人狼物語 三日月国


159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】

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視点:


【墓】 甚六 カナイ


そうしてぼくは、ぼくの死体を見る。
 
(+0) 榛 2022/07/10(Sun) 21:00:55

【秘】 陽炎 シロマ → 甚六 カナイ

数度、瞬きをする。
そんなことは想像もしていなかったと言わんばかりに。

「……っはは!殺すなんてとんでもない!」

笑い飛ばす少女の瞳は誰も映さない。否、映せない。
過去の人間は、未来を見ることさえできない。
過去になった人間なら?


「ちゃあんと牧夫だって出席簿に載ってるよ。
 
誰一人仲間外れにするもんか。


現実における生死の話をせず、自分の尺度でだけ話す。
標的は全員≠セと。

この死者は、生者の尺度を理解できなかった。

「……ねぇ、ずっと一緒にいようよ。
 こんな生き辛い場所じゃなくてさ、もっと素敵な所で。
 好きなことをして過ごそうよ。
 そこでは男だからとか、女だからとか。
 誰にも言われない───いや、言わせない」

手を重ねたまま、十七歳の少女は願う。

「ねえ、」

ほんの一瞬、目を伏せた。
だけど先生だから、貴方の目を真っ直ぐ見据えて────

(-5) wazakideath 2022/07/10(Sun) 21:36:20

【秘】 先生 シロマ → 甚六 カナイ

 
 
「良いよ≠チて、言って?」

 
(-6) wazakideath 2022/07/10(Sun) 21:37:28

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

>>a5

──あなたの死体がある場所ではないどこか。
暗闇に光るふたつの丸……猫の瞳があなたを捉えていた。

「ねこや、今度はなんですか」

猫に続いて猫島の姿。
足を止めた猫の視線の先を彼も、じい、と見つめる。
(-15) 66111 2022/07/10(Sun) 22:34:55

【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ

「ぴ 
ぴあす…
ぴ、
ぴんく……


ぁわわ。カルチャーショック。

白髪がちの髪は、毛先がごわごわと痛んでいる。
遠目には、灰色にも間違われる髪の色。

「染めんなら、んん… 
金色…
 がよか、なぁ」
「ぼくには、似合わんろうけど…」

きらきら綺麗な、きみの髪を見つめながら。
(-18) 榛 2022/07/10(Sun) 22:48:54

【秘】 チャラ男 ウラミチ → 甚六 カナイ

「金髪?いーじゃん!
 お前にも似合うって!性格も明るくなっかもよ〜?」

笑いながら毛先の痛んだ髪に触れていたが、ハッと気づくと慌てて手を離した。
女子の髪に気軽に触れてしまった。昔のノリで

明日とか……お前がしたいなら、
俺が染めてやってもぃぃ、ケド……


しどろもどろ言いながらフイ、と照れ隠しに顔を背けた。
(-20) kotorigasuki 2022/07/10(Sun) 23:20:39

【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ

夏の香りが遠ざかる。

一つ一つが、少女の瞳を翳らせていく。
きみが言葉を重ねるほどに、暗い色を募らせる。

「やっぱり。きみが まきおを殺したんだな」


ぽつ、ぽつ。ちぐはぐで、噛み合わない二者面談。
死者の尺度を生者は理解できない。
そのまったく反対が、きみに齎されたように。

「なぁ きみは」
「あの子たちまで、連れてく気なのか」


重なった手は、熱を持っている。
深く淀んだ断絶がそこに横たわっていることだけを、感じ取る。


 
「 …… ぃ」



視線が地に落ちる。
不出来な、何もできない生徒の声が、

(-29) 榛 2022/07/11(Mon) 0:38:39

【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ

 

「よく、なぃ に、決まってるだろ」


 
(-30) 榛 2022/07/11(Mon) 0:40:12

【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ

「に 
にあうかいね…


照れくさそうに、嬉しそうに。
触れたり離れたりの手にはあまり、頓着なく。

「してくれる、ん。
 
んふ……
 ありがと。うらみち」

カナイの家では、金髪なんてほんとはたぶん許してもらえない。
それでも、はずむ声は頷きをかえす。
ごめんな。



「ん あし」


た。


(-33) 榛 2022/07/11(Mon) 2:16:33

【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ

 
 
