人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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視点:


【人】 世界の中心 アーサー


[ 黄薔薇のような女性が良い、と、
  珍しくも、主人が語ったことがあった。

  ──嫉妬深いおひとと?

  口遊びに聞き返した執事は、
  送りつけられた肖像画に鏤められた紅薔薇の意匠に
  “何処の”令嬢の其れであるかを直ぐに察し、
  何も言わずに、瞳を伏せていた。

  ──薔薇は、好きだが。
  ──毒々しいまでの深紅はな。

     返事もなく、唯肖像画を脇に置いたその人に、
     内心の苦笑ばかりを隠し、
     空のカップに 紅茶を 足した。*]
 
(22) is0716 2020/05/18(Mon) 15:36:37

【人】 世界の中心 アーサー



  金を持つものがえらいなら、
  王様より彼の方がえらいな。

 
(23) is0716 2020/05/18(Mon) 15:37:12

【人】 世界の中心 アーサー


[ 此方はずぅっと恨みのある言い方だった。
  きっと彼女の発言には、己も含まれると言うのに。

  一括りの、“えらいひと”。
  ──その中にも、どうしても序列がある。
  金のない貴族だって、往々にしているものだ。
 
  舞踏会の主催は、相当に資産家だった。
  国への“徳”を積んでいて、この舞踏会も
  王室庭園の小宮で行われるのだとか…… ]
 
(24) is0716 2020/05/18(Mon) 15:37:41

【人】 世界の中心 アーサー



[ 王室庭園にのみ咲く薔薇には興味がある。
  …魅力など、そのくらいだ。 ]

 
(25) is0716 2020/05/18(Mon) 15:38:05

【人】 世界の中心 アーサー



  なんだって手に入る、という顔をしているのが仕事さ。
  …貴族 とかいうのは。 僕も含めてね。

 
(26) is0716 2020/05/18(Mon) 15:38:40

【人】 世界の中心 アーサー


[ 食事にしても、衣服にしても
  “相場”を下げるわけにいかない事情がある。
  見栄とも違う。“そう”でなくてはいけない。

  パンがないなら其処らの草を、とは行かない世界だ。

  銀先が文字らしきものを辿るのを見ていた。
  …文字を教えようと思ったこともあったはずだけれど、
  それから随分経ってしまった。]
 
(27) is0716 2020/05/18(Mon) 15:39:14

【人】 世界の中心 アーサー



  ミア用の手帖だからね。
  君が書いたって良いんだよ。
  絵だって、 唯、線の塊だってね。

 
(28) is0716 2020/05/18(Mon) 15:39:39

【人】 世界の中心 アーサー


[ 別段、勉強“させよう”という意志はなかった。
  何を書く、なんて決めた手帖ではなくて
  ──それこそ、痕跡を 残したいが為の。

  生き足掻いた印なんて碌なものではないが。
  恨み辛みを詰め込んだ手記に限って、
  後世本にされたりするのだ。

  銀色の軌跡に、わらっていた。
  きっと水を浴びた時の、苦笑に近く、]
 
(29) is0716 2020/05/18(Mon) 15:40:03

【人】 世界の中心 アーサー



  ──髪切ってあげようか?


      [ 結局この男が切るわけではないが。**]
 
(30) is0716 2020/05/18(Mon) 15:40:19

【独】 世界の中心 アーサー

/*
オールドリッチ庭園
アギングハム公爵

名前は決まっているシリーズ

国王はバートランド王
王妃セレスト妃
(-15) is0716 2020/05/18(Mon) 17:13:48

【人】 世界の中心 アーサー



   ( 獣の吠えそな、まあるい月の もと。 )

 
(88) is0716 2020/05/18(Mon) 23:44:44

【教】 世界の中心 アーサー


[ ──人の味を知った獣は、そればかりを食すというが
  毎夜 例えば 見知らぬ誰かの喉元に牙を立て、
  味も知らないというのに“美味い”と想うのならば

  最早獣に近しいと言っても、過言では無い。

  大体、誰とも知らない被害者の瞳は胡桃色で、
  光の無い眼に映る顔を見ている。]
 
