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【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート鬩ぎ合う葛藤をどうにか往なして、平静を取り繕って。 理論上は可能、という程度の不安定な二つの人格の固定化も、 まあ、どうにか上手く行ったらしいと確証を得た頃。 「……ここに居ても、もう意味は無いからな」 決まりきった答えであるように、解答は至って簡潔なもの。 ここに滞在し続ける事は何も不可能ではないし、 行く先も決めず発とうとするほど無計画でもない。 とはいえ、この街に長居する理由が無いのも確かな事。 「そもそもお前、忘れてる…というか、そも意識に無いようだが そっちはそっちで追われてる身なんだからな。 上が更に追手を掛けるほど仕事熱心とは思えないが、 用心に越した事はない。とっとと引き上げるに限る。」 「お前はもう向こうには戻れやしないし、その気も無いだろう。 上には発つ直前に餞別をくれてやるつもりだ。 お前が居ないなら騎士を続ける理由は無い。そもそもの話、 俺が追行の任を受け、騎士としてここに来たのも。 全く体裁上のもの、他の追手への牽制でしかない。 決別するにせよ、こうなるにせよ。結果がどうあれ、 最初から、お前を見付けたら騎士は辞めるつもりだった」 やはりそれが当然の事とでも言うかのように、淀みなく。 発つならまあ船か、なんて考えながら答えを返した。 (-42) unforg00 2021/12/19(Sun) 22:45:36 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「血眼になって探しやしないだろうが、 逃げられたままじゃ格好が付かないだろう、上も。 あわよくば、の意図はあったように思うが…」 それに、持ち出したものが持ち出したものだ。 持ち出した人間を野放しにした結果、何かまずい事になれば 責任は当然騎士団側にも波及するだろう。 そういう意味でも完全に目を瞑るつもりは無かったように思う。 その結果がこの形ばかりの追行任務なのだろうが。 そのリスクを負ってでも持ち出したものとは、さて。 「…敢えて言おうか。お前が言うのか、と。 そうは言っても…… は? 」健気というよりは、と言い掛けて。 本人に代わる。 本人に代わるという事は、本人に代わるという事だ。 その言葉の意味はわかる、が、今? (-84) unforg00 2021/12/20(Mon) 1:11:13 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート貴方の発した抗議の声の後、暫しの気まずい沈黙。 きまりの悪いような、ぎこちない動作や言葉は。 確かに覚えの在るものだ。昔からよく見知ったものだ。 あの日から、ずっと探し求めていたものだ。 「……半年ぶりだな、ハーディ。 会って早々で悪いんだが…」 ばつの悪そうな貴方と反対に、落ち着いた調子で、 「一発殴っていいか?」 右拳を握って向き合った。 あの時貸し借りの清算に殴られたのは、 エディと定義された後から生じた人格の方であったわけで。 両方殴っておいた方が平等じゃない?貴方の剣はそう思った。 平等も何もこちらの人格は無関係?ならこれは出奔した分だ。 (-85) unforg00 2021/12/20(Mon) 1:11:55 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「 なんで 」なんでではなく。 「手始めに一発殴られておいた方が余計な後ろめたさとか 無くなるんじゃないかって親切心から言ってやったのに。 それとも先んじて申し開きでもしておきたいか? 今なら何だって聞いてやるよ、…なんて」 握った拳を解き、ひらひらと振って、 それも尻すぼみになっていく言葉と共に動きを止めた。 本当は違う。 決して嘘ではないが、切り口を少し本題からずらしたのも事実。 決して、いきなり本題から入れるほど、強い人間ではない。 そうであれば、そもそも貴方に隠し事などしなかっただろう。 「……申し開きをすべきは俺の方か。 悪かったな、隠してて。 事実は変えられない。どんなに隠したって、絶対に。 俺が、フランドルという人間が"不義の子"なのは確かな事だ。 …受け入れられなくても仕方ない。仕方ないと思ったから」 だから、向き合う事ができなかった。 自分すら事実と向き合う事から逃げて、受け入れる事を拒んで。 全て灰になってしまえと手紙を火に焼べる事しかできなかった。 「お前に嫌われたくなかった。