―――かしゃん。


金属が床にぶつかる、軽い音が鳴る。
腰に巻くための青いリボンが、ひらりと床に落ちる。

中の渦巻きがじりじりと燃え、仄かにあたたかいそれは。
きみと話していた少女が持って帰ってきたはずの、忘れ物。


(-36) 榛 2022/07/11(Mon) 2:19:12

【秘】 甚六 カナイ → チャラ男 ウラミチ

 
カナイの姿は、煙のように掻き消えていた。
 
(-37) 榛 2022/07/11(Mon) 2:20:02

【秘】 チャラ男 ウラミチ → 甚六 カナイ

顔を背けていた男は軽い金属の音にそちらへ振りかえる。

「……?」

そこにはさっきまで話していたはずのカナイはいない。
目を逸らしているうちにどこかへ行ってしまったのだろうか。

「ちょ……アイツ……!
 どっか行くなっていったじゃん……!」

一人になった教室は先ほどとは打って変わって居心地が悪い。
少し待っていたら戻ってくるだろうと思っていたが、暫くしてもこちらへやってくる足音は聞こえてこない。

「ったくしゃーねぇなぁ……また忘れもんしてっし」

立ち上がり、まだ温かい蚊取り線香を拾い上げた。

「どうせどっかで迷子にでもなってんだろ……」

みつけてやんないと、と言い訳を独りごちに呟きながら一人きりの部屋を後にした。
(-38) kotorigasuki 2022/07/11(Mon) 2:32:49

【秘】 甚六 カナイ → 不知 ミナイ

はっ、と息を呑む音。
呆然としたような呟きが、電話越しに、


「みゆき 
?」


 
ザザッ

       
ジ----……


不自然に走るノイズ。
電子嵐の隙間から、声が返される。


「こ
わ■、■


「■く
 
■■■ぃ よ



(-39) 榛 2022/07/11(Mon) 2:37:47

【秘】 甚六 カナイ → 不知 ミナイ

 
「あすか」


「ぼくのことも、見つけてくれる?」



ゴトン
ぎぃー
、……ブツッ。

何かとぶつかるような―――
軋む床に落ちたスマホが、沈黙した音。



きみの言うこと。信じるに決まってる。
でも、こうならなくてもそうしたよ。
もう、確かめらんないことだけど さ。


怖いよね。
ごめんな、あすか。
(-42) 榛 2022/07/11(Mon) 2:44:28
カナイは、暫く前から、既読をつけていないはず。
(c0) 榛 2022/07/11(Mon) 2:55:45

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

 
「にゃんこ…」

光る一対の瞳とばっちり目が合って、
並ぶ机を避けながら、ふらふらそっちに近寄っていく。

そのときカナイが居たのは、どこぞの特別教室。
設備を見るに、図工室だったらしい場所。


そろそろとしゃがんで、撫でようとして。
その手が、
ずぬ…
と猫を通り過ぎ、

「ぁえ」

(-43) 榛 2022/07/11(Mon) 3:13:42

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

「……んぁ」

膝を抱え、肩を落とした情けない恰好のまま。
猫の後ろに立つすがたを見上げて。ぽつ、と呟いた。

「みのる だ」
(-44) 榛 2022/07/11(Mon) 3:15:00

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

>>a13

ずぬ…
がお気に召さなかったのでしょうか。
猫はあなたの周囲をうろうろ。
すり抜けたり、すり抜けなかったり。…抗議かな?

「……今度は何もねぇすね」

周辺をぐるうり照らして。
ひとめで見れない所があれば、ちゃんとそっちの方まで行って。
目立ったものは何もないのを確認した。
あなたのことも視界に入れたはずなのにね 
「まぁ、毎度毎度何かがあるわけでもないか 

「ねこや、あんまりうろうろしてると床板踏み抜きますよ」

猫はうろうろするのをやめません。

「・・・・・・」

「まぁ、お前なら平気でしょうけど」

少し肩の力が抜けた笑い声がした。

猫島は、あなたのことが見えていないみたい。
(-46) 66111 2022/07/11(Mon) 4:23:34

【秘】 陽炎 シロマ → 甚六 カナイ

「……どうして?」

寂しそうな相貌が貴方を見下ろした。
何故殺したなんて、言うのだろう。
何故良くないなんて、言うのだろう。

「皆連れて
来れば
、皆一緒にいられるよ。
 卒業したって、ずっと一緒。
 寂しくなんて、ならないよ?
 なのに、どうして」

連れて行く、ではなく。
連れて来る、と少女は言った。
貴方だって、もう此方側なのだから。

過去に留まれば、未来を見ることは叶わない。
将来を奪うことに他ならないことを、少女は理解しない。

「……誰か嫌いな子でもいるの?」

返ってきたのは、的外れな疑問。
皆と一緒に居たくない理由なんて、それしか思い浮かばない。
(-48) wazakideath 2022/07/11(Mon) 10:22:57