(/2) is0716 2020/05/18(Mon) 23:45:35

【教】 世界の中心 アーサー



     ──今日も、 僕ではなかった。

 
(/3) is0716 2020/05/18(Mon) 23:46:10

【教】 世界の中心 アーサー



[ いつか、“見知った”顔を夢幻に観たとき、
  きっと映るものは薔薇色の瞳を見開いた 獣なのだろう。]

 
(/4) is0716 2020/05/18(Mon) 23:46:52

【教】 世界の中心 アーサー



      ( 枕元の日記には、
          濃いインクで一行。>>/3 )

 
(/5) is0716 2020/05/18(Mon) 23:48:45

【人】 世界の中心 アーサー


[ 珍しく、月明かりのうちに覚醒していた。

  ──カーテンの隙間だ。
  真白を醒めた蒼に染める月光が 真っ直ぐ、
  色の抜けたよなかんばせを指し示している。 ]
 
(91) is0716 2020/05/18(Mon) 23:49:20

【人】 世界の中心 アーサー

 

 (  ──罪深い顔貌だ。  )

 
(92) is0716 2020/05/18(Mon) 23:50:06

【人】 世界の中心 アーサー


[ 心の奥で茶化している。
  慣れと言えば、そういったものだろう。
  手を替えようが 人を替えようが、
  目が覚めるのは決まって、“自分”の顔を覚えた頃。
 
  ──光景を、味わい尽くした頃だ。

  きっと、“リドル”はとっくにおかしい。
  時折 真面目にそう思う。 ]
 
(94) is0716 2020/05/18(Mon) 23:50:58

【人】 世界の中心 アーサー


[ 足を滑らせ両脚を地につけると、大きな姿見がある。
  起きて先ず、“美貌”に酔う為。

    ──と 言うことにしてある。

  ベッド横のテーブルには、水瓶と硝子杯。
  …少ないか。 不寝番にでも頼もうか。
  燭台に灯りをつけ、真白の海を 降り立った。]
 
(96) is0716 2020/05/18(Mon) 23:51:32

【人】 世界の中心 アーサー


[ ──ので、 扉の前で鉢合わせたのは、
  きっと明月の思し召し。]


  …おや、“おはよう”。

  忘れ物かい?
  …いや、君に限って“もの”は忘れないだろうね。
  
  
(97) is0716 2020/05/18(Mon) 23:52:04

【人】 世界の中心 アーサー


[ 燭台と、水瓶に3分の1ほどの薔薇水。
  用向きの分かる出で立ちで、
     “昼”と変わらぬかんばせを、
     わらうように 解し、]


       ( 火は 明るく、温度を持っている。  
         白肌を誤魔化すには充分だろう。 )


(98) is0716 2020/05/18(Mon) 23:53:59

【人】 世界の中心 アーサー



  食事が足りなかったか、
        部屋着が小さかった?


  それとも──… 悪い夢でも見たのかな。


                  **
(99) is0716 2020/05/18(Mon) 23:54:35
世界の中心 アーサーは、メモを貼った。
(a14) is0716 2020/05/19(Tue) 0:33:30

【人】 世界の中心 アーサー


[ ──薔薇色は、僅か下を 眺めていた。

  “噛みつきやすそう”な 細い首。
  締める気も、 不器用に断つ気もないが
  知らないはずの欲求ばかり有る。]
  
(151) is0716 2020/05/19(Tue) 16:02:43

【人】 世界の中心 アーサー



 ( 夢から醒めて 暫くは、
         ───、水を飲まないといけない。)
 
 
(152) is0716 2020/05/19(Tue) 16:03:35

【人】 世界の中心 アーサー


[ 比べて華奢な、“使い込まれた”指先が、
  抱えた水瓶を示すから、
  成る程、水の不足だったかと そのまま手渡した。

  ──そりゃあ、わかりやすい姫様のこと、
      何かしらの“核心”に触れたことぐらいは、
  日に照らしても未だ白いよな肌色に、
  覚えだって 有れど、

  全く人のことは言えないから。]
 
