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【人】 焔の魔術師 ベアトリス ーー大切な人がいた。 かつての私は、二人で 生き抜くことだけを目的とし、 世間と闘ってきた。 しかし、その名も姿も 遠い幻と化している。 まるで猥雑なノイズに 押し潰された音色のように。 残るのはただ、思い出と 成り果てた光景のみ。 (3) CClemon 2023/10/12(Thu) 9:04:45 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスーードローイグ帝国。 隣国のミュジーク王国と共に、どちらも魔術による栄華を誇ってはいるが、その発展の仕方は対象的であった。 かつて偉大なる一人の天才画家がドローイグ帝国には存在した。 彼が描く色彩鮮やかな精霊の姿は生々しく、ついに実体を宿すまでとなりーー精霊の力を借りて人々は魔術を使えるようになったのだ。 勿論、住民の誰もがその才を得ていた訳ではない。 魔術が生活を支えるほどになったのは、天才画家のような秘めた才が見出だされ、宮廷にて育成されるようになってからだ。 ここに一人。貧しい家庭に産まれながらその手に力を宿す者がいる。 ベアトリス・カヤック。 類稀なき才に溢れる彼女は、今や宮廷魔術師として名を馳せている。 そんな彼女に下った命はーー。 (4) CClemon 2023/10/12(Thu) 9:05:35 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスーー肌寒い。 職員室の窓が空いている事に気付いた熊切華夜は、ガーディアンを羽織直しながら身を震わせる。 一体秋はどこに行ったのだ。 先日まで暑くて寝苦しい位の気候だったのに、空気がこんなにも冷えているとは。 急速に過ぎ去ってしまった秋に感傷を覚えたところでどうなるものではない。 華夜は溜め息をついて窓を閉めた。 そして、同室にいる教師に声を掛ける。 「有馬先生、教室に残っている生徒が いないか確認をお願い出来ます? 私は音楽室や美術室などを 見てきます。」 緩やかな笑みを浮かべて背の高い相手に目線を向けた。** (5) CClemon 2023/10/12(Thu) 9:06:56 |
焔の魔術師 ベアトリスは、メモを貼った。 (a2) CClemon 2023/10/12(Thu) 9:08:16 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ ーー大切な人がいた。 かつての俺は、その人を 護ることだけを使命とし、 生きてきたはずなのだ。 しかし、その名も姿も 脳裏に描くことが出来ない。 まるで絵具に塗り潰された 絵画のように。 残るのはただ、小鳥の 囀りのような旋律のみ。 (6) CDlemon 2023/10/12(Thu) 9:13:30 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュコートを羽織ってくるべきだった。 もう10月半ばである。いつまでも夏が長引いていたからとて。 学校の職員寮が徒歩数分の場所にあるからとて。 有馬譲は迂闊であったと言わざるを得ない。 室内に漂う冷気に舌打ちをしたのが聴こえてしまったのだろうか。 同僚の教師から声を掛けられた。 「見回りですね。 はい、わかりました。」 担任クラスを含む一年生のフロアは、仕事を終える前に自分が見て回るつもりだったので特に不満はない。 本来三年のフロアは彼女が担当してくれても良いと思うが、美術教師である華夜は何か美術室についでの用事でもあるのかもしれないから。 「それでは行ってきます。」 職員室を後にする。人気のない廊下に差している日光はもう弱い。急がないとあっという間に陽が暮れてしまうだろう。 グレーの背広の肩をいからせ、譲は教室の扉を開けた。 誰か生徒の姿はまだあるだろうか。* (7) CDlemon 2023/10/12(Thu) 9:16:06 |
水の魔騎士 ユスターシュは、メモを貼った。 (a3) CDlemon 2023/10/12(Thu) 9:16:40 |
【人】 爽快ブラスト チアキ ──大切な人がいた。 かつての私は、貴方に護られることを 当たり前の幸せとして享受してきた。 貴方と共にあり、護られながら生きて いつしか姉上様や兄上様達を支えて 共にミュジークの貴族として生きていく。 でも貴方は今、私の元から消え去り その行方を知ることもできない。 残るのはただ、愛しい貴方へ 焦がれ続ける眼差しの色だけ。 (8) もくもく 2023/10/12(Thu) 13:58:41 |