【秘】 元弓道 マユミ → 甚六 カナイ

「鹿乃」

眠る貴方から離れる直前。
その音はこぼれ落ちる。

「……もし、そちらに拙も行けたのなら」

「もうこれ以上変わらず、貴方とも」


「ずぅっと、何にも怯えず一緒に過ごせるのでしょうか」

「拙はもう、どうしたらいいのか分からないのです」
(-54) もちぱい 2022/07/11(Mon) 14:14:44

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「自覚してないだけだろ」

きみは、僕の言葉を信じたいという旨をそこに残した。
なのに、否定を残した。
優先順位が働く。
きみは、否定したい。否定する理由がある。


「欲しい物なんて、あっちゃいけないかい」
「欲しい物を欲しいとすることに、何の不都合があるんだ? 司馬」
(-75) chizuaquarii 2022/07/11(Mon) 19:50:15

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

 
「ぁえぁぁ……」


猫に負けている。
うろうろが通り抜けるたびにゾワワ!と肩を震わせる。

まるでいつも通りだ。

「………」

ぽへ、と少年が行き来するのを眺める。
ぐるーっと背後の方に回っていくのを追いかけようとして、
しゃがみ込んだまま体を捻り、

「ぁう」


ぽて、と転ける。

まるで生きてた頃みたい。


(-79) 榛 2022/07/11(Mon) 20:30:12

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

 
「……んぇ」


仰向けに天井を見る。
情けない声が、教室に浮いて。
空気を震わせることはない。


「みのる……」


仰向けに天井を見る。
小さな小さな呼びかけ。
きっとこれにも、返事はない。


「うぅぅうぅ……」



ぜんぶ、きみには見えないみたい。

仰向けに天井を見る。
のろのろと腕を動かして、顔を覆おうとした。ら、

脇にあったものに
触れて



 
――――ガタン。
 椅子が、倒れた。
(-80) 榛 2022/07/11(Mon) 20:32:48

【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ


「き、らいな奴なんて」


まるで見当はずれの問い。
どうしてそんなこと言うんだ。
どうして、“どうして”なんて言うんだ。

カナイはぐるぐる考える。
些細で大きな、言い回しの違いに気づく余裕もなく。

「ぃ いるわけない、
だろ


ケン、と力なく喉に引っかかる咳をする。
どうやったら分かってもらえるんだろ。


「……ぁぅ。
 
そうじゃ、のぉて……」



ああ、むりかな。
むりだよな。

ぼくってそういう、やつなんだし。
(-94) 榛 2022/07/11(Mon) 22:09:03

【秘】 陽葉 シロマ → 甚六 カナイ

「だよねぇ、皆良い子だ。
 だから深雪も“離れ離れは嫌だ”って思ったんだろうしね」

うんうん、と場違いな頷きを返す。
話が噛み合わない。
丁度、ラジオの波長がずれているかのように。

「……実を言うと、最初は生徒が一人いれば良いやって思ってた。一人でもいれば、先生はできるし。
 でも──深雪が皆一緒が良いって言ったからさ。
 多いに越したことはないかな、と思って」

全員を狙う理由はその程度。
その程度で、少女は青年を死に至らしめた。
いや。
殺した自覚さえ、未だ無い。

「初めてできた生徒の頼みだもの。
 ──私、叶えてあげたいんだ!」

その笑顔は、普段の大人びた雰囲気など微塵もなく……年相応に無邪気だった。
(-95) wazakideath 2022/07/11(Mon) 22:46:37

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

>>a36>>a37

「────」

「ねこや、」

「ねこや、今のはお前ですよね?」
言いながら、多分違うと思った 
倒したというよりも、避けたような。
「ねこや、なんにもいませんよね? 
猫は、あなたの頭の周りをうろうろ 
「ねこや、お前しかいませんよね? 
猫は、あなたの頬にすり寄ります 
「ねこや、おいで 
猫は、猫島の方に行きません 