拒絶されるのが怖かったんだ お前の傍に居られないなら、…生きていても、なあ」 (-101) unforg00 2021/12/20(Mon) 2:51:45 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「………いや、いい」 曲がりなりにも自分から言い出しておいて、 承諾されたら手の平を返すのもどうかとは思うものの。 こちらとしても、自分にも非がある、というよりも。 現状としては、大いに自分に非があると思っている。 だから一発殴ればそれで帳消しとしてしまいそうだし、何より、 今はまだ、 貴方の血を見るのが少し怖かった。 「…言えるわけないだろ。 たとえ隠したところでいつかは露見するとしても、 隠している間だけは今まで通りで居られる。 明かせば拒まれないとも言い切れない以上、隠し続ける事で 少しでも長く結論を先送りにし続けるしか選択肢は無かった」 実際の所は、それしか選択肢が無かった、という事もなく。 受け入れられる事を期待できず、信じる勇気も無い為に それしか選ぶ事ができなかった、というのが正しいのだろうが。 結局は、変な所で臆病者なのだ。 きっと死さえも恐れはしないような顔をして、 その実貴方に見限られる事ただそれだけを何よりも恐れている。 「何が正しかったかなんてわかりやしないのに、 いつだって間違ってたって事ばかり後からわかるんだもんな」 つくづく霧中を歩んでいるようだ。兎角この世は生き辛い。 (-104) unforg00 2021/12/20(Mon) 5:27:51 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハートけれど、それでも。 「── 生きて苦しめって? 」一度、敢えて悪し様に取るような言い方をして。 「死にやしないさ。 偉くも何もなくたって、お前が居る限り。 前にも言ったように、お前の許しを得なければ」 「 俺はきっと、殺されたって死ねやしないんだ 」二度、それさえも受け入れる事を選ぶ。 いつだって、生きるという事は多くの苦痛を伴う。 至極この世は生き辛い。それでもきっと、捨てたものではない。 貴方という生きる理由、存在意義がある。 あの日垣間見た煙霧の向こうを知っている。 そんな不確かな"よすが"が、貴方という寄る辺がある限り。 或いは、それらの幻影が自らに死を許さない限りは。 愚直な貴方の剣は、折れる事など知らないままだ。 (-105) unforg00 2021/12/20(Mon) 5:30:43 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「…とはいえ、とはいえ、だ。 俺だって流石に許されないよりは、 極力許された上でお前の傍に居たいとは、思う」 一呼吸置いた後に再度口を開けば、若干の歯切れの悪さ。 言い切った手前、ややしまらないなという気持ちがあるため。 「お前が俺の血の事で何かしようとしてるのは知ってる。 知ってるが、具体的に何をしようとしてるのかはわからん。 わからんが、家の根絶以外なら止めは…多分、しない。 …今のお前は、どうしたいんだ」 以前の発言や、行動からある程度の推測は立てられるものの。 いまいち具体的に何をしようとしているのか確証が持てない。 まあそれもそのはず、手段は何も一つではないようで。 (-106) unforg00 2021/12/20(Mon) 5:31:42 |
フランドルは、わからん。 (a21) unforg00 2021/12/20(Mon) 5:33:17 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート投げ掛けられた問いに、ぐ、と言葉に詰まった。 先の返答から直様その発想に至るのは、 言ってしまえば不自然だ。尤も、何も知らないのであればの話。 然れど行き着く程の何某かを知られていたか勘付かれていたか。 そんな気持ちと、それから。 「……いや……いや、後悔は、してる。 味じゃなくて…やらなきゃよかったって …悪い、今思えばどうかしてた。 受け入れられなくて当然だ。あれじゃ引かれても仕方ない…」 苦々しげに理由は述べれど、味に関しては言及する事を避けた。 血の味それそのものは問題ではなかった。なかったのだ。 問題ではなかった事が、却って問題ではあったが。 それを言えば、余計に引かれかねない。そんな葛藤を含んだ間。 実際の所、この半端者の身が唯一求める血の味は。 その血の齎す歓びは、他の何にも代え難いものだった。 狂おしい程に、どうしようもない程に、甘美なものだった。 あの後吐き戻してしまったのは単に、あの行動が ある種貴方への裏切りにあたるのではないか、という罪悪感。 