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【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク「……アハ」 その顔も、直ぐに笑い顔に上塗りされる。 「やっとツラが変わったなァ。 そっちのがいいや。話し甲斐があるってモンだ」 飾りを握りこんだ手の、 人差し指で顔を示しながらそう言って。 その指先をくるくると回しながら言葉を続ける。 「兄サンが拘る“価値”とやらがおれにはわからねェが。 要は説得してみせろってことかい?」 (-170) 榛 2021/06/29(Tue) 20:38:52 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「うん。好き。……ほんとに?」 訝しげな顔をしたが、嫌悪や嘲り以外の感情に敏い方ではない。 次いで向けられた問いにゆるりと視線を逸らす。 「嫌い。……見てて気分がいいものじゃ、ないでしょ。 私も、私を見る人の顔を見て。嫌な気分になりたく、ないもの」 肌の凹凸を浮かび上がらせるように張り付く服は、まだ乾きそうにない。 (-171) sym 2021/06/29(Tue) 21:22:47 |
【秘】 遊惰 ロク → 奔放 メイジ「ハハ、そりゃァよかった」 それだけを口にして立ち上がる。 少年が“これから知ってくれる”ことか、 名前を覚えたことか、それとも触れる許可が下りたことか。 その全てかもしれないし、どれでもないかもしれない。 立ち上がった男は、少年が歩くより少し後ろを 上着のポケットに手を突っ込んでフラフラ着いていった。 (-172) 榛 2021/06/29(Tue) 21:49:57 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ 訝しがる顔には笑顔で返す。本当だよ。 「――そうだなァ、 まったく気にならねェとは言えねェなァ」 目を逸らしてしまった少女の顔をジッと見て、そう口にする。 首から下の方へは不自然に視線を向けない。 (女子の体つきをマジマジ見るのは一寸……という只の男心なのだけども) (-173) 榛 2021/06/29(Tue) 22:37:57 |
【秘】 流転 タマオ → 遊惰 ロク>>63 あなたが待ち始めてから彼がやってくるまで、それほど時間はかからなかっただろう。彼の仕事は点検・見回りに移行しており、現状、概ね問題は出ていないからだ。 「おつかれさまです」 彼はあなたの姿を認めれば敬礼する。左手には新しく借りたのだろう工具箱。足を止めたのは敬礼したほんの一瞬で、すぐにあなたの置いたものを回収するのだろう。引き留めないのなら、本当にそれだけで去りそうだ。 (-174) Vellky 2021/06/29(Tue) 22:42:13 |
【秘】 遊惰 ロク → 流転 タマオ 事前の言葉通りやってきた男にヒラリと手を振り、 挨拶には「お前サンこそ」と返す。馴れ馴れしい。 直ぐにも立ち去りそうな彼に問い掛ける。 「なァ、駐在サン。 チサチャンって子、見てねェか?」 パペットを手にした看護師が探している、 赤い寝巻きを着た七歳の女の子の名前だ。 (-176) 榛 2021/06/29(Tue) 23:05:11 |
【秘】 奔放 メイジ → 遊惰 ロク「……アユミセンセーも忙しそうだしバレてないよね。 わりとかすり傷だし、赤チンで治らないかな?」 赤い色をした消毒薬のことである。 病院名が書かれた木箱を、ついてきたあなたに渡してから 「よろしくおねがいしまーす」 手当が始まれば、素直に傷のある右腕を差し出す。 急に触れられなければ平気だと言いつつも そこには少し緊張を孕んでいるようには感じるだろう。 (-177) DT81 2021/06/29(Tue) 23:30:06 |
