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【念】 准教授 ジェレミーオルグレンの一族は とある術士の遺した言葉を盲信しているんだ。 ”血族外との交わりを禁じよ ” 他との婚姻がご法度なのは勿論だが 一族外との間に子を成せば 秘密裏に殺される。 抵抗すれば、唯では済まない。 病死、事故死、行方不明。 きな臭い話のほとんどが身内の手に寄るものだと 俺は信じて疑っていない…が、 法を守らせる機関自体に 彼らの息が掛かっているせいで 叩いてホコリを出すこと自体も難しい。 [ふたりの間にある最初の壁。 己の命より大切なヒューと 授かることがあればキミとの間の大切な子を 危険に曝すだろう掟について、語る。] (!0) YA'ABURNEE 2020/02/18(Tue) 17:54:31 |
【念】 准教授 ジェレミー[感情は込めず 淡々と話すつもりだったが どうしても嫌悪感が声音に滲んでしまうから、 は…、と大きく息を吐いて 一呼吸置いてから続きを口にした。] ただ…、 幼い頃から性的に仕込まれ そういうものだと刷り込まれて育つから 連中の大多数は、そのことに疑問すら抱いていない。 ある種の、洗脳だな。 一族同士の掛け合わせで 魔力の高い子孫の輩出に成功している面もあるし 権力を分散させない仕組みにも 確かになっているから 異常に気づきにくいんだろう。 (!1) YA'ABURNEE 2020/02/18(Tue) 18:02:42 |
【念】 准教授 ジェレミー不自然な行為を繰り返した結果 魔力は強まったが 血は煮詰まってドロドロだ。 人の形になりきれないせいか、流産も多い。 突然変異が生まれる頻度も上がって 俺みたいなのも そう珍しくない筈なんだが この目だけは看過できないモノだったらしくてね。 [大学勤めで身を立てられるようになり 最初にしたことは 己にだけ与えられた仕打ちが 一体何なのか、何故なのか探ることだった。 そうして知った事実。] (!2) YA'ABURNEE 2020/02/18(Tue) 23:26:26 |
【念】 准教授 ジェレミー── 28年前 ── [オルグレン家では 子どもが3歳になると 長の元へ挨拶に出向く風習がある。 そこで、ミドルネームを授かり 名実ともに一族の一員として認められるのだが… そこで露見したらしい。 「おや……? この子には何か術が掛けられておるな。 解いてみても構わぬか。」 奇異の目に晒されぬよう 母が施してくれていた偏光の術が解かれ 紅の瞳が露わになった途端 長らはどよめき、血相を変えた。] (!3) YA'ABURNEE 2020/02/19(Wed) 15:16:23 |
【念】 准教授 ジェレミー[ 「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ こ、…これは、 イーヴィルアイ 我らに滅びを呼ぶ… 邪眼 ではないか……!」一族が信奉する例の術士の 禍々しい予見は 直系のみに伝えられ秘匿されていた為 父も母も知らなかった。] (!4) YA'ABURNEE 2020/02/19(Wed) 15:22:42 |
【念】 准教授 ジェレミー[繊細で学者肌の父親と 魔力も気位も高く、情感豊かな母親。 血筋でいうと上の中くらいだろうか。 直系に近い濃い血を受けた いとこ同士で、幼馴染のふたりは 子宝に恵まれることこそ遅かったけれど 羨まれるほど仲睦まじく、幸せに暮らしてきた。 「一族の為に、その子を殺めよ。」 唐突に宣告される、その時までは。] (!5) YA'ABURNEE 2020/02/19(Wed) 19:29:13 |
【念】 准教授 ジェレミー[その後の詳細は…、実は掴みきれていない。 分かっているのは3つ。 父と共にもうひとり 長の警護を担っていた一族の強者が この日、”事故”で亡くなっていることと 邪眼を抉り取った母が 正気を失い、現在も療養という名の 幽閉暮らしをしていること。 それから俺が、 命を奪われることも 一族として認められることも無いままに 本家へ引き取られ 監視の下で育てられたこと、だ。] (!6) YA'ABURNEE 2020/02/19(Wed) 21:48:15 |