「ねこや」

「ねこや」

「ねこや」

「ねえ」
猫は、猫島の方に行きません 
(-103) 66111 2022/07/12(Tue) 1:35:03

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

「ぁう」

言い切られるとすこぶる弱い。
きみが言うんならそうなんだろな、という気になる。

「ぃけないこた、無いだろ けど」
「ぼ 
ぼく……は、


考え考え、口を開く。
きっと焦れったいほどに、のろのろとした喋り。

「ねーちゃん じゃけぇ…」
(-112) 榛 2022/07/12(Tue) 12:05:17

【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ

「…… ぇ」

 
なんで  みゆき が?


霞がかる頭。胃の辺りがふわ、と浮く心地。
きみの見せる、少女らしい、他愛無い笑顔と正反対に。
青ざめた唇を震わせて、くしゃ、と顔をゆがめて。


「わ」

……わ
らん
、ょ」


こずちゃんの 言うこと


ひそまった瞳は渇いている。
涙の膜が張ることも、ましてや零れ落ちることもない。
泣き方を忘れてしまったそこだけが、いやに枯れた大人びて。

「ぼくには、わからん……」


でもやっぱり、カナイは。
情けないカナイでしか、なかった。
『ねーちゃん』も、うまくやれない。
(-113) 榛 2022/07/12(Tue) 12:31:32

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「ねーちゃんか」

「きみは僕のねーちゃんじゃあないが」

ゆるゆるとかぶりを振った。

「全く。これじゃいじめてるみたいじゃないか」


「ただ、気になっただけだ。なにをそんなに自分のものを否定するのか」

「分からないなら別にいいさ」


「あるように見えたんだ、きみには」
ただ、それだけだ。と口を結んで。
追い詰めることが目的ではない。それは別に、面白くない。

はらわたを暴いて、解き明かして。
そのあとを、放り投げるのもつまらないしな。
(-114) chizuaquarii 2022/07/12(Tue) 12:47:31

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

「……んむ」

いつのまにか縮こまっていた肩をゆるめて、こくん。
ねーちゃんじゃない には、若干の抗議の目を向けた。

それから、上目遣いに。

「そぉまは なして」
「そないに、知りたがるんかいね」

不快だとか意趣返しのつもりはなくて、ただの疑問。
(-116) 榛 2022/07/12(Tue) 13:02:52

【墓】 甚六 カナイ

すこしだけ瘠せた、透けたからだで彷徨っている。
スニーカーの片方をどこかへやってしまって、歩きにくそう。

 
……はー、は、


時おり息を切らしたように立ち止まり、
それからまた、ふらふら、ゆらゆら。

旧い校舎の中を、歩き回っている。
(+12) 榛 2022/07/12(Tue) 13:41:58
カナイは、
「うらみち?」
(c1) 榛 2022/07/12(Tue) 13:42:19

【墓】 甚六 カナイ

>>28 >>c1
昇降口の隅に、目を留めて。
そこに一人蹲る少年に駆けよった。

「どうし…
 な 泣いてるのか」


おろおろと両手を無意味にうろつかせて。

「こわいこと、あったのか」

「なぁ」

「泣くな、泣くな」


透明の声をきみに掛ける。
隠れたからだで、きみのそばに居る。

(+13) 榛 2022/07/12(Tue) 13:43:22

【墓】 隠鬼 カナイ

>>+13

「……ぼくの、見たか?」

「ごめんなぁ」 
「……見つけてくれて、ありがとなぁ」


「あとは ねーちゃんが、なんとかしてやるから」

「な?」




「大丈夫だから、泣くなよ」

「こわくない、こわくない……」
(+14) 榛 2022/07/12(Tue) 13:44:51

【秘】 陽炎 シロマ → 甚六 カナイ

繰り返し、伝えた筈だ。
本心を、貴方に明かした筈だ。
なのに返ってくるのは、拒絶ばかり。

「……、伝わらないかぁ」

その笑顔に影が差す。
理解されないことは、誰だって寂しい。無論、それは死者も同じ。
だと言うのに、分かり合えない。
どうしてだろう。


「同じ人間でも、分かり合えないんだ。
 直ぐに分かってもらうのは難しいよね。
 もしそんなことができるなら、戦争だって起こらなくて……私だって焼けなかったんだから」

しかし。

「でも、大丈夫」

ここで諦めてはいけない。
何故なら────、

(-130) wazakideath 2022/07/12(Tue) 14:32:18

【秘】 先生 シロマ → 甚六 カナイ

 
 
解るまで、一緒に頑張ろう?