【秘】 流転 タマオ → 遊惰 ロク「いいえ、本官は見ていません。 院内を見回り始めて暫くですが、影も形も」 彼にとっての事実が述べられた。 「本官は既に他の方に連れられたものと考えておりますが、 彼女をよく知っていると言う程ではない故に如何とも」 見ないから多分そうなんじゃないかなぁと彼は楽観視していた。憶測以上のものを持っていないため、件の看護士の行動には深く触れていない。 クレイシの行為を止められるのは、真摯な説得ではなく彼女が無事であるという事実だとタマオは考えている。目に余るようなら力づくでどうにかすることにはなるだろうが、今はその段階ではない。 (-178) Vellky 2021/06/29(Tue) 23:43:52 |
ロクは、救急箱を受け取った。 (a21) 榛 2021/06/29(Tue) 23:58:59 |
【秘】 遊惰 ロク → 奔放 メイジ「バレたらマァ、一緒におこられようや。 ……お前サンの“かすり傷”は信用ならねェ気がすンだよなァ」 受け取った木箱の蓋を開けて、中身を確認する。 どうやら欠けているものは無さそうだった。 「はいよ、おキズ失礼しまァす」 冗談めかしながらそう言って、右腕に触れて傷を確かめる。 笑顔と口調こそ軽薄を装っているけれど、 手つきと眼差しから真剣味が伝わってしまうかもしれない。 (-179) 榛 2021/06/30(Wed) 0:00:21 |
【秘】 遊惰 ロク → 流転 タマオ「そうかい」 然程期待はしていなかったのだろう、アッサリ頷く。 作業等であちこち歩き回っていることを知っていたため、 一応聞いておくかという程度だった。 「七つの子だって言うじゃねェか。 はやく見つかってほしいがなァ」 自分も含め、院内を歩き回っている大人が複数名。 未だ、小さな少女が発見されたとは聞かない。 無事を祈る声が空虚に響くのも、無理はない話だった。 「ア゛ー……こう雨が酷くちゃ、気が滅入ってしかたねェ。 駐在サン、ちっと茶飲みバナシでもしようや。茶はねェが」 カウンターに片手で頬杖をついて、もう片方で手招く。 言い忘れていたが、 勝手に内に入って椅子に腰かけているのだった。 (-180) 榛 2021/06/30(Wed) 0:23:34 |
【秘】 流転 タマオ → 遊惰 ロク はやく見つかってほしい。そうですね、と軽く頷いた。それ以上のことはない。心境的に避けたくなった等ではなく、ただ単純にこの話題がそこで終えられただけだ。 「・・・・・・。はい、休憩がてら失礼します。 こちらこそ面白い話が出来るわけではありませんが」 少しの考える間の後、了承すれば手持ちの物をカウンターに置き、彼も内側へ足を運んだ。自他ともに勝手な行為を気にしていない様子。そんな非常識なことしているわけでもないし。 後ろめたさisゼロで空いた椅子に足を組んで座る。表情筋と言葉がかたいだけで、本人の気質は真面目一辺倒というわけでもなさそうだ。 (-181) Vellky 2021/06/30(Wed) 0:49:30 |
【秘】 奔放 メイジ → 遊惰 ロク「……オレ、誤魔化す気満々だった。 動けるくらいはさ、全然かすり傷じゃない?」 そう言うが、木の枝が刺さったと言っていた 血が滲んだ傷は、爪で抉ったようなひっかき傷を 上書きするように数か所、痛々しく残っている。 メイジはぴくりとも動かず 黙って、あなたの様子を見つめている。 (-182) DT81 2021/06/30(Wed) 0:49:44 |
【秘】 遊惰 ロク → 奔放 メイジ「ハハ、ンじゃア誤魔化すかァ」 沁みるぞ、と言ってバシャリと豪快に消毒液をかける。 ついでに傷周りの汚れや血を落とすためだ。 「……赤チンで治りそうにねェのはかすり傷とは言わねェなァ」 それきり口を閉ざして、傷の周りを拭う。 綺麗になれば木箱から取り出した軟膏を塗り、 ガーゼを当てた上から包帯をきつくない程度に巻いていく。 繊細な手つきとは言い難いが、決して乱暴ではない程度の やけに手慣れた動きだった。 包帯をくるくると巻きながら、口を開く。 「――大人か?」 怪我を負わせた“誰か”について、短く問うた。 (-185) 榛 2021/06/30(Wed) 2:09:35 |
