と模様替えをしたが──長期間占領している部屋へ、色とりどりの装飾が散りばめられていく。 「嗚呼、窓際は何も置かないでくれ。 夜空が見えるようにね。」 座長直々の舞台プロデュース。 懐かしい気持ちで、使用人達へ指揮を取る。 「……悪いけど、軽めのカクテルも用意して貰えるかな? 今日は溺れたくはないんだ。」 ───特別な二人の反応を思い浮かべながら 今宵の細やかなパーティの準備は進んでいった。 (@61) osatou 2021/10/28(Thu) 12:48:08 |
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