(153) is0716 2020/05/19(Tue) 16:04:15

【人】 世界の中心 アーサー



  新しい水を足さなくて良いのかい?
  折角なら冷たい方がいい。
  目も 頭も冴える。

  ──もしくは、ホットミルクでも良いけれどね。
  今度こそ“夢も見ない”うちに眠れるかもしれない。

 
(154) is0716 2020/05/19(Tue) 16:04:39

【人】 世界の中心 アーサー


[ 湿り気の無い咥内を、無理に回している。
  彼女が“声を上げない”から、──というわけでなく
  忘れようとするかのよに、 昼よりも遥かに五月蝿い。

  元より良く喋る男では有るけれど、
   ( …それだって知るものは少ない。 )
  それにしても無駄の多い口だ。
  笑みの形にしか解れなかったかんばせを、
  剥がす ように。]
 
(155) is0716 2020/05/19(Tue) 16:05:09

【人】 世界の中心 アーサー



  後で君の部屋に届けても良いけれど…
  僕は暫く寝付けそうにないのだよな。

 
(156) is0716 2020/05/19(Tue) 16:05:30

【人】 世界の中心 アーサー


[ 巻き込もうという魂胆ではあったけれど
  こう言った“誘い”に、彼女が乗ったことがあったろうか。
  どうにも懲りない というよりは 飽きない。

  燭台を廊下の向こうにふわりと浮かすと、
  どうやら話声に気がついたらしい。
  人影の寄るのも見えた。]
 
(157) is0716 2020/05/19(Tue) 16:06:24

【人】 世界の中心 アーサー

 

  満月の下の薔薇も、うつくしいのだろうね。


  [ 屋敷の中庭に、真紅の薔薇ばかりの咲く、
    “ちいさな”ガゼボがある。
    きっと喩えひとりでも、
    暫くはホットミルク片手に 
          月を見上げるだろう。**]
 
(158) is0716 2020/05/19(Tue) 16:07:08

【秘】 ミア → 世界の中心 アーサー




             怖いの?


 
(-51) mayam 2020/05/19(Tue) 19:59:07

【人】 世界の中心 アーサー



 ( 死にたくない、と 喚いた夜。 )

 
(182) is0716 2020/05/19(Tue) 21:38:23

【人】 世界の中心 アーサー


[ きっと紙幣を散らそうと、
  金を遠くへ投げようと、
  薔薇の血の通う限り 逃れられない牙だった。

  ──今此処に生きているのだって、
        唯、奇跡のようなもの。

  …あの夜の夢も、大概酷かった。
  背中に残る傷を背負い、獣の唸りを耳元に聞く。
  そりゃあ良い夢なんか見られようはずも無い。]
 
(183) is0716 2020/05/19(Tue) 21:40:09

【人】 世界の中心 アーサー



       [ ──これからも ずっと、]

 
(184) is0716 2020/05/19(Tue) 21:40:46

【秘】 世界の中心 アーサー → ミア

 

      …内緒だよ?

 
(-52) is0716 2020/05/19(Tue) 21:41:42

【教】 世界の中心 アーサー



       [ 数歩後ろに付く君に。]

 
(/9) is0716 2020/05/19(Tue) 21:42:18

【人】 世界の中心 アーサー


[ 薔薇ばかりの咲き誇る、中庭。
  外からは見えないし、滅多に邪魔の入らない、
  男にとっては、第二の私室のようであった。

  散りばめられたベンチにも、座るのなぞひとりくらいで
  中央に座すガゼボには、ラタンの家具が詰め込まれ…
  “第一”の私室に比べて、だいぶごちゃごちゃしていた。
  本棚のラインナップも、
  随分と“大衆向け”に変わっていた。]
 
(185) is0716 2020/05/19(Tue) 21:43:20

【人】 世界の中心 アーサー



  ( ほとんど客を通すことのない、
    そういった部屋だ。

    良く知る執事も、ホットミルクを置いて
    直ぐ、何も言わずに消えている。 )

 
(186) is0716 2020/05/19(Tue) 21:44:03

【人】 世界の中心 アーサー



  ふふ、 彼らももう諦めているよ。 
  君を“連れ込む”のも、僕が外に出ないのも。

  それとも、もっと好待遇が良いのかい?