【秘】 遊惰 ロク → 流転 タマオ「いらっしゃいませェ」 カウンター内へやってきた男を歓迎する。 病院を店か何かと勘違いしているのかもしれない。 座り姿を見れば、おやと眉を上げる。 これまでの遣り取りから抱いた印象とは様子が違ったから。 それから殊更楽しげに笑って。 「おもしれェハナシをご所望かい? ンならしりとりでもするかァ。『リンドウ』」 (-187) 榛 2021/06/30(Wed) 2:22:17 |
【秘】 流転 タマオ → 遊惰 ロク 病院の受付対応でそう言ったら叱責されるだろうなぁと考えたが、考えただけだ。目の前の彼はこの病院の職員でもない。将来彼が医療施設の受付をすることにでもなれば、きっと先人から教えを授かるだろう。そんなどうでもいい思考は顔にも口にも出ない。 「……『ウド』」 しりとりとは面白い話に分類されるものだったかという疑問は、気持ち程度に捻られた首から見えたかもしれないが。 (-188) Vellky 2021/06/30(Wed) 2:51:20 |
ロクは、満足気に笑って口にする。「『道路工事』」 (a22) 榛 2021/06/30(Wed) 3:07:31 |
ロクは、クツリと笑う。「『ども』」 (a23) 榛 2021/06/30(Wed) 3:11:04 |
ロクは、間違い!「『こども』」 (a24) 榛 2021/06/30(Wed) 3:11:30 |
ロクは、お前そういうことするンだ…という目でタマオを見た。噛んだのは気にすンな。「『腰紐』」 (a25) 榛 2021/06/30(Wed) 3:21:14 |
【秘】 流転 タマオ → 遊惰 ロク「・・・・・・? 翡翠でしょうか。あの青を好みます。この瞳の色です」 己の右目を指差して。ともすればえぐるような動きにも見えないことはなかったが、本当に大事になものとして扱う動作。 「仮定が少々曖昧です。己が取引を持ちかけられているのか、 そちらが取引を持ちかけられているのか」 「己は一先ず石も食料も要していない故、不要と返す形になる」 (-192) Vellky 2021/06/30(Wed) 4:03:15 |
【秘】 奔放 メイジ → 遊惰 ロク「…………!!!」 嗅ぎ慣れた消毒液の匂い。 電流が走ったように腕から伝わる痛み。 声にならない悲鳴をあげた。 若干腕に力が入るものの、じっと耐えている。 「あー……いたたた……」 傷が拭われている間にあげていたのんきな声は 投げかけられた問いでおとなしくなる。 なにを聞かれたのかは理解していた。 若干俯き気味になり、しばらく沈黙したのち ……小さく首を縦に振った。 「ロクさん結構手慣れてるね」 そしてあからさまに話題を逸らそうとしている。 (-204) DT81 2021/06/30(Wed) 14:02:41 |
【秘】 遊惰 ロク → 流転 タマオ「珍しい色だねェ。生まれつきかい」 指差された翡翠の色を覗き込み、そんな感想を漏らした。 それから又だらしなくカウンターに肘をつく。 「あァ、相手サンが石を出す、お前サンが食いモンを出す。 それに乗るかってハナシ。 マ、乗らねェわなァ――、と。 石はともかく、食いモンもいらねェのか」 (-207) 榛 2021/06/30(Wed) 15:11:58 |
【秘】 流転 タマオ → 遊惰 ロク「はい、生まれつきです。 しがらみは少なくありませんでしたが、己はこの目が好きだ」 きっぱりと言い切る。好きを語るその空気は緩んでいた……なんてこともなかったが、きっと本心だろう。 食いモンもいらねェのか。その言葉に、「あ」と間の抜けた声が漏れた。 どうしよっかな… みたいな空気の後、ひとつ頷いて口を開く。「……成程、このような状況で、が前提の話ですよね? 生存に必要な物と、そうでない物との取引というわけだ」 「不要と言うと語弊があったかもしれません。 