────白間コズヱは、先生なのだから!

 
(-131) wazakideath 2022/07/12(Tue) 14:33:55

【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ


「……こずちゃん?」


翳る笑顔を見れば、反射的に。
気づかわしげな声で呼びかけてしまう。
こんなときにさえ。
きみが悲しい顔をするのは、


(-136) 榛 2022/07/12(Tue) 16:47:30

【秘】 甚六 カナイ → 陽葉 シロマ

焼ける肉の匂い。


「――― ぅ、」

目を見開く。
ぼた、汗が滴り落ちる感覚。

一転、翳りを照らし出すような。
無邪気で、他愛無くて、目も眩むような笑顔。

腹の虫の音。



ぃ っしょに
、……て」

      「
、ぁ 
って」


 
「こず 
ちゃ……」


焦げる夏の、匂いがして。

(-137) 榛 2022/07/12(Tue) 16:47:55

【秘】 劣等生 カナイ → 陽葉 シロマ


「っ ひぃ、 ぅ」
  


引き攣れた息をひとつ―――ぷつん。
暗転、目の前の少女せんせいの胸元へくらりと倒れこんだ。
(-138) 榛 2022/07/12(Tue) 16:48:51

【秘】 空っぽ カナイ → 元弓道 マユミ

『拙はもう、どうしたらいいのか分からないのです』


抜け殻の喉は、声を発せない。
亡骸の耳はもう、零れ落ちた音を拾えない。

ただ、そこにあるだけの。
これはきみに、何も返しやしない。

瘠せ衰えた死体は、ただ眠るだけだった。


▽ 
 
(-143) 榛 2022/07/12(Tue) 18:02:39
甚六 カナイは、メモを貼った。
(c2) 榛 2022/07/12(Tue) 18:22:20

追憶 カナイは、メモを貼った。
(c3) 榛 2022/07/12(Tue) 18:24:18

【墓】 空白 カナイ


それでも、



「まぁ」



それでも、
(+15) 榛 2022/07/12(Tue) 18:26:11

【墓】 半足 カナイ


それでも。


もう一度、会えるのなら。
(+16) 榛 2022/07/12(Tue) 18:29:01

【秘】 幼なじみ カナイ → 元弓道 マユミ


ぎぃー… と、軋む音。
スニーカー片方だけを履いた足が、床を鳴らして。


「まぁ」


なんしとるん……、
ね  
ぇう


靴ひもを踏んづけて、転んだ。
死んでまでも、どんくさい。
(-144) 榛 2022/07/12(Tue) 18:30:56

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「なんで、か」


ふい、と外を見る。古い窓ガラスが張り巡らされているそこを。
いや、それはどちらかというと。

窓ガラスそのものに映った何かを見ているかのように。


最初は、ただの。模倣だったような気がする。
だが、その形だけは良くなじんだ。

なんでも、じゃなかった。その先に連なるものを。

「解決したいからかな。きっと、ただの趣味さ」

──それはもしや。情のようなものだったのかもしれないけど。
もう、形に飲まれてよく分からない。
(-152) chizuaquarii 2022/07/12(Tue) 20:34:36

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

 
ぽかん。倒れた椅子を、見て。
  
―――今の。ぼくに、できたのか?


のたのた慌てて、起き上がる。




    
『ねこや』

『ねこや』
  


猫に呼びかける少年の声を背にして、
廊下に続くのとは別の、もう一つの扉へ飛び込んで。


「な なんかないか」

「あるだろ」

「いっこくらい、あれよ……」


(-159) 榛 2022/07/12(Tue) 22:00:00
カナイは、準備室。ガタガタ漁って見つけるのは、
(c4) 榛 2022/07/12(Tue) 22:00:22

カナイは、画板とそれから、いい感じ度が38くらいのもの。
(c5) 榛 2022/07/12(Tue) 22:00:36

カナイは、見つけたそれらを抱えて、このあと転ばない
(c6) 榛 2022/07/12(Tue) 22:01:04

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

ひとまず見つけたそれらを持って、
わたわた、のたのた。さっき居たところに駆け戻る。
(ネコジマには、画板がひとりでにやってきたように見えるのかも。)