【人】 爽快ブラスト チアキ──サアヤが消えた。 彼女が何日か本拠地に帰らないことはままある事だった。 でも、それでも連絡は取れていたし、昼の学校のどこかで落ち合うことはできていたのに。 彼女が連絡なしに消えてしまうなんて、あり得ない。 その意見はリッコとも同じで、私は三人が揃って活動しやすいと言う理由で選んだ軽音部のバンド練習にも参加せず、放課後の校舎内を歩いていた。 「…なにか危ない目にあってないと良いのだけど。」 いるはずの人が消えてしまう事。 もう二度と会えなくなるような気がして、一人呟いて不安で堪らなくなる。 そんな中なら二人で行動した方が良いのだろうけど…。 少し、思うところがあって、リッコーリスとは別行動をとってしまっていた。 微かに頬が赤く染まる。 想いを受け取ることは幾度となくあった。 王女として、臣下の忠誠を受け取ることも。 けれど、先日のリッコーリスのそれはまるで…。 (9) もくもく 2023/10/12(Thu) 13:59:08 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「…私には、彼の方が…。」 それを知っているはずなのに。 熱い眼差しで抱きしめられ、キスをせがまれた事を思い出す。 恥ずかしくて、申し訳なくて。 私は一年の教室で、サアヤの姿を探しながら窓際で小さくため息をついた。** (10) もくもく 2023/10/12(Thu) 13:59:27 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシューー放課後/1年の教室ーー 部活動にて学校に居残るのを許される時間もそろそろ終わり。 生徒たちはほとんどが帰宅の路に着いているはずだ。 教室の窓際に佇む彼女の姿を見つけた譲は怪訝そうに眉を潜める。 「ーー姫宮さん」 姫宮千秋は、譲が担任を勤める1-1の生徒だ。 前担任が腰痛悪化の為に入院したのが1ヶ月前、そこから引き継ぐ形になった。 まだ短い期間ではあり、譲は彼女をよく知っているとは言えない。 しかし普段、こんな物憂げな雰囲気を醸し出す生徒ではなかったような。 遅くまで学校に残っている理由はなんだろう。 何か悩みでもあるのだろうか。 ーー譲にとっては教師は、仮初めの姿だ。 しかし場に溶け込まず不自然な振る舞いをすれば正体や目的が露呈する可能性がある。 だから譲は本物の教師として、生徒たちに接している。 今譲の胸に去来しているのは、一人の生徒への純粋な心配であった。 (11) CDlemon 2023/10/12(Thu) 16:40:09 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュゆっくり歩みを進め、彼女に近付く。 教師とはいえ此方は男性だ。 近付きすぎない距離で立ち止まると彼女に柔らかな声で語り掛けた。 「なんだか急に冷えるように なりましたね。 こんな季節を冬隣、と言います。 秋が終わりを告げ、冬が すぐそこまで来ている、という意味です。 ーー寒くないですか?窓際。」 何故残っているのか?などをすぐ問い質すのは避ける。 彼女の部活は確か軽音楽部だったか。 しかしその活動のせいで遅くなったようでもなさそうだ。そうならば部活メンバーと一緒に居ても良かろうに。 窓の外、空は刻々濃い闇が広がっついく。* (12) CDlemon 2023/10/12(Thu) 16:43:51 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス見回りを譲に任せると、華夜は職員室から美術室へと向かった。 ヒールの踵で床を軽く叩きながら廊下を進み、三階の一番端にある部屋へ。 美術部員たちは全員帰宅している。 華夜が目指すのは美術室の奥にある倉庫だ。 ポケットから取り出した鍵を使い扉を開くと、キャンバスやらの画材が雑然と並ぶ中を奥に向かう。 移動しながら華夜は片手を軽く挙げ、本来の姿へと変身を遂げた。 熊切華夜から、ベアトリス・カヤックへと。 (13) CClemon 2023/10/12(Thu) 16:56:30 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス「仔猫ちゃん、待たせたわね。」 掃除用の縦長ロッカーにも鍵はかかっている。 華夜が中を確かめるとそこにはーー猿轡を噛まされ、両腕を胴体後ろに縛られ、足首も拘束された少女の姿があった。 「さあ、今日こそ 仲間の居場所と正体、 そしてあなたたちが知る限りの 宝石の情報を吐いて貰うわよ。 ーー良いかしら?」 不敵な笑みを浮かべるベアトリスに少女はどんな顔をするだろうかーー。** (14) CClemon 2023/10/12(Thu) 16:57:38 |