【念】 准教授 ジェレミー── 現在 ── [謎のままの顛末を伝えた後は、 10歳の時、 生きることと引き換えに 結ばされた誓約について語った。] 碌に考えもせず結んだゲッシュで 大切な人を、こんなに傷つけてしまうなんて 思ってなかったよ。 本当に馬鹿だな……、 [あの頃の幼い自分に 拒否しろというのは無理難題だと分かっていても 悔やむ気持ちは後から後から沸いてくる。] (!7) YA'ABURNEE 2020/02/19(Wed) 23:17:20 |
【念】 准教授 ジェレミー[…と同時に、 浮かんだ疑問についても 話しておくべきだろうと続ける。 それが、この現状に繋がっている可能性を思えば尚更。] しかし、 ” 破らなければ、問題は起きない。” ” 破れば、俺の命が尽きる。” そう考えて安心していた筈の奴らが もし、この部屋の罠を張ったんだとしたら‥‥ もう20年以上、 我関せずで放置されてきたというのに 急に何故…とは思わないか? [そこで一旦区切り また額がくっつく程に身を寄せて 潜めた声で打ち明ける。] (!8) YA'ABURNEE 2020/02/20(Thu) 6:44:57 |
【念】 准教授 ジェレミー俺が密かに進めている研究が どこからか漏れて、耳に入ったのかもしれない。 器を増強させる研究自体も 彼らには面白くないだろう…とは思うんだが、 あれは、体の内に眠っている能力を呼び覚ますものだ。 伸びしろは、素質に依るところが大きい。 だが、今 開発しようとしているのは 身に着けるだけで魔力量を増やせる代物なんだ。 それが普及して 誰もがアクセサリーのように手軽に 身に着けられる世の中になれば ”血による支配”は、続けられなくなるだろう。 [直接 手を下す訳ではないから ”オルグレン一族への不干渉”という 誓約にも抵触はしない。 だから、止める手立てを行使してきたのではと思えた。] (!9) YA'ABURNEE 2020/02/20(Thu) 6:47:41 |
【念】 准教授 ジェレミー本当は、ヒューの… 魔力炉の暴走を少しでも和らげられないかと 始めた研究なんだ。 溢れて、零れ出てしまう魔力を 受け止める器があれば、楽になるんじゃないかと思って。 世には出さずに ひとり分だけ作るつもりでいた。 オルグレンに楯突くようなことをして 巻き込みたくなかったし、 復讐なんかより ヒューと生きる道を選びたかった。 (!10) YA'ABURNEE 2020/02/20(Thu) 6:50:25 |
【念】 准教授 ジェレミー最初は、”不老不死”の発表に衝撃を受けて 俺にだって、なにか 世の中を変えるようなことが出来るんじゃないかって 彼らの血族支配に物申そうと始めたんだが もう、それすら どうでもいいと思いはじめていたのに……、 ヒューと細やかな幸せを掴むことすら させてもらえないんだな。 [最愛のひとと、温かい家庭を築く。 思い描く幸せの形は、 すぐ手が届きそうなのに叶わない。] (!11) YA'ABURNEE 2020/02/20(Thu) 7:03:42 |
【念】 准教授 ジェレミーこの部屋がオルグレンの罠かどうか 定かではないが 共に居れば、これからも色んな厄介事に巻き込んで 危険に曝してしまうのは確かだ。 俺が身を引いて キースリングの御曹司に委ねたほうが 君を護れるのでは…とも思う。 だが……‥、 (!12) YA'ABURNEE 2020/02/20(Thu) 11:35:27 |
【念】 准教授 ジェレミー俺は、ヒューの傍に居たい。 離れたくない。いつでも一番近くに在りたい。 戦わねば、得られぬと言うなら 全てを 滅 ぼしてでも─── ヒュー、君が欲しい。 [片手で、するりと眼帯を外せば 彼らが畏れる”邪眼”を模した瞳が現れる。 小さな反抗心で 空虚な孔を埋めただけだったが、今は違う。 ありのままで愛された記憶を持たぬ紅は 叛逆の焔を纏おうとしていた。*] (!13) YA'ABURNEE 2020/02/20(Thu) 11:38:47 |
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