そうしてぼろっちい画板の表面に、
ちびた鉛筆を走らせようとした……のだけども。

「あえぁ…」

積もってこびりついた埃のせいで、なかなかうまくいかない。
思わず助けを乞うように、猫と少年を交互に見た。
(-160) 榛 2022/07/12(Tue) 22:02:32

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

 

 
 
(-167) 66111 2022/07/13(Wed) 0:12:04

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

 

 
 
(-168) 66111 2022/07/13(Wed) 0:12:09

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

 

 
 
(-169) 66111 2022/07/13(Wed) 0:12:22

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ


画板と鉛筆の浮いていた高さだとか。
 
持っていたものを簡単にとられちゃったところだとか。
 
とられた後、すぐは動けないでいるあたりだとか。
 
知っている人なら、きっとあなた。
 
あなただとおもった。
 
 
(-171) 66111 2022/07/13(Wed) 0:14:30

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

窓の方を向いた横顔を、ぽけ、と見つめる。
向かい合う鏡写しを、見たような見なかったような。

「……ひとごと?」

ぼそ、と呟く。きみの口振りが、そう聞こえたから。
(-172) 榛 2022/07/13(Wed) 0:20:35

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ


猫島はそうやって思い付いた時に、本当は画板と同じく
取り上げてしまおうかと思ったけれど、猫が鳴いたものだから。


「・・・・・・まぁ」

「猫島も鬼じゃありませんから」

「何かあるならききますよ」

「なにもないのはさみしいです」

「かなネエなんすよね?」

「かなネエじゃなかったら、なにもなくていいです」
 
(-173) 66111 2022/07/13(Wed) 0:25:06

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「ひとごと、だった」


「僕は、相馬栗栖だった」


理解できない言葉だ。所詮、意味がない言葉。
それに込められた意味を理解できるものは、多分……、いないかもしれない。
自分でさえ。

「ま、やりたいからやってるのさ。知りたいから知ろうとしている」
「ただ、知るだけじゃ満足できなくなってたのは困り者だがね」
(-174) chizuaquarii 2022/07/13(Wed) 0:25:35

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

だった が二つ並んだ。
並んだところで、よく分からないが掛け算になるだけだった。

「そぉまは、難しいこと 
ばっか 言う…


ごにゃごにゃ。
不服そうで、だけどちょっと嬉しそう。
それからやっぱりよく分かっていない感じに首を傾げて、

「……『ほしがり』 か?」

はっ、と閃いたみたいな顔をして起こした。
(-177) 榛 2022/07/13(Wed) 0:44:47

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「あっはっはっはっは! ほしがり、ほしがりか!」

笑い声が響く。笑っていないのに、確かに、己に諦念はない。
ただ、そうしたいと思ったことをそうするだけ。
うまく現実にすりあわせて、破綻がないように、諦めることなく。

「フフ、フ。そうかそうか、」

(-178) chizuaquarii 2022/07/13(Wed) 0:50:03

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ




   「内緒だぜ?」
(-179) chizuaquarii 2022/07/13(Wed) 0:50:28

【秘】 甚六 カナイ → 友達 ネコジマ

にゃあ。猫の鳴き声で我に返る。
きいてくれるのか、と今度は手のひらと鉛筆を見比べて。

「……えぅ」


ちょっとの時間、迷って、考えて。


しばらく固まって、それから慌てて両手を伸ばしたり。
相変わらず、情けない声をあげていたり。
名前を呼ばれて、ちょっと嬉しそうなのが隠せなかったり。
知ってるよ、と静かに呟いたり。

そういうのはいっこも、伝わんないけど。


(-180) 榛 2022/07/13(Wed) 1:24:14

【秘】 友達 カナイ → 友達 ネコジマ

カナイはきみと向かい合ったまま、短く綴る。

先の丸まった芯が手のひらの上を、ゆっくり。


   
みのる
 
おかえり



間抜けにも、逆さまの文字を。
(-183) 榛 2022/07/13(Wed) 1:33:57

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

 

「もっと他に言うことあったでしょ。ただいま、かなネエ」
 
(-190) 66111 2022/07/13(Wed) 12:05:45

【秘】 気狂 ネコジマ → 甚六 カナイ

 