【人】 純真アンサンブル リッコ ──大切な人がいた。 かつての私は、その方に仕えて 支え、護り、命を捧げられる事を 無上の喜びとしていたはずだった。 貴女の為に。貴女と共に。 闘えることは他の誰かにできないから。 けれどただ至上の主人を得た喜びは ひどく形を歪ませ色を変えてしまった。 欲という名の絵の具を塗り付け 変えられてしまった壁画のように。 残るのはただ、主人のために 焦がれ耐え続ける魂だけ。 (15) mokumoku 2023/10/12(Thu) 19:39:41 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「…はあ。」 私、何やってんだろ。 チアキローズ様が行方知らずとなった婚約者様のことを未だ恋慕っているのは知っている。 そもそも身分違いの恋。 それも同性同士であるというのに。 婚約者様だけならばまだしも、仲間となったサアヤまでこの数日行方が知れず連絡が取れないでいる。 だからこそ、チアキローズ様はそれを憂えていた。 不安を抱いていた。 それを解消して欲しくて優しく抱きしめた。 柔らかくて、良い香りがして、──キス、したくなって。 あの時困惑した音を伴って名前を呼んでくれなかったら、そのまま唇を重ねていたかも知れない。 想いを、遂げてしまっていたかも知れない。 それでも何もなかったかのように振る舞ってくれるチアキローズ様に感謝半分、寂しさ半分。 (16) mokumoku 2023/10/12(Thu) 19:40:03 |
【人】 純真アンサンブル リッコ──やはりこの想いは届かないのだと思う。 私は、彼の人の心を奪ったままのアイツが憎い。 けれども。 今は、それどころではないのだ。 サアヤ。 彼女は任務中、どこに消えた? (17) mokumoku 2023/10/12(Thu) 19:40:23 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「…。」 屋上にて目を閉じる。 姿を戦士の姿へと変え、弦をピィン…と静かに弾いた。 反応はあるだろうか。あるとしたなら、どこに? 目を閉じたまま音波の行方を事細かに感じ取ろうとしていた。* (18) mokumoku 2023/10/12(Thu) 19:40:51 |
新世界への案内人(村建て人)>>14サアヤは囚われの身となっていた。 生徒しての姿ではなく、虹色カンタビレサアヤの姿として捉えられていたのが不幸中の幸い。 まさか敵もこの学園に身を潜めていることに気づいた矢先、捉えられてしまうとは思わなかったが。 ロッカーの中に閉じ込められていたので身体がこわばってしまっている。 まだ意思の力は健在だ。戦う意思はある。それでも。 もじ…と膝を擦り合わせてしまうのだ。 相手をキツく睨みつけるものの、顔があからんでいるのは怒りからだけではない。 そんな中。微かな音波を、それに乗った魔力を感じ取ってしまいぴくりと身体が震えた。 微かなその反応を相手は知ってしまっただろうか。 ぎり、と猿轡を噛み締める。 「ううー!!!」 大きな声を出して音波を掻き消して。 その音の発生源を辿られまいとした。* (#0) 2023/10/12(Thu) 19:41:33 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「…先生。」 私もまた、ここにきてから日は浅い。 先生よりは先にこちらにきていたけれど、だからと言って私が学校に馴染みきっていたわけではなかった。 こちらの世界には魔法はないし、だけど不思議な力はあるし。 常識が違うものだから、"ふしぎちゃん"と揶揄われることが多いのが私だった。 私からしたら、皆さんの方が不思議なのですけどね。 声をかけ、こちらに近づいてくる男性教師に私は窓際にいたまま動かずにいた。 相手は教師だもの。怖がる必要もないし、恐れる事もないわ。安心な人間よね? (19) もくもく 2023/10/12(Thu) 19:58:55 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「冬隣…、素敵な言葉があるんですね。 寒くはないですけれど、確かに最近 冬の足音が聞こえてきたような気がします。 暗くなるのが早いですし、 ずいぶん涼しくもなりましたね。」 そんな世間話に興じようとしていたのは、まさか先生がサアヤの行方を知るだなんて思っていなかったから。 だって先生よ? 安心な人間のはず。 私たちのことに関係がないはずだわ。 だからね。 >>18ほんの微かな魔力の余波を感じても、私はそちらに一瞬視線を向けただけ。 魔力を持たない人間なら気づくはずがないものだもの。 ああ、リッコーリスが探してくれているのね…と無防備に考えていたわ。 音の魔力を扱う相手なら分かってしまうものだし、そうでなくとももし相手が優れた魔力の使い手なら或いは。 でも違うものね。 だから窓から屋上の方をチラリと見て。 すぐに、先生の方へと視線を向ける。 (20) もくもく 2023/10/12(Thu) 19:59:11 |