 
(187) is0716 2020/05/19(Tue) 21:44:25

【人】 世界の中心 アーサー


[ ──先ずはドレスを着るところからだな。

  ソファに沈み込みながら、マグに口を付ける。
  微かにブランデーの香り。
  アルコールなんかとうに飛んでいるけれど、
  温かさに解れた舌はさらりと 悪態を受け流していた。

  見上げれば、まあるい月。
  燭台の明かりなど、必要もないかもしれない。
  すこぅしずつ、 頬にも色が差していた。]
 
(188) is0716 2020/05/19(Tue) 21:45:27

【人】 世界の中心 アーサー



  ──香りが良いだろう?
  特に紅はいい。 僕の色だ。

  元々百合園だったのだがね、僕は好かなかったんだ。
  息苦しいような気がして──

 
(189) is0716 2020/05/19(Tue) 21:45:49

【人】 世界の中心 アーサー


[ “リドル”の家の証は、百合であった。
  二十年前、前“リドル”が死んだ時まで、
  薔薇の咲き誇る屋敷になったのは、つい最近のこと。

  ──知らない、というのが、
         心地良いときだって ある。

  外に出ない以上、新しい景色を見ることもない
  そんな男にとって 目の前の彼女は、


        ──確かに、目であるのだろう。
        碧の、 未来以外を映す、 ]
 
(190) is0716 2020/05/19(Tue) 21:46:32

【人】 世界の中心 アーサー



  この薔薇は食用だよ。
  パンの代わりに薔薇を食べるのだって良い。


  [ ──大して腹には貯まらないけれど。
    そうわらいつつ。
    窓を薄く開け、いくつか花弁を手折ったなら、
    硝子と、マグにひとひらずつ、香りを足すように。]
 
(191) is0716 2020/05/19(Tue) 21:47:20

【人】 世界の中心 アーサー


[ 花弁を喰んだくちびるは、
  薔薇色を塗るには向かないようだ。
  ドレスも、 なにも。
  服だけでなく靴だって不自由だというから、
  拷問というのも強ち間違いではないのかも知れない。

   ──嗚呼、それこそ、 黄薔薇が良いか。

  白には紅が映えすぎる。]
 
(260) is0716 2020/05/20(Wed) 11:21:29

【人】 世界の中心 アーサー


[ ぬるりとした陶器の白。
  冷め始めた水面は薄く張った膜が波打っていた。
  ──花弁は、乗っているだけに見える。
 
  口をつけると乳膜が付いてくるから、
  赤いばかりの舌が唇を這った。

  薄く、色味のないくちびるだ。
  これだって 滅多に彩られることないもの。]
 
(261) is0716 2020/05/20(Wed) 11:22:22

【人】 世界の中心 アーサー



  ──ふふ。
  さすがの僕も“読み聞かせ”ははじめてだな。

 
(262) is0716 2020/05/20(Wed) 11:22:47

【人】 世界の中心 アーサー


[ 手渡された薔薇の背表紙は、童話集であった。
  薔薇の話ばかりを詰めたものだと言うので、
  古書を持ち込んだ行商より買い求めたもの。
  実は、完全に“積み本”だ。

  ──話は、そう難しくないが、
    古書ならではの読みにくさがある。

  数頁をめくった後、ひとつで手を止めた。]
 