「じゃあかなネエは生きていますね、よかった」
 
(-191) 66111 2022/07/13(Wed) 12:06:30

【秘】 気狂 ネコジマ → 甚六 カナイ


「生きてないと何もできないんだから」

「何かできたなら、生きているんです」

「見えないのはー…猫島の目が悪いんでしょう」

「聞こえないのも、猫島の耳が悪いんでしょう」

「だから猫島は放っておいたら、さみしいあなたを傷付けます」

「今もちょっと、すこし、割と。…そうでしょ?」

取り上げた画板を適当な場所に置く。
これだってけっこう、衝動的な行動で。
 
猫島にとって、死人は何かをできてはいけない。絶対に。
(-192) 66111 2022/07/13(Wed) 12:09:24

【秘】 気狂 ネコジマ → 甚六 カナイ


「だからね、じゃあねかなネエ 

「大丈夫です。ちゃんとよくしてきますよ、目も耳も」

そうして、他の何かを伝えられてしまう前に 
猫島は足早に図工室から出て行ったのだった。
(-193) 66111 2022/07/13(Wed) 12:10:17

【秘】 友達 ネコジマ → 甚六 カナイ

>>a72

 あいつってほんとうに仕方のない奴なんだよ。

言葉が話せたのなら、猫はきっとそんなふうに言っていました。
あなたと受け取り方が全然違っていたんでしょうね。
おかしさだなんて、きっと感じていなくて。

あんまりにも場違いな調子で、わらっているようでした。
 
(-194) 66111 2022/07/13(Wed) 12:14:46

【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ

少女は何かを感じ取ることが出来た。
素直に受け取って、染まりやすく、流されやすかった。

その音を、その声を拾えたのはそれが理由だろうか。或いは、感じぬふりをしながらも貴方をずっと想い続けていたからだろうか。

「っ」

ぎぃ、と。床が鳴る音。何かが確かに存在する証。
それを拾い上げて、思わず其方へ勢いよく視線を向ければ。

「かな、い」

「鹿乃!」

今までと何一つ変わらないように。
名前を呼んで、駆け出して。
今までと何一つ変わらないように。
すっかり馴染みとなった転ぶ貴方に、当たり前のように手を貸そうとする。

嗚呼、それでも。不可逆の変化は確かに訪れた。
差し伸べても、今まで通り貴方に触れられるだろうか?
(-207) もちぱい 2022/07/13(Wed) 15:59:31

【秘】 甚六 カナイ → 傷弓之鳥 マユミ

「んぁ、
……んふ。
まぁ、だ」

きみの耳朶を打つのは、ぽそぽそと内気な、
親愛をぎゅっと詰め込んだ声。
その声も、
転んで膝をつく、短パンからひょろりと伸びた脚も、

「ねーちゃんまた、転んじょった…」

前髪とフード越しにへにゃりと笑う顔も、下がる眉も、

「す、すまね」

おずおずときみの手に触れて重なる、長袖から覗く指も。
いつも通りに、いつかと同じで。


齎された不可逆を示すのは、その体温。
熱をどこかにうっかり、置いてきたみたい。
(-252) 榛 2022/07/14(Thu) 12:13:41

【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ

「はい。拙ですよ」

いつも通り、にしては何処か少し、噛み締めるような低い声音。

ぽそぽそと内気な、親愛をぎゅっと詰め込んだ声。
転んで膝をつく、短パンからひょろりと伸びた脚も、
前髪とフード越しにへにゃりと笑う顔も、下がる眉も、
おずおずと自分の手に触れて重なる、長袖から覗く指も。
いつも通りに、いつかと同じで。

……嗚呼、けれど。

触れる体は、もういつも通りじゃない。

「ふふ、相変わらずですね。転んでもいいですよ、拙が何度だって手を貸しますから」

それでもいい。貴方が貴方であるのなら、自分は。

(-256) もちぱい 2022/07/14(Thu) 14:30:25

【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ

「その代わり」

少女はさらさらと流れる黒髪を揺らしてそっと両腕を広げた。
そのまま小柄な貴方を囲うように、腕を回して閉じ込めて。

「…………今だけ、こうさせてください」

縋るように、或いは何かから隠れるように。
貴方の肩口に、力なく顔を埋めた。
熱はない。いのちの欠片が何処にもない。いつも通りと一緒に、何処かに置き去りにしてしまったのだろう。
けれど、貴方が貴方である証はいくらでもある。