それから、拒絶されても仕方ない事をしてしまったという不安。 或いはそんな自分への自己嫌悪。そういったものからだった。 あのまま胃の腑に収めたままにしておくという事が、 貴方への後ろめたさから、どうしても耐えられなかったのだ。 (-109) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:20:10 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「…見付けた時はとことん詰めてやろうと思ってた。 でも、話聞いてる限り実質俺が発端みたいなものだろう。 なら…お前の事、言えた義理じゃないし」 お前の言に倣うなら、互いに許し合わなきゃならんのだろう。 帳尻合わせや謝罪の一つくらいは求める権利があるだろうが。 それに何より、痴話喧嘩は大抵惚れた側の負けに終わる。 これもきっと、つまりはそういう事なのだろう。 「 何なんだ今の間は。 …まあ、正直キツい。死んだ方がマシ。 死んでいく奴に生きろって言われるのはさ、呪いだよ。 俺はお前が居なきゃ生きてても苦痛でしかない、なら尚の事」 謎の間に関しては反射的に問うただけなので、答えは要らない。 いっそ答えないでほしいと思った。 また誰ぞに 趣味が悪い だの何だのと言われそうなので。それはそれとして。 たとえ今際の際に貴方に生きろと言われたとしても、 或いは、死ぬ事を許されなかったとしても。 この男は死んだように生きていく事になるのが目に見えている。 一度折れた剣は、二度とは元に戻らない。 それを一思いに殺してやるのが慈悲と感じるかどうかは、 まったくもって、人それぞれなのだろうけど。 (-110) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:22:14 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「あとお前、後で円満の意味を調べ直した方が良いぞ」 円満とは、かどだたず、おだやかな様子。 「現実的に考えてくれ、何人殺すはめになると思ってるんだ。 その上貴族殺しなんかやらかせば盛大に追われる事になる。 何処行っても追手を警戒する生活は俺は御免だよ。 総括すると掛ける手間に利益が全然見合ってない。却下。」 単なる間違い探しでもするみたいに問題点を指摘していく。 よくよく聞けば全ては損得勘定の上であって、 別に人を殺す事だとか家に被害が及ぶ事は全く気にしてない。 人殺しは今更だし、あの家には特に思い入れも何も無いため。 「それから、…血は…他人のは、嫌だ。 わかってるだろうが、俺は他人の事は好きになれない。 それとそっくり血を入れ替えられるなんて事は 言ってしまえば俺にとって悪夢でしかない。とはいえ… …お前と入れ替えるのは、それはそれで、お前はいいのか」 あれだけ忌み嫌っていた貴族の血、という意味でもあり。 凡そ人間の半端者とはいえ、純正な人間とは言い難くもある。 そういう意味で、本当に良いのかと問わずには居られなかった。 現実的に考えれば単純に血を入れ替えるだけでなく、 骨髄だの造血組織も挿げ替えなければ意味が無いのだろうけど。 まあそれはそれ。魔法を使えば概ね何でもありだ。とはいえ… (-111) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:24:33 |
フランドルは、もっとわからん。 (a23) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:24:42 |
フランドルは、俺は何をされるんだ? (a24) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:24:49 |
フランドルは、何もわからん。 (a25) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:25:00 |