(263) is0716 2020/05/20(Wed) 11:23:09

【人】 世界の中心 アーサー



       ──世界一うつくしい薔薇の話。

 
(264) is0716 2020/05/20(Wed) 11:23:33

【教】 世界の中心 アーサー



   むかしむかし、とってもえらい男がおりました。
   男は世界一うつくしいと言われる薔薇園と、
   世界一うつくしい妻と、 
   世界一うつくしい娘を持っていました。
   彼はとても幸せでした。
   世界一うつくしい日々を送っていたのです。


    ────……

 
(/11) is0716 2020/05/20(Wed) 11:23:59

【人】 世界の中心 アーサー


[ 男は、低い声をしている。
  こどもに聞かせるよな、優しい声ではなかったろう。
  遠回しに読めと言い出した彼女にむけての、
  届けるよな語りでもなく──
          まるで 己を語るかのような、]
 
(265) is0716 2020/05/20(Wed) 11:24:31

【教】 世界の中心 アーサー



   ある日、彼の妻が重い病気にかかってしまいました。
   お医者様を3人呼びましたが、3人とも、
   彼の妻を助けることはできませんでした。
   彼は悲嘆に暮れました。
   毎日、薔薇園の真ん中で泣いてばかりです。

   流れる涙はやがてちぃさな池になりました。
   ちぃさな池には蝶々が集まって、
   彼の悲しみを聞いておりました。

   「ひとつだけ、おくさまを助ける方法があります。」

   そう話しかけたのは、
   ぼろぼろの羽をした、
   今にも堕ちてしまいそうな蝶々でした。


    ────……
   
 
(/12) is0716 2020/05/20(Wed) 11:25:22

【人】 世界の中心 アーサー


[ 挿絵を向ける。
  うつくしい庭園に、蝶々の絵。
  今、満月に照らされたこの中庭に、
  何処となく 似ている。]

 
  この話が一番好きなんだよ。
  ──結末は童話らしい教訓なのだけどね。
  “金で買えない大事なもの”っていう…

  僕には今のところ、この話でしか身近でないけれど。

 
(266) is0716 2020/05/20(Wed) 11:26:09

【人】 世界の中心 アーサー


[ ──自分で読むかい?

     揶揄する響きは 無い。
     “読み聞かせ”に飽きただけの話だ。

         …おそらく。 **]
 
(267) is0716 2020/05/20(Wed) 11:28:22

【独】 世界の中心 アーサー

/*
アンデルセン童話に世界一うつくしいばらっていうのがあるけど
ままではない

時間かかってしまった…すまない…
(-72) is0716 2020/05/20(Wed) 11:30:25

【教】 世界の中心 アーサー



  ──才能があるんじゃないかい?

 
(/18) is0716 2020/05/20(Wed) 21:56:31

【人】 世界の中心 アーサー



      [ そう、揶揄する響きなんて なくて。
        本をそのまま預けたのだって、
        そういうことだ。*]

 
(306) is0716 2020/05/20(Wed) 21:57:41

【人】 世界の中心 アーサー




        *


[ そりゃあもう、不機嫌を貼り付けている。
  “捕まってしまった”というバツの悪さなんてない。
  だって此方は悪くないもの!]
 
(307) is0716 2020/05/20(Wed) 21:58:37

【人】 世界の中心 アーサー


[ 割合、屋敷の中であれば、男は温厚で、
  怒ることだって、不機嫌を露わにすることだって
  ほとんどないのだ。 珍しいと言える。
  貼り付けた笑みも、今回ばかりは剥がれ落ちている。

  随分と“御行儀の良い”おひめさまだった。
  ──折角おとうさまが直々に招待したのに!
  まあ、要約すればそう言った文脈だった。
  知らん。 誠に遺憾である。
  そんな態度を欠片も隠しもしない主人に、
  物腰穏やかな執事も諦感を滲ませている。]
 
(308) is0716 2020/05/20(Wed) 21:59:24

【人】 世界の中心 アーサー



  それで今日は何を?