声を、華奢な体を、詰め込まれた親愛を。
残っているいつも通りをよすがにして、少女は貴方に体を寄せる。

「……」

「…………」

「ねーちゃん……」


ぽつり。
それは、いつも通りじゃない声は、貴方の服に吸い込まれた。
今まで一度も、そんな呼び方をしたことがない。けれど、いつも通りじゃない今だからこそ、少女はその呼び方を音にした。
少女は一度も、貴方を「だめだめなねーちゃん」だと思ったことなどなかった。
気弱でも優しくて、一緒に過ごしてくれた大切なお友達。
寄り掛かりたいと思う、素敵なねーちゃん。
(-257) もちぱい 2022/07/14(Thu) 14:30:52

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

「…んふ」

   「ないしょ、な」

(-258) 榛 2022/07/14(Thu) 14:40:27

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

見上げるきみに笑いかけた。
口をもにもにさせて、笑い声はその中に含んで。


「じゃ、そぉま
は…… 
んぇ


それも、束の間。
ちかちか瞬き、息を継ぎ。

んん、 
……ん。」

「す、すいり。……が、がんばれ

 しゅ
い、す
…す
、ぁう。」

すいぎむ
、まもれよ…!」


「ぁと、…あと!」
ずちゃん
のこと、お
ねが
い、な」


(-259) 榛 2022/07/14(Thu) 14:44:07

【秘】 甚六 カナイ → 奔放 クリス

慌ただしく、言葉を重ねて。
さいごにぎゅっと、きみの手を握ってから。

  
「元気でな、そぉま」


廊下の奥に駆けていった。
(-260) 榛 2022/07/14(Thu) 14:45:36

【墓】 電灯 カナイ

暗い暗い夜のすきま、
どこかの、何かの、誰かのあわい。

ぱたぱたきぃきぃ足音と木の軋む音を響かせながら、
彼を背にして廊下を走って、角を曲がって、

えぁ」


なにかに蹴躓いたらしきいつもの声が。
暗い廊下に小さく響いて、


(+17) 榛 2022/07/14(Thu) 15:48:46

【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリス


「そぉま」


「ぼくもさ」

「きみくらい賢かったら、
 呆れた顔とかさせなかったんかな」

「がっかりもさせなかったかな」

「ねーちゃんのくせに、
 悲しませたり、しなかったよな」

「あの子のことも、わかってやれたんだろな」
 
(-263) 榛 2022/07/14(Thu) 15:52:45
カナイは、ちかちか、
(c13) 榛 2022/07/14(Thu) 15:52:58

【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリス

けどな、

きみと話してると、ぼくは いつのまにか、

ぼくが馬鹿でどうしようもないやつだったことを
いつもちょっとだけ、忘れてて、


それって なんだか、


なんだか とても
(-264) 榛 2022/07/14(Thu) 15:54:46
カナイは、ちか、
(c14) 榛 2022/07/14(Thu) 15:55:03

カナイは、
 
(c15) 榛 2022/07/14(Thu) 15:57:50

【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリス


「ほんとは ほんとは、な。」

「ぼくも……きみ みたいに。
 やりたいこと、胸張ってやれる 」
 
(-265) 榛 2022/07/14(Thu) 15:58:29

【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリス

  


「かっこいいやつに

 
(-266) 榛 2022/07/14(Thu) 15:59:17

【秘】 明滅 カナイ → 奔放 クリス


 
(-267) 榛 2022/07/14(Thu) 16:00:39
カナイは、電池の切れたマグライト一つだけが、転がっていた。
(c16) 榛 2022/07/14(Thu) 16:01:03

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「僕は賢くなんてない」

「ただ、知りたいことを」
「ただわかりたいことを」

「ただ、そうあろうと……」



「きみだって、出来たはずなんだ」


「きみだからこそ、出来たことはいくらでもあったはずだ」

「勝手に諦めて、押し付けていくな、馬鹿が」
(-287) chizuaquarii 2022/07/14(Thu) 20:58:20

【秘】 奔放 クリス → 甚六 カナイ

「僕は、」


「僕だって、何かを出来ればいいと思っているんだ」



その声は、幻だったのか。
いいや、きっと違う。
きっと違うと信じて見せれば、違うのだ。

だから、
(-290) chizuaquarii 2022/07/14(Thu) 20:59:38
 




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