【独】 残影の フランドル/* 一人遺されるの、つらいからね……慈悲ですよこれは オレ達は慈悲深いPLなんですよ。そういうことです。 心中はハッピーエンドなんだ(精神異常者)。 (-114) unforg00 2021/12/20(Mon) 10:34:33 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「 助けて欲しいのは俺の方だよ…… 」本当に助けられるものなら助けて欲しい。 まあ誰にも助けられないから今こうなっているのだが。 "もう一人"は寧ろ嬉々として火に油を注ぐ側なわけだし。 「……不味くはない、し、誰にでもはならない。 昔から、 おかしくなるのはお前の血でだけだった。 …それはそれで何か、却って気味悪いだろうけどな… …異種族そのものには偏見が無いってわかってても、 この血は、間接的にあの家に連なる証明にも繋がるから」 ──曰く、リロワーズ家は吸血鬼の末裔だという。 今や受け継いだ血はごく薄く、 これまでは殆どただの人間として生きてきたとしても。 それでも、その噂を肯定するような性質を生まれ持った事。 その血を継いでいる事を証明するような性質を生まれ持った事。 自分の中で、それは決して容易に認められるものではなかった。 それでも、貴方が確かにそれを許容するのであれば。 ある程度割り切り、折り合いを付け、受け入れる事を選ぶなら。 自分がこの血を受け入れ難いと感じる理由は、 貴方に嫌われ、見限られるのではないかという恐怖だけ。 だから、貴方にさえ拒まれないのであれば。 今になって、漸くこの血を少しは肯定できるのかもしれない。 (-154) unforg00 2021/12/20(Mon) 19:47:17 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「…俺は、今でも知られなきゃ良かったと思ってる。 あのまま手紙を焼き続けて、この血の衝動に耐え続けて 全部、無かった事にし続けて。 そのままお前と"ただのフランドル"のままで居られる事が、 きっと何より平穏で幸せだったろうと思ってる」 独白のように語るのは、今や叶わぬ夢。 「それでも…そうはならなかった。 そうはならなかったから、今の俺達があるんだ この血も、あの日の別れも、この街で受けた痛みの全ても 何か一つでも欠けたら、ここでこうしてはいなかった」 夢が覚めれば、後に待ち受けるのは現実ばかり。 「だから、 これまでの全てを否定しようとも思えはしない。 …きっと…今はそれで良いんだと思う」 人は、いつか必ずそれと向き合わなければならない時が来る。 けれど、決してそれが苦痛ばかりを齎すわけではない。 事実と向き合い、受け入れてこそ得られるものもある。 たとえば、"ハーディ"と"エディ"、 そんな二人の何にも代え難い存在を得たように。 (-155) unforg00 2021/12/20(Mon) 19:50:57 |
【秘】 残影の フランドル → 残氷 の エアハート「決して全てを受け入れられはしないけど、 だからといって、全てを否定しもしない。 案外誰しもそんなもんで、 どうにかこうにか折り合い付けて生きていくんだろう。 …そんなもんなんじゃないかとも、思う」 誰にだって許せないものがあって、 それでも、誰にだって、許したいものがある。 どんなに痛みを伴うとしても、受け入れたいものがある。 きっと、それはまったくおかしな事でもないのだろうと思う。 「だから、お前がそれで折り合い付けられるなら。 それならきっと、俺も漸く俺を許せるようになるから。 …血を抜かれずに済むならそれが一番、 でも他に手段が無いなら仕方ない。逃亡生活は御免だ。 他人と中身を挿げ替えられるのも御免被りたいが。 お前と痛み分けなら…まあ、悪くはないと思う」 実際の所は、悪くはない、というよりも。 ある意味では本当の意味で対等になるわけなのだから、 こちらとしては利ばかり、痛み分けですらない。 ただ、貴方の心境を思うと、自然とそういう言葉選びになった。 「お前と共に在る為なら、他の全ては必要経費だ。 お前の傍に居られるなら、場所は何処だって構わない。 それでも選ぶ事ができるなら。 俺達とは何の関係も無い、何のしがらみも無い所まで行こう。 … ずっと傍で、俺以外の何にも囚われないでいてくれよ。 」 (-156) unforg00 2021/12/20(Mon) 19:54:41 |
フランドルは、三度、請願を口にする。 (a46) unforg00 2021/12/20(Mon) 19:54:50 |
フランドルは、貴方の陰であり、貴方の剣であり、そして、 (a47) unforg00 2021/12/20(Mon) 19:55:29 |
フランドルは、きっと、貴方の目に焼き付いた残影でもあったのだろう。 (a48) unforg00 2021/12/20(Mon) 19:56:00 |
【置】 元騎士 フランドル──飛び去る鳩を見送った。 宣言通り、ヨルムガンドを発つ日の事。 託した封書は、"離反者"の拿捕の報せ── では、なく。 当然ながら、内容は騎士団宛の退職届だ。 如何にもそれっぽく革命軍に感化されましたよ、 というような内容の。 (L3) unforg00 2021/12/20(Mon) 20:50:11 公開: 2021/12/20(Mon) 20:55:00 |