【人】 爽快ブラスト チアキ「先生、もしかして見回りだったんですか? 私、もう少し探し物したいんですけど…。」 良いかしら?と首を傾げる。 先生はそこそこ背が高くて…見上げるとちょうど、彼の方と同じくらい。 それを意識すると悲しくなるから、彼を少し見つめてすぐに無理に笑顔を作った。* (21) もくもく 2023/10/12(Thu) 19:59:25 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュこの世界には、魔法を扱える者は存在しない。 だから酷く物事は原始的であったりもするが、季節の移り変わりなどは美しいと譲は感じていた。 元の世界であれば焔を扱う魔術師が火を起こし寒さなど消し飛ばす。それは便利であるけれど趣はないのだ。 千秋の言葉に頷きながら、彼女が居残る理由についてどう訊ねるか考える。 と、その時ーー 譲は肌で感じ取った。魔力の波動を。誰が放ったものかまではわからないが、しかし間違いなく、この世界の人間ではないだろう。 眉を寄せる。 彼女はこの世界の人間、魔力を感じ得るはずはない。しかし、何故か彼女も屋上の方を見ていた。 勘が鋭いのだろうか。 そんな様子に気を取られ、譲の返事は一拍遅れる。 (22) CDlemon 2023/10/12(Thu) 21:18:55 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ 「ーーええ、そうです。 探し物ですか?良いですよ。 でも、余り遅くならない ように。」 屋上の様子が気になり、何を探しているのかなど訊ねる余裕はない。 ソワソワしながら、譲は踵を返す。 「私も見回りを続けますね。 姫宮さん、それでは。 また明日。」 クラスの生徒であるから、次に逢うのは明日のHRであろう。 譲は急いで教室を後にする。 歩きながら素早く変身を遂げた。 向かうのは勿論、屋上である。 もし敵であるならーー。 ふと、千秋を戦闘に巻き込んでしまわないだろうかと懸念する。 彼女が早く帰宅してくれることを祈りながら、譲は階段を掛け上がった。* (23) CDlemon 2023/10/12(Thu) 21:19:22 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス仲間が発した音波をかき消そうとしたのだろうか、囚われの魔法少女は唸りながら暴れている。 勿論そんな風にしようと、魔力を込めた縄は簡単にはほどけはしない。 「お仲間が心配してる みたいねえ? 私は別にあなたの命まで 奪いたいわけじゃないの。 宝石さえ手に入れば いいのだから。 ねえ、仔猫ちゃん?」 しゃがみこみ、サアヤの顎をぐいと持ち上げる。 (24) CClemon 2023/10/12(Thu) 21:20:26 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス 「どうしようかなあ… 可愛いあなたで 少し遊びたいのよね?私。」 真っ赤な口紅を塗った唇で猿轡を咥え、引き摺り下ろす。 声を発する前にキスで口を塞いだ。 「屋上に行って もう一匹の仔猫ちゃんも 捕まえてもいいんだけど…。 ね?」 ねっとりした声で耳元に囁く。薔薇のように赤い唇を、そのまま彼女の首筋に這わせた。 暫く遊んでからゆっくり屋上に向かおう。 きっとあの魔力音波を彼も捉えたはずだからーー。* (25) CClemon 2023/10/12(Thu) 21:20:35 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ変身を遂げた譲ーーすなわち、ユスターシュが屋上に到着する。 扉を開け放つと、楽器を手にする髪の長い少女の姿を捉えた。 その背後には虚空が広がっている。 「自分から位置を 教えてくれるとは、親切だな? ついでに宝石の情報も 吐いてくれたら助かるんだが。」 見た目から、先日ユスターシュとベアトリスが捉えた魔法少女の仲間であろうと判断する。 ミュジーク王国の者か。 まだ二人の距離はかなりある。 ユスターシュは戦闘に備え身構えた。* (26) CDlemon 2023/10/12(Thu) 21:22:37 |
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