己は伊達に“この目で”“この国の”戦時下を生きてはいない」 想像を巡らすのなら、敵軍扱いをされ、不当に配給を受け取れなかったり奪われたりがあってもおかしくないと思えるだろう。 「幼少期ならいざ知らず、今の己は飢えてもおらず健康体だ。 故に、警察官の責務が優先される段階であると考えています」 「市民が求めるのなら、どちらも譲渡することはあるでしょう。 タダが恐い相手なら、取引の形を取るでしょうね」 正直長々と交渉する方が面倒。……身も蓋もないどっちらけな思考は胸中のみに収められた。 (-210) Vellky 2021/06/30(Wed) 16:18:50 |
【秘】 療育 クレイシ → 遊惰 ロクカラリとした笑みに隠された意図に気づけなかった。それほど、男は心をすり減らしていて。 「……そりゃあ、不安だよ。こんなにも荒れた天気、過去一番酷いものかもしれない。 川の水は溢れかえっているだろうし、土砂崩れだって起きているかも」 一度口を介してこぼれた感情は、止められそうになく。 「何度も何度もあの子には『危ないから大人しくしていて』と言っても聞いてくれない!いなくなってしまえばまず問い質されるのは担当していた俺だ! 大人には子供を守る責任があるなんて言われているのに、子供は大人の気持ちなんてちっとも理解してくれない! ああッ、くそっ、ただでさえこっちはあの女の行動で腹が立っ──」 のし掛かる重荷への嘆きを叫ぶように吐き出していたが、途中で自分の口に手を当てて目を逸らした。 「……ごめんね。君に聞かせることではなかった」 (-225) もちぱい 2021/06/30(Wed) 18:45:24 |
【秘】 遊惰 ロク → 奔放 メイジ 少年が頷くのを確認して、上げていた視線を腕に戻す。 俯き、クツリと笑って話を逸らされてやる。 「いやになるほどやったからなァ。 ハハ、ひとの手当てなンざ久しいが、手が覚えてるモンだ」 いつの間にか止まっていた手を再び動かす。 包帯に鋏を入れ、端をテープで留め、 「はいよ、よく我慢したなァ」 ポンと少年の頭に手を置き―― 『やっちまった』という顔をした。 (-228) 榛 2021/06/30(Wed) 19:03:24 |
【秘】 奔放 メイジ → 遊惰 ロク「……そうなんだ。ロクさんも医者だったの? それとも、戦──」 頭に手を置かれる寸前、びくりと身を縮めた。 けれどあなたの手に粗暴さを感じなかったゆえか 蹲ったままじっと耐えるように目を閉じているだけだった。 「……あ」 「──りがと、手当てしてくれて……」 やがて眼をあけると、へらりと笑った。 (-230) DT81 2021/06/30(Wed) 20:08:10 |
【秘】 遊惰 ロク → 流転 タマオ「フゥン」 あたかも気の無い様な相槌を打ちながら、内心。 理不尽な飢えを思って――芽生えたのは勝手な同族意識。 それは警官というだけで翡翠の瞳の男へ抱いていた警戒を 少しばかり払拭する程度には、男にとって重要なことだった。 「そりゃァリッパな心がけだなァ。 ――お前サン、飢えを知ってるんだろ。 今はよかろうが明日、明後日。同じことが言えるかねェ」 そう言った口で、真逆と言って良い問い掛けを口にする。 首を傾げた拍子、十字架が揺れた。 「ンで、その“市民”の中におれは入るかい?」 (-232) 榛 2021/06/30(Wed) 20:52:05 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「……無理して見なくて、いい、から」 視線から逃げるように体ごと顔を背ける。 好奇の視線は苦手なのだ。その後にかけられる言葉なんて、大体ロクなものではなかったのだから。 手足の細さの割に、胴体はそこまで細くは見えない。 所謂女性的な体つきにも見えはしなかっただろうけど。 (-233) sym 2021/06/30(Wed) 20:59:18 |
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