【置】 元騎士 フランドル筋書きとしては、こうだ。 外征騎士フランドル・スキアーは追行任務に赴いた先で、 情報収集の為に革命軍へと潜入した、のちに。 感化されたか、或いはそうならざるを得ない何かがあったのか。 何れにせよ、悉に革命軍の一員になってしまったらしい、と。 くれてやるのはそんな道化芝居も斯くやの筋書きだけ。 その先の事など教えてはやらない。汎ゆる痕跡は全て消して行く。 仮に追手が掛かっても、この街で暫し足止めを食うだろう。 この街で足取りが途絶えた以上は、 当然ながら、その近辺を虱潰しに探すしかないわけで。 取り立てて探りを入れる先だって、革命軍くらいのもの。 革命軍も、随分と人のものに対して好き勝手をしてくれたのだ。 末端には良い迷惑だろうが、せいぜい執拗に嗅ぎ回られちまえ…… もとい、これくらいのツケは払ってもらわなければ。 いつだって同じ事だ。 人は生きている限り、常に何かの犠牲の上に立っている。 そして、貸し借りはいつか必ず清算されなければならない。 片時たりとも忘れた事は無い、至極当然の事。 いつだって、たったそれだけの事だ。 (L4) unforg00 2021/12/20(Mon) 20:50:46 公開: 2021/12/20(Mon) 20:55:00 |
【置】 元騎士 フランドル宿の部屋は既に引き払った。 元々この街には来たばかりだ。そう時間は掛からなかった。 持ち出すものと言えば、何時ぞやに受け取った生花くらいのもの。 ──ラナンキュラスの花言葉。 花売りが、花に込めた期待を裏切ってしまわない内に。 夢を見せるなら、せめて夢のままに幕を下ろすべきだろう。 その内にふと、彼女に倣って花でも贈ろうかな、なんて思った。 枯れた白い薔薇と、紫のオステオスペルマム。 渡すならきっと、その二つがいい。 (L5) unforg00 2021/12/20(Mon) 20:51:08 公開: 2021/12/20(Mon) 20:55:00 |
【置】 元騎士 フランドルやるべき事を終えれば、後は。 「──じゃあな、あぶれ者の街。 上も下も表も裏もそれ以外もろくでもないくせに、 そのくせろくでもないばかりで居てくれない卑怯なやつ。 生きていれば再び訪れる日も来るだろうが…」 遠く街並みを見下ろして、散々な捨て台詞。 今となっては、大した思い入れも無い街、でもないが。 とはいえそれらは一度ここに置いて行くとしよう。 得てして旅人というものは身軽であるに限るし、それに。 囚われる先は、一つあれば十分だ。 「その時は、今よか良い空気になってると思いたいな」 かつん、軽い音と共に踵を返して。 「…ま、良くなるにせよ、悪くなるにせよ。 『相見えるは黄昏の先』。そこで終わりじゃないだろう。 いつか黄昏に眠り、そして再び目覚めるその日まで。 今はまだ、白日の夢を見続けるといい」 よそ者は、今度こそ街並みに背を向けた。 (L6) unforg00 2021/12/20(Mon) 20:51:32 公開: 2021/12/20(Mon) 20:55:00 |
【置】 元騎士 フランドルそうして、ヨルムガンドの街や人々を巻き込んだ この騒動は今一度幕を下ろす事になるのだろう。 この慌ただしい数日間は、果たして人々にとって何であったのか。 或いは、この街は、世界は徐々に良くなって行くという喜劇。 或いは、人一人に救えるものは限られているという悲劇。 或いは、"蝙蝠"の言葉など信用してはならないという道徳劇。 或いは、革命及びその弾圧の巻き添えとなる人々という不条理劇。 或いは、 人生の一断片«Tranche de Vie»。 (L8) unforg00 2021/12/20(Mon) 20:52:08 公開: 2021/12/20(Mon) 20:55:00 |
【置】 元騎士 フランドルもしも、もしも。 これらが人の一生のただ一断片、 けれど掛け替えのない、一つたりとも欠けてはならないもの。 そんなただ一つの断片を映したものであるならば。 この世界は、すべてこれ一つの舞台。 人間は男女問わずすべてこれ役者にすぎぬ。 それぞれ舞台に登場しては、退場していく。 そしてその間に一人ひとりが、さまざまな役を演じる。 舞台は年齢によって七幕に分かれているのだ。 きっと終幕にはまだ早い。 今はこうして一度幕は下りれども。 人生は、これからも続いていくのだから。 (L10) unforg00 2021/12/20(Mon) 20:53:44 公開: 2021/12/20(Mon) 20:55:00 |
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