  [ ──文句を言いにいらしたので?
    冷え切った問いかけは、どうやら油だったらしい。]
 
(309) is0716 2020/05/20(Wed) 22:00:04

【人】 世界の中心 アーサー


[ 部屋に戻ってきた頃には、脚がふらつく思いであった。
  キィンとした耳鳴りが未だ抜けない。
  耳が遠いような気もしている。

  後ろ手にゆっくりと扉を閉め、
       すぅ…と 音のするほど息を吸い、 ]
 
(311) is0716 2020/05/20(Wed) 22:01:15

【人】 世界の中心 アーサー



  これだから“きぞくさま”は!


[ …部屋に人がいるかも、全く確認せず、
  扉を閉じた瞬間に恨み言だけを吐いた!
  全てが忌々しいって顔だ。
  鼻につく香水の匂いも、天気がいいことさえも!

  曇った薔薇色が、 ようやっと私室を映した時、]
 
(313) is0716 2020/05/20(Wed) 22:01:59

【人】 世界の中心 アーサー



    ──…おっと、 失礼。
        全くうつくしすぎるのも問題だよ。


[ 執務机の卓上ミラーを覗き込み、表情の微調整。
  すこぅし経てばいつも通り、
    ──それでも何処か疲れたよな、 薄い笑み。]
 
(316) is0716 2020/05/20(Wed) 22:03:25

【人】 世界の中心 アーサー


[ 男にとって、この屋敷は自分好みに出来ている
  そりゃあ面倒くさい書類は有れど──
  いざやり始めれば仕事と割り切れる。

  使用人も、 家具も、 花も何もかも、
  すべて思い通りの箱庭。

  だからこそ、だろうか。
  イレギュラーな“好まないもの”にとても弱い。
  “匂い”を持ち込まれるなど、以ての外であった。
  薔薇と 紅茶、 時折ミルクがあれば良い。]
    
(365) is0716 2020/05/21(Thu) 0:33:11

【人】 世界の中心 アーサー



 ( 通常、来客がないわけではないが、
   必ず先に連絡があるし、此方も準備をしている。
   ──礼儀知らずは嫌いだ。
 
   今日の日記には罵詈雑言が並べられるに違いない。)

 
(366) is0716 2020/05/21(Thu) 0:34:12

【人】 世界の中心 アーサー


[ これでも、見知った顔を切欠に、
  怒りの優先度はだいぶ下がっちゃいたのだ。
  それよりはずっと、疲れていた。
  どうにも引きこもりなので、人と会うと体力を使う。
  おんな相手だと尚更だ。 

  真白の上に足を揃えたその姿は、
  どうやら“他人”とも、“おんな”とも
  呼ばないものであるらしいが──……]
 
(367) is0716 2020/05/21(Thu) 0:34:51

【人】 世界の中心 アーサー



  昼寝か、悪くないね。
  ベッドに寝ちゃうと“寝過ぎる”し…

 
(368) is0716 2020/05/21(Thu) 0:35:17

【人】 世界の中心 アーサー



              ──……顔?

 
(369) is0716 2020/05/21(Thu) 0:35:43

【人】 世界の中心 アーサー


[ 見上げるよな、 伺う視線に、
  男は心底不思議そうに、ぽつんと 呟いた。
  卓上の鏡に映るのは、すこぅし白いくらいの、
  “いつも”の 美貌──と 思っている。

  自分の何が違うのか、よく分かっていない。
  もにもにと頬を揉み回す動きさえ見せていた。]
  
(370) is0716 2020/05/21(Thu) 0:36:43

【人】 世界の中心 アーサー



  ( ──己のことは、好きだ。
     寧ろ、何よりも優先している。
     …その 割に“微差”を察し難い節はあるが 
     “何の”──  
“だれ”
の せいか、 )

 
 
(371) is0716 2020/05/21(Thu) 0:37:24

【人】 世界の中心 アーサー



  …またブランデーが必要かな…


[ 特に否定はしなかった。
  疲れていることは確かだし、
  “においけし”が必要なのも、確かだ。

         差された先、ソファに沈みつつ、
         手近な窓を 薄く開けた。**]
 
(372) is0716 2020/05/21(Thu) 0